FXの取引時間|為替相場が活発に動く時間帯や各市場の時間帯などをわかりやすく解説
FXは平日・祝日の24時間取引が可能です。
取引時間が限定される株式投資と比べて自由度が高いのが特徴です。
ただし、時間帯によって相場の特徴が異なるため、取引時間を意識することも重要です。
本記事では、FXの取引時間、相場が活発に動きやすい時間帯、リスクが高い時間帯について詳しく解説します。
目次
- 1.FXの取引時間は?
- 2.FXの各市場ごとの取引時間帯・特徴
- 3.FXの取引相場が活発に動きやすい時間帯
- 4.FXの取引時間に関する注意点
- 5.取引タイミングの判断ができるOANDA証券の2つのインジケーター
- 6.FXの取引時間に関するQ&A
- 7.【まとめ】FXの取引時間|為替相場が活発に動く時間帯や市場ごとの特徴などをわかりやすく解説
FXの取引時間は?
FXの取引時間について解説します。
- ・FX取引ができる時間帯
- ・FX取引ができない時間帯
- ・サマータイム(夏時間)制度
FX取引ができる時間帯
FX取引ができる時間帯に関して、押さえておきたいポイントは以下の2つです。- 1.基本的に平日(月曜日の朝~土曜日の朝)・祝日は24時間取引が可能
- 2.クリスマス(12月25日)・大晦日(12月31日)は、取引時間短縮の可能性あり
外国為替市場は、世界の市場がリレーのようにつながっているため、平日のほぼ24時間、取引可能です。
下図は、主要市場のおおよその時間帯です(株式市場と異なり明確な取引時間の定めはなく、便宜的に区切られる)。
祝日でも、土日と重なっていない場合は取引できます。
例外として、クリスマス(12月25日)や大晦日(12月31日)は取引時間が短縮されたり、取引できない場合もあります。
これらは各FX会社によって異なるので、お知らせページなどで確認する必要があります。
FX取引ができない時間帯
FX取引ができない時間帯は、以下の2つです。- 1.土日(土曜日の朝~月曜日の朝)
- 2.1月1日
中東のバーレーン市場など一部の市場は土日でも開いていますが、市場参加者は少なく、日本から取引を行うことも困難です。
1月1日については、世界中で市場が休場となるので、取引を行えません。
12月31日や1月2日については、多くのFX会社で取引を行えます(時間が変更・短縮されるケースもあります)。
サマータイム(夏時間)制度
FXの市場には「サマータイム(夏時間)」が導入される時期があります。サマータイムとは、夏の時期に時計の針を1時間早く進め、太陽が出ている時間を有効利用する制度です。
米国では、サマータイム期間は「3月の第2日曜日〜11月の第1日曜日」であり、取引時間が1時間前倒しになります。
例えば、OANDA証券の場合は以下のように取引時間が変わります。
オープン | クローズ | |
---|---|---|
標準時間(冬時間) | 毎月曜日の午前7時5分 | 毎土曜日の午前6時59分 |
サマータイム(夏時間) | 毎月曜日の午前6時5分 | 毎土曜日の午前5時59分 |
各国の経済指標の発表なども1時間早くなるため、サマータイムや標準時間に切り替わるタイミングには注意が必要です。
FXの各市場ごとの取引時間帯・特徴
ここでは、各市場ごとの取引時間帯と特徴について解説します。
- ・ウェリントン・シドニー市場の取引時間
- ・東京市場の取引時間
- ・ロンドン市場の取引時間
- ・ニューヨーク市場の取引時間
ウェリントン・シドニー市場の取引時間
ウェリントン市場は、外国為替取引の1日で最も早く始まる市場です。ウェリントン市場の取引時間は、日本時間で5:00~14:00(サマータイム時:4:00〜13:00)頃までです。
ウェリントン市場に次いでシドニー市場がオープンします。
早朝は比較的流動性が低く、スプレッドは主要市場よりも広くなる傾向があります。
また、週末に重要な出来事が起きると、週明けにウェリントン市場で窓が開いたり、大きな価格変動が起こることもあります。
東京市場の取引時間
東京市場の取引時間は、日本時間で8:00~17:00頃までです。
特徴は、円を含む通貨ペア(クロス円)の取引が活発になりやすいことです。
