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TOPIX(東証株価指数)とは|今後の見通しや制度の見直しなどを解説


TOPIX(トピックス)は東証株価指数のことで、日本の株式市場を広く網羅しているのが特徴です。

2022年4月に東京証券取引所(東証)の市場区分再編が行われ、TOPIXも2028年を目途にルールの見直しが進められています。

本記事では、TOPIXの今後の見通しや、制度の見直しなどについて詳しく解説します。

なお、TOPIXの値動きについてすぐに知りたい方は、下のリンクをクリックしてください。

5.TOPIX(東証株価指数)の価格推移

TOPIX(東証株価指数)とは

TOPIX(トピックス)は東証株価指数のことで、2025年1月時点の構成銘柄数はおよそ1,700です。

1969年7月1日に算出を開始し、1968年1月4日の基準値(時価総額)を100としています。

指数の配信間隔は1秒ごとのリアルタイムで、株式会社JPX総研が算出しています。

なお、TOPIXは2022年の東証再編を契機としてルールの見直しが進行中です。

見直しは2028年7月にかけて実施され、銘柄数は1,200程度まで減少する見通しです。

TOPIX(東証株価指数)の構成銘柄

TOPIX(東証株価指数)はルールの見直し過程にあり、構成銘柄にも変化が見られます。

  • ・東証再編前(2022年4月1日まで)
  • ・東証再編後(2022年4月4日以降)

東証再編前(2022年4月1日まで)

東証は第一部、第二部、マザーズ市場などに区分され、TOPIX(東証株価指数)は東証第一部の全銘柄で構成されていました。

東証第一部に上場し続ける限りTOPIXから除外されることはなく、東証第一部に新規上場した銘柄はTOPIXの構成銘柄として採用されます。

2022年4月1日時点の銘柄数は、およそ2,200でした。

東証再編後(2022年4月4日以降)

TOPIX(東証株価指数)の見直しは2段階に分けて実行され、これに伴って構成銘柄も変化します。

第1段階

2022年4月1日時点でTOPIX(東証株価指数)の構成銘柄だった場合、引き続きTOPIXの構成銘柄であり続けます。

このため、TOPIXの構成銘柄は多くがプライム市場の上場銘柄です。

ただし、流通株式の時価総額が100億円未満の銘柄については、徐々にウエイトを減らしていき、最終的にTOPIXから除外される仕組みです。

この結果、第1段階終了時(2025年1月)の銘柄数はおよそ1,700まで減少しました。

第2段階

第2段階では、プライム市場に加えてスタンダード市場とグロース市場の銘柄についても、基準を満たした銘柄をTOPIX(東証株価指数)の構成銘柄に加えます。

銘柄の定期入替が年1回実施され、基準を満たす銘柄を採用し、満たさない銘柄は除外されます。

第2段階の見直しが完了する2028年7月時点において、銘柄数は1,200程度になる見込みです。

銘柄数は大幅に減少するものの、東証全銘柄の時価総額に占める割合はほとんど変化しないと試算されています。

TOPIX(東証株価指数)の算出方法

TOPIX(東証株価指数)は時価総額加重方式で算出されます。

TOPIX計算方法_20250408

上の計算式では、TOPIXの全構成銘柄の時価総額を基準時点の時価総額の合計額で割り、それを基準値(100)と掛け算しています。

1968年1月4日における東証第一部全体の時価総額を基準として、現在の株価がどれくらい上昇しているかを表します。

TOPIX(東証株価指数)と日経平均株価の違い

TOPIX 日経平均株価
算出企業 JPX総研 日本経済新聞社
市場 プライム市場・スタンダード市場・グロース市場 プライム市場
銘柄数 2025年1月時点でおよそ1,700 (2028年までに1,200銘柄程度に減少する見込み) 225
算出方法 時価総額加重方式 株価平均型
単位 ポイント 円・銭
その他 指数「TOPIX Next-tier」を新設(2026年10月)

