ローソク足とは|見方・読み方や分析例を詳しく解説
ローソク足はチャートの描画方法の一種で、一定期間の4つの価格「始値・終値・高値・安値」を、実体とヒゲで表現したものです。
本記事では、ローソク足の見方や、時間別の呼び方、相場分析の例などを詳しく解説していきます。
目次
- 1.ローソク足とは
- 2.ローソク足の種類
- 3.ローソク足の相場分析例
- 4.初心者がローソク足チャートで相場分析する際の注意点
- 5.ローソク足に関するQ&A
- 6.【まとめ】ローソク足とは|見方・読み方や分析例を詳しく解説
ローソク足とは
まずは、ローソク足の構成要素や呼び方、種類などについて解説します。
ローソク足の意味
ローソク足とは、一定期間の4つの価格「始値・終値・高値・安値」(四本値)を表したものです。
始値(はじめね) | 一定期間が始まったときの価格。寄付(よりつき)とも呼ばれる。 | 終値(おわりね) | 一定期間が終わったときの価格。引け値(ひけね)とも呼ばれる。 |
高値(たかね) | 一定期間のうち最も高くなった価格。 |
安値(やすね) | 一定期間のうち最も安くなった価格。 |
始値よりも終値が高いローソク足(価格が上昇した足)を陽線、始値よりも終値が安いローソク足(価格が下落した足)を陰線と呼びます。
「陽線」や「陰線」については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ローソク足の見方
ローソク足の見方は、下図の通りです。
始値と終値の間は、四角形(実体)で表します。実体の上辺と高値の間は細い線(ヒゲ)で表現し、同様に実体の下辺と安値の間もヒゲで表します。
ローソク足が表す値動き
ローソク足は、特定期間の値動きを基に作られます。
下図は、陽線が作られた際の値動き例を示しています。
始値からいったん安値をつけたものの、反転上昇して上値を伸ばし、やや下げて終値をつけたという値動きから、このような陽線が作られています。陽線と陰線を時系列で並べたのが、ローソク足チャートです。
横軸は時間、縦軸は価格を表し、ローソク足は時間の経過に応じて右側に形成されていきます。
ローソク足チャートでは、価格がどんな推移をしてきたか、その方向性や強弱などを把握することができます。
出典:TradingView
ローソク足の種類
ここでは、ローソク足の種類について解説します。
陽線
陽線は主に、大陽線、小陽線、下影陽線、上影陽線に分類されます。その分類の中でも、さらに細分化されて固有の名前が付けられているパターンもあります。
大陽線 | ①陽の丸坊主 | 始値から一方的に上昇して終値をつけた形。強い上昇トレンドを示唆。 |
②陽の大引け坊主 | 下ヒゲがあるものの、大きく上昇して終値をつけた形。上昇トレンドの可能性を示唆。 | |
③陽の寄付坊主 | 始値から大きく上昇し、やや下げた形。上昇トレンドの可能性を示唆。 | |
④大陽線 | 上下にヒゲがある大陽線。上昇トレンドの可能性を示唆。 | |
小陽線 | ⑤コマ | 実体が短く、上下に短めのヒゲがある小陽線。売り買い双方に気迷いが生じている。 |
⑥小陽線 | コマよりもやや実体が長い小陽線。売り買いの勢力が拮抗。 | |
下影陽線 | ⑦たくり線 | 下ヒゲが長く、上ヒゲがなく、実体が短い陽線。安値圏での出現は上昇トレンドへの転換を示唆(高値圏では、天井を示唆)。 |
⑧下影陽線 | 下ヒゲが長く、実体が短めの陽線。上昇傾向を示唆。 | |
上影陽線 | ⑨トンカチ | 上ヒゲが長く、下ヒゲがなく、実体が短い陽線。下落に転じる可能性を示唆(安値圏では、上昇を示唆)。 |
⑩上影陽線 | 上ヒゲが長く、実体が短めの陽線。下落に転じる可能性を示唆(安値圏では、上昇を示唆)。 |
陰線
