小麦の消費・輸出・在庫動向のデータを世界の主要な国・地域別に解説
消費
世界の小麦消費量は増加傾向にあります。人口増加や新興国の経済発展などは、世界の小麦需給に大きな影響を与えます。人口は今後も大幅に増加することが見込まれており、近いうちに中国とインドの両国の人口が世界の35%を占めると予測され、これに伴い両国の小麦消費量も増加することが見込まれています。
USDA(米国農務省)の統計によると、世界の小麦消費量は2002年に6億トンに達したあとも増加を続け、2021年も7億8,705万の史上最高を記録する見通しとなっています。
資料:USDA
※小麦図表_世界小麦消費量
国・地域別で見ると、2016年以降は中国が世界第1位の消費国で、2021年度の消費量は1億4,900万トンの見通しです。次いでEUが1億850万トン、インドが1億450万トン、ロシアが4,050万トン、米国が3,160万トンと続きます。
※小麦図表_世界小麦国別消費量
また、国別で顕著な消費量を示している中国とインドですが、両国は生産した小麦をほぼ自国で消費しているという共通点があります。
資料:USDA
※小麦図表_中国とインド
輸出
小麦の輸出は、EU、ロシア、オーストラリア、米国、カナダの5か国・地域で65%以上を占めています。ロシアは、肥沃なチェルノーゼム(黒色土)が分布する南部地域へと生産の適地適作化を進めているため、生産量と共に輸出量も伸びています。また、近年ウクライナの輸出量が増加傾向にあります。これは、アフリカやアジア向けの生産が堅調なことが背景にあります。
資料:USDA
※小麦図表_世界小麦期末在庫・輸出入
在庫
世界の小麦の期末在庫は、2019年度には2億9,479万トンと記録するなど、増加傾向にあります。ただ、これは中国の在庫の積み上がりに起因しており、同国の在庫は基本的には国内向けに供給されるもので、国際市場に流通することはほとんどないと考えられています。そこで、中国を除いた世界の期末在庫の動きを見ると、高水準であるとはいえ、2017年度の1億5,518万トンをピークとして減少傾向に転じ、2021年度は1億3,616万トンと2013年の水準になると見込まれています。
資料:USDA
※小麦図表_世界小麦期末在庫
本記事の監修者・佐藤りゅうじ
1968年生まれ。1993年米大卒業後、1995年2月株式会社ゼネックス入社。アナリストとしてマクロ経済分析をはじめ、原油、天然ゴム、小麦などの商品市場、また為替市場、株式市場のアナリストリポートの執筆、トレードに携わる。2010年1月エイチスクエア株式会社を設立。
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