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【2025年】米ドル/円(USD/JPY)予想・今後の見通し|今後1年間の値動きを徹底分析


国内で米ドル/円は取引金額シェアが圧倒的に高く、多くの投資家から人気を集めています
流動性が高いうえに情報を得やすく、他の通貨ペアと比べてFX初心者でも取引しやすいのが特徴です。

米ドル/円のチャート

上の米ドル/円の月足チャートを見ると、2022年以降に騰勢を強めていることがわかります。

米国では政策金利を引き下げつつある一方、日本では逆に上昇しています。
これは一般的に円高要因とされるものの、トランプ次期大統領の政策はドル高要因だともいわれています。
この記事では、来年(2025年)の見通しや投資戦略などについて詳しく解説します。

1.米ドル/円(USD/JPY)のリアルタイムチャート

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ドル(USD)は、アメリカ合衆国の通貨で、アメリカドルやUSドルなどといった名称があります。

基軸通貨としての役割もあるため、信用性が高く他の通貨と比べて圧倒的に取引量(流動性が高い)が多い通貨です。
値動きも安定している傾向にあることから、FX初心者からも人気を集めます

>基軸通貨とは?詳細はこちら

また「有事のドル買い」という言葉がある通り、市場のリスク回避色が強まり資金を安全資産へ移す局面(リスクオフ)では、買われやすい傾向があります。

ただし、アメリカで発生したリスクの場合は、ドルが売られる場合もあるので注意しましょう。
たとえば、2001年に発生したアメリカ同時多発テロでは、ドルが売られました。
リスクオフだからと言ってドルを買うのではなく、どこにリスクがあるのかを把握したうえで対応をする必要があります。

2.【2025年】米ドル/円の予想・今後の見通し

2025年の米ドル/円の値動きを予想する前に、2024年の推移を確認します。

【2024年】米ドル/円の振り返り

米ドル/円のチャート

米ドル/円の日足チャートを見ると、2024年は140円台で取引が始まり、7月には161円台に到達したことがわかります。
半年間で20円以上の円安であり、この要因として日米金利差の拡大が挙げられます。

以下は、米国と日本の政策金利を比較したチャートです(2024年12月19日更新)。

米国の政策金利の推移

日本の政策金利の推移
(出典:国別経済指標

米国では2022年から2023年にかけて政策金利が引き上げられた一方、この時期の日本の政策金利は据え置かれたことがわかります。

米国は物価上昇率が高く、インフレを抑えるために金融引き締めが実行されました。
日本でも物価が上昇したものの、政策金利の引き上げは2024年に入ってからのことです。

為替相場は、金利の高い通貨が買われ、安い通貨が売られる傾向にあります。
2024年前半の米ドル/円は、この傾向に沿った動きです。

しかし、2024年半ば以降、米国は政策金利の引き下げに転じ、日本では政策金利の引き上げに踏み切りました。
2024年後半の米ドル/円は大きく上下動しており、不安定な値動きとなっています。

2025年はトランプ政権の経済政策とFOMCの対応が鍵

2025年はトランプ政権の経済政策に注目が集まりそうです。

トランプ政権は2025年に誕生するため、当記事執筆時点(2024年12月)において政策運営を担っているわけではありません。
しかし、大統領就任後の経済政策等について、トランプ次期大統領は次々と情報を発信しています。
市場関係者はこの情報を元に来年の政策運営について予想し、これが米ドル/円の値動きにも影響を与えています。

注目を集めている政策の一つが、関税です。

2024年11月26日、トランプ次期大統領は中国・カナダ・メキシコに対する関税の引き上げを発表しました。
関税の引き上げは米国内の物価上昇率を高めると予想されており、これが現実になると連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利の引き下げを停止する可能性が考えられます。
トランプ次期大統領は選挙戦の際にも関税の引き上げについて言及しており、2024年後半の米ドル/円はドル高で推移してきました。

2025年、関税は引き上げられるのかどうか、そして引き上げられる場合に物価は上昇するのかしないのか、さらに、物価動向を受けてFOMCはどのように判断するのか。
2025年はこれらの点に注目が集まると考えられます。

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3.米ドル/円の値動きの特徴

米ドル/円の値動きの特徴として、以下の3点を挙げることができます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

FRBの金融政策との関係

米ドルの大きな変動要因の一つに、FRBの金融政策があります。
米国の政策金利についてはFOMC(連邦公開市場委員会)によって決定され、約6週間ごとに原則年8回開催(必要に応じて随時開催)されます。

2025年の開催日程は、以下の通りです。

                                                 
1月28日~1月29日
3月18日~3月19日
5月6日~5月7日
6月17日~6月18日
7月29日~7月30日
9月16日~9月17日
10月28日~10月29日
12月9日~12月10日