TOPIX(東証株価指数)と日経平均株価(日経225)はともに日本を代表する株価指数ですが、その内容は大きく異なります。

日経平均株価はプライム市場の銘柄で構成されるのに対し、TOPIXは最終的に3市場の銘柄で構成される予定です。

また、TOPIXは日経平均株価に比べて銘柄数が多く、日本全体の株価動向をより正確に反映しやすいと考えられます。

その他、東証では「TOPIX Next-tier」が新設される予定です。

TOPIX Next-tierとは、TOPIX構成銘柄以外で一定の基準を満たした銘柄で作られる指数です。

TOPIX(東証株価指数)の価格推移

TOPIX価格推移_20250408

出典:TradingView

上のチャートは1989年以降のTOPIX(東証株価指数)の推移を示しています。

バブル期の高値は1989年末の2884ポイントで、2024年7月には取引時間中に高値を更新しました。

ただし、月足終値ベースではバブル期高値を更新していません。

その一方、日経平均株価は月足終値でバブル期の最高値を更新しています。

TOPIXの値動き全体を見ると、レジスタンスライン(赤の補助線)で何度も跳ね返されて下落していましたが、2021年前半にレジスタンスラインを上方向に抜けて以降は価格を大きく上げました。

【2025年】TOPIX(東証株価指数)の今後の見通し

TOPIX(東証株価指数)の今後の見通しについて、日本の景気が拡大すれば上昇し、逆ならば下落すると考えられます。

当記事執筆時点(2025年3月)において日本は景気が拡大しているとされ、TOPIXは2024年にバブル時の高値を更新する場面がありました。

景気拡大について、物価上昇率が基調的に2%を維持し、賃金もそれに合わせて上昇すれば、確実性が増すと考えられます。

そこで、バブル期以降の日本の消費者物価指数(CPI)の推移を確認します。

TOPIX今後の見通し
_20250408

>国別経済指標

1はバブル景気のころで、CPIが高かった様子がわかります。

2と4も高いものの、消費税率の引き上げに伴うもので、景気回復で上昇したものではありません。

3はサブプライムローン問題からリーマンショックにかけての上下動で、経済の混乱ぶりがうかがえます。

5は2024年以降のインフレです。

今後もある程度の水準で物価が上昇し、賃金がそれに見合うだけの上昇を示すならば、TOPIXは上昇しやすいと考えられます。

消費者物価指数(CPI)と現金給与総額が毎月発表されており、定期的なチェックが推奨されます。

TOPIX(東証株価指数)に投資する2つの方法

TOPIX(東証株価指数)は株価指数であり、TOPIXそのものに投資できません。

TOPIXの値動きに連動する金融商品に投資することで、TOPIXに投資したのと同様の効果を得られます。

なお、OANDA証券ではTOPIXのCFD取引サービスを提供しておらず、日経平均株価CFDの取引が可能です。

日経平均株価(日経225)とは|今後の見通しやS&P500との関係などを解説

  • ・ETF(上場投資信託)
  • ・CFD(差金決済取引)

ETF(上場投資信託)

ETFは投資信託の一種で、上場株式と同様に取引所で売買可能です。

投資信託には上場と非上場の2種類があり、非上場タイプは取引できる金融機関や取引可能な時間に制約があります。

ETFは上場株式と同様に取引できるので、値動きを見ながら投資家の希望するタイミングで売買できます。

信用取引も可能で、価格の下落局面で積極的に利益を狙えます。

CFD(差金決済取引)

