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豪ドル/円(AUD/JPY)の今後の見通し・予想


豪ドル(AUD)は豪州で発行される通貨で、先進国通貨の1つとして知られています。
豪州は中国と経済的な結びつきが強いと言われることがあり、これを反映して豪ドルは中国の経済指標などに反応して動くことがあります。

下の豪ドル/円の長期チャートは、2004年以降の値動きです。

豪ドル/円の長期チャート
出典:TradingView

チャート左側に、円高が大きく進んでいる部分があります。
これは2008年のリーマンショック付近の値動きで、豪ドル/円は暴落しました。
全体としては同じ範囲を行ったり来たりしており、豪ドル/円は長期間にわたってレンジ相場を形成してきたと言えます。

直近では円安が優勢であり、今後も円安トレンドが継続するか、それともレンジの下限に向けて動き始めるか、注目が集まります。

当記事では、2025年の豪ドル/円の見通しや予想について解説します。

1.豪ドル円(AUD/JPY)のリアルタイムチャート

豪ドル円(AUD/JPY)のリアルタイムチャート

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

2008年頃の豪ドルは、政策金利が約7%まで上昇していたこともあり、高金利通貨の代表格でした。
しかし、リーマンショックの影響で金利が引き下げられ、それ以降は高金利通貨としての魅力が薄れてしまいました。

とは言え、オーストラリアは主要な先進国であり、政治や経済面での不安要素があまりなく、投資先として比較的リスクの少ない通貨です。

また豪ドルは、輸出割合がトップの中国やコモディティ市場の影響を受けやすい傾向もあるので、そのあたりにも注視しておくと良いでしょう。

2.豪ドル円(AUD/JPY)の予想・見通し

2025年の豪ドル/円の見通しを考えるために、2024年の動きを振り返ります。

【2024年】豪ドル/円の振り返り

豪ドル/円の日足チャート
出典:TradingView

上の日足チャートは、2024年の豪ドル/円の動きを示しています。

年初から7月にかけて、豪ドル/円は円安の展開でした。
この要因として、日本と豪州の金利格差が指摘されています。
下のグラフは、豪州準備銀行(RBA)と日銀の政策金利の推移を示したものです。

豪州準備銀行(RBA)の政策金利推移

日銀の政策金利推移

豪州の政策金利は2022年5月から上昇を始めた一方、日本の利上げは2024年3月以降です。
金利が高い通貨を保有すると金利収入が増えるため、市場参加者は金利が低い通貨よりも高い通貨を選好する傾向にあります。
これを受けて、豪ドル/円は円安が進んだ模様です。

しかし、7月以降は一転して円高が進み、売りが収まるとレンジ相場に移行しました。
この間、豪州の政策金利に変化は見られません。
日本の政策金利引き上げ見通しを受けて、円は他の主要通貨に対して強い展開でした。
豪ドルに対しても同様の動きが見られます。

【2025年】豪ドル円予想・見通し

2024年12月時点で得られる情報をもとに、2025年の相場に大きな影響を与えうるポイントを2点解説します。

  • ・豪州と日本の政策金利
  • ・中国の景気動向

豪州と日本の政策金利

2025年も引き続き、RBAと日銀の金融政策に注目です。

2024年のRBAは政策金利を据え置きました。
2025年に引き下げに転じるなら、円高要因だと考えられます。
また、日銀は政策金利を徐々に引き上げる見通しで、実際に引き上げられれば、こちらも円高要因だといえます。

中国の景気動向

2024年の中国は景気が減速しており、中国当局は2025年に経済対策を実行する旨を表明しています。

経済対策が期待通りの効果を上げるなら、中国経済は回復すると見込まれます。
豪州は中国と経済的な結びつきが強いとされており、中国経済の発展は豪ドルの上昇につながることが考えられます。

逆に、中国経済の回復が思わしくない場合、豪州経済にとってもマイナスに作用する可能性があります。
これは豪ドルの下落要因になると考えられます。

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3.豪ドル円(AUD/JPY)の5つの価格変動要因

豪ドル円の価格変動要因は、主に以下の5つです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

RBA(オーストラリア準備銀行)の政策金利

豪ドルの大きな変動要因は、RBA(オーストラリア準備銀行)による政策金利動向です。

為替相場は、金利の高い通貨が買われ、金利の低い通貨が売られる傾向にあります。
なぜならば、低金利通貨を保有するよりも高金利通貨を保有していた方が、利息による収入がより多く期待できるからです。

たとえば、豪ドルの金利が10%、日本円の金利が0%とします。
1年間100万円を運用すると、豪ドルは110万円に増えますが、日本円は100万円のままです。
ほとんどの方は、豪ドルで運用をしたいと考えるでしょう。
金利差の拡大が続けば、更に豪ドルへ資金が集まりやすくなります。
日本円を売って豪ドルを買うという行為が増え、その結果、2023年のような豪ドル高円安が発生するのです。

2025年のRBA金融政策会合の日程

2025年のRBA金融政策会合の日程は、以下の通りです。

  • ・2月17日~18日
  • ・3月31日~4月1日
  • ・5月19日~20日
  • ・7月7日~8日
  • ・8月11日~12日
  • ・9月29日~30日
  • ・11月3日~4日
  • ・12月8日~9日

>RBAの公式サイトはこちら

また、RBAが政策金利を決定する上で、以下のデータを参考にすることもあるので、必ず押さえておきましょう。

 
経済指標 概要
GDP
(豪州国内総生産)
国の経済状況を表す重要な指標
CPI
(消費者物価指数)
インフレ動向を把握するのに注目される経済指標
> CPIの詳細についてはこちら
豪州雇用統計 雇用状況を把握し景気を測るのに重要な指標

