ETF(上場投資信託)とは|意味・メリット・デメリットなどをわかりやすく解説
ETF(上場投資信託)とは、金融商品取引所に上場している投資信託のことです。
株式のように個人で売買できるのが特徴です。
本記事では、ETFの意味やメリット・デメリットなどをわかりやすく解説します。
※OANDA証券ではETF取引をサービスとして提供していません。本記事はETF取引に関する一般的な知識を提供することを目的としています。
目次
- 1.ETF(上場投資信託)とは
- 2.ETF(上場投資信託)の主な種類
- 3.ETF(上場投資信託)のメリット
- 4.ETF(上場投資信託)のデメリット
- 5.ETF(上場投資信託)に関するQ&A
- 6.【まとめ】ETF(上場投資信託)とは|意味・メリット・デメリットなどをわかりやすく解説
ETF(上場投資信託)とは
ここではETF(上場投資信託)とは何かを、以下の内容に分けて解説します。
- ・意味
- ・投資信託との違い
意味
ETFとは、金融商品取引所に上場している投資信託のことです。
「Exchange Traded Fund」の頭文字を取って略した用語で、日本語では「上場投資信託」と呼ばれます。
ETFは、日経平均株価(日経225)やS&P500といった特定の株価指数、債券、REIT(リート)、コモディティ(商品)など、さまざまな資産に連動するように設計されています。
株式のように市場で売買できるのが特徴で、売買差益(キャピタルゲイン)と分配金(インカムゲイン)の両方を狙うことができます。
投資信託との違い
ETFと一般的な投資信託の違いは、「上場しているか、していないか」です。
上場しているETFは、価格が市場の需給で決まり、株式と同様に取引時間内であればリアルタイムで売買できます。
対して、上場していない一般的な投資信託では、リアルタイムの価格変動はなく、基準価額が1日に1回公表されます。
取引も基本的に1日1回に限られます。
ETFと一般的な投資信託の主な違いは、以下の通りです。
項目 | ETF | 一般的な投資信託 |
---|---|---|
上場/非上場 | 上場 | 非上場 |
購入できる場所 | 証券会社 | 証券会社、銀行、郵便局など |
取引可能な時間 | 金融商品取引所の取引時間内 | 販売会社が定めた取引時間内 |
取引価格 | 市場価格 | 基準価額 |
価格変動 | リアルタイムで変動 | 1日1回更新 |
ETF(上場投資信託)の主な種類
ETF(上場投資信託)には様々なタイプの商品があります。
主な分類は以下の通りです。
タイプ | 特徴 | 連動する代表的な指数 |
---|---|---|
日本株式ETF | 国内の株式に投資するETF。 株価指数に連動しており、分散投資のメリットが得られる。 |
日経平均株価、TOPIX |
外国株式ETF | 海外の株式に投資するETF。 株価指数に連動しており、分散投資と通貨分散の効果が期待できる。 |
NYダウ、S&P500、NASDAQ |
債券ETF | 国債や社債などの債券に投資するETF。 株式に比べてリスクが低く、安定した運用が期待できる。 |
FTSE日本国債、ブルームバーグ米国総合債券、S&P米国社債 |
REIT ETF | 不動産に投資するREITを対象としたETF。 安定した配当収入が期待できるほか、分散投資も可能。 |
東証REIT、FTSE NAREIT米国不動産 |
コモディティETF | 原油や金、農産物などのコモディティ(商品)に投資するETF。 市場の需給状況に応じて価格が変動しやすい特徴がある。 |
S&P GSCI、ブルームバーグ商品 |
これらの他に、特定の通貨や通貨ペアに連動する通貨ETF、基準となる指数や資産の値動きを複数倍に反映するレバレッジ型ETF、逆方向に連動するインバース型ETFなどもあります。
それぞれ投資対象やリスク・リターンの特性が異なるため、目的や資産配分に応じた選択が重要です。
ETF(上場投資信託)のメリット
ETF(上場投資信託)には次のようなメリットがあります。
- ・リアルタイムで売買できる
- ・保有コストが安い
- ・分散投資が簡単にできる
リアルタイムで売買できる
東京証券取引所に上場するETFは、取引時間内である平日の9時~11時30分(前場)、12時30分~15時30分(後場)であればいつでも売買できるのがメリットです。
相場の価格変動を見ながらリアルタイムで何度も取引できるので、一般的な投資信託よりも売買チャンスが多いです。
FXや株式の取引と同じように、成行注文や指値注文を使えます。また、ETFは信用取引を活用できるのもポイントです。
レバレッジをかけた運用が可能なほか、売りから入ることで下落相場でも利益を狙えます。
なお、米国ETFなど海外市場に上場するETFは、それぞれの現地市場の取引時間に準じます。
保有コストが安い
ETFも一般的な投資信託も、保有コストとして主に信託報酬(ETFや投資信託を管理・運用するための費用)がかかりますが、信託報酬はETFの方が安い傾向があります。
