FX初心者の方

【2025年1月更新】FOMCとは|開催日程・今後の予想について解説


FOMC(連邦公開市場委員会)は、米国の金融政策を決定する会合です。

2024年12月17日から18日にかけて開催されたFOMCで、0.25%の利下げが決定し、政策金利は4.25%~4.5%となりました。

日本では日本銀行が行う「日銀金融政策決定会合」、欧州ではECBが行う「ECB理事会」が、FOMCに相当します。

各国の中央銀行は、自国通貨の価値の安定の実現を責務としています。

この責務のため、物価の上昇率を一定に保つ目的で政策金利を調整するなどの金融政策を行います。

例えば、インフレ率が目標値を上回る状態が続くと、物価の上昇を抑える目的で金融引き締め(利上げ)を行います。

逆に、インフレ率が目標値を下回る状態が続くと、物価の上昇を促す目的で金融緩和(利下げ)を行います。

米国は経済力や軍事力が世界一の国であり、米ドル(USD)には全通貨の中心的な地位を占める「基軸通貨」としての役割もあります。

その米国の金融政策を決めるFOMCは、世界中の投資家たちから大きな注目を集める経済指標(イベント)の1つです。

本記事では初心者でもわかりやすく、FOMCの基本的な内容、2025年のFOMC開催日程、今後の予想などを解説します。

FOMCとは

FOMCとは「Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)」の略で、米国の金融政策を決定する会合のことです。

約6週間ごとに年8回開催され、必要に応じて追加で開催される場合もあります。

また年8回開催される会合のうち、四半期(3月・6月・9月・12月)ごとに、FOMCメンバーによる経済予測の概要が発表されます。

この経済予測には、3年後までの政策金利実質GDPの見通しなど、主要な経済指標が含まれています。

米国の金融政策の動向は、マーケットに大きな影響を与えることから注目されます。

以下では、次の項目について解説します。

  • ・話し合われる内容
  • ・FOMCの参加メンバー
  • ・金融政策の決定方法

話し合われる内容

FOMCでは米国の金融調節の手段、その中でも公開市場操作(オペ)について議論されます。

公開市場操作の代表的なものは、FF金利(フェデラル・ファンド金利)、QE(量的緩和)そしてQT(量的引き締め)です。

FF金利(フェデラル・ファンド金利)

FF金利とは、米国の民間銀行が連邦準備銀行に預けている準備預金を他の民間銀行に貸し付ける際の短期金利のことです。

FF金利の誘導目標をFOMCで決定し、債券を市場で売り買いすることで短期金利を誘導目標に調整します。

QE(量的緩和)

量的緩和(Quantitative Easing)とは、マネタリーベース(市場に供給されるお金)などの「量」を操作目標として、市場に大量の資金を供給する金融緩和政策のことです。

長期金利を引き下げることで、低金利による景気や物価の下支えを意図しています。

QT(量的引き締め)

量的引き締め(Quantitative Tightening)とは、景気の過熱や行き過ぎたインフレの抑制を目的として、市場から資金を引き上げる、金融引き締め政策のことです。

中央銀行が、満期を迎えた債券の再投資を回避し、償還前の国債などの保有資産を売却することで、バランスシートを段階的に圧縮します。

FOMCの参加メンバー

FOMCに参加するメンバーは、7名のFRB理事と12名の地区連銀総裁です。

7名のFRB理事のうち1名はFRB議長、2名はFRB副議長に任命され、7名全員がFOMCで投票権を持ちます。(任期は、理事14年、議長・副議長はいずれも4年)

