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FXの手法とは|初心者でも使いやすいシンプルな手法などを紹介


FX取引の手法とは、取引ルールのことです。

相場分析で用いられるテクニカル指標などを使用し、エントリーや利益確定、損切りなどのタイミングを決定します。

FX取引で長期的に利益を上げ続けるには、自身の取引手法を確立することが重要といえます。

本記事では、FX取引の手法について解説します。

FXの手法とは

FX取引における手法とは、取引ルールのことを指すのが一般的です。

例えば、取引スタイル・分析方法・相場理論などは、全てFXの手法の括りと考えることができます。

FXの手法を研究し、自身の中で確立することで、「冷静なトレードを行える」「取引の再現性を高められる」などのメリットがあります。

FXの手法は2種類

FX取引の手法として、「順張り・逆張り」の2つに分類できます。

  • ・順張り
  • ・逆張り

順張り

順張りとは、相場の流れと同じ方向にポジションを保有する手法です。

順張り

相場が上昇トレンドの場合は、ロングポジション(買い)を保有します。

反対に、相場が下降トレンドの場合は、ショートポジション(売り)を保有します。

トレンド方向にポジションを保有するため、予想通りトレンドが継続すれば、大きな値幅の獲得が期待できる手法です。

なお、順張りは「トレンドフォロー」とも呼ばれます。

順張り」については、こちらの記事で詳しく解説しています。

逆張り

逆張りとは、相場の流れと反対方向にポジションを保有する手法です。

逆張り

相場が上昇トレンドであれば、売りポジションを保有します。

反対に、相場が下降トレンドであれば、買いポジションを保有します。

トレンドの転換タイミングを上手く見極めることができれば、相場転換の初動をとらえられる手法です。

逆張り」については、こちらの記事で詳しく解説しています。

FXのトレードスタイル

FX取引のトレードスタイルは、以下の4種類に大別できます。

  • ・スキャルピング
  • ・デイトレード
  • ・スイングトレード
  • ・ポジショントレード

それぞれのスタイルで用いる時間足を一覧にすると、下図の通りです。

FXのトレードスタイル

スキャルピング

スキャルピングは、1回の取引を数秒から数分までという短時間で完了させるスタイルです。

1回で狙う値幅が小さいので、1日に何度も取引をし、利益をコツコツと積み重ねます。

資金を眠らせることなく回転させ、少額の資金でも数多くのトレードを行える、資金効率の良いスタイルです。

取引回数が多い分、スプレッド(取引コスト)がかさむため、そのコストを上回る利益を出す必要があります。

スキャルピング」については、こちらの記事で詳しく解説しています。

デイトレード

デイトレードは、営業日が変わる前に取引を完了させるスタイルです。

1回の取引で狙う値幅は、スキャルピングよりも大きいのが特徴です。

ポジションを翌営業日に持ち越さないため、スワップポイントの受け渡しが不要なことがメリットです。

また、日本時間深夜(NY市場が活発な時間)に就寝する人にとっては、ポジションが突発的な値動きに巻き込まれることを回避できるのは安心です。

デイトレード」については、こちらの記事で詳しく解説しています。

スイングトレード

スイングトレードとは

スイングトレードは、1回の取引を数日から数週間程度という、やや長めの期間で完了させるスタイルです。

ポジションを長期間保有するので、頻繁に相場を見る必要はありません。

しかし、ポジションを長期間保有することで、為替変動リスクや週明けの窓開け(ギャップアップ)などのリスクが高まります。

スイングトレード」については、こちらの記事で詳しく解説しています。

