小麦の価格変動要因とは?シカゴ小麦先物の推移や近年の情勢を解説
シカゴ小麦先物
日本では政府の価格統制のもとに世界の小麦市場の変動を感じにくいですが、世界の小麦市場は大きく変化してきています。特に2007年前後から大きく変動するようになっています。
※小麦図表_シカゴ小麦
シカゴの先物価格の推移を見ると、2006年のオーストラリアの大干ばつや2007年の欧州の天候不順、そしてサブプライムローンに端を発する金融危機を受けた穀物価格の高騰を受け、2008年2月には12ドルを超える史上最高値を記録しました、その後、世界的な小麦の豊作により、史上最高値から半値水準まで水準を引き下げましたが、2010年と2012年にも再度、上昇しています。2010年はロシアの干ばつ、2012年は米国の高温・乾燥による不作が要因になるなど、天候要因が重要な価格変動要因となります。
また、世界の輸出量の8割を占めるEU、ロシア、オーストラリア、米国、ウクライナ、カナダでの気候状況は、小麦に限らず、世界の穀物価格に大きな影響を与えるなど、重要なカギを握っていると見られます。
近年の情勢
2012年以降は、ウクライナ情勢の悪化による輸出減少懸念やロシアの輸出規制導入などによって上昇する場面もありましたが、米国やEUの生産増を受けて、2016年には4ドルを下回る水準まで軟化しました。
その後は4~6ドルの水準で安定していましたが、トウモロコシ価格の高騰によって小麦との価格差が逆転したため、小麦の飼料用需要が拡大し、特に2021年に入ってから中国がトウモロコシに代替する飼料用需要として米国やカナダに対して旺盛な小麦の買い付けを行ったことで、6ドルを超える水準に達しました。
直近では、2021年夏の米中西部北部や北西部、カナダ南部の小麦産地の高温乾燥による作柄の悪化や海上運賃の高騰なども、直近の小麦価格の押し上げ要因になっていると見られています。
このように小麦の価格は、天候要因や需給要因、社会的要因、競合商品の需給・価格動向、各種統計などによって変動します。
本記事の監修者・佐藤りゅうじ
1968年生まれ。1993年米大卒業後、1995年2月株式会社ゼネックス入社。アナリストとしてマクロ経済分析をはじめ、原油、天然ゴム、小麦などの商品市場、また為替市場、株式市場のアナリストリポートの執筆、トレードに携わる。2010年1月エイチスクエア株式会社を設立。
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