12名の地区連銀総裁のうち投票権を有するのは、ニューヨーク連銀総裁と、4名の地区連銀総裁(1年ごとに交代の輪番制)です。

残り7名の地区連銀総裁は会合に参加しますが、投票権は持ちません。

米国の金融政策は、7名のFRB理事と5名の地区連銀総裁による投票で決定されます。

なお、金融引き締め(利上げ)を支持するメンバーを「タカ派」、金融緩和(利下げ)を支持するメンバーを「ハト派」と呼びます。

また米国の中央銀行は本来「FRS(FED)」を指しますが、「FRB」を中央銀行としているケースもあり、日本や欧州の中央銀行とは仕組みが少し異なります。

下図は、米国中央銀行のイメージです。

FRSとは

FRBは「FRS(FED)」の中心的な意思決定機関であり、全米12地区の地区連銀を統括しています。

そして、このFRBの理事と全米12地区の地区連銀総裁が集まる会合が、FOMCです。

米国の中央銀行の仕組みについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

金融政策の決定方法

FOMCの議長はFRB議長が務め、副議長はニューヨーク連銀総裁が務めます。

議決は、投票権を有する参加者の計12名の単純多数決で決定されます。

決定した公開市場操作の基本方針は、実際の執行機関であるニューヨーク連銀に向けて指令されます。

米国FOMCの日程・スケジュール

ここでは米国FOMCのスケジュールについて解説していきます。

  • ・日程・スケジュール(2025年)
  • ・時間

日程・スケジュール(2025年)

FOMC(米国) 2025年の開催日程

アメリカ

1月28日~1月29日
3月18日~3月19日
5月6日~5月7日
6月17日~6月18日
7月29日~7月30日
9月16日~9月17日
10月28日~10月29日
12月9日~12月10日

時間

米国はサマータイム制度を導入しており、夏時間と冬時間(標準時)とでは、金融政策発表や記者会見の時間が変わります。

日本時間におけるスケジュールは、以下の通りです。

1月・12月
冬時間(標準時)
4:00 FOMC金融政策発表
4:30 記者会見
3月・5月・6月・7月・9月・10月
夏時間
3:00 FOMC金融政策発表
3:30 記者会見

その他主要国のスケジュール

米国のFOMCと同様に、世界各国で金融政策が発表されます。

ここでは、主要国である日本・ユーロ圏・英国・豪州の、2025年の金融政策開催日程を解説します。

  • ・日程・スケジュール
  • ・時間

日程・スケジュール(2025年)

日銀金融政策決定会合
(日本)
ECB理事会
(ユーロ圏)
BOE金融政策会合
(英国)
RBA金融政策委員会
(豪州)

日本国旗

ユーロ国旗

イギリス国旗

オーストラリア国旗

1月23日~1月24日 1月30日 2月6日 2月17日~2月18日
3月18日~3月19日 3月6日 3月20日 3月31日~4月1日
4月30日~5月1日 4月17日 5月8日 5月19日~5月20日
6月16日~6月17日 6月5日 6月19日 7月7日~7月8日
7月30日~7月31日 7月24日 8月7日 8月11日~8月12日
9月18日~9月19日 9月11日 9月18日 9月29日~9月30日
10月29日~10月30日 10月30日 11月6日 11月3日~11月4日
12月18日~12月19日 12月18日 12月18日 12月8日~12月9日
日本銀行の公式Webサイトはこちら ECBの公式Webサイトはこちら BOEの公式Webサイトはこちら RBAの公式Webサイトはこちら

※豪州のRBA理事会は、2023年までは1月を除く毎月第1火曜日に年11回開催されていましたが、2024年からは約6週間ごとの年8回開催に変更されました。

時間

ここでは、以下の6つの主要国の金融政策決定会合のスケジュールを解説します。

  • ・日銀金融政策決定会合
  • ・ECB理事会
  • ・BOE金融政策会合
  • ・RBA理事会
  • ・BOC金融政策会合
  • ・SNB金融政策会合

日銀金融政策決定会合

日銀の金融政策発表時間は、日銀金融政策決定会合2日目が終了した時点です。

時間は12時前後(11:30~13:00)で、現状維持の場合は早い時間に発表される傾向にあり、政策変更がある場合は発表時間が遅れる傾向にあります。

ECB理事会

欧州もサマータイム制度を導入しており、夏時間と冬時間(標準時)とでは、日本での発表時間が変わります。

1月・3月・10月・12月
ECB理事会 冬時間(標準時)
22:15 ECB理事会金融政策発表
22:45 記者会見
4月・6月・7月・9月
ECB理事会 夏時間
21:15 ECB理事会金融政策発表
21:45 記者会見