CFDは日本語で差金決済取引と呼ばれ、FX(外国為替証拠金取引)と同様の仕組みで取引します。

取引開始時に投資対象の現物や口座内の資金を移動させることはなく、決済時に確定した損益のみをやり取りします。

この仕組みを利用して、口座残高より大きな金額で取引したり、現物を所有していなくても売りから取引を始めることが可能です。

TOPIX(東証株価指数)に投資する際の注意点

TOPIX(東証株価指数)に投資する際の注意点として、主に以下の2つが挙げられます。

  • ・日本経済や米国経済など広い視点で取引
  • ・銘柄の定期入替開始

日本経済や米国経済など広い視点で取引

TOPIXを取引する際、個別銘柄に比べて大きな視点で判断することが必要です。

個別銘柄の取引では、投資対象企業の業績が株価に大きな影響を与えます。

TOPIXは1,000銘柄以上で構成されており、日本の経済指標等が重視されます。

米国株の動きを受けて日本株が動くという例もしばしば指摘されており、日本だけでなく米国経済など視野を広く保つことが大切です。

銘柄の定期入替開始

2026年10月、TOPIX採用銘柄の定期入替が始まります。

定期入替は日経平均株価でも採用されており、TOPIXでは初となります。

入れ替えに際して特段の動きを示す可能性について、留意が必要です。

なお、TOPIXそのものでなく採用銘柄に個別投資している場合、TOPIX採用銘柄から外れると株価が下落する可能性があります。

TOPIXから外れる可能性がある銘柄に投資している場合は、特に注意する必要があります。

TOPIX(東証株価指数)と米国株価指数の比較

TOPIXと米国株価指数の比較_2025408

出典:TradingView

上はTOPIX(東証株価指数)と米国株価指数のS&P500を比較したチャートです。

左端は2016年10月で、その後の価格上昇率をラインチャートで示しています。

2016年後半から2018年にかけて、TOPIXとS&P500は同じように右肩上がりで推移しました。

その後のTOPIXは横ばいだったのに対して、S&P500は引き続き上昇しています。

2016年10月と直近の株価を比較すると、TOPIXの上昇率は90%台なのに対し、S&P500は180%付近です。

TOPIXは2024年にバブル後最高値を更新するなど好調でしたが、米国株に比べると劣後している様子がわかります。

TOPIX(東証株価指数)に関するQ&A

TOPIX(東証株価指数)に関して、よくある質問に回答します。

  • ・TOPIXとは何ですか?
  • ・TOPIXと日経平均株価の違いは何ですか?
  • ・TOPIXで上位の銘柄は何ですか?

TOPIXとは何ですか?

TOPIXは日本の株価指数の1つで、東証株価指数と呼ばれます。

2022年4月の東証の市場区分再編をきっかけとして、TOPIXもルールの見直しが進められています。

この結果、3市場(プライム市場・スタンダード市場・グロース市場)で一定の基準を満たす銘柄がTOPIX構成銘柄に選定されます。

なお、2025年1月時点のTOPIX構成銘柄数はおよそ1,700ですが、2028年までに1,200まで減少する見通しです。

TOPIXと日経平均株価の違いは何ですか?

TOPIXと日経平均株価は日本株を構成銘柄にしている点を除いて、さまざまな点で異なります。

TOPIXは東証3市場(プライム市場・スタンダード市場・グロース市場)の1,000銘柄以上で構成されるのに対し、日経平均株価はプライム市場の225銘柄です。

また、TOPIXはJPX総研が時価総額加重方式と呼ばれる方法で指数を算出するのに対し、日経平均株価は日本経済新聞社が株価平均型と呼ばれる方法で計算しています。

TOPIXで上位の銘柄は何ですか?

TOPIXの上位5銘柄は以下の通りです(2025年3月1日時点)。

  • ・トヨタ自動車
  • ・三菱UFJフィナンシャル・グループ
  • ・ソニーグループ
  • ・日立製作所
  • ・リクルートホールディングス

時価総額が大きい銘柄が上位を占めています。

TOPIXに占める個別銘柄のウエイト(構成比率)は日本取引所グループの公式ホームページで公開されています。

【まとめ】TOPIX(東証株価指数)とは|今後の見通しや制度の見直しなどを解説

TOPIX(トピックス)は東証株価指数のことで、日本の株式市場を広く網羅しているのが特徴です。

2022年4月に東京証券取引所(東証)の市場区分再編が行われ、TOPIXも2028年を目途にルールの見直しが進められています。

TOPIXへの投資方法は主に2種類あり、OANDA証券ではこれらのサービスを提供していないものの日経平均株価CFDの取引が可能です。

OANDA証券では、TOPIXをはじめ投資に関わる基礎的な用語を、初心者の方向けにわかりやすく解説するコンテンツを提供しています。

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