チャートパターン(フォーメーション分析)とは|初心者向けに代表的な17種類を解説
チャートパターンとは、トレンドが反転または継続する際に現れる典型的なチャートの形のことです。
テクニカル分析の手法の1つで、「フォーメーション分析」とも呼ばれます。
チャートパターンは「反転型・継続型」の2種類に大別できます。
本記事では、チャートパターンの分類と、代表的な17種類の見方を解説します。
目次
- 1.チャートパターン(フォーメーション分析)とは
- 2.反転型(リバーサルパターン)一覧
- 3.継続型(コンティニュエイションパターン)一覧
- 4.チャートパターン(フォーメーション分析)を活用する際の注意点
- 5.【まとめ】チャートパターン(フォーメーション分析)とは|初心者向けに代表的な17種類を解説
チャートパターン(フォーメーション分析)とは
チャートパターンとは、トレンドが反転または継続する際に現れる特徴的なチャートの形のことです。
「反転型・継続型」の2種類に大別でき、反転型ではトレンドの転換、継続型ではトレンドの継続を予測できます。
チャートパターンは、別名「フォーメーション分析」とも呼ばれるテクニカル分析の1つです。
移動平均線やボリンジャーバンドなどのテクニカル指標は、それらがどう計算され、何を意味するのかについて知っておく必要がある場合が多いです。それに対して、チャートパターンは以下のような線を引くだけで分析できます。
- ・サポートライン
- ・レジスタンスライン
- ・ネックライン
サポートライン付近では買い圧力が強まり、下落が止まる傾向があります。
出典:TradingView
レジスタンスライン付近では売り圧力が強まり、上昇が止まる傾向があります。
出典:TradingView
ダブルトップであれば2つの山の安値水準、ダブルボトムであれば2つの谷の高値水準が該当します。
過去に値動きが止められた経緯があることを意味し、その価格水準を突破することで、その方向に勢いが出ると考えられます。
出典:TradingView
反転型(リバーサルパターン)一覧
反転型のチャートパターン(リバーサルパターン)は、トレンドの転換を示唆します。
主に高値圏・安値圏で発生し、値動きの線が山や谷を描くことが特徴です。
反転型のチャートパターンを一覧にすると、以下の通りです。
- ・【反転型1】 ヘッド&ショルダーズトップ(三尊天井)
- ・【反転型2】 ヘッド&ショルダーズボトム(逆三尊)
- ・【反転型3】 ダブルトップ
- ・【反転型4】 ダブルボトム
- ・【反転型5】 トリプルトップ
- ・【反転型6】 トリプルボトム
- ・【反転型7】 ソーサートップ
- ・【反転型8】 ソーサーボトム
いずれも、上図の赤い破線(ネックライン)をブレイクする(上回る・下回る)と、トレンド転換を示唆します。
以下で、それぞれのパターンについて解説していきます。
【反転型1】 ヘッド&ショルダーズトップ(三尊天井)
ヘッド&ショルダーズトップは、中央の山を頭部、左右の山を肩に見立てられる形状のことです。
三尊天井(さんぞんてんじょう)とも呼ばれ、主に高値圏で出現します。
左肩から頭部へは高値を切り上げるも、頭部から右肩へは高値を切り下げてしまった形で、上昇の勢いの減退を示唆します。
その後にネックラインをブレイクすればヘッド&ショルダーズトップの完成となり、下落トレンドに転換すると予測できます。
ネックラインを下回ったところが、売りを仕掛けるポイントです。
では実際のチャートでヘッド&ショルダーズトップのエントリーポイントを見てみましょう。
出典:TradingView
上記左の画像では、高値を切り上げ上昇トレンドが継続しています。
しかし、上記右の画像では、上昇トレンドに少し変化が生じます。
高値更新に失敗したので、それまでの順調な上昇からは潮目が変わっていることが示唆されます。
続いて上記画像では、ネックラインを割り込んでしまいました。
このようにしてヘッド&ショルダーズトップが完成すれば、上昇トレンドが終焉し下落基調に転じる可能性が高まります。
【反転型2】 ヘッド&ショルダーズボトム(逆三尊)
ヘッド&ショルダーズトップを反転させた形です。
3つの安値で構成され、その内の中央が左右よりも低い水準のパターンです。
逆三尊(ぎゃくさんぞん)とも呼ばれ、主に安値圏で出現します。