BOE金融政策会合

英国もサマータイム制度を導入しており、夏時間と冬時間(標準時)とでは、日本での発表時間が変わります。

2月・3月・11月・12月
BOE金融政策会合 冬時間(標準時)
21:00 BOE金融政策発表
5月・6月・8月・9月
BOE金融政策会合 夏時間
20:00 BOE金融政策発表

RBA理事会

豪州もサマータイム制度を導入しており、夏時間と冬時間(標準時)とでは、日本での発表時間が変わります。

5月・7月・8月・9月
RBA理事会 冬時間(標準時)
13:30 RBA理事会金融政策発表
14:30 記者会見
2月・3月・11月・12月
RBA理事会 夏時間
12:30 RBA理事会金融政策発表
13:30 記者会見

BOC金融政策会合

カナダもサマータイム制度を導入しており、夏時間と冬時間(標準時)とでは、日本での発表時間が変わります。

1月・3月・10月・12月
BOC金融政策会合 冬時間(標準時)
23:00-24:00 BOC金融政策発表
その後 記者会見
4月・6月・7月・9月
BOC金融政策会合 夏時間
22:45 BOC金融政策発表
その後 記者会見

SNB金融政策会合

スイスもサマータイム制度を導入しており、夏時間と冬時間(標準時)とでは、日本での発表時間が変わります。

3月・12月
SNB金融政策会合 冬時間(標準時)
17:30 SNB金融政策発表
6月・9月
SNB金融政策会合 夏時間
16:30 SNB金融政策発表

なお、経済指標では事前に市場予想が公表されます。

決定された内容が市場予想と大きく乖離した場合、為替相場だけではなく、株式市場や商品市場など世界のマーケットに大きな影響を与えます。

市場予想と結果が、どのくらい乖離しているのかを確認する視点が重要です。

●OANDA証券が提供する「経済指標予測カレンダー」なら、市場の重要度や予想値、結果を一目で把握できる 経済指標カレンダー

経済指標の重要度と、前回、予想、結果の数値が確認できます。

上部のタブでは、本日・昨日・明日・今週・来週といった任意の期間を選べます。

また、国別にソートする機能もあり、見たい国の経済指標だけをピンポイントで探すことも可能です。

経済指標 予測カレンダー」のページをブックマークして、すぐに見られるようにしておきましょう。

FOMCで注目すべき5つの材料

FOMCでは多岐にわたる情報が発信されます。

その中で効率よく情報収集を行うには、次の5つの材料に注目します。

  • ・【材料1】声明文(Statement)
  • ・【材料2】FRB議長の記者会見
  • ・【材料3】FOMCメンバーによる経済予測の概要(Summary of Economic Projections)
  • ・【材料4】議事要旨
  • ・【材料5】FOMCメンバーのコメント

【材料1】声明文(Statement)