陽線で紹介したパターンと同様に、陰線も主に大陰線、小陰線、下影陰線、上影陰線に分類され、さらに細分化されて固有の名前が付けられているパターンもあります。
大陰線 | ①陰の丸坊主 | 始値から一方的に下落して終値をつけた形。強い下落トレンドを示唆。 |
②陰の寄付坊主 | 始値から大きく下落し、やや戻した形。下落トレンドの可能性を示唆。 | |
③陰の大引け坊主 | 上ヒゲがあるものの、大きく下落して終値をつけた形。下落トレンドの可能性を示唆。 | |
④大陰線 | 上下にヒゲがある大陰線。下落トレンドの可能性を示唆。 | |
小陰線 | ⑤コマ | 実体が短く、上下に短めのヒゲがある小陰線。売り買い双方に気迷いが生じている。 |
⑥小陰線 | コマよりもやや実体が長い小陰線。売り買いの勢力が拮抗。 | |
下影陰線 | ⑦たくり線 | 下ヒゲが長く、上ヒゲがなく、実体が短い陰線。安値圏での出現は上昇トレンドへの転換を示唆(高値圏では、天井を示唆)。 |
⑧下影陰線 | 下ヒゲが長く、実体が短めの陰線。上昇傾向を示唆(高値圏では、天井を示唆)。 | |
上影陰線 | ⑨トンカチ | 上ヒゲが長く、下ヒゲがなく、実体が短い陰線。高値圏では下落への転換を示唆。 |
⑩上影陰線 | 上ヒゲが長く、実体が短めの陰線。弱い下落を示唆。 |
寄引同事線
ローソク足は必ず実体が形成されるわけではなく、始値(寄付)と終値(引け値)が同じ価格だった場合は、横の直線で表されます。
これを寄引同事線(同時線)と呼び、下図のようなパターンに分類されます。
①寄せ線 | 始値と終値が同じ。トレンドの転換を示唆。 |
②四値同時 | 四本値が全て同じ。トレンドの転換を示唆。 |
③トウバ | 始値、終値、安値が同じ。高値圏で出たら、下落への転換を示唆。 |
④トンボ | 始値、終値、高値が同じ。安値圏で出たら、上昇への転換を示唆。 |
⑤十字 | 寄せ線よりヒゲが短い形。高値圏、安値圏のどちらでも反発を示唆。 |
⑥上十字(トンボ) | 上ヒゲが下ヒゲより長い形。高値圏で出たら、下落への転換を示唆。 |
⑦下十字(トンボ) | 下ヒゲが上ヒゲより長い形。安値圏で出たら、上昇への転換を示唆。 |
ローソク足の相場分析例
ここでは、以下の4つのパターンに分けて、ローソク足チャートを使った相場分析の例を解説します。
単線での分析例
ここでは、以下の3つのパターンに分けて、単線での相場分析の例を解説します。
- 相場の高値圏で出ると、天井の可能性があるローソク足
- 相場の安値圏で出ると、反発に転じる可能性があるローソク足
- 相場の高値圏・安値圏で出ると、反発する可能性があるローソク足
相場の高値圏で出ると、天井の可能性があるローソク足
相場の高値圏で出ると、天井の可能性を示唆するローソク足の例として、上影陰線があります。
出典:TradingView
上影陰線は、上値を伸ばしたものの売り圧力に押し返されて、最終的に陰線が形成されたと分析します。
上画像では、それまで上昇傾向が続いていましたが、高値圏で上影陰線が出現し、その後に下落へ転じたことがわかります。
この他にも、上ヒゲが長いローソク足は、陽線でも陰線でも下落への転換を示唆します。
相場の安値圏で出ると、反発に転じる可能性があるローソク足
相場の安値圏で出ると、底打ちの可能性を示唆するローソク足の例として、下影陽線があります。
出典:TradingView
下影陽線は、下値を伸ばしたものの買い圧力に押し返されて、最終的に陽線を作った値動きを意味します。
上画像では、それまで下落傾向が続いていましたが、安値圏で下影陽線が出現し、その後に上昇へ転じたことがわかります。
この他にも、下ヒゲが長いローソク足は、陽線でも陰線でも上昇への転換を示唆します。
相場の高値圏・安値圏で出ると、反発する可能性があるローソク足
相場の高値圏・安値圏で出現すると反発する可能性があるローソク足の例として、トンボがあります。