左の安値から中央の安値まで切り下げるも、その次には安値を切り上げてしまった形で、下落の勢いの減退を示唆します。
その後に、ネックラインをブレイクすればヘッド&ショルダーズボトムの完成となり、上昇トレンドに転換すると予測できます。
ネックラインを上回ったところが、買いを仕掛けるポイントです。
では実際のチャートでヘッド&ショルダーズボトムのエントリーポイントを見てみましょう。
出典:TradingView
【反転型3】 ダブルトップ
ダブルトップは、同じ水準の高値を2回つけた後(2つの山を形成した後)下落に転じるチャートパターンです。
主に高値圏で出現します。
同じ水準の高値を2回つけた後に、ネックラインをブレイクすればダブルトップの完成です。
ネックラインのブレイクを確認した後、売りエントリーを仕掛けます。
では実際のチャートでダブルトップのエントリーポイントを見てみましょう。
出典:TradingView
- 【ダブルトップが発生する際の注目ポイント】
- 上昇トレンド中に高値を更新できないことから、上昇の勢いが減退していると考えられます。
- 理想的な形は、2つの突出した山で構成されることです。
- また、この後にもう1つの同水準を高値とする山ができれば、トリプルトップとなります。
【反転型4】 ダブルボトム
ダブルボトムは、同じ水準の安値を2回つけた後(2つの谷を形成した後)上昇に転じるチャートパターンです。
主に安値圏で出現します。
同じ水準の安値を2回つけた後に、ネックラインをブレイクすればダブルボトムの完成です。
ネックラインのブレイクを確認した後、買いエントリーを仕掛けます。
では実際のチャートでダブルボトムのエントリーポイントを見てみましょう。
出典:TradingView
- 【ダブルボトムが発生する際の注目ポイント】
- 下落トレンド中に安値を更新できないことから、下落の勢いが減退していると考えられます。
- 理想的な形は、2つの突出した谷で構成されることです。
- また、この後にもう1つの同水準を安値とする谷ができれば、トリプルボトムとなります。
【反転型5】 トリプルトップ
トリプルトップは、同じ水準の高値を3回つけた後(3つの山を形成した後)下落に転じるチャートパターンです。
主に高値圏で出現します。
同じ水準の高値を3回つけた後に、ネックラインをブレイクすればトリプルトップの完成です。
ネックラインのブレイクを確認した後、売りエントリーを仕掛けます。
では実際のチャートでトリプルトップのエントリーポイントを見てみましょう。
出典:TradingView
【反転型6】 トリプルボトム
トリプルボトムは、同じ水準の安値を3回つけた後(3つの谷を形成した後)上昇に転じるチャートパターンです。
主に安値圏で出現します。
同じ水準の安値を3回つけた後に、ネックラインをブレイクすればトリプルボトムの完成です。
ネックラインのブレイクを確認した後、買いエントリーを仕掛けます。
では実際のチャートでトリプルボトムのエントリーポイントを見てみましょう。
出典:TradingView
【反転型7】 ソーサートップ
ソーサートップは、高値圏でもみ合いが続いた後、下落に転じるチャートパターンです。
コーヒーカップの受け皿(ソーサー)のような形をしており「ソーサートップ」と呼ばれます。
ソーサーの形状を作るもみ合いの下限にあたるネックラインをブレイクすれば、トレンド転換と判断します。
ネックラインのブレイクを確認した後、基本的には売りエントリーを仕掛けます。
では実際のチャートでソーサートップのエントリーポイントを見てみましょう。
出典:TradingView
【反転型8】 ソーサーボトム
ソーサーボトムは、安値圏でもみ合いが続いた後、上昇に転じるチャートパターンです。
コーヒーカップの受け皿(ソーサー)のような形をしており「ソーサーボトム」と呼ばれます。
ソーサーの形状を作るもみ合いの上限にあたるネックラインをブレイクすれば、トレンド転換と判断します。
ネックラインのブレイクを確認した後、買いエントリーを仕掛けます。
では実際のチャートでソーサーボトムのエントリーポイントを見てみましょう。
出典:TradingView
以上、反転型のチャートパターンについて解説しました。
続いて、継続型のチャートパターンについて見てみましょう。
継続型(コンティニュエイションパターン)一覧
