FXのリスクリワードとは|意味・計算式や目安について解説
リスクリワードとは「損失(リスク)と利益(リワード)の比率」のことです。
FX取引で利益を上げるためには、リスクリワードを意識することが重要です。
本記事では、「リスクリワードとは何か」という基礎知識や、計算方法、目安、勝率との違いなどを詳しく解説していきます。
目次
- 1.FXのリスクリワードとは
- 2.リスクリワードの目安
- 3.リスクリワードの改善方法
- 4.FXのリスクリワード比率の計算ツール
- 5.FX用資産シミュレーション
- 6.FXのリスクリワードに関するQ&A
- 7.【まとめ】FXのリスクリワードとは|意味・計算式や目安について解説
FXのリスクリワードとは
FX取引における、リスクリワードの意味と計算方法について解説していきます。
- ・意味
- ・一般的な計算方法
意味
FXのリスクリワードとは、損失(リスク)と利益(リワード)の比率です。
過去のトレード成績を評価する際に、トレード1回あたりの損失に対して、どれくらいの利益が出せているかを比率で表します。
また、これから行うトレードに関して、1回の取引で負うリスクを基準に、追求する利益を考えるなど、資金管理で用いられることもあります。
一般的な計算方法
リスクリワードの計算方法は、以下の通りです。
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リスクリワード=勝ちトレードの平均利益÷負けトレードの平均損失
勝ちトレードの平均利益と、負けトレードの平均損失が同額であれば、リスクリワード比率は「1」です。
リスクリワード比率が「1」を超えると勝ちトレードの平均利益が上回り、「1」を下回ると負けトレードの平均損失が上回っていることを意味します。
リスクリワードの目安
リスクリワードを考えるには、勝率との関係について知る必要があります。
上記画像はリスクリワードと勝率の関係をグラフ化したものです(縦軸:リスクリワード、横軸:勝率)。
リスクリワードが「1」の場合は、勝率50%が損益分岐点となります。
リスクリワードが「1」を超えて上がっていくと、勝率が低くても利益が出ます。
一方、「1」を下回ると、勝率が高くないと利益が出なくなります。
つまり、この表に取引の結果を当てはめると、現在の戦略で取引を続けた場合に安定した収益を上げられるのか、損失が生じる可能性が高いのかを簡易的に判断できます。
取引の収益を上げるには、このリスクリワードと勝率をバランスよく改善する必要があります。
リスクリワードの改善方法
リスクリワードを改善させるには、勝ちトレードの平均利益を増やすことと、負けトレードの平均損失を減らすことがポイントです。
その方法はいくつか考えられますが、代表例として以下の2つの方法を解説します。
- ・一部は利益確定させ、残りのポジションは利益を伸ばす
- ・損切りラインを浅めに設定する
利益が伸びているときに一部を利益確定し、残りのポジションでさらなる利益拡大を狙う方法では、勝ちトレードの平均利益を増やすことができます。
トレンドが長く続けば利益を伸ばせるため有効ですが、トレンドが継続しない場合やトレンドが反転した場合には利益は伸ばせません。
また、利確位置は変えないもしくは遠く設定しつつ、損切りを浅くすることでリスクリワード比率を改善する方法もあります。
FXのリスクリワード比率の計算ツール
OANDA証券では、リスクリワード比率を簡単に求められるツールや、リスクリワード比率を調整しながら発注できるオリジナルインジケーターを提供しています。
- ・TradingViewの描画ツール
- ・MT4/MT5用インジケーター「OANDA Mini Terminal」
TradingViewの描画ツール
TradingViewの描画ツールを使えば、リスクリワード比率を簡単に求めることが可能です。
出典:TradingView
上画像は、OANDA証券が提供する「fxTrade」内のTradingViewチャート画面です。
「fxTrade」は、TradingViewと同じように取引が可能です。
TradingViewにあるリスクリワード比率を求めるツールも搭載しているので、簡単に計算できます。
ツールの使い方は「TradingView(トレーディングビュー)の損益比率の計算ツールの使い方を紹介」の記事で詳しく解説しています。
MT4/MT5用インジケーター「OANDA Mini Terminal」
OANDA証券が提供するインジケーター「OANDA Mini Terminal」では、ストップロス注文とテイクプロフィット注文をチャート上で調節することが可能です。
出典:MT4
「OANDA Mini Terminal」は、デフォルトのMT4/MT5では使用することができない注文方法を可能にするインジケーターです。
