用語解説

始値(はじめね)とは|FXにおける意味・見方などを詳しく解説


FX取引の用語には、チャートの価格を示すものが複数あります。

それらの用語の中で重要なものの1つが、始値(はじめね)です。

本記事では、始値の意味や見方、よくある質問などを詳しく解説していきます。

始値とは

ここでは始値の意味に加え、FX取引と株式取引における始値の違いを解説します。

  • ・意味
  • ・FX取引と株式取引の違い

意味

始値とは、ある一定期間の最初につけた取引価格のことです。

読み方は「はじめね」で、英語ではOpen Price(オープンプライス)といいます。

例えば、一定期間が「9時00分〜9時05分」の5分足であれば、9時00分の価格が始値です。

一方、9時05分の価格は「終値」といいます。

以下の図であれば、始値は140円、終値は139円となります。

始値とは

上は簡略図でしたが、実際のチャートでは以下の例のように「高値安値」をつけながら推移することが多くあります。

4本値

一方で、始値や終値は、高値・安値と一致することもあります。

「両方一致するケース・片方だけ一致するケース」で、下図のように6通りのパターンがあります。

両方一致するケース・片方だけ一致するケース

6パターンのいずれの形でも「一番左のスタート地点」が始値です。

ローソク足では、始値は下図のように表現されます。

ローソク足

緑のローソク足(陽線)では実体の下側が始値、赤のローソク足(陰線)では実体の上側が始値です。

(※陽線・陰線の色はチャートによって変わります)

陽線は、その期間内で「価格が上がった」ことを意味するローソク足です。

そのため、始値より終値が上になっています。

逆に陰線はその期間内で「価格が下がった」ことを意味するため、始値より終値が下になっています。

陽線と陰線

FX取引と株式取引の違い

FX取引と株式取引の始値の意味は同じで、チャートやローソク足での見方も同じです。

ただし、「窓が開く」という現象の発生頻度が異なり、FX取引では頻度が低く、株式取引では高くなります。

窓が開くとは「前の足の終値から離れた価格が、次の足の始値となること」です。

これによりローソク足とローソク足の間に、窓(ギャップ)が生まれます。

窓開け
出典:TradingView

上のチャート(米国株のテスラ)を見ると、ローソク足に隙間が空いている箇所があります。この隙間が「窓」です。

株式取引で窓が開く1つの理由として、市場が閉まった後の時間外取引が関係します。

取引時間外に、売りか買いに偏った注文が発注されると、前日終値から乖離した価格で寄り付くため、このような隙間ができます。

一方、FXでは平日ほぼ24時間取引ができ、取引時間が連続しているため、前の日足終値と次の日足始値の間に窓が作られにくい性質があります。

ただし、FXも土日は世界の主要市場が閉まります。

その間に何らかの要因で売り注文や買い注文が偏ると、週明けの始値で大きく窓を開けることもあるので注意が必要です。

始値の見方

始値の見方や確認方法を解説します。

  • ・ローソク足での確認方法
  • ・インジケーターでの確認方法

ローソク足での確認方法

ローソク足での確認方法はシンプルで、始値を知りたいローソク足にカーソルを当てるのみです。

以下のチャートは、TradingViewで始値を表示した画面です。

ローソク足での確認方法
出典:TradingView

①のようにカーソルを当てると、②の部分に「始値157.946円」という形で数値が表示されます。

インジケーターでの確認方法

インジケーターでの確認方法
出典:TradingView

始値をインジケーターで確認する場合、用いるインジケーターによって表示される内容に差があります。

上のチャートの場合、各種の始値が水平線で表示される形式です。

上のチャートでは「年初・月初・週初・当日」の始値を表示しています。

TradingViewの画面
出典:TradingView

TradingViewの場合、メニューの「インジケーター」を選択し、上の画面のように「open price」と入力すると、始値を表示するインジケーターの候補が一覧になります。

先程のチャートのインジケーターは、一番上の「Open Price」を使用しています。

始値に関するQ&A

始値に関してよく見られる疑問点は、以下の通りです。

  • ・終値と始値が違うのはなぜですか?
  • ・なぜ週明けに大きく動くことがあるんですか?
  • ・一定の期間の始値とはどういうことですか?

終値と始値が違うのはなぜですか?

FX取引で終値と始値が違う主な理由(ケース)は、主に週明けの「窓開け」が起きることです。

先に説明した通り、FX取引では平日であれば24時間売買を行えるため、通常は始値と終値が連続します(相場急変時は窓が開くこともあります)。

しかし、土日は世界の主要な市場が閉まっているため、週末の終値と週明けの始値が乖離し、窓開けが起きることがあります。

FX取引でなく株式投資の場合、平日でも取引を行える時間が限定されています。

日本の証券取引所では、平日の朝9時〜11時30分までと、12時30分〜15時までが、取引可能な時間帯です。

このため、15時〜翌朝9時までは取引が行われず、注文のみが蓄積されていきます。

一般的に株価は、「オークション方式」によって決定されるため、この注文の蓄積によって翌日の始値が変化します。

このような仕組みから、株式投資では毎日の終値と始値が異なるケースが多く見られます。

なぜ週明けに大きく動くことがあるんですか?

FX取引で週明けに大きく動くことがある理由は、週末(土日)は世界の主要市場が同時に閉まっているためです。

この市場が閉まっていて取引できない間に、大きな価格変動要因となるイベントなどが発生すると、週明けのオープンまでに売り注文・買い注文が偏ります。

そして、オープンと同時に大きく価格が動いた状態でスタートするため、週明けは窓が開くことがあります。

その一方で、平日は1つの国の市場が閉じていても、他の国の市場が開いています。

そのため、FX取引は24時間行うことができ、週明けのように「大きく窓が開く」ということは、比較的少なくなります。

一定の期間の始値とはどういうことですか?

ローソク足は、一定期間の値動きから作られます。

その一定期間が「9時00分〜9時05分」の場合、「9時00分の価格」が始値となり、5分足が形成されます。

また、一定期間を「9時00分〜10時00分」とした場合は、「9時00分の価格」が始値となり、1時間足が形成されます。

FX取引で、最も重視される期間は「1日」で、時間足でいうと「日足」です。

この日足が、朝何時から始まるかは、FX会社ごとに異なります。

日本では「午前7時〜翌朝午前7時付近」の期間で日足を表示するケースが多く見られます。

したがって、多くのFX会社では「日足の始値」は「朝7時00分時点での価格」となるのが一般的です。

【まとめ】始値(はじめね)とは|FXにおける意味・見方などを詳しく解説

始値は、ある一定期間の最初につけた取引価格です。ローソク足の陽線では実体の下側が始値、陰線では実体の上側が始値を示します。

また、チャート上で前の足の終値から離れた価格が次の足の始値となることを「窓が開く」といい、その発生頻度は株式取引とFX取引で大きく異なります。

FX取引では平日に窓が開くことは少なく、週明けの月曜日朝に発生する可能性があるのが特徴です。

始値は、対象期間で最初に取引された価格なので、その期間の値動きを分析する上で、特に意識すべき価格といえるでしょう。

そして、始値を意識しながらFX取引で結果を出すために、相場を深く分析するためのインジケーター(指標)を使いこなすことが重要です。

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