FXを1万円から始める方法|少額で取引を始めるメリット・デメリットについて解説
FX取引に関心があるものの「大きな損失を出すのが怖い」「十分な資金がない」
という理由で、躊躇している方は多く存在しているでしょう。
しかし「1万円」という少額であれば、これらの心配をせず最小限のリスクでFX取引をスタートすることが可能です。
本記事では、FX取引を1万円から始める方法や、損益の計算方法、メリットやデメリットなどの内容をまとめています。
「少額の資金でFX取引を始めたい」「リスクを抑えながらFX取引を始めたい」と考えている方は、参考にしましょう。
目次
- 1.FXが1万円から始められる理由
- 2.FXを1万円で取引した場合の損益の計算方法
- 3.FXを1万円で始めるメリット
- 4.FXを1万円で始めるデメリット
- 5.FXを1万円から始める際の注意点
- 6.【まとめ】FXを1万円から始める方法|少額で取引を始めるメリット・デメリットについて解説
FXが1万円から始められる理由
FX取引が1万円から始められる理由は、以下の通りです。
- ・FX会社ごとに異なる最小取引数量
- ・FXはレバレッジを掛けられる
FX会社ごとに異なる最小取引数量
取引を始められる金額は、FX会社によって異なります。
それぞれの会社で「最小取引数量」が設定されており、この数量によって取引を始められる金額が決まります。
最小取引数量は「1通貨・1,000通貨・10,000通貨」などの単位で設定されています。
この数値は、FX会社や各社が提供する取引コースなどによって異なります。
1通貨・1,000通貨・10,000通貨での具体的な取引金額は、以下の通りです。
(1ドル140円、通貨ペアは米ドル/円と想定)
1通貨(1ドル)の取引 | 1通貨×140円=140円分の取引 |
1,000通貨(1,000ドル)の取引 | 1,000通貨×140円=140,000円分の取引 |
10,000通貨(10,000ドル)の取引 | 10,000通貨×140円=1,400,000円分の取引 |
最小取引数量が1通貨の場合、140円分の取引からFXを始められます。
1,000通貨なら140,000円、10,000通貨なら1,400,000円です。
FXはレバレッジを掛けられる
FX取引はレバレッジを掛けられるため、少額の投資でも決して小さくない利益を狙えます。
国内で個人がFX取引を行う場合、最大で25倍までレバレッジを掛けることが可能です。
レバレッジが25倍ということは、本来必要な取引金額の4%を証拠金として預け入れれば、取引を行えます。
FXにはこのようなレバレッジの仕組みがあるため、1通貨・1,000通貨・10,000通貨の取引に必要な証拠金(自己資金)は、以下の通り少なくなります。
1通貨(1ドル)の場合 | 140円×4%=5.6円 |
1,000通貨(1,000ドル)の場合 | 140,000円×4%=5,600円 |
10,000通貨(10,000ドル)の取引 | 1,400,000円×4%=56,000円 |
上記のように1通貨なら5.6円、1,000通貨なら5,600円から取引をスタートできます。
例えば1,000通貨(14万円)の取引を行う場合、レバレッジを活用すれば自己資金が1万円でも取引できます。
なお、ここではレバレッジ25倍で計算していますが、実際の取引をレバレッジ25倍で行うのは、高いリスクを伴います。
FX初心者のうちは、レバレッジは数倍か高くても10倍程度までに抑える方が安全といえます。
レバレッジについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
FXを1万円で取引した場合の損益の計算方法
ここでは、1万円でFX取引を行った場合の、損益の計算方法を説明します。
一般的な計算方法
FXを1万円で取引した場合の損益は、ロット(Lot)数や獲得pips(ピップス)数、通貨ペアによって変わります。
ロットとは取引数量のことで、FXはロット数の上げ下げによって、リスクをコントロールできます。
例えばロット数が高い取引は、大きな利益を期待できる反面、大きな損失を出すリスクも高まります。
逆にロット数を抑えた取引は、大きな利益を期待できませんが、大きな損失を出すリスクを抑えられます。
リスクとは?