例えばデフォルトのMT4/MT5では、ワンクリック注文時にストップロス注文やテイクプロフィット注文を同時に発注することはできません。
しかし「OANDA Mini Terminal」であれば、ワンクリック注文時にストップロス注文やテイクプロフィット注文を同時に発注できます。
効率的にリスク管理をすることができる点が、「OANDA Mini Terminal」の特徴です。
このインジケーターは、OANDA証券のMT4東京サーバを利用している方、およびMT5の全ユーザーを対象としたサービスです。
FX用資産シミュレーション
リスクリワード比率を求めることで、今の戦略で利益を出すことができるかを分析可能です。
OANDA証券では、口座資産がどのように変化するかを簡易的にシミュレーションできる「FX、CFD用資産シミュレーション」をウェブ上で提供しています。
- ・OANDA証券のFX、CFD用資産シミュレーション
- ・FX、CFD用資産シミュレーションの使い方
OANDA証券のFX、CFD用資産シミュレーション
OANDA証券の「FX、CFD用資産シミュレーション」では、FX、CFD取引における口座資産の変化のシミュレーションが可能です。
取引開始時の口座資産、想定する損失額や利益額、勝率などの入力した情報を基に、一定件数のトレードを行った場合の資産推移をグラフで確認できます。
シミュレーションを利用することで、リスクリワード比率が適切に設定されているかわかります。
また、どのくらいの勝率があれば資産が増えていくのか、簡易的にシミュレーションできるため、投資戦略を立てる参考としても活用可能です。
FX、CFD用資産シミュレーションの使い方
FX、CFD用資産シミュレーションの使い方は、以下の通りです。
例えば以下の条件で、取引をします。
①口座資産:100万円
②1回の取引で想定する損失:2%
③1回の取引で想定する利益:3%
④想定している勝率:50%
⑤想定している破産水準:50%
⑥シミュレーション回数:10回・1回当たりのトレード件数:100件
取引後に想定される口座残高や破産確率などを確認できます。
ただし、ここで良い数字が出ても、将来の取引結果を約束するものではありません。
あくまでも現在のトレード戦略を見直す目的で「FX、CFD用資産シミュレーション」をご活用ください。
FXのリスクリワードに関するQ&A
FXのリスクリワードに関して、よく見られる疑問点は以下のようなものです。
- ・勝率との違いは何ですか?
- ・理想のリスクリワードの数値はどれくらいですか?
勝率との違いは何ですか?
勝率の計算方法は「勝ちトレード数」÷「総トレード数」です。
例えば、10回中6回勝つと60%、4回勝つと40%というように計算されます。
損切り(負けトレード)数が増えると、勝率は必然的に下がります。
勝率とリスクリワードの損益分岐点は、反比例の関係にあります。
リスクリワードが高ければ、勝率が低くても最終的に利益を出せます。
逆にリスクリワードが低い場合は、勝率を高く維持する必要があり、両者のバランスが重要です。
理想のリスクリワードの数値はどれくらいですか?
取引スタイルや勝率などの要素によって理想のリスクリワードは異なるため、理想の数値を一概には言えません。
仮に、一般的なデイトレードに限定した場合、リスクリワードの数値は「2〜3」程度が理想と考えても良いでしょう。
このリスクリワードならば、勝率が低くても最終的に利益が残る期待ができます。
例えば、リスクリワードが「1」と「3」で、それぞれ10回取引する場合を比較してみましょう。
⚫️リスクリワードが「1」の場合(利確と損切りともに1万円とする)
勝率が50%のとき、損益は0円
勝率が70%のとき、期待利益が7万円、期待損失が3万円で、期待値は4万円
⚫️リスクリワードが「3」の場合(利確が3万円で、損切りは1万円とする)
勝率が40%のとき、期待利益が12万円、期待損失が6万円で、期待値は6万円
勝率が50%のとき、期待利益が15万円、期待損失が5万円で、期待値は10万円
※期待値とは1回のトレードで得られる平均利益のこと
リスクリワードが「1」の場合は、利益を得るために最低でも50%を超える勝率が必要です。
一方で、リスクリワードが「3」の場合は、勝率が40%でも最終的に利益を出せる期待ができます。
【まとめ】FXのリスクリワードとは|意味・計算式や目安について解説
リスクリワードとは、利益と損失の比率のことで、FX取引で適切な資金管理をする上で重要な数値です。
事前にどのくらいの損失が出るのか、どのくらいの利益が期待できるのかリスクリワードを計算し、リスクを許容した上で取引することが重要です。
OANDA証券では、リスクリワード比率を簡単に求められるツールや資産シミュレーションツールを提供しているので、ぜひ参考にしてください。
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