ポジショントレード

ポジショントレードとは、1回の取引を数週間から数年程度という長期間で完了させるスタイルです。

トルコリラやメキシコペソのような高金利通貨を買い、円のような低金利通貨を売るというキャリートレードも、ポジショントレードに含めることができます。

トレードによる売買益以外に、スワップポイントで利益を積み重ねられることがメリットです。

ポジショントレード」については、こちらの記事で詳しく解説しています。

FXの相場分析手法

FXの相場分析手法

FX取引の相場分析の手法は、以下の2種類に分かれます。

  • ・テクニカル分析
  • ・ファンダメンタルズ分析

テクニカル分析

テクニカル分析とは、チャートの値動きを分析し、将来の値動きを予測する相場分析方法です。

分析する際には、ローソク足チャートやテクニカル指標、チャートパターン、プライスアクションなどを用います。

テクニカル指標には様々な種類があり、大きく分けると以下の2つに分類できます。

  • ・トレンド系
  • ・オシレーター系

テクニカル分析」については、こちらの記事で詳しく解説しています。

トレンド系

トレンド系とは、相場の方向性やトレンドの強弱を分析するものです。

相場に上昇トレンドが発生した場合、トレンド系のインジケーターは買いサインを出します。

反対に下降トレンドが発生した場合、トレンド系のインジケーターは売りサインを出します。

順張りでトレンドに上手く乗れば、大きな値幅の獲得を期待できます。

一方で、売買サインと相場が逆行する「ダマシ」も起きうるため、このリスクを下げるための多角的な分析が必要です。

以下は、代表的なトレンド系のテクニカル指標です。

トレンド系」については、こちらの記事で詳しく解説しています。

オシレーター系

オシレーター系とは、相場の過熱感(買われすぎ・売られすぎ)を分析するものです。

相場に上昇トレンドが発生していた場合、オシレーター系のインジケーターは状況に応じて買われすぎのサインである売りサインを出します。

反対に、下降トレンドが発生していた場合、オシレーター系のインジケーターは状況に応じて売られすぎのサインである買いサインを出します。

トレンドに対して逆張りを仕掛け、上手くトレンド転換のタイミングに合えば、相場転換の初動をとらえられる期待が持てます。

しかし、トレンド系と同様に「ダマシ」が発生するリスクもあるため、注意が必要です。

以下は、代表的なオシレーター系のテクニカル指標です。

オシレーター系」については、こちらの記事で詳しく解説しています。

ファンダメンタルズ分析

ファンダメンタルズ分析とは、経済政策や政治情勢など、その国の通貨の価格に影響する、あらゆる要素を分析する手法です。

各国が発表する雇用統計や政策金利などの指標を中心に、国際関係のあらゆる出来事を材料としながら、相場を予測します。

ファンダメンタルズ分析とは

投資対象国の経済や政治情勢、国際関係などを深く知る必要があり、分析には多くの情報量が必要となります。

ファンダメンタルズ分析」については、こちらの記事で詳しく解説しています。

テクニカル分析を使ったシンプルな手法

テクニカル分析の手法としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ・ローソク足
  • ・移動平均線
  • ・RSI

ローソク足

ローソク足とは、一定期間の「始値・終値・高値・安値」(四本値)を表したものです。

4つの価格の意味は、以下の通りです。

始値(はじめね) 一定期間が始まった時の価格。寄付(よりつき)とも呼ばれる
終値(おわりね) 一定期間が終わった時の価格。引け値(ひけね)とも呼ばれる
高値(たかね) 一定期間のうち最も高くなった価格
安値(やすね) 一定期間のうち最も安くなった価格