トンボは、上下に値動きしたものの最終的には始値と同じ価格で引けたことを意味し、それまでのトレンドからの反発を示唆します。
出典:TradingView
上画像では、相場の高値圏や安値圏でトンボが出現してから反発していることがわかります。
2本のローソク足での分析例
2本のローソク足の組み合わせでは、以下のようなパターンが見られます。
FXにおいては、1本前のローソク足の終値と、次のローソク足の始値が同じまたは近い値となる例が多く、形成されにくいパターンもありますが、これらが意味する内容はローソク足を分析するうえで役立つ知識となるでしょう。
- ・かぶせ線
- ・切り込み線
- ・差し込み線
- ・入り首線
- ・あて首線
- ・たすき線
- ・包み線
- ・はらみ線
- ・星
- ・並び赤・並び黒
- ・出合い線
- ・行き違い線
それぞれのパターンを用いた相場分析の例を解説します。
■かぶせ線かぶせ線とは「前日の大陽線の流れを引き継ぎ高く寄り付いたものの、終値が前日の実体の中心を下回る陰線となるパターン」です。
高く寄り付きながら「前日の実体の半値以下で終わった」ということで、前日からの上昇トレンドの衰えを示唆します。
■切り込み線切り込み線とは「前日の大陰線の流れを引き継いで安く寄り付いたものの、終値が前日の実体の中心を上回る陽線となるパターン」です。
かぶせ線の逆のパターンであり、安く寄り付きながら「前日の実体の半値以上で終わった」ということで、前日からの下落トレンドの衰えを示唆します。
■差し込み線差し込み線とは「大陰線の翌日に前日終値より安く寄り付き、終値が前日の実体の中間値に届かなかった陽線」のことです。
切り込み線との違いは「終値が前日の中間値を超えていない」ことです。
切り込み線と同じく、下落トレンドの衰えを示唆するものの、その度合いはやや弱めといえます。
■入り首線入り首線とは「大陰線の翌日に、前日終値より安く寄り付き、終値が前日安値をわずかに超えて終わった陽線」のことです。
差し込み線の上昇がさらに弱くなったもので、差し込み線が前日「終値」を超えるのに対して、入り首線は前日「安値」しか超えていません。
下落トレンドの衰えを示唆するものの、その度合いは差し込み線より劣ります。
■あて首線あて首線とは「大陰線の翌日に、前日終値より安く寄り付き、終値が前日安値付近に達して終わった陽線」のことです。
入り首線がさらに弱くなったもので、入り首線は前日安値を「超えて」いるものの、あて首線は「付近に達した」だけで終わっています。
下落トレンドの衰えを示唆するものの、その度合いは入り首線より弱めといえます。
■たすき線たすき線とは「始値が前日の実体の中にあり、前日が陰線なら前日高値を超えて終わった陽線、前日が陽線なら前日安値を下回って終わった陰線」のことです。
陽線で終わるものを「陽のたすき線」、陰線で終わるものを「陰のたすき線」と呼びます。
上図の通り、始値と始値、終値と終値が「Xの字」を描き、着物のたすき掛けのような形になっています。
たすき線は前日のトレンドの反対方向に大きく動いているため、トレンドの転換を示唆しています。
■包み線包み線とは「1つ前のローソク足を完全に覆う大陽線、または大陰線」のことです。
包む線が陽線なら「陽の包み線」、包む線が陰線なら「陰の包み線」と呼ばれます。
「陰線→陽線」「陽線→陰線」の組み合わせはトレンド転換を示唆しますが、陽線同士・陰線同士の包み線はさほど大きな意味を示しません。
包み線は、前のローソク足の持つ4つの情報(始値・終値・高値・安値)を全て否定します。
前のローソク足が否定され、陽線・陰線に切り替わることで、トレンドの転換を示唆しています。
■はらみ線はらみ線とは「1つ前のローソク足に完全に覆われた小陽線、もしくは小陰線」のことです。
包み線とは、覆う側が逆になっています。