FXのリスクとは、「不確実性」と考えられます。 一般的には「危険」「危険性」などを思い浮かべやすいですが、FXでは少し異なった捉え方をします。不確実性とは、収益と損益の差、つまり振れ幅が大きくなるリスクの高さを表します。 |
pipsとは、値幅を表す最小単位です。獲得pips数が多いほど、大きな利益を得られます。
FX取引の損益計算は、以下の通りです。
円絡みの通貨ペア(米ドル/円など)の場合 | 獲得pips×0.01×取引単位=損益 |
円絡みでない通貨ペア(ユーロ/米ドルなど)の場合 | 獲得pips×0.0001×取引単位=損益 |
1万円でFXを始める場合は、1通貨や1,000通貨からの取引が一般的です。
上記計算式を踏まえ、1通貨や1,000通貨の損益は以下の通りです(米ドル/円の場合)。
獲得pips数 | 1通貨 | 1,000通貨 |
---|---|---|
1pips | 0.01円 | 10円 |
10pips | 0.1円 | 100円 |
100pips | 1円 | 1,000円 |
1通貨からの取引なら1pipsの変動で0.01円、1,000通貨なら1pipsの変動で10円の損益です。
このように1万円からの取引では、あまり大きな利益を期待できません。
しかし、これからFX取引を始める初心者の方が、仮に1万円という取り組みやすい金額の証拠金でFXを試してみたいなら、まずは1通貨や10通貨など小さいロットからスタートすると良いでしょう。
ロットやpipsについてはそれぞれ、こちらの記事で詳しく解説しています。
レバレッジを掛けて取引した場合
レバレッジを掛けて取引を行った場合、レバレッジ倍率ごとの1通貨での損益は以下のようになります(米ドル/円の場合)。
獲得pips数 | 1倍 (レバレッジなし) |
5倍 | 10倍 | 25倍 |
---|---|---|---|---|
1pips | 0.01円 | 0.05円 | 0.1円 | 0.25円 |
10pips | 0.1円 | 0.5円 | 1円 | 2.5円 |
100pips | 1円 | 5円 | 10円 | 25円 |
同じ条件で1,000通貨での損益をまとめると、以下の通りです。
獲得pips数 | 1倍 (レバレッジなし) |
5倍 | 10倍 | 25倍 |
---|---|---|---|---|
1pips | 10円 | 50円 | 100円 | 250円 |
10pips | 100円 | 500円 | 1,000円 | 2,500円 |
100pips | 1,000円 | 5,000円 | 10,000円 | 25,000円 |
このように、高いレバレッジを掛けることで、1通貨や1,000通貨のような少額の取引でも少なくない利益を狙うことができます。
しかし、高いレバレッジを掛けることには後述するような多くのリスクがあるため、始めたばかりの方は低レバレッジで運用する方が賢明といえます。
FXを1万円で始めるメリット
FX取引を1万円で始めるメリットは、以下の通りです。
- ・最小限のリスクでFX取引ができる
- ・FX取引の経験を積むことができる
- ・精神的な負担が少ない
最小限のリスクでFX取引ができる
少額からの取引は、大きな損失を出すリスクを抑えられます。
FX取引はプロのトレーダーでも損失を出します。
言い換えれば、必ず利益を得られる取引手法や相場分析方法などはありません。
初心者の方は、FX取引ですぐに結果を求める傾向があります。
大きな資金で取引を始め、大きな損失を出して相場から退場するのはよくある失敗例の1つです。
仮に損失を発生させてしまっても、少額からの取引ならばそれほど大きな損失にはならないでしょう。
FX取引の経験を積むことができる
少額からの取引は、経験を積みやすいメリットがあります。
FX取引のスキルを向上させるには、実践経験が何より大切です。
仮に少額からの取引とはいえ、取引に失敗して損失を被る場合もあります。
しかし、大きな資金で取引する場合に比べ、損失額はそれほど大きくなりません。