各経済指標の発表スケジュールや結果などは、以下のページからご確認ください。
>経済指標カレンダーはこちら

中国経済の影響

オーストラリアの輸出・輸入割合は中国がトップであり、経済面において深い結びつきがあります。
以下は、豪ドル円と香港ハンセン指数(HSI)の値動きを比較したチャートです。

豪ドル円と香港ハンセン指数(HSI)の値動きを比較したチャート

2005年~2022年にかけては高い相関性が確認でき、オーストラリアと中国の経済関係に強い結びつきがあることが分かります。

しかしその後は、相関性が薄れてしまっていることも事実です。
これは、新型コロナウイルスの影響によって、オーストラリアが中国に起源調査の要求を行ったことが、外交関係の悪化に繋がったとされます。
ただ2023年末時点では、関税に関する様々な問題も解消されつつあり、両国の外交問題も以前のように良好な関係に戻りつつあるようです。

いずれにせよ、オーストラリアと深い結びつきがある中国経済の動向は把握する必要があります。
中国の経済動向を把握する上で、以下の経済指標は必ず押さえておきましょう。

 
経済指標 概要
GDP
(中国国内総生産)
国の経済状況を表す重要な指標
政策金利 金利動向を表す指標
中国鉱工業生産 鉱業や製造業の動向を把握する指標
PMI
(製造業購買担当者景気指数)
中国国家統計局が発表する景気指数で、企業側から見た景気を表す指標

各経済指標の発表スケジュールや結果などは、以下のページからご確認ください。
>経済指標カレンダーはこちら

コモディティ市場(商品)の影響

オーストラリアは、鉄鉱石・石炭などの鉱物資源やエネルギーを豊富に有する資源国家です。
全輸出の過半数以上が鉱物資源やエネルギーで占められており、コモディティ市場との相関関係も見られます。

以下は、豪ドル円とコモディティ(原油・鉄鉱石)の値動きを比較したチャートです。

豪ドル円とコモディティ(原油・鉄鉱石)の値動きを比較したチャート

鉄鉱石や原油が上昇すると、豪ドル円も上昇しており相関関係が見られます。
資源の価値が上昇すれば豪ドルにも追い風となるので、コモディティ市場にも注目しておくと良いでしょう。

>コモディティについて詳しく知りたい方はこちら

豪米国債利回り差との相関関係

為替相場は金利差によって大きく影響されるので、豪米国債利回り差も確認しておくと良いでしょう。
以下は、豪ドル円と豪米国債利回り差の値動きを比較したチャートです。

豪ドル円と豪米国債利回り差の値動きを比較したチャート

大まかな方向性はあっており、相関性があると見られます。

TradingView(トレーディングビュー)では、豪10年債利回り-米10年債利回りの差を行うことで、チャート上に豪米国債利回り差を表示させることが可能です。

>TradingView(トレーディングビュー)で国債利回り差を表示する方法はこちら

豪ドル円の取引量は国内で第3位

豪ドル円は、日本国内で第3位の取引量を誇ります。

一般社団法人金融先物取引業協会が公開する店頭外国為替証拠金取引月次出来高の通貨ペア取引金額(2023年11月時点)では、ドル円・ポンド円に次いで豪ドル円が第3位となっています。

取引量が多いのは、値動きが安定しやすく初心者の方でも取引しやすい通貨ペアです。

4.豪ドル円(AUD/JPY)の価格推移【2003年~2023年】

2003年~2023年の過去20年間、豪ドル円はどのような要因によって推移してきたのか、以下で詳しく見ていきましょう。

2003年~2023年の過去20年間、豪ドル円の推移の要因

【2007年~2008年】
サブプライムローン問題・リーマンショック

2007年に発生したサブプライムローン問題がきっかけで、2008年にリーマンショックが発生。
世界各国の通貨が暴落するほどの、影響を見せました。

これにより、約101円(2008年7月時点)で推移していた豪ドル円ですが、約57円(2009年1月時点)まで下落してしまいます。

【2015年】
チャイナショック

2015年には、中国の景気減速によるチャイナショックが発生。
2000年代に入り、中国政府の煽りによって個人投資家から信用買いを集め急激に成長した中国経済ですが、ひとたび下落に転じると歯止めが利かなくなりバブルが崩壊しました。

これにより、約94円(2015年6月時点)で推移していた豪ドル円ですが、約76円(2016年6月時点)まで下落してしまいます。

【2018年】
米中貿易摩擦

2018年には、米国と中国の貿易をめぐるトラブルによる米中貿易摩擦が発生。
トランプ大統領が中国製品の関税を大幅に引き上げる政策を行ったことにより、両国が報復関税をかけあう事態へと発展しました。

これにより、約88円(2018年1月時点)で推移していた豪ドル円ですが、約65円(2020年3月時点)まで下落してしまいます。

【2020年~2022年】
コロナショック・ロシアウクライナ問題

2020年にはコロナショック、2022年にはロシアウクライナ問題が発生。
これらの影響により、全世界のサプライチェーンに混乱を招き、世界各国で大規模なインフレが発生しました。

これにより、約65円(2020年3月時点)で推移していた豪ドル円ですが、約98円(2023年11月時点)まで上昇しています。

5.豪ドル円のFX取引にOANDA証券が選ばれる3つの理由

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まとめ

豪ドル(AUD)は豪州で発行される通貨で、先進国通貨の1つとして知られています。
豪ドル/円は長期間にわたってレンジ相場を形成しており、2024年12月時点でレンジの上限付近に位置しています。

2024年の動きを振り返ると、前半は円安傾向だったのに対し、後半は円高後にレンジ相場を形成しました。
2025年に円高がさらに進むか、それとも円安方向に戻るか、注目が集まります。

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