包み線と同じく、陽線と陰線の組み合わせが異なると影響が大きくなります。
はらみ線では、前のローソク足で起きていた大きな流れが打ち消され、買いと売りの圧力が拮抗し始めていることがわかります。
このため、それまでのトレンドの衰えやトレンドの転換を示唆します。
■星星とは「前日の流れを引き継いで窓の開いた状態で極線(コマ足)が出現するパターン」です。
前日が陽線で上側にコマ足が登場したものは「上放れの星」、前日が陰線で下側にコマ足が登場したものは「下放れの星」と言います。
上放れの星も下放れの星も、星の部分は陽線でも陰線でもかまいません。
星が寄引同時線(十字線)の場合は「十字星」と呼ばれます。
前日が大陽線や大陰線で、その流れと同じ方向に窓を開けたということは、一定のトレンドがあったことを意味します。
しかし、コマ足が発生し売りと買いの圧力が拮抗しているため、トレンドの終了と転換を示唆する可能性があります。
十字星の場合は、この拮抗の度合いがさらに強いため、より強いトレンド転換が起こる可能性を示唆します。
■並び赤・並び黒並び赤・並び黒とは、前日と当日の実体がほぼ重なっている2つの陽線・陰線です。
並び赤の場合、前日大きく上昇したにもかかわらず、終値と逆方向に大きく下げた始値から寄り付いています。
しかし、そこから下落せずに前日と同じように上昇して終わると、並び赤となります。
(並び黒の発生の仕組みも、上昇と下落が逆になるのみで、同様です)
通常の値動きの中で登場した場合、並び赤・並び黒は特に方向性を示しません。
しかし、窓を開けて発生する「上放れ並び赤・並び黒」と「下放れ並び赤・並び黒」は、それぞれ上昇・下落のサインとされます。
上放れ並び赤・上放れ並び黒は上昇のサイン、下放れ並び赤・下放れ並び黒は下落のサイン、という見方が一般的です。
■出合い線出合い線は「前日と同じ方向に大きく放れて寄り付いたものの、最後は前日の終値付近に戻して終わったローソク足」です。
前日が陰線であれば上昇して陽線で終わり、前日が陽線であれば下落して陰線で終わります。
陽線で終わる場合、前日大きく下げて当日もさらに安く寄り付いている時点で、強い下落の圧力がかかっていたといえます。
それにもかかわらず、前日終値まで戻して終わっているため、トレンドの転換を示唆します(陰線で終わる場合も同様に考えられます)。
■行き違い線(振り分け線)行き違い線(振り分け線)は「前日の反対方向に、前日と同等の実体が伸びて終わったローソク足」です。
陰線で終わる場合、前日に大きな上昇をしていたにもかかわらず、真逆の安い位置から寄り付き、さらに大きく下落したことを意味します(陽線で終わる場合はその逆です)。
このパターンが示す意味は「上昇トレンド・下落トレンドのいずれで発生したか」によって、以下の4パターンがあります。
①:上昇トレンドで「陽線→陰線」のパターン | 上昇相場終了の可能性 |
②:上昇トレンドで「陰線→陽線」のパターン | 押し目買いの好機(上昇継続の可能性) |
③:下落トレンドで「陽線→陰線」のパターン | 戻り売りの好機(下落継続の可能性) |
④:下落トレンドで「陰線→陽線」のパターン | 下落相場終了の可能性 |
3本のローソク足での分析例
3本のローソク足によるチャートパターンでは、以下のようなものが見られます。
- ・三兵(赤三兵・黒三兵)
- ・上げ三法・下げ三法
- ・上放れ三法・下放れ三法
それぞれのパターンの説明と、読み取れる相場の動向を解説します。
■三兵(赤三兵・黒三兵)三兵(さんぺい)とは、陽線が下値を切り上げながら3本連続、もしくは陰線が上値を切り下げながら3本連続で出現するパターンです。
3連続の陽線は「赤三兵」、3連続の陰線は「黒三兵」と呼びます。
赤三兵は強い上昇トレンド、黒三兵は強い下落トレンドの可能性を示唆します。