継続型のチャートパターン(コンティニュエイションパターン)は、トレンドが小休止する局面で発生し、次の動きでトレンドへ回帰していくことを示唆します。
継続型のチャートパターンを一覧にすると、以下の通りです。
- ・【継続型1】 アセンディング・トライアングル
- ・【継続型2】 ディセンディング・トライアングル
- ・【継続型3】 上昇フラッグ
- ・【継続型4】 下降フラッグ
- ・【継続型5】 上昇ペナント
- ・【継続型6】 下降ペナント
- ・【継続型7】 上昇ウェッジ
- ・【継続型8】 下降ウェッジ
- ・【継続型9】 レクタングル
いずれのパターンも、以下の2本の線によって形成されています。
レジスタンスラインとは上値を押さえる線のこと、サポートラインは下値を支える線のことです。
いくつかの高値、または安値を結ぶことで、引くことができます。
価格がこの2本の線の中に留まっているうちは、トレンドが小休止しています。
その状態からレジスタンスラインを上に抜けたら上昇トレンドへの回帰、サポートラインを下に抜けたら下落トレンドへの回帰を示唆します。
以下で、それぞれのパターンについて解説していきます。
【継続型1】 アセンディング・トライアングル
アセンディング・トライアングルは、上値抵抗線(レジスタンスライン)が水平、下値支持線(サポートライン)が右上がりとなるチャートパターンです。
上昇トレンドの小休止の際に出現します。
アセンディング・トライアングルを形成した後に上値抵抗線をブレイクすると、上昇の勢いが継続しやすいとされます。
上値抵抗線をブレイクしたのを確認した後に、買いエントリーを仕掛けます。
では実際のチャートで見てみましょう。
出典:TradingView
【継続型2】 ディセンディング・トライアングル
ディセンディング・トライアングルは、上値抵抗線(レジスタンスライン)が右下がり、下値支持線(サポートライン)が水平となるチャートパターンです。
下落トレンドの小休止の際に出現します。
ディセンディング・トライアングルを形成した後に下値支持線をブレイクすると、下落の勢いが継続しやすいとされます。
下値支持線をブレイクしたのを確認した後に、売りエントリーを仕掛けます。
では実際のチャートで見てみましょう。
出典:TradingView
【継続型3】 上昇フラッグ
上昇フラッグは、為替レートが継続的に上昇した後、上値抵抗線(レジスタンスライン)と下値支持線(サポートライン)が右下がりとなるチャートパターンです。
上昇フラッグは、上昇トレンドの小休止の際に出現します。
上昇フラッグを形成した後に上値抵抗線をブレイクすると、上昇の勢いが継続しやすいとされます。
上値抵抗線をブレイクしたのを確認した後に、買いエントリーを仕掛けます。
では実際のチャートで上昇フラッグのエントリーポイントを見てみましょう。
出典:TradingView
【継続型4】 下降フラッグ
下降フラッグは、為替レートが継続的に下落した後、上値抵抗線(レジスタンスライン)と下値支持線(サポートライン)が右上がりとなるチャートパターンです。
下落トレンドの小休止の際に出現します。
下降フラッグを形成した後に下値支持線をブレイクすると、下落の勢いが継続しやすいとされます。
下値支持線をブレイクしたのを確認した後に、売りエントリーを仕掛けます。
では実際のチャートで下降フラッグのエントリーポイントを見てみましょう。
出典:TradingView
【継続型5】 上昇ペナント
上昇ペナントは、為替レートが継続的に上昇した後、高値の切り下げ、安値の切り上げをしながら、上値抵抗線(レジスタンスライン)と下値支持線(サポートライン)の幅が徐々に狭まってくるチャートパターンです。
三角旗のような形状をしており、日本語で三角保ち合い(さんかくもちあい)とも呼ばれます。
上昇ペナントを形成した後に上値抵抗線をブレイクすると、上昇の勢いが継続しやすいとされます。
上値抵抗線をブレイクしたのを確認した後に、買いエントリーを仕掛けます。
では実際のチャートで上昇ペナントのエントリーポイントを見てみましょう。
出典:TradingView
【継続型6】 下降ペナント
下降ペナントは、為替レートが継続的に下落した後、上昇ペナントと同様に高値の切り下げ、安値の切り上げをしながら、上値抵抗線(レジスタンスライン)と下値支持線(サポートライン)の幅が徐々に狭まってくるチャートパターンです。