これらの4つの価格を、ローソク足では下図のように表します。

ローソク足

陽線(ようせん)は1本のローソク足を作る期間中に「価格が上がった足」で、陰線(いんせん)はその期間中に「価格が下がった足」です。

ローソク足を並べて、価格推移を表したチャートを「ローソク足チャート」と呼びます。

ローソク足チャートでは、以下のように縦軸で価格、横軸で時間を表しています。

ローソク足チャート
出典:TradingView

ローソク足およびチャートは、時間経過と共にどのように値動きしてきたかを表します。

値動きの方向性(トレンド)や、重要な高値・安値を把握でき、その後の値動きの分析に役立ちます。

なお、FX取引で用いられるチャートは、ローソク足チャート以外では「バーチャート」もあります。

日本ではローソク足チャートの方が広く用いられています。

移動平均線

移動平均線
出典:TradingView

移動平均線とは、ある一定期間の終値を平均し、チャート上に折れ線グラフで表示するテクニカル指標(インジケーター)です。

シンプルでテクニカル分析に使いやすいことから、多くのトレーダーに用いられています。

移動平均線には様々な種類がありますが、主なものは以下のチャートの3種類です。

主な移動平均線
出典:TradingView

それぞれの移動平均線の意味や見方は、以下のリンク先のページで解説しています。

一般的に、移動平均線という場合は、単純移動平均線(SMA)を指します。

RSI

RSI
出典:TradingView

RSI(相対力指数)とは、相場の過熱感(買われすぎ・売られすぎ)を分析するテクニカル指標です。

RSIの数値は0〜100%の間で推移し、一般的に70%以上は買われすぎ、30%以下は売られすぎと判断されます。

トレンドラインの描画やフォーメーション分析を併せて行うことで、分析の精度をさらに高めることができます。

また、MACD(移動平均線収束拡散法)ADX(平均方向性指数)などのテクニカル指標を併用することも有効です。

OANDA証券では、独自に開発した「マルチタイムフレームのRSI(OANDA_Multi_RSI)」を提供しています。

このインジケーターでは、表示している時間足よりも長い時間足のRSIをMT4・MT5上に表示できます。

FXの相場分析理論

FX取引の相場分析理論には、以下があります。

  • ・ダウ理論
  • ・グランビルの法則
  • ・エリオット波動

ダウ理論

ダウ理論とは、米国のジャーナリストであるチャールズ・ヘンリー・ダウによって確立された分析理論です。

この理論は、以下の6つの法則から構成されています。

法則① 為替相場は全ての事象を織り込む
法則② 為替相場には短期・中期・長期という3つのトレンドが存在する
法則③ 為替相場のトレンドには3段階ある
法則④ 為替相場のトレンドは複数銘柄の相関性を確認する必要がある
法則⑤ 為替相場のトレンドは出来高でも確認できる
法則⑥ 為替相場のトレンドは明確な転換サインが出るまで続く

ダウ理論で相場を分析するには、チャート上のそれぞれの波の中で、高値と安値を見抜くことが重要です。

高値と安値を見抜くためのインジケーターとしては、ZIgZag(ジグザグ)が有効です。

OANDA証券では、このZigZagに対してフィボナッチ・リトレースメントを表示するオリジナルのインジケーター「OANDA_Auto_fibonacci」を提供しています。

グランビルの法則

グランビルの法則とは、米国のアナリストであるジョゼフ・E・グランビルによって確立された分析理論です。

移動平均線を用い、その向きや乖離率などから相場の方向性を分析します。

グランビルの法則には8パターンの売買シグナルがあり、それらを図でまとめると以下の通りです。

グランビルの法則

緑のパターンは「買いシグナル」、グレーのパターンは「売りシグナル」です。

各パターンの条件をまとめると以下の通りです。

【買いシグナル】
No. 条件
移動平均線が下落後、横ばい、または上向きに転じた時に、価格が移動平均線を下から上に突き抜けている
移動平均線が上向きの時に、一旦価格は下落し移動平均線を下回るも再度上昇し移動平均線を下から上に突き抜けている
移動平均線が上向きの時に、一旦価格は移動平均線の手前まで下落するも移動平均線を下抜けることなく再度価格が上昇している
価格が移動平均線の下に大きく乖離している
【売りシグナル】
No. 条件
移動平均線が上昇後、横ばい、または下向きに転じた時に、価格が移動平均線を上から下に抜けている
移動平均線が下向きの時に、一旦価格が大きく下落し再度上昇し移動平均線を上抜けしている
移動平均線が下向きの時に、一旦価格が上昇するも移動平均線の手前で止まり再度下落している
価格が移動平均線の上に大きく乖離している