■上げ三法・下げ三法上げ三法・下げ三法とは、前日の大陰線・大陽線に収まる範囲で、3連続の陽線や陰線が発生するパターンです。
トレンドが小休止した後で再開する「休み時間」に登場することが多い傾向にあります。
基本的にはトレンドが再開する可能性が高いと考えられるものの、3つ連続の陽線や陰線は、状況によっては「三兵」にもなり得ます。
三兵であればトレンドの可能性を示唆しているため、前後の動きも見ながら判断することが重要です。
なお、三法とは「売るべし・買うべし・休むべし」という投資の基本的な心構えのことです。
上げ三法・下げ三法では相場の方向性を判断しにくいため「休むべし」の考えが重要となります。
■上放れ三法・下放れ三法上放れ三法・下放れ三法とは、大陽線・大陰線が2連続で出現して窓を開けた後、その窓を埋める大陰線・大陽線が出現するパターンです。
2連続の大陽線・大陰線で、窓を開けているため、強力なトレンドが発生したことがわかります。
しかし、そのトレンドを打ち消すように、逆方向の大陰線・大陽線が発生し、窓を閉じています。
売買の判断が難しいため、見送りです。
プライスアクション
プライスアクションとは、連続するローソク足のパターンから相場の値動きを予想する手法です。 テクニカル指標を用いず、ローソク足の情報のみで値動きを予想することが特徴です。プライスアクションの代表的なサインは、以下の3つです。
- ・インサイド(アウトサイド)
- ・スラスト
- ・リバーサル
インサイドとは、直前のローソク足の高値と安値の範囲内に、後続のローソク足の値動きが収まるパターンのことです。
一時的な相場の停滞を示しており、トレンドが発生する前のもみ合い相場で現れやすいです。
アウトサイドは、インサイドの逆で最新のローソク足の高値と安値の範囲内に、直前のローソク足が包み込まれるパターンです。
インサイドと同様に相場の停滞を示唆し、価格がブレイクした方向に大きく動く傾向があります。
■スラストスラストは、終値が直前のローソク足の高値を上回る、もしくは安値を下回るパターンです。
高値を上回るものを「スラストアップ」、安値を下回るものを「スラストダウン」と呼びます。
スラストアップが連続で発生すれば強い上昇トレンドの可能性があり、スラストダウンが連続で発生すれば強い下落トレンドの可能性があります。
■リバーサルリバーサルは、トレンドの転換を示すパターンです。
リバーサルハイは、ローソク足が前日の高値以上の値をつけ、その後反落して前日の始値または安値以下で終わる形です。
リバーサルローは、ローソク足が前日の安値以下の値をつけ、その後反転上昇して、前日の始値または高値以上で終わる形です。
リバーサルハイは弱気リバーサルとも呼ばれ、リバーサルローは強気リバーサルとも呼ばれます。
初心者がローソク足チャートで相場分析する際の注意点
初心者が相場分析する際の注意点は、以下の2つです。
必ず予想通りに動くわけではない
相場はローソク足で分析した通りに動くわけではありません。
例えば、下のチャートのように、強い下落トレンドを意味する大陰線の直後から、上昇していく相場もあります。
出典:TradingView
ローソク足の示唆とは逆の値動きが起きるダマシも少なくないため、注意が必要です。
スタイルに合うローソク足の期間を設定する
トレードスタイルごとに適したローソク足(時間足)の例を一覧にすると、以下の通りです。(あくまで主な時間足の例であり、個々のトレーダーのスタイルによっては、他の時間足も用いられます)
トレードスタイル | 時間足 |
---|---|
スキャルピング | 1分足・5分足・15分足など |
デイトレード | 5分足・1時間足・4時間足・日足など |
スイングトレード | 1時間足・4時間足・日足・週足など |
ローソク足に関するQ&A
ローソク足に関してよく見られる質問は以下の通りです。
平均足との違いは何ですか?