毎日、金融機関が仲値(外国為替取引の基準レート)を決定する9時55分に向けて、USD/JPY(米ドル/円)相場は「円安・ドル高」方向に動きやすい傾向(アノマリー)があります。
また、東京市場では「五十日(ごとうび)」(5と10がつく日)も注目されます。
これらの日は企業の決済日が多く、取引先に支払う米ドルの需要が増え、結果として円安・ドル高になりやすいという特徴があります。
ロンドン市場の取引時間
ロンドン市場の取引時間は、日本時間で16:00〜2:00(サマータイム時:15:00〜1:00)頃までです。
下図の通り、ニューヨーク市場との重複時間帯に、値動きが大きくなる傾向があります。
19時頃はヨーロッパで昼休みの時間に当たるため、一時的に取引が少なくなる傾向があります。
ロンドン市場は世界最大の取引量(流動性)を誇る市場で、ユーロや英ポンドなどの欧州通貨が活発に取引されます。
ユーロ圏の経済指標が発表されるタイミングには、値動きが大きくなる場合があります。
また、日本時間の午前1時(サマータイム時は24時)は顧客向けの為替基準レートが公表される時間(ロンドンフィキシング)であり、取引が活発になる傾向があります。
ニューヨーク市場の取引時間
ニューヨーク市場の取引時間は、日本時間で22:00~6:00(サマータイム時:21:00〜5:00)頃までです。
前述の通り、オープン時はロンドン市場の取引時間と重なり、世界全体の市場における値動きのピークを迎えます。
ニューヨーク市場で取引の中心となるのは、米ドル関連の通貨ペア(ドルストレート)です。
また、以下のような米国の重要な経済指標(米国雇用統計など)は、日本時間21時~23時頃の時間帯に発表されます。
- ・消費者物価指数(CPI)
- ・非農業部門雇用者数(NFP)
- ・失業率
日本時間の24時(サマータイム時は23時)は、ニューヨークオプションカット(通貨オプションの権利行使の期限)の時刻にあたります。
これに合わせて売買が増え、値動きが活発になることがあります。
FXの取引相場が活発に動きやすい時間帯
次に、FXの相場が活発に動きやすい時間帯について解説します。
- ・日本時間8時~10時(東京為替市場オープン後の2時間)
- ・日本時間16時~19時(ロンドン為替市場オープン後の3時間)
- ・日本時間22時~早朝2時(ニューヨーク為替市場オープン後の4時間)
日本時間8時~10時(東京為替市場オープン後の2時間)
8時~10時は東京市場オープン後の2時間であり、日本・中国・豪州・シンガポールなどの投資家が取引に参加し始めます。
特に、「仲値(なかね)」が発表される9時55分前後は、値動きが活発になる傾向があります。
仲値が決まり10時を過ぎると、次第に値動きは落ち着きます。
なお、8時~10時の間に、日本の経済指標が発表されることもあり、内容次第で相場が大きく変動することもあります。
日本時間16時~19時(ロンドン為替市場オープン後の3時間)
16時〜19時は世界最大の外国為替市場であるロンドン市場がオープンするため、取引が活発になります。
15時頃から取引に加わる「アーリーロンドン」と呼ばれる参加者もいます。
この時間帯には、ユーロや英ポンドを含む通貨ペアの変動が活発になりやすいです。
東京時間とは通貨の強弱が逆転し、全く異なる値動きをすることもあります。
また、ユーロ圏HICP(消費者物価指数)など、経済指標が発表された時は、相場に大きく影響する可能性があります。
19時頃になるとヨーロッパの投資家が昼休みに入るため、値動きが落ち着く傾向にあります。
日本時間22時~早朝2時(ニューヨーク為替市場オープン後の4時間)
基軸通貨(国際取引で幅広く使用される通貨)である米ドルは世界で最も流通している通貨であり、米国市場には世界中の投資家が参加します。22時〜6時のニューヨーク市場の中でも、市場オープン後の値動きが活発です。
特に、ロンドン市場と重なる時間帯は、最も取引が多い時間帯の1つです。
また、通貨オプション権利行使の期限時刻である「24時(サマータイム時は23時)」と、ロンドン市場の顧客向けの為替基準レートが決まる「午前1時(サマータイム時は24時)」は取引が活発になり、相場が変動しやすい傾向があります。
FXの取引時間に関する注意点