グランビルの法則で用いられる移動平均線(SMA)の期間とチャートの時間足の組み合わせは「200日移動平均線」と「日足」が一般的です。

エリオット波動

エリオット波動とは、米国の経済哲学者であるラルフ・ネルソン・エリオットによって確立された相場分析理論です。

相場にはいくつかのパターンがあり、一定のサイクルを繰り返しながら動いていくという考えによって確立されました。

エリオット波動の基本形は、「推進5波・修正3波」です。

以下の図は、上昇トレンドが発生した際のエリオット波動です。

エリオット波動

1~5の上昇は「推進波」、A~Cの下落は「修正波」と呼びます。

相場が今どの時点にあるかを把握することで、今後の値動きを予測しやすくなります。

FXの手法に関する注意点

FX取引の手法に関する注意点は、以下の通りです。

  • ・必ず利益を得られるような手法は存在しない
  • ・過剰なナンピンを行わない

必ず利益を得られるような手法は存在しない

FX取引には、必ず利益を得られるような手法は存在しません。

プロのトレーダーでも一定の損失を出すことは当たり前であり、損失をコントロールしながらトータルで利益が上回るように運用するのが基本です。

研究と実践を繰り返すことで技術が上達し、相場状況に適した手法を臨機応変に用いられるようになります。

FX取引の研究のやり方は「FXの勉強方法」の記事で詳しく紹介しています。

過剰なナンピンを行わない

ナンピンとは、保有しているポジションに対して相場が逆に動いた場合に、ポジションを追加して平均取得単価を下げる取引手法のことです。

平均取得単価を下げることで、相場が予想通りの動きに戻った際に、利益を大きくすることができます。

ナンピン買い

上図で、1回目に105円で買った時点では、平均取得単価(損益分岐点)が105円です。

しかし、下落した2回目に95円でナンピン買いをしたことで、平均取得単価が100円に下がっています。

こうして損益分岐点を下げることで、相場が反転して上がり始めた時に、より大きな利益を狙いやすくなります。

予想通り相場が反転すれば有効な手法ですが、相場が予想と逆行し続ける場合は、損失が拡大してしまう可能性があります。

FX初心者が用いるにはリスクの高い方法であるため、過剰なナンピンは行わないことが推奨されます。

FXの手法に関するQ&A

FX取引の手法に関して、よく見られる疑問点は以下の通りです。

  • ・FX初心者におすすめの手法はありますか?
  • ・FXの手法は1つに決めた方がいいですか?

FX初心者におすすめの手法はありますか?

FX初心者には、シンプルな手法が適しています。

具体的には、ローソク足や移動平均線などを用いたテクニカル分析から始めることが推奨されます。

これらの基本的な見方を覚えたら、その他インジケーターを組み合わせたり、相場理論などを複合して考えたりすることで、分析精度が向上します。

FXの手法は1つに決めた方がいいですか?

FXには様々な手法が存在する中で、基本的には1つの手法を使い続けることが推奨されます。

様々な手法を使い取引すると、全て中途半端になってしまう可能性があるためです。

ただし、より優位性のある手法を確立するためには、適宜微調整は必要です。

根本的な手法は変えず、一貫した取引を心がけることが、利益を上げ続けるためには大切といえます。

【まとめ】FXの手法とは|初心者でも使いやすいシンプルな手法などを紹介

FX取引の手法は「自身に適したスタイルをメインとする」「テクニック・テクニカル指標・相場理論などを臨機応変に使い分ける」ことが基本といえます。

実践するためには一定のトレードの経験を積む必要があり、テクニカル指標や相場理論などの研究も、絶えず継続する必要があります。

FX取引の手法は、短期間で上達するものではないですが、まずは「FX取引に慣れる」ことが重要です。

また、以下のコンテンツでは、初心者に必要な基礎知識をわかりやすく解説しています。

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OANDA Lab編集部

OANDA証券株式会社が運営する「OANDAラボ」は、FX/CFDを統計学的側面で科学するメディアです。外国為替(FX)や世界の株価指数、金や原油などの商品市場に関するマーケット情報やデータ、ニュースを提供しています。
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登録番号:第一種 金融商品取引業 関東財務局長 (金商) 第2137号
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