平均足とは、ローソク足を改良したテクニカル指標です。ローソク足の四本値の平均値を用いることで、トレンド発生時に陽線や陰線が連続しやすい特徴があります。
ローソク足と平均足の違いは、「実体の上辺・下辺が示す数値」です(高値と安値は同じ意味を表します)。
ローソク足 |
・始値 ・終値 |
平均足 |
・平均足始値(前日平均足の実体の中値) ・平均足終値(四本値の平均値) |
どちらが上辺・下辺になるかは、陽線・陰線で異なります。
下チャートのように、同じ条件でローソク足と平均足を比較すると、ローソク足よりも平均足の方が陽線・陰線が連続して発生していることがわかります。
出典:TradingView
酒田五法とは何ですか?
酒田五法とは、江戸時代の相場師である本間宗久によって考案された、相場分析の手法です。
以下の5つのチャートパターンによって、売り場・買い場を判断します。
- ・三山
- ・三川
- ・三空
- ・三兵
- ・三法
これらを図で一覧にすると、以下の通りです。
三山は、「3回超えられなかった高値はもう超えられない」という推測で、天井(レジスタンスライン)を見極める手法です。
真ん中の山が高いものは、三尊と呼ばれます。
三川は、三山と同様の推測で、底(サポートライン)を見極める手法です。
真ん中の谷が深いものは、逆三尊と呼ばれます。
三空は4本のローソク足と窓(空)が連続するパターンのことです。
陽線の場合は「三空踏み上げ」、陰線の場合は「三空叩き込み」と呼ばれます。
トレンドが強いことを意味しますが、反転した際には大きく動く可能性があるため、いったん手仕舞いすることが推奨されます。
三兵は、連続する3本の陽線、もしくは陰線のことです。
陽線の場合は「赤三兵」、陰線の場合は「黒三兵」と呼ばれます。
トレンドが転換する際に出現するパターンの1つとされています。
三法は、動かない相場(レンジ相場)を挟んだ後で、上下どちらかに動くパターンのことです。
高値に動くパターンは「上げ三法」、安値に動くパターンは「下げ三法」と呼ばれます。
ローソク足の起源は?
ローソク足の起源については諸説があるものの、江戸時代の米相場から始まり、明治時代に確立したとされています。
一説には、江戸時代の大坂堂島の米相場で活躍した、伝説の相場師・本間宗久によって考案されたとも伝えられています。
他方、日本テクニカルアナリスト協会(NPO法人)の公式サイトには、明治30年代にダイヤモンド社が開発したと記載されています。
ローソク足の呼び方は何ですか?
ローソク足は「時間+足」という呼び方をし、「時間足(じかんあし)」と呼ばれます。
時間足の期間や名称を一覧にすると、以下の通りです。
1本の足の期間 | 名称(右はMT4、MT5における表記) |
---|---|
1分 | 1分足(いっぷんあし)、M1 |
5分 | 5分足(ごふんあし)、M5 |
15分 | 15分足(じゅうごふんあし)、M15 |
1時間 | 1時間足(いちじかんあし)、H1 |
4時間 | 4時間足(よじかんあし)、H4 |
1日 | 日足(ひあし)、D1 |
1週間 | 週足(しゅうあし)、W1 |
1か月 | 月足(つきあし)、MN |
一般的なチャートツールでは、これらの時間足の種類を簡単に切り替えられます。
時間足を切り替えることで、短期・中期・長期のそれぞれの異なる期間での値動きを分析できます。
【まとめ】ローソク足とは|見方・読み方や分析例を詳しく解説
ローソク足の見方を理解すれば、それぞれの足の時間内で起きた値動きや、全体で起きている値動きが、視覚的に理解しやすくなります。
また、ローソク足の形状により、トレンドの続伸や反転が示唆されるパターンがあります。
全てがパターン通りに動くわけではないものの、値動きの予測をする上で重要な判断材料の1つになります。
実際の値動きの予測には、ローソク足のパターンだけではなく、さまざまなテクニカル指標やファンダメンタルズと併用すると良いでしょう。
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