ほぼ24時間取引できるFXですが、値動きへの対処が難しく、取引を避けた方がいいと考えられる時間帯もあります。
- ・日本時間6時〜7時
- ・クリスマス
- ・年末年始
- ・重要な経済イベントの前後
日本時間6時〜7時
早朝の6時〜7時は東京市場の開場前であり、取引の参加者が少なく流動性が低くなる傾向があります。
流動性が低いと「希望とかけ離れた価格で約定する可能性がある」「スプレッドが広がりやすい」などのデメリットがあります。
また全体の取引量が少ない分、投機筋による大口の取引によって、価格が急騰・急落するリスクも考えられます。
上記の理由から、明確な目的がなければ取引を避ける方が無難といえます。
クリスマス
欧州や米国では一般的に、クリスマス(12月25日)は休日となっています。
これに合わせて日本のFX会社も取引時間を短縮することがあります。
特に大きな取引量を誇るロンドン市場・ニューヨーク市場が休場のため、市場の動きが通常時よりも世界的に小さくなりやすく、流動性が低下する傾向があります。
このため、クリスマスはスプレッドが広がる可能性が高まります。
年末年始
年末年始は、相場が急変するリスクが高まりやすいため、取引の際には注意が必要です。
これには主に以下の理由が挙げられます。
年末には、ポジションを決済・調整する人が多い傾向があり、相場が予測しにくくなります。
また、クリスマスから年末年始には休暇を取る人が増え、市場参加者が減ることで流動性が低下します。
このため、急なスプレッドの拡大や約定力低下(希望価格で注文が成立しにくくなる)が発生する可能性もあります。
決算シーズンについては、大企業の多くが12月を決算月としています。
12月決算が多い代表的な国は以下の通りです。
- ・米国
- ・中国
- ・ドイツ
- ・フランス
- ・イタリア
- ・カナダ
- ・韓国
- ・英国(3月決算も見られる)
集中する企業決算は、その国の株式市場全体の相場に影響します。
なお、1月1日は世界中で祝日とされており、原則全ての市場が休場になるので、取引は行えません。
重要な経済イベントの前後
重要な経済指標イベントの前後も値動きが予測しづらく、想定外の価格変動により損失を被る可能性があります。
注意すべきタイミングには、以下が挙げられます。
- ・重要な経済指標発表の前後
- ・要人発言の前後
重要な経済指標発表の前後
経済指標発表前は、市場参加者たちが様子見するため相場の値動きが小さくなる傾向がありますが、発表後は一転して盛んに取引が行われ、値動きが活発になります。指標発表後は相場が瞬間的に上下に振れることもあり、こうした値動きが予想しづらいタイミングでの取引はリスクが大きいため、注意が必要です。
OANDA証券の「経済指標カレンダー」では、世界の重要な経済指標の発表日時をまとめて確認できます。
重要な経済指標が発表される日時は、前もって確認しておくことが推奨されます。
要人発言の前後
要人発言の前後も相場が荒れやすいため、注意が必要です。
例えば、主要国首脳や中銀総裁、経済政策を担う大臣やその関係者の発言などが挙げられます。
要人発言は、予定が決まっている会見や講演で発表される場合もあれば、サプライズで発表されることもあります。
OANDA証券では、「要人発言」や市場の「マーケットニュース」といった最新情報を毎日配信しています。
取引タイミングの判断ができるOANDA証券の2つのインジケーター
OANDA証券では、取引に役立つ多数のインジケーターを無料で提供しています。
ここでは、取引タイミングの判断をサポートするインジケーターを2種類紹介します。
- ・各市場の高値安値を表示するインジケーター
- ・週明けの窓チェックインジケーター
各市場の高値安値を表示するインジケーター
東京、ロンドン、ニューヨークの3市場それぞれの時間帯の高値と安値が、一目でわかるインジケーターです。
各市場の時間帯や特徴を意識しながらトレードすることで、投資機会を見つける目が養われます。
出典:MT4
上図のように、東京・ロンドン・ニューヨーク市場の時間帯が色分けして表示され、さらに各市場における高値・安値が表示されます。
「各市場の高値安値を表示するインジケーター」については、以下の記事で詳しく解説しています。
各マーケットHigh Low表示 MT4インジケーター 無料プレゼント