FOMCの会合後、声明文(Statement)が公表されます。

声明文は、主に経済や物価に対する評価の概要、金融政策の変更の有無等の基本的な決定事項などを確認できます。

この声明文は、次回の会合で金融政策の変更を示唆する内容となることもあるので、多くの投資家から注目を集めます。

前回の声明文から表現の変更があるだけでも、市場が敏感に反応することもあります。

声明文に関しては、英語の原文を見ると、より正確に情報を得ることができます。

英語が苦手であれば、自動翻訳サービスや、日本語のニュースサイトの速報が役に立ちます。

声明文については「FRB議長、ECB総裁、日銀総裁の記者会見動画」から確認できます(英語)。

【材料2】FRB議長の記者会見

声明文公表の30分後に、FRB議長による記者会見が行われます。

会合での決定事項に関しての説明、経済や物価に関しての評価などが行われた後、記者からの質疑応答が行われます。

その内容によっては、会見中であっても市場が大きく反応することもあるので、注意が必要です。

2018年までは2回に1回の開催でしたが、2019年以降はFOMCの度に毎回記者会見が行われるようになりました。

金融政策の変更は、記者会見がある回に行われる傾向がありましたが、2019年以降はFOMCの度に金融政策が変更される可能性があります。

なおOANDA証券では、FRB議長の記者会見をLive配信しています。

●OANDA証券ではFRB議長の定例記者会見をLive配信している

OANDA証券ではFRB議長の定例記者会見をLive配信している

OANDA証券では、無料でFRB議長の定例記者会見をリアルタイムで見ることが可能です。

ECB(ユーロ圏)と日銀総裁(日本)のLive配信を見ることも可能ですが、この2つはOANDA証券の本番口座を開設する必要があります。

FRBだけではなく、ECBと日銀総裁のLive配信も見たい方は、以下のボタンからOANDA証券の本番口座開設申し込みができます。

口座開設ボタン

OANDA証券の口座開設方法は、こちらで解説しています。

本番口座開設後は、このページをブックマークすることで、すぐにLive配信を見ることができます。

【材料3】FOMCメンバーによる経済予測の概要(Summary of Economic Projections)

FOMCでは四半期(3月・6月・9月・12月)に一度、FOMCに参加したメンバーによる経済予測の概要(Summary of Economic Projections)が公表されます。

この経済見通しには、主に3年後までの政策金利や実質GDP、失業率、PCEインフレ率、コアPCEインフレ率の予測値が含まれます。

どの予測値も重要ですが、その中でも特に注目を集めるのが政策金利の見通しです。

この見通しは、ドットを使ったグラフで表示されるので、市場関係者の間では「ドット・プロット(ドット・チャート)」と呼ばれます。

ドット・プロットでは、各メンバーによる年末の政策金利予想が公表されます。

以下は、2024年12月にFRBが公表したドット・プロットです。

ドット・プロット
出典:CMEグループ

ドット・プロットによると、2025年の政策金利の中央値は3.6%~4.1%、2026年は3.1%~3.6%です。

3か月前の見通しと異なる場合、為替レートが敏感に反応することがあります。
2024年12月のドット・プロットでは、9月時点と比較して2025年以降の政策金利の引き下げペース鈍化が示されました。
これを受けて、発表直後の米ドル/円は急騰しています。

