大豆の生産量|消費や主要輸出国、米国の生産動向などについて解説
大豆の地域別生産高
2020-21年度の世界全体の大豆生産量は約3億6,327万トンで、このうちブラジルが約38%を占める世界最大の大豆生産国です。次いで米国が約31%、アルゼンチン約13%、中国約5%と続き、これら4か国で86%以上の生産シェアを占めています。
※大豆図表_世界生産高(大豆)
消費は圧搾需要が中心
大豆の消費は、大豆ミールと大豆油を生産する「圧搾需要」が中心です。世界の大豆粉砕・圧搾量(2020-21年度)は3億1,798万トンと、この約20年間で2倍以上に増加しています。
※大豆図表_大豆世界crush量
世界最大の消費国は中国(世界シェア約30%)、第2位は米国(約18%)、第3位ブラジル(約14%)、第4位アルゼンチン(約13%)であり、上位4か国で約75%を占めています。
主要輸出国は米国と南米
大豆の輸出国は限られています。2020-21年度では、世界最大の大豆生産国であるブラジル(約50%)、同2位の米国(約37%)が主要な大豆輸出国で、それら2か国の輸出を合わせると、世界の86%以上になっています。
※大豆図表_大豆世界輸出量
米国の生産動向
米国の大豆産地は中西部(ミッドウエスト)またはコーンベルトと呼ばれる肥沃な穀倉地帯、ミシシッピ川流域のデルタ地帯、それに南東部地域の三つに大きく分けられます。ただし、今日では生産量の大部分が中西部に集中しているため、ここでの生産動向は世界の需給や価格に大きな影響を与えます。
※大豆図表_大豆州別生産高
中西部の中でも特に生産量の多い州はイリノイとアイオワで、毎年トップの座を競う二大生産州です。2020年で見ると、米国全体の生産量に占める2州合計のシェアは26.6%にのぼります。
中西部産地では、大豆とトウモロコシが作付けする農地の配分で競合します。そのため、作付け前の価格比(比価)や作付期間中の天候によって、作付面積の増減が生じることが多いです。なお、デルタ地帯では大豆と綿花が競合しているため、作付けをめぐって同様のことが起きます。
ブラジルの生産動向
ブラジルの主要産地は、以前はリオグランデドスル州、パラナ州などの南部産地でしたが、近年は北部のマトグロッソ州の生産が拡大し、同州が最大の生産州です。
ブラジルの大豆生産量の急増の要因としては、1970年代から同国農業省が開発してきた肥沃なセラード地域(2億0,360万ha=日本の国土の約5倍)に大豆の主産地が北上した(同地域の生産高はブラジル全土の約半分に達している)ことに加えて、2007年の遺伝子組み換え(GMO)大豆の商業化の承認が拍車をかけています。
アルゼンチンの生産動向
アルゼンチンの主要産地は、近年はコルドバ州、ブエノスアイレス州、サンタフェ州が三大生産州となっています。
アルゼンチンにも、ブラジルのセラード地域と同様に、パンパと呼ばれる肥沃な耕作地があります。近年の大豆の生産高の急増の背景には、この産地への集約的な生産拡大に加えて、アルゼンチンでも1996年からGMO大豆の商業化を認可しており、アルゼンチン産大豆のほとんどがGMO大豆になっていることが挙げられます。
中国の生産動向
中国は大豆の原産地とされ、大豆は全国的に広く栽培されていますが、主要産地は東北地区や黄河と揚子江に挟まれた中・下流域部です。1930年代後半には、中国の生産量は世界全体の4分の3以上を占めるほどでした。しかしその後、米国やブラジル、アルゼンチンにも抜かれ、今日では世界第4位となっています。
また、中国は近年の経済発展とともに大豆消費量が飛躍的に伸び、1995年以降、輸入量が輸出量を上回り、純輸入国に転じています。中国は生産国としてより、世界最大の大豆輸入国としての方が、大豆価格に対するインパクトは大きくなっています。
今世紀に入り、中国の大豆輸入が急増した要因は、他の一次産品の需要の急増と同様に、巨大な人口を有する中国の高度な経済成長にあります。また、大豆の独自要因として、2001年の世界貿易機関(WTO)加盟に合わせて、東北部の玄関口の大連港に大型バースが建造されるとともに、その地域に集中的に搾油施設が造られたことで、同国の大豆処理能力が飛躍的に増大したことが挙げられます。
本記事の監修者・佐藤りゅうじ
1968年生まれ。1993年米大卒業後、1995年2月株式会社ゼネックス入社。アナリストとしてマクロ経済分析をはじめ、原油、天然ゴム、小麦などの商品市場、また為替市場、株式市場のアナリストリポートの執筆、トレードに携わる。2010年1月エイチスクエア株式会社を設立。
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