週明けの窓チェックインジケーター
「金曜日の終値」と「月曜日の始値」の差を、「週明けの窓」といいます。
窓が発生すると、窓を埋める(週末と週始めの価格差を縮める)方向に値動きする傾向があります。
そのため、窓の有無や大きさを把握すると、月曜日の売買戦略が判断しやすくなります。
特に、窓が大きくなると、その差を埋めるよう相場が動くことが多いため注目です。
このインジケーターを使うと、下画像のように週末と週明けの価格線が表示され、窓の大きさもpips単位で把握できます。
出典:MT5
「週明けの窓チェックインジケーター」については、以下の記事で詳しく解説しています。
なお土日はFX取引ができないため、ポジションを翌週に持ち越す場合には、週明けに窓が開くリスクがあります。
「土日にポジションを持ち越す場合の注意点」については、以下の記事で詳しく解説しています。
FX取引は土日もできる?週末にポジションを持ち越す場合の注意点などを解説OANDA証券の本番口座を持っていれば、これらのMT4のインジケーターを無料で使用できます。
OANDA証券の口座開設は、以下のボタンより行えます。
FXの取引時間に関するQ&A
FXの取引時間に関するよくある疑問は、以下の通りです。- ・初心者が取引しやすいおすすめの時間帯は?
- ・FX取引が24時間可能なのはなぜですか?
- ・FXは土日でも取引できますか?
初心者が取引しやすいおすすめの時間帯は?
22時〜2時のロンドン市場とニューヨーク市場が重なる時間帯は、市場が活発であるため値動きの方向性が出やすく、初心者でも取引しやすい時間帯と考えられます。
日中はチャートを見られない方でも、夜の時間帯の値動きの活発な市場に参加できます。
ただし、この時間帯に米国の経済指標の発表があると相場が大きく動くこともあるので、スケジュールの把握が重要です。
FX取引が24時間可能なのはなぜですか?
FXが平日24時間取引できる理由は、常に世界のいずれかの市場がオープンしているためです。主要な各市場のオープン時間を、標準時間(冬時間)とサマータイム(夏時間)で一覧にすると、以下の通りです。
(時間は全て日本時間)
外国為替市場 | 標準時間(冬時間) | サマータイム(夏時間) |
---|---|---|
ウェリントン市場 (ニュージーランド) |
5時 | 4時 |
シドニー市場 (オーストラリア) |
7時 | 6時 |
東京市場(日本) | 8時 | 8時 |
ロンドン市場(英国) | 16時 | 15時 |
ニューヨーク市場(米国) | 22時 | 21時 |
東京市場が閉まっている時間帯でも海外の市場が開いているため、FXは24時間いつでも取引が可能となっています。
FXは土日でも取引できますか?
土日は世界中の市場が休みのため、原則FX取引ができません。
ただし、日本時間で金曜日から土曜日に変わってもロンドンとニューヨーク市場はまだ開いており、土曜日の午前7時頃(夏時間は6時頃)までは取引が可能です。
なお、土日でも中東のバーレーン市場など、例外的に開いている市場はあります。
しかし、中東の市場は取引高が少なく、参加するトレーダーは限られています。
日本の祝日については、土日と重なっていなければ取引できます。
【まとめ】FXの取引時間|為替相場が活発に動く時間帯や市場ごとの特徴などをわかりやすく解説
FX取引は平日24時間可能で、月曜朝から土曜朝までの間、世界中の市場がリレーのようにつながって開いていきます。具体的には、ウェリントン市場(ニュージーランド)が最も早く、続いてシドニー、東京、ロンドン、ニューヨーク市場が開場していきます。
取引ができない日としては、土日と1月1日が挙げられます。
東京、ロンドン、ニューヨーク市場は取引が活発で、中でもロンドン市場とニューヨーク市場が重なる日本時間夜の時間帯はトレンドが発生しやすい傾向があります。
FXは24時間取引できるといっても、相場は時間帯によって性質が異なることを理解しておく必要があります。
OANDA証券では、FX初心者の方が取引を行う上で役立つポイントを、以下のコンテンツでわかりやすく解説しています。
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