またドット・プロットはFRBの公式Webサイトから確認できますが、OANDA証券も無料で提供しています。

●OANDA証券が提供する「ドット・プロット」では、3年後までの政策金利や実質GDP、失業率、PCEインフレ率、コアPCEインフレ率の予測値を把握できる

ドット・プロット

OANDA証券が提供する「ドット・プロット」は、FRBが提供するものをより見やすくしています。

また、政策金利に加えて、実質GDP、失業率、PCEインフレ率、コアPCEインフレ率の予測値も把握可能です。

タブで項目の切り替えができるので、確認したい項目をすぐに把握できます。

投資判断の材料として、前回の会合からどの程度変化しているのかをチェックするのに役立ちます。

OANDA証券が提供する「ドット・プロット」は、こちらから確認できます。

【材料4】議事要旨

FOMC開催後、3週間程度でFOMCの議事要旨が公表されます。

この議事要旨では、主に声明文や記者会見で公表されていない議論の内容が明らかとなるので、相場が敏感に反応する可能性があります。

基本的には、市場は声明文や記者会見で主な情報を取得しているため、多くの場合、真新しい材料にはならない傾向があります。

しかし、市場が米国の金融政策を意識するきっかけになることもあるので、公表後は多少不安定な値動きになる可能性があります。

【材料5】FOMCメンバーのコメント

FOMCメンバーであるFRB議長や副議長、理事、各地区連銀総裁などは、様々な講演や記者会見、シンポジウムなどでコメントをする機会が多くあります。

FOMCメンバーのコメントは普段から注目を集めますが、特に市場が米国の金融政策に注目している場合は、より敏感に反応する可能性があります。

同じ地区連銀総裁のコメントでも、FOMCの投票権を持っている地区連銀総裁のコメントの方が、市場への影響が大きくなる傾向があります。

ただし、マーケットは金融政策を先読みすることから、年末が近づいてくると来年の投票権を持っている地区連銀総裁に注目が移ります。

1年ごとに各地区連銀総裁の投票権は変更されるので(ニューヨーク連銀総裁は常に投票権を持ちます)、誰が持っているのかをチェックしておく必要があります。

2025年の投票権は、以下の地区連銀総裁が持っています。

役職 メンバー
シカゴ地区連銀総裁 オースタン・グールスビー
ボストン地区連銀総裁 スーザン・コリンズ
セントルイス地区連銀総裁 アルベルト・ムサレム
カンザスシティ地区連銀総裁 ジェフリー・シュミッド

2024~2026年までの投票権は、こちらのFRBの公式サイトから確認できます。

FOMCの今後の予想【2025年】

2022年以降のインフレ率低下を受けて、FOMCは2024年後半から政策金利を引き下げてきました。

2024年12月の政策金利も市場予想通り引き下げたものの、2025年については引き下げペースの鈍化が示唆されています。

引き下げペース鈍化の見通しに関して、パウエルFRB議長はインフレ率の上昇と一致している旨を示しました。

インフレ率は政策金利を予想するにあたって重要な要素であるため、その推移を把握することが推奨されます。

また、米国の景気見通しに関して、米雇用統計(非農業部門雇用者数変化)にも注目が集まっています。

インフレ指標と同様、雇用統計の推移についても注意が必要です。

  • ・消費者物価指数(CPI)
  • ・PCEデフレータ
  • ・非農業部門雇用者数変化

消費者物価指数(CPI)

米国CPIの推移
出典:国別経済指標

消費者物価指数(CPI)は2022年6月にピークをつけた後、大局的には低下しつつあります。

しかし、2024年12月は前年比で2.9%を記録しており、目標の2%よりまだ高い状態です。

2024年後半以降の様子を見ると、コア指数は横ばい、総合指数はやや上昇傾向を示しており、今後の動きに注目が集まっています。

PCEデフレータ

PCEデフレーター
出典:国別経済指標

PCEデフレータとは、個人消費の面から算出した物価上昇率です。
CPIと同様に2022年6月に下落トレンドに転じ、この傾向は2024年11月時点で継続しています。
しかし、コアデフレータは横ばいに転じており、物価下落圧力が弱まっている様子がわかります。

非農業部門雇用者数変化

非農業部門雇用者数変化
出典:国別経済指標

非農業部門雇用者数変化は米国の景気変動を把握するために重要とされ、市場参加者の注目を特に集める経済指標です。
グラフの中央で大きなマイナスを記録しており、これは新型コロナウイルスの蔓延による経済の混乱を反映しています。

●OANDA証券ではFOMCの見通しを予測する上で役立つマーケットレポートの提供を行っている

OANDA証券ではFOMCの見通しを予測する上で役立つマーケットレポートの提供を行っている

OANDA証券では、投資に関わる経済・金融・マーケットの情報を提供する「株式会社DZHフィナンシャルリサーチ」やOANDALab編集部による、為替ニュースやマーケットレポートの提供を行っています。

