ROIとは|意味・計算式・類似指標との違いなどをわかりやすく解説
ROIとは、リターン・オン・インベストメント(Return On Investment)の略で、投資した費用(インベストメント)に対して、どれだけの利益(リターン)を得られたかを表す指標です。
日本語では「投資利益率」「投資収益率」などと訳されます。
本記事では、ROIの意味や計算式、類似指標との違いなどをわかりやすく解説します。
ROIとは
ROIの意味や計算式を解説します。
- ・意味
- ・計算式
意味
ROIとは、投資した費用に対して、どれだけの利益を得られたかを表す指標です。
日本語では「投資利益率」「投資収益率」などと訳され、費用対効果を定量的に評価するために広く用いられます。
企業の財務分析指標であるROE(自己資本利益率)やROA(総資産利益率)とは異なり、幅広い分野で用いられる指標で、投資(株式、不動産、M&Aなど)の資金効率の評価だけでなく、ビジネス施策(投資)の成果や効率性などを測ることができます。
計算式
ROIは、投資額に対してどれだけの利益(収益ー投資額)が得られたかを計算します。
ROIが100%であれば、投資額と同額の利益が得られたことを意味し、それを上回れば黒字、下回れば赤字となります。
数値が高ければ、効率的に利益を上げていることを意味します。
ROIC、ROE、ROAとの違い
ROIの類似指標として、ROIC、ROE、ROAなどがあります。
「R(Return)」から始まる用語ですが、評価対象が異なります。
- ・ROIC
- ・ROE
- ・ROA
- ・違いのまとめ
ROIC
ROIC(Return On Invested Capital)は、企業の投下資本利益率のことです。
企業が投下した資本に対して、本業でどれだけの利益を上げたかという効率性を表します。
本業による利益(税引き後営業利益)に注目した指標です。
ROE
ROE(Return On Equity)とは自己資本利益率のことで、株主から調達した資金に対して、どれだけの純利益を上げたかを表します。
株主の目線から、企業の収益性を評価できる指標です。
ROA
ROA(Return On Assets)とは総資産利益率のことで、企業が保有する総資産に対して、どれだけの純利益を上げたかを表します。
企業全体の収益性がわかります。
ROICとは異なり、負債も含んだ総資産を基準に算出します。
違いのまとめ
指標 | 定義 | 評価対象 |
---|---|---|
ROI | 投資額に対して、 どれだけの利益を上げたか |
投資全般・施策単位 |
ROIC | 投下資本に対して、 どれだけの本業利益を上げたか |
投下資本 |
ROE | 自己資本に対して、 どれだけの当期純利益を上げたか |
自己資本 |
ROA | 総資産に対して、 どれだけの当期純利益を上げたか |
総資産 |
ROEやROAはROIの派生指標と位置づけられ、それぞれ評価対象が限定されています。
一方、ROIは施策単位やプロジェクト単位など、より柔軟に評価対象を設定できるため、特定の投資や事業活動の効果測定に適しています。
企業全体の収益性分析には、ROEやROICといった財務指標の方がより適している場合もあります。
ROIの使い方
ROIは次のような使い方ができます。
- ・自分の投資効率の評価
- ・投資先企業の評価
自分の投資効率の評価
投資による利益を元本(投資額)で割ることで、自身の投資効率(ROI)を把握できます。
株式投資と不動産投資を比較したり、株式投資の銘柄同士のパフォーマンスの評価ができます。
投資先企業の評価
企業がどれだけ効率的に資本を使って利益を上げているかを評価する際には、ROIの派生指標であるROEやROICといった指標を活用します。
これにより、株主視点での収益性(ROE)や、本業の投資効率(ROIC)などを比較でき、投資判断の材料になります。
持続的に高いROEやROICを維持している企業は、中長期的に投資リターンが高くなる期待ができます。
ただし、企業の財務健全性、成長性、競争優位性、業界環境なども合わせて評価することが重要です。
ROIに関するQ&A
ROIに関するよくある質問に回答していきます。
- ・ROIの読み方は何ですか?
- ・ROASとの違いは何ですか?
ROIの読み方は何ですか?
ROIは「アールオーアイ」または「ロイ」と読みます。
類似指標のROICは「ロイック」と発音されるのが一般的です。
ROASとの違いは何ですか?
ROAS(Return On Advertising Spend)は、広告の費用対効果を表します。
計算式は以下の通りです。
- ROAS(%)=広告からの売上÷広告費用×100
ROAやROEのような財務指標とは異なり、マーケティング施策の費用対効果を測るために使われます。
【まとめ】ROIとは|意味・計算式・類似指標との違いなどをわかりやすく解説
ROIとは、投資した費用(インベストメント)に対して、どれだけの利益(リターン)を得られたかを表す指標です。
さまざまな分野で使われる指標で、投資の世界では「自分の投資効率の評価」や「投資先企業の評価」などに活かすことができます。
ROEやROAなど、「R(Return)」から始まる類似指標がいくつか存在するため、それらと混同しないように違いをしっかりと理解しておくことが重要です。
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