一般的な投資信託では、信託報酬が販売会社・信託銀行・運用会社の3者で分配されるのに対し、ETFは投資家が市場で直接売買するため、販売会社を介さないことが多く、信託報酬が比較的低めに設定される傾向があります。
ETFの場合、販売会社に支払う部分がないため、その分割安になっています。
分散投資が簡単にできる
ETFには、複数の資産に簡単に分散投資できるメリットもあります。
基本的に、ETFの投資対象となる指数はさまざまな銘柄で構成されているため、1つのETFに投資することで分散投資の効果が期待できます。
例えば、東証プライム市場の代表的な225銘柄を対象に算出・公表される日経平均株価と連動するETFを購入すれば、それだけで225社の株式に分散投資したことを意味します。
分散投資はリスク管理の基本であり、投資対象を複数に分けることで資産全体のリスクを軽減できます。
ETF(上場投資信託)のデメリット
ETF(上場投資信託)の代表的なデメリットは、以下の通りです。
- ・価格変動リスクがある
- ・分配金の再投資が自動的にできない
- ・価格が乖離する可能性がある
価格変動リスクがある
ETFには価格変動リスクというデメリットがあります。
投資対象とする資産の価格変動や、市場における需給バランスの変化によって、ETFの価格は上下する可能性があります。
その結果、予期せぬ損失が発生し、投資元本を割り込むリスクがある点には注意が必要です。
分配金の再投資が自動的にできない
ETFでは、分配金を再投資することで複利効果が期待できますが、一般的な投資信託のように自動で再投資される仕組みがありません。
そのため、分配金を再投資に回すには、受け取った分配金を使って自分でETFを買い付ける必要があります。
分配金を自動的に再投資できない点も、ETFのデメリットの1つです。
価格が乖離する可能性がある
ETFは、流動性が低下(取引量や注文量が減少)したり、指数との裁定取引が機能しづらくなったりすると、実勢価格と基準価額が乖離する可能性があります。
特に、新興市場に投資するETFや特定のテーマに特化したETFは流動性が低い傾向にあるため、注意が必要です。
また、ETFは特定の指数などに連動するよう設計されていますが、運用コストや市場環境の影響により、実際のパフォーマンスが指数と完全に一致しないことがあります。
このズレを示す指標を「トラッキングエラー」と呼び、値が小さいほど期待通りの運用成果が得やすいとされます。
反対に、値が大きい場合は目標としていたリターンが得られないリスクを考慮する必要があります。
ETF(上場投資信託)に関するQ&A
ETF(上場投資信託)に関してよくある質問は、以下の通りです。
- ・ETFの手数料は?
- ・ETFと投資信託はどちらがおすすめですか?
ETFの手数料は?
ETFで発生する主な手数料は、「売買手数料」と「信託報酬」の2つです。
手数料の種類 | 発生タイミング | 説明 |
---|---|---|
売買手数料 | 購入時または売却時 | ETFを取引する際に証券会社に直接支払う手数料。 証券会社によって手数料が異なる。 |
信託報酬 | 保有期間中 | ETFの運用管理費用。 純資産残高に対して年率でかかるコストで、0.1〜0.5%程度が一般的。 |
株式と同様に、ETFを購入・売却する際にはそれぞれの取引ごとに売買手数料が発生します。
この取引手数料は証券会社によって異なり、中には無料に設定している会社もあります。
一方、信託報酬はETFの運用や管理にかかる費用で、投資家から集めた資産(信託財産)から日々差し引かれる仕組みです。
そのため、投資家が手元から別途支払う必要はありません。
ETFと投資信託はどちらがおすすめですか?
ETFと一般的な投資信託は、どちらもメリット・デメリットがあります。
「リアルタイムで売買したい人」「コストを抑えたい人」「投資中級者~上級者」にはETF、「積立投資をしたい人」「少額から始めたい人」「投資初心者や忙しい人」には一般的な投資信託が向いていると考えられます。
投資の目的やスタイル、経験などに応じて、ETFと一般的な投資信託を適切に使い分けることが推奨されます。
【まとめ】ETF(上場投資信託)とは|意味・メリット・デメリットなどをわかりやすく解説
ETF(上場投資信託)とは、金融商品取引所に上場している投資信託です。
一般的な投資信託との大きな違いは「上場しているかどうか」で、上場しているのがETF、上場していないのが一般的な投資信託です。
ETFは、日本株式、外国株式、債券、REIT、コモディティなど様々な資産に投資できる特徴があります。
また、「リアルタイムで売買できる」「保有コストが安い」「分散投資が簡単にできる」といったメリットがある一方で、「価格変動リスクがある」「分配金の再投資が自動的にできない」「価格が乖離する可能性がある」などのデメリットも存在します。
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