DZH社のマーケットレポートは、1日あたり約100本程度の情報をきめ細かくレポートし、お客様へ提供を行っています。

具体的には、市場概況・市場見通し・通常市況・ニュース・指標予定・指標結果・スポット(主要国金利)・週間予定表・要人の発言・緊急市況・コメント等などです。

またOANDALab編集部のマーケットレポートでは、米ドル/円や豪ドル/円など各通貨ペアの見通しをレポートしています。

FOMCの動向や発表後の結果を受けて今後どうなっていくのかなど、詳細なレポートを見ることが可能です。

OANDA証券が提供するマーケットレポートは、こちらから確認できます。

FOMCが政策金利を決める上で重要視している3つの経済指標

FOMCが政策金利を決定する上で重視している経済指標は、主に以下の3つです。

  • ・米国雇用統計
  • ・CPI(消費者物価指数)
  • ・PCEデフレータ

それぞれどういった経済指標なのか、政策金利にどのような影響を及ぼすのかなどについて、詳しく解説していきます。

米国雇用統計

米国雇用統計は、米国の労働市場を調査した統計で、米国の景気動向を把握するのに重要視されている経済指標です。

具体的には、非農業部門雇用者数や失業率、平均時給、労働参加率の数値が公表されます。

FOMCは金融政策の方針を決める1つの手段として、この雇用統計の数値を重要視しています。

景気が良い場合、FOMCは金融引き締め(利上げ)を行い、景気の過熱を抑えます。

その結果、米ドルの金利が高くなり、米ドルを買いたいという人が増え、米ドルが上昇するという流れが一般的です。

逆に景気が悪い場合、FOMCは金融緩和(利下げ)を行い、景気を刺激します。

その結果、米ドルの金利が低くなり、米ドルを売りたいという人が増え、米ドルが下落しやすくなります。

このように金融政策を決める際に重要視される米国の景気動向を押さえるという点で、米国雇用統計の数値は重要です。

米国雇用統計の見方」については、こちらの記事で詳しく解説しています。

CPI(消費者物価指数)

CPI(消費者物価指数)は、物価動向を把握する経済指標です。

インフレが目標値を上回る状態が続くと、物価の上昇を抑える目的で金融引き締め(利上げ)を行い、逆にインフレが目標値を下回る状態が続くと、物価の上昇を促す目的で金融緩和(利下げ)を行います。

このように金融政策を決める上で、物価動向も判断材料となるので、CPIも必ず把握しておく必要があります。

CPIについては「CPI(消費者物価指数)とは」の記事で詳しく解説しています。

PCEデフレータ

PCEデフレータは、米国の個人消費者が実際に使ったお金をもとに算出され、個人消費の物価動向を把握する経済指標です。

CPIと同様に、インフレやデフレを把握できます。

CPIよりもPCEデフレータの方が、時代によって変化する消費者の嗜好や行動の変化などに対応しているとも考えられます。

FOMCは金融政策を決める上で、PCEデフレータを重視しています。

2つのデータの違いについては「CPI(消費者物価指数)とPCEデフレータの違い」の記事で詳しく解説しています。

またOANDA証券では、これらの経済指標以外にも、為替相場に影響を与える重要な経済指標を一覧で表示し、簡単に把握できるコンテンツを提供しています。

●OANDA証券の「国別経済指標」なら様々な経済指標が一目で把握できる

国別経済指標

「CPI」「政策金利」「PCEデフレータ」など、米ドルに大きな影響を与える経済指標が一目で把握できます。

米国だけではなく、ユーロ圏や日本など他の国の経済指標も把握できます。

OANDA証券の国別経済指標」は、経済指標が発表されると随時更新されます。

こちらのページをブックマークすることで、最新のデータを素早く取得できます。

FOMCの情報収集のコツ

FOMCで公表される声明文や記者会見などの情報は、すべて英語で発信されます。

そのため英語で情報収集をするのが良いですが、英語が苦手な場合は多少時間は遅れるものの、ロイターやブルームバーグ等のニュースサイトであれば日本語でチェックすることが可能です。

またFOMCの情報収集をする1つの手段として、次回FOMCの政策金利の織り込み度を確認する方法もあります。

FOMCの今後の動向を把握する上で、最も参考となる情報の1つに「金利先物市場」のデータがあります。

金利先物市場は金利を専門的に扱う市場であり、FRBの動向を熟知していると言っても過言ではありません。

政策金利を予想するツール「FedWatch Tool」の使い方については、「FedWatch Tool(フェドウォッチ ツール)とは|使い方・注意点を解説」の記事で解説しています。