下降ペナントを形成した後に下値支持線をブレイクすると、下落の勢いが継続しやすいとされます。
下値支持線をブレイクしたのを確認した後に、売りエントリーを仕掛けます。
では実際のチャートで下降ペナントのエントリーポイントを見てみましょう。
出典:TradingView
【継続型7】 上昇ウェッジ
上昇ウェッジは、為替レートが継続的に上昇した後、高値と安値を切り上げながら、上値抵抗線(レジスタンスライン)と下値支持線(サポートライン)が徐々に狭まり最終的には先細りとなっていくチャートパターンです。
前述したペナントが、トレンドと同方向に傾斜した型です。
上昇トレンド発生時に、上昇ウェッジが発生した場合は、上値抵抗線をブレイクしたのを確認した後に、買いエントリーを仕掛けます。
では実際のチャートで上昇ウェッジのエントリーポイントを見てみましょう。
出典:TradingView
【継続型8】 下降ウェッジ
下降ウェッジは、為替レートが継続的に下落した後、高値と安値を切り下げながら、上値抵抗線(レジスタンスライン)と下値支持線(サポートライン)が徐々に狭まり最終的には先細りとなっていくチャートパターンです。
以下は、下降ウェッジの画像です。
上昇ウェッジと同様に、トレンドと同方向に傾斜した型です。
下降トレンド発生時に、下降ウェッジが発生した場合は、下値支持線をブレイクしたのを確認した後に、売りエントリーを仕掛けます。
では実際のチャートで下降ウェッジのエントリーポイントを見てみましょう。
出典:TradingView
【継続型9】 レクタングル
レクタングルは、一定の値幅を行き来しレンジ相場を形成するチャートパターンです。
上値抵抗線(レジスタンスライン)と下値支持線(サポートライン)が平行となるので、長方形のような形をします。
以下は、レクタングルの画像です。
レクタングルは、継続型のチャートパターンです。
たとえば上昇トレンド中にレクタングルが発生した場合、上値抵抗線をブレイクすれば上昇の勢いが継続しやすいとされます。
上値抵抗線をブレイクしたのを確認した後に、買いエントリーを仕掛けます。
反対に、下落トレンド中にレクタングルが発生した場合は、下値支持線をブレイクすれば下落の勢いが継続しやすいとされます。
下値支持線をブレイクしたのを確認した後に、売りエントリーを仕掛けます。
では実際のチャートでレクタングルのエントリーポイントを見てみましょう。
出典:TradingView
出典:TradingView
以上、反転型・継続型のチャートパターンについて解説しました。
チャートパターンは、トレーダー自身がチャート上に線を引いてパターンの形を認識することから始まります。
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チャートパターン(フォーメーション分析)を活用する際の注意点
チャートパターンを活用する際は「ダマシ」に注意する必要があります。
ダマシとは、チャート分析による予測とは反対方向に価格が動く現象です。
たとえば高値圏でヘッド&ショルダーズトップが出現した際、ネックラインをブレイクすればトレンド転換と分析できます。
しかしネックラインをブレイクしたにもかかわらず、トレンド転換せず反転して価格が上昇する場合もあり、それが「ダマシ」です。
以下のチャートでは、高値圏でヘッド&ショルダーズトップが発生した後、ネックラインをブレイクしています。
セオリー通りであれば、その後価格は下落するはずですが、逆に上昇しています。
出典:TradingView
チャートパターンを活用する際は、このようなダマシが発生する可能性を考慮し、損切りの逆指値注文を入れるなどの対策をとることが必要です。
【まとめ】チャートパターン(フォーメーション分析)とは|初心者向けに代表的な17種類を解説
チャートパターンとは、トレンドの転換や継続を予測する際に用いる、特徴的なチャートの形のことです。
「反転型・継続型」の2タイプに大別でき、本記事では代表的な動きのうち17のパターンを紹介しました。
チャートパターン(フォーメーション分析)は、テクニカル分析の一種とされます。
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