NISA(ニーサ)とは|新NISAの特徴やメリット・デメリットをわかりやすく解説
NISA(ニーサ)とは、株式や投資信託等での運用益が非課税となる少額投資非課税制度です。
NISA自体は2014年から開始されましたが、2024年からメリットが拡大した新NISAがスタートしました。
本記事では、NISAの意味や、メリット・デメリット、よくある質問などを詳しく解説していきます。
※OANDA証券ではNISA口座や株式取引をサービスとして提供していません。本記事はNISAに関する一般的な知識を提供することを目的としています。
目次
- 1.NISA(ニーサ)とは
- 2.旧NISAと新NISAの違い
- 3.NISA(ニーサ)のメリット
- 4.NISA(ニーサ)のデメリット
- 5.NISA(ニーサ)を活用する際のポイント
- 6.NISA(ニーサ)を活用する際の注意点
- 7.【まとめ】NISA(ニーサ)とは|新NISAの特徴やメリット・デメリットをわかりやすく解説
NISA(ニーサ)とは
NISAとは「Nippon Individual Savings Account」の略称で、少額投資非課税制度のことです。
英国の税制優遇措置である「ISA」をモデルに、2014年から開始されました。
通常の投資では、運用益(譲渡益、配当金、分配金等)には20.315%の税金が発生しますが、NISA口座での運用益は非課税となります(非課税保有限度額は最大1800万円)。
2024年に制度を一新した新NISAは「つみたて投資枠」「成長投資枠」という2つの投資枠(年間の投資上限額)の上限が引き上げられ、制度が恒久化するなど、個人投資家がより利用しやすくなりました。
以下では、つみたて投資枠と成長投資枠の概要や特徴について、解説していきます。
- ・つみたて投資枠
- ・成長投資枠
つみたて投資枠
つみたて投資枠は、長期にわたる積立投資によって資産形成を目指すことに適しています。
同枠で投資できる金融商品は、金融庁の基準を満たした長期の積立・分散投資に適した投資信託のみです(個別株や債券は対象外です)。
また、購入方法も積立投資のみで、長期にわたってコツコツと積み立てていくことを前提としています。
つみたて投資枠の概要年間投資枠 | 120万円 |
非課税保有限度額 | 1,800万円 |
非課税保有期間 | 無制限 |
口座開設期間 | 恒久化 |
投資対象商品 | 金融庁の基準を満たした長期の積立・分散投資に適した投資信託 |
利用可能年齢 | 18歳以上 |
成長投資枠
成長投資枠の投資対象は、株式や投資信託、REIT、ETFなどで、つみたて投資枠よりも幅広い金融商品への投資が可能です(金融機関によって投資できる銘柄は異なります)。
つみたて投資枠よりも年間投資枠が大きく、また一括投資、都度投資、積立投資など自由に行えます。
なお、成長投資枠のみを使う場合、非課税保有限度額のうち1,200万円までが上限となります。
残り600万円分は、つみたて投資枠とあわせて使うことで、非課税保有限度額1,800万円をフルに使うことができます。
成長投資枠の概要年間投資枠 | 240万円 |
非課税保有限度額 | 1,800万円のうち最大1,200万円 |
非課税保有期間 | 無制限 |
口座開設期間 | 恒久化 |
投資対象商品 | 個別株、投資信託等(一部除外) |
利用可能年齢 | 18歳以上 |
旧NISAと新NISAの違い
新NISAでは、旧NISAからさまざまな点が変更され、投資家メリットが増えています。
新NISAで変更された主な点は、以下の通りです。
- ・非課税期間が無期限に
- ・年間投資額の上限が増加
- ・非課税保有限度額が増加
- ・つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可に
- ・投資可能期間が恒久化
- ・投資枠の再利用が可能
政府は、「非課税」のメリットを活用しながら、「長期・積立・分散」といった安定した資産形成に取り組むことができる制度だとしています。
NISA(ニーサ)のメリット
NISAを活用すると、主に以下のメリットがあります。
- ・【メリット①】運用益は非課税
- ・【メリット②】少額から始められる
- ・【メリット③】非課税保有限度額を再利用できる
- ・【メリット④】外国株やREIT、ETFも購入可能
【メリット①】運用益は非課税
NISA口座の運用益は非課税で、非課税期間は無期限です。
通常の投資では利益に対して20.315%の税金を納める必要がありますが、その分が手に入る計算となります。
税金を考慮することなく、長期的な運用に取り組むことができます。
【メリット②】少額から始められる
つみたて投資枠では、毎月数百円〜数万円で投資信託の積立投資を始められます。
また、成長投資枠で株式投資する場合には、10万円〜20万円あれば1つの銘柄を購入可能です。
少額でも長期にわたってコツコツと積み立てていくことで、将来的に大きなリターンを得られる可能性があります。
【メリット③】非課税保有限度額を再利用できる
非課税で保有できる取得価格の総額(保有限度額)は1,800万円と定められていますが、株式等を売却して取得価格の合計が減れば、その分の枠を使って新たな投資が可能です。