●OANDA証券ではFF金利先物市場の政策金利の織り込み度を確認できるツールを提供している

OANDA証券ではFF金利先物市場の政策金利の織り込み度を確認できるツールを提供している

金利予想の変化を確認することで、市場がどの程度FOMCのデータを織り込んでいるのかを把握できます。

またOANDA証券の口座開設者のみですが、金利予想比率の変化タブでは、米ドル/円の値動きと比較できるほか、会員ステータスがGoldの方は、その他の銘柄の値動きと比較することも可能です。

OANDA証券が提供するグラフは、「FF金利先物市場における次回FOMCの政策金利の織り込み度の推移」の記事からご確認ください。

FOMCに関するQ&A

FOMCに関して、以下のような疑問点がよく挙げられます。

  • ・FOMCの結果は日本時間で何時にわかりますか?
  • ・FOMCは1年に何回開催されますか?
  • ・サマータイムとは何ですか?
  • ・ベージュブックとは何ですか?
  • ・FOMCはなぜ重要なんですか?

FOMCの結果は日本時間で何時にわかりますか?

FOMCの結果は日本時間午前4時(米国がサマータイムのときは午前3時)に発表されます。

その後、日本時間午前4時半(同午前3時半)から、FRB議長による記者会見が開かれます。

FOMCは1年に何回開催されますか?

FOMCは約6週間おきに、年8回開催されます。

その中でも3月・6月・9月・12月のFOMCでは、経済見通しが同時に発表されることから注目度が高くなっています。

サマータイムとは何ですか?

サマータイムとは、日照時間の長くなる夏の期間に時計の針を1時間早める制度のことです。

夏と冬で日照時間の差が大きい北米や欧州、オセアニアなどでも導入されています。

標準時間から1時間早めるので、サマータイム制度のない日本からみると時差が1時間少なくなります。

米国では、毎年3月第2日曜日から11月第1日曜日の期間がサマータイムです。

ベージュブックとは何ですか?

ベージュブックとは、米国にある12の地区の連邦準備銀行が、管轄地区の経済状況をまとめた「地区連銀経済報告」のことです。

表紙の色がベージュ色であるため、ベージュブックと呼ばれています。

内容は、米国の経済情勢についての総合判断に加え、製造・金融・不動産・雇用・消費支出などの各項目についての説明がまとめられています。

FOMCの2週間前の水曜日に公表され、FOMCで金融政策を変更するか否かの判断材料に用いられます。

FOMCはなぜ重要なんですか?

FOMCが重要な理由は、米国の金融政策が決定・発表されるためです。

米国の経済は世界の経済にも大きく影響するため、FOMCの発表内容によっては為替レートも大きく変動することがあります。

FOMCでは通貨供給量や政策金利の誘導目標などの重要な内容が決定され、FOMCメンバーによる今後の経済見通しなども発表されます。

FOMCの結果次第で円高や円安が加速することもあり、FX取引のファンダメンタルズ関連のイベントの中でも、重要なものの1つと言えます。

【まとめ】FOMCとは|開催日程・今後の予想について解説

連邦公開市場委員会(FOMC)とは、米国の政策金利などを決定するための会合です。
政策金利はさまざまな経済活動に影響を与えるため、市場参加者の注目度がきわめて高い経済指標です。
FXで取引するにあたって、動向を把握することが推奨されます。

OANDA証券では「国別経済指標」で経済指標をまとめてチェックでき、「マーケットニュース」で各国の最新ニュースをいち早く確認できます。

OANDA証券での取引に興味をお持ちいただけた方は、以下のボタンから口座開設をご検討ください。

口座開設ボタン


本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。

この記事をシェアする

ホーム » FX/CFD初心者の方 » 【2025年1月更新】FOMCとは|開催日程・今後の予想について解説