>FOMCの過去の日程について知りたい方はこちら

FOMCでは、主に以下5つの情報が公開されます。

1.声明文
2.FRB議長の記者会見
3.FOMCメンバーの経済見通し
4.議事要旨
5.FOMCメンバーのコメント

声明文では、金融政策の変更の有無や決定事項などが発表されます。
たとえば、アメリカが金融引き締め(利上げ)を行えばドルが買われやすく、金融緩和(利下げ)を行えばドルが売られやすくなるのが一般的です。

>FOMCでの情報収集方法や声明文の見方などはこちら

その他にも、FRB議長の記者会見やFOMCメンバーによる経済見通しなども重要なため、確認しておくと良いでしょう。

>FOMCが為替相場に与える影響についてはこちら
>FOMCで決定される2つの事項についてはこちら
>計11名のFOMC参加メンバーの詳細はこちら
>FOMCの発表直前にチェックすべきことについてはこちら
>FRB議長、ECB総裁、日銀総裁の記者会見のリアルタイム動画はこちら

また、FRBの金融政策動向を分析する上で、以下2つの経済指標も随時確認しておきましょう。

米国雇用統計

米国雇用統計は、米国の労働市場を調査したもので、景気動向を把握するのに重要な経済指標です。
主に、非農業部門雇用者数や失業率などが公表されます。

FRBは、金融政策を決めるうえで、この米国雇用統計の数値を重要視しています。
たとえば、景気が良い場合は、景気の過熱を抑えるため金融引き締めを行います。
金利が上昇すれば、利子が大きくなることからドルを買いたい人が増え、上昇するのが一般的です。
反対に、景気が悪い場合は、景気を良くするために金融緩和を行います。
金利が下落すれば、利子が少なくなることからドルを買いたい人が少なくなり、下落しやすくなります。

>雇用統計とは?についてはこちら
>非農業部門雇用者数や失業率などについてはこちら
>雇用統計時にトレードを行う際の注意点はこちら
>過去13年間のデータから雇用統計発表時に米ドル/円がどのように推移するのかを検証
>雇用統計の事業所調査と家計調査の違いや見方についてはこちら

CPI(消費者物価指数)

CPI(消費者物価指数)は、物価動向を把握するのに重要な経済指標です。
具体的には、国のインフレ(インフレーション)やデフレ(デフレーション)などが分かります。

FRBは雇用だけではなく、物価の安定化も担っています。
CPIも雇用統計と同様に、FRBが金融政策を決めるうえでの重要な経済指標です。
たとえば、CPIが高くインフレ状態が続くと、物価上昇を抑えるために金融引き締めを行います。
反対に、CPIが低くデフレ状態が続くと、物価の上昇を促すために金融緩和を行います。

>CPI(消費者物価指数)とは?についてはこちら
>CPIがマーケットに与える影響についてはこちら
>CPI・PPI・PCEデフレーターの違いについてはこちら
>CPIの算出方法や構成比率についてはこちら
>CPIナウ(CPI Now)とは?についてはこちら

これらの経済指標は、毎月発表されます。
発表日程を抑えておくようにしましょう。

>経済指標カレンダーはこちら

米国債利回りとの関係

米ドルと米国債利回りの動きは連動するケースがあり、一般的に米国債利回りの上昇は米ドルの買い材料です。

米国債利回りが上昇すると、米国債投資で多くの金利を得られます。
米国債投資の魅力が増すので米ドルに対する需要も高まり、ドル高が進みやすくなります。
ただし、常に連動するとは限らず、また、ネガティブな要因での米国債利回り上昇はドル売り材料になりうるので注意が必要です。

逆に、米国債利回りが下落する場合は、米国債投資の魅力が減るため米ドルの需要も減少し、ドル安につながりやすいと考えられます。

ドルインデックス、米10年債利回り、米2年債利回りの比較チャート
(出典:TradingView

>ドルインデックス(ドル指数)のリアルタイム更新チャートをTradingView(トレーディングビュー)で表示する
>日本10年国債利回り・アメリカ10年国債利回りリアルタイム更新チャートをTradingViewで表示する方法

上のチャートを見ると、相関性が出ている局面と出ていない局面に分かれており、一概に相関性を見出すのは難しそうです。

FXは通貨ペアで取引するので、もう片方の通貨の国債利回りもあわせて確認すると相関性が見えてくる場合もあります。
下のチャートは、米ドル/ユーロ(ユーロ/米ドルを逆にしたもの)と米国債10年利回りからドイツ国債10年利回りを引いた値を比較しています。

USDEURと、米10年債利回りから独10年債利回りを引いた値を比較したチャート
(出典:TradingView

>TradingView(トレーディングビュー)の通貨ペアを逆に表示する方法
>TradingViewで米ドル/円と日米10年債利回りを比較する方法

綺麗な相関性があるとは言い難いですが、同じ方向に動く時期もあり、トレンドを把握する際の参考にできます。
たとえば、米ドル/円なら米国債と日本国債の利回り差、ポンドドルなら英国債と米国債の利回り差と比較すると、相関性を見出せる可能性があります。