大きな資金で取引を始めるよりも、少額からの取引の方が積極的に取引を行うことができるため、取引経験を積みやすいでしょう。
精神的な負担が少ない
少額からの取引は、精神的な負担を抑えられます。
大きな資金で取引を行う場合、少額から取引を始めるよりも損益額が大きいです。
つまり資金が大きいほど、精神的負担が大きくなります。
初心者の方が精神的負担が大きい取引を行えば、本来やるべきことに集中できない可能性があります。
FXのために仕事や家事・育児などを犠牲にするのは、本末転倒です。
精神的負担が少ない少額からの取引なら、心に余裕のある取引を行えます。
FXを1万円で始めるデメリット
FXを小さいロット(取引金額)で始めるデメリットは、以下の通りです。
- ・大きな利益を期待できない
- ・強制ロスカットのリスクがある
大きな利益を期待できない
少額からの取引は、大きな利益を期待できません。
ある程度投資経験のある方であれば、物足りなく感じるかもしれません。
しかしFXは、すぐに利益を出せるほど簡単な投資ではありません。
投資経験者であってもFXのスキルが足りなければ、大きな損失を出すリスクが高まります。
初めから大きな利益を上げようとせず、少額からFX取引に慣れていきましょう。
強制ロスカットのリスクがある
少額からの取引とはいえ、高いレバレッジでの取引は強制ロスカットのリスクがあります。
強制ロスカットとは、証拠金に対して一定割合の損失が生じると強制的にポジションの決済が行われる仕組みです。
一定割合以上の損失の拡大や、預けた証拠金以上の損失を防ぐ投資家保護を目的としています。
しかし、急激な価格変動や窓開けなどが発生した場合、ルール通りにロスカットが行われない(間に合わない)場合があります。
強制ロスカットに安心して高いレバレッジでの無理な取引を行えば、預けた証拠金以上の損失を出すリスクがあります。
少額からとはいえ、高いレバレッジでの取引は推奨されません。
ロスカットについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
FXを1万円から始める際の注意点
FX取引を1万円から始める際の注意点は、以下の通りです。
- ・初めから大きな利益を期待し過ぎない
- ・レバレッジを掛け過ぎない
初めから大きな利益を期待し過ぎない
FX取引で大きな利益を狙う場合は、一定のリスクを背負う必要があります。
1万円でFX取引を始めることは「リスクを抑える」ことであり、その分リターンが減ることを受け入れる必要があります。
初めから大きな利益を期待することはできなくとも、1万円からFX取引を始めれば、精神的な負担もなく取引経験を着実に積み重ねることができます。
そのような経験を重ねながら、FX取引を長期間継続していれば、やがて大きな利益も狙えるようになるでしょう。
レバレッジを掛け過ぎない
1万円という少額で大きな利益を狙うには、高いレバレッジを掛ける必要があります。
しかし、先述の通りそもそも1万円でのFX取引は、大きな利益を狙うためのスタイルではありません。
高いレバレッジを掛ければそれだけ損失も大きくなり、短期間でロスカットを受けるリスクがあります。
1万円で行うFX取引は、あくまで「取引の経験値を積むためのもの」と考えると良いでしょう。
【まとめ】FXを1万円から始める方法|少額で取引を始めるメリット・デメリットについて解説
最小取引数量が1通貨や1,000通貨に設定されているFX会社であれば、FX取引は1万円からスタートできます。
1万円でのFX取引は、リスクも小さく、安定して取引の経験を積み重ねられるため、FX初心者に適しています。
このような少額でFX取引をスタートさせたら、取引と並行して基礎知識を学ぶことも重要です。
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OANDA Lab編集部
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