ただし、年間投資枠(最大360万円)は復活しない点に注意が必要です。
【メリット④】外国株やREIT、ETFも購入可能
成長投資枠では個別株のほか、ETF、REIT、投資信託と幅広い商品の中から投資をすることができます。
また、アップルやエヌビディア、アマゾン、マイクロソフトなど、米国をはじめとする外国株にも投資可能です(外国株の配当金には外国での源泉税がかかる場合があります)。
ただし、金融機関によって購入できる商品に違いがあり、特に外国株は取り扱われていない場合もあるので、事前に確認しておく必要があります。
NISA(ニーサ)のデメリット
一方で、NISAのデメリットは以下の通りです。
- ・【デメリット①】必ず利益が出るわけではない
- ・【デメリット②】利益が出ないとメリットが少ない
- ・【デメリット③】1年間の投資金額に上限がある
【デメリット①】必ず利益が出るわけではない
NISAは非課税制度であり、必ずしも利益を得られるわけではありません。
元本保証がないため、投資した商品や相場状況によっては損失を抱えてしまう可能性があります。
投資先の選別や相場分析は、通常の投資と同じように自分で判断する必要があります。
【デメリット②】利益が出ないとメリットが少ない
NISAの最大のメリットは利益に対して課税されないことですが、裏を返せば利益が出ないとメリットを享受できません。
通常の口座の場合、損失と利益を相殺する損益通算や繰越控除ができますが、NISAでは不可となっています。
【デメリット③】1年間の投資金額に上限がある
1年間に投資可能な上限金額が決まっており、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円で、併用すると360万円です。
これを超過した分に関しては、通常と同様に課税対象となります。
NISA(ニーサ)を活用する際のポイント
NISAを活用する際に、大切なポイントを解説していきます。
- ・投資目標を明確にする
- ・ポートフォリオを考える
- ・長期観点で運用する
- ・リスクの許容範囲内で投資を行う
投資目標を明確にする
NISAは長期的な資産形成に適した制度です。
最終的な目的や、目指す資産額を明確にしておくことが大切です。
老後資金を貯めたいのか、教育や結婚、病気などに備えた資金を準備しておきたいのかなどの目的によって、必要な資金や運用方針、許容リスクが変わってきます。
目標を決めて運用することで、短期的な下落や含み損が発生しても、焦ることなく落ち着いて運用を続けやすくなると考えられます。
ポートフォリオを考える
ポートフォリオとは、金融資産の組み合わせのことです。
投資の格言で「卵は1つのカゴに盛るな」というように、1つの金融商品に資金を集中させるのではなく、複数に分散する(ポートフォリオを組む)のがリスク軽減になります。
長期観点で運用する
NISAを活用する場合は短期目線ではなく、長期目線で運用することが大切です。
株式相場は一時的に下落することがありますが、長期的には上がりやすい性質を持っており、長期目線の投資に向いていると考えられます。
リスクの許容範囲内で投資を行う
投資はリスクを受け入れるからこそ、リターンを得られます。
自分で受け入れられるリスクの範囲内で行うことが推奨されます。
含み損が大きくなっても生活に支障がない資金を運用することでメンタルが安定し、長期的な運用がしやすくなると考えられます。
NISA(ニーサ)を活用する際の注意点
NISAを始める場合に、どのような部分に注意すればよいのかを解説します。
- ・開設できる口座は1人1つまで
- ・元本割れのリスクがある
- ・損益通算ができない
開設できる口座は1人1つまで
NISA口座は1人につき、1つの金融機関の口座しか保有できません。
金融機関を乗り換えたい場合は、口座変更手続きを行う必要があります(変更は1年に1回まで)。
どの金融機関でNISA口座を開設しているのかがわからない場合は、税務署に照会してもらうほか、e-Taxでも確認可能です。
元本割れのリスクがある
投資は元本が保証されるわけではなく、元本が毀損するリスクもあります。
とはいえ、NISAは長期運用を前提とした制度であり、金融庁のガイドブックによると、積立投資を長期で続けることで元本割れする可能性が低くなる傾向があるとされています。
一時的にマイナスになっても慌てず、長期的な目線で判断することが重要です。
損益通算ができない
NISA口座での利益や損失は、通常の口座(特定口座、一般口座)と損益通算できません。
利益が非課税になる代わりに、損失による控除は受けられないということです。
【まとめ】NISA(ニーサ)とは|新NISAの特徴やメリット・デメリットをわかりやすく解説
NISAとは、株式や投資信託等の投資で得た運用益が非課税となる制度です。
投資家にとって非課税という大きなメリットがある制度ですが、年間に投資できる金額や非課税となる金額には上限が定められています。
また、元本割れのリスクがある、損益通算ができないなどのデメリットもあるため、NISAを始める前にはしっかりと確認しておくことが大切です。
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