金相場とは逆相関

米ドルと金価格の動きは、逆相関の傾向があります。
米ドルが上昇すると金価格は下落し、米ドルが下落すると金価格は上昇するという関係です。

下のチャートは、米ドル/円(USDJPY)と米ドル建て金価格(XAUUSD)の動きを示しています。
比較的分かりやすい逆相関になっている期間が多いことがわかります。

米ドル/円と金価格の比較チャート
(出典:TradingView

>米ドル/円(USD/JPY) リアルタイム為替レート・FXチャート
>金(ゴールド/XAU) リアルタイムCFDチャート・レート

米ドルと金の動きが逆相関になる理由として、金は米ドル建てで取引されるという点が指摘されています。

米ドルが他の通貨に対して高くなる場合、円やユーロで金を買う投資家は、米ドル建ての金価格に変化がなかったとしてもより多くの資金を準備する必要があります。
米ドル以外の通貨建てで見た金価格に割高感が生じるため、買い控えの動きが生じ、金価格は下落しやすくなります。

逆に、米ドルが他の通貨に対して安くなる場合、円やユーロで金を買う投資家は、米ドル建ての金価格に変化がなかったとしても、より少ない資金で金を買えます。
米ドル以外の通貨建てで見た金価格に割安感が生じるため、買い意欲が増し、金価格は上昇しやすくなります。

4.米ドル/円の過去の価格推移(2003年~2024年)

2003年~2024年のおよそ20年間、米ドル/円はどのような要因によって変動してきたのかを見ていきましょう。

米ドル/円の長期チャート
(出典:TradingView

【2007年~2008年】
サブプライムローン問題・リーマンショック

2007年のサブプライムローン問題をきっかけに、2008年にリーマンショックが発生。
アメリカの大手投資銀行であるリーマンブラザーズが破綻したことで、世界中の金融市場に影響を及ぼすほどの大規模な金融ショックとなりました。

米ドル/円は、約122円台(2007年6月時点)で推移していましたが、約76円台(2011年8月時点)まで下落しています。

【2012年~2015年】
アベノミクス

2012年12月には、第2次安倍政権が発足し、アベノミクス(3本の矢)による経済政策を実施。
大胆な金融政策・機動的な財政政策・民間投資を喚起する成長戦略を行い、リーマンショックにより円高基調となっていた相場を、円安方向へとシフトさせました。

米ドル/円は、約77円台(2012年9月時点)で推移していましたが、約124円台(2015年5月時点)まで上昇しています。

【2015年】
チャイナショック

2015年には、中国の景気減速を起因とするチャイナショックが発生。
2000年代に入り、中国政府の政策を受けて個人投資家は株式に積極的に投資し、中国経済は急速に成長しました。
しかし、ひとたび下落に転じると投資家たちのロスカットなどによりバブルがはじけました。

米ドル/円は、約123円台(2015年6月時点)で推移していましたが、約101円台(2016年9月時点)まで下落しています。

【2020年】
コロナショック

2020年には、中国で発生した新型コロナウイルス感染症により、コロナショックが発生。
世界中で感染が拡大し、海外旅行の禁止など各国で経済活動の制限を余儀なくされ、世界経済は低迷しました。

米ドル/円は、約108円台(2020年1月時点)で推移していましたが、約103円台(2020年12月時点)まで下落しています。

【2022年】
ロシアウクライナ問題

2022年には、ウクライナのNATO(北大西洋条約機構)加盟阻止などを理由に、ロシアがウクライナ国内に軍事侵攻を実施。
世界的なサプライチェーンの混乱を招き、世界各国で大規模なインフレを発生させました。

インフレを抑えるべく、日本以外の主要先進各国では金融引き締め(利上げ)を実施。
日本と主要先進各国の金利差は拡大し、大幅な円安を発生させました。

米ドル/円は、約114円台(2022年2月時点)で推移していましたが、約150円台(2023年10月時点)まで上昇しています。

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6.まとめ

2024年半ば以降、米国は政策金利の引き下げに転じ、日本では政策金利の引き上げに踏み切りました。
2024年後半の米ドル/円は大きく上下動しており、不安定な値動きとなっています。

2025年はトランプ政権の経済政策に注目が集まりそうです。
米国の関税政策などの影響を受けて米ドル/円が変動する可能性があるので、注意が必要です。

また、米国の政策金利の動向や各種経済指標も、引き続き米ドル/円の動きに大きな影響を与えると考えられます。

なお、米ドル/円の投資戦略を立てる際に重要なのは、見通しだけではありません。
エントリーや決済のタイミングも大切です。
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