配当性向とは|意味・計算式・注意点などをわかりやすく解説
配当性向とは最終利益に占める配当金の割合を示す指標で、企業が得た利益の中から「配当金として株主にどれくらい還元しているか」をパーセンテージで表します。
本記事では、配当性向の意味や計算式、注意点などをわかりやすく解説します。
※OANDA証券では株式取引をサービスとして提供していません。本記事は株式取引に関する一般的な知識を提供することを目的としています。
配当性向とは
配当性向の意味や計算式、具体例を解説します。
- ・意味
- ・計算式
- ・具体例
意味
配当性向(はいとうせいこう)とは、最終利益に占める配当金の割合を示す指標です。
企業が得た利益の中から、「配当金として株主にどれくらい還元しているか」をパーセンテージで表します。
例えば、最終利益の半分を配当金として株主に支払った場合、配当性向は50%となります。
配当性向が高いほど、株主に対して積極的に還元している企業と判断されます。
なお、最終利益とは文字通り一定期間において企業が稼いだ最終的な利益のことで、「税引き後利益」「当期純利益」とも呼ばれます。
企業が事業活動で生み出した最終利益は「内部留保(社内留保)」と「配当金」に大別され、そのうち配当金に回される割合が配当性向です。
計算式
配当性向の計算式は、下図の通り2種類あります。
1つは当期純利益を用いたもの、もう1つはEPS(1株あたり純利益)を用いたものです。
計算式は上記の2種類がありますが、1つ目の計算式にある配当金支払総額と当期純利益は発行済み株式総数で割ると、それぞれ1株あたり配当額とEPS(1株あたり純利益)になります。
つまり、2つ目の計算式は1つ目の計算式を書き換えたものであり、両者の計算結果に違いはありません。
具体例
・当期純利益を用いた例例えば、当期純利益が3億円の企業が、配当金として株主に総額9,000万円を支払った場合、配当性向は「30%」です。
- 配当性向 = 9,000万円 ÷ 30,000万円 × 100 = 30%
例えば、EPS(1株あたり純利益)が3,000円の企業が、配当金として株主に1株あたり900円を支払った場合、配当性向は「30%」です。
- EPS = 900円 ÷ 3,000円 × 100 = 30%
配当性向で分かること
配当性向を見ることで、株主に対する企業の利益還元姿勢が分かります。
一般的に、配当性向が高い企業は利益を配当金に充てる割合が多く、株主還元に対して積極姿勢であると判断できます。
反対に、配当性向が低い企業は利益を内部留保や投資に回していると考えられ、株主還元に対しては消極姿勢と判断できます。
配当性向が高い企業は魅力的ですが、配当金の割合が多いということは内部留保が少ないことを意味し、企業の成長につながる設備投資や研究開発などに資金が多く使われていない可能性が考えられます。
その一方で、配当性向が低い企業は利益の多くを内部留保に充て、設備投資や研究開発に使っている可能性があり、将来的な成長が期待できる場合もあります。
配当性向が高いから優良企業、低いから優良企業ではないとは一概に言い切れません。
なお、配当性向は100%を超える場合や、マイナスになる場合もあります。
前者は企業が純利益を超える配当金を支払っていることを、後者は純利益がマイナス(赤字)にもかかわらず株主へ配当金を支払っていることを意味します。
配当性向に関する注意点
配当性向に関する注意点は、主に以下の2つです。
- ・業種によって傾向が異なる
- ・配当性向だけで投資判断をしない
業種によって傾向が異なる
配当性向は企業によってさまざまで、業種によっても傾向が異なるので注意が必要です。
例えば、成長段階にあるベンチャー企業は利益の多くを成長投資に充てるため配当性向が低く、経営が安定した成熟企業は成長投資よりも株主還元を優先するため配当性向が高い、といった傾向があります。
配当性向を上手に活用するには、他業種間で比較するのではなく、同業種間で比較するのがポイントです。
配当性向だけで投資判断をしない
配当性向は、あくまで投資家への還元度合いを表す指標であり、その高低のみで企業の良し悪しを評価することはできません。
株式投資の銘柄選びでは、配当性向だけで決めるのではなく、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)、ROA(総資産利益率)、ROE(自己資本利益率)、EPS(1株あたり純利益)、BPS(1株あたり純資産)といった他の指標と併用し、総合的に判断することが推奨されます。
配当性向に関するQ&A
配当性向に関するよくある質問に回答していきます。
- ・配当性向の目安はありますか?
- ・配当利回り、株主資本配当率との違いは何ですか?
配当性向の目安はありますか?
日本の上場企業の配当性向はおおむね30%程度で推移しており、これが1つの目安とされています。
一般的に、30%を上回る水準を維持していれば株主への還元が多い企業、30%を下回る水準なら株主への還元が少ない企業と評価できます。
なお、日本の配当性向は欧米企業に比べると低い傾向にあります。
配当利回り、株主資本配当率との違いは何ですか?
配当性向は最終利益に占める配当金の割合を示す指標であるのに対し、配当利回りは株価に対する1株あたりの配当金の割合を示す指標です。
「配当利回り=1株あたりの配当金÷株価×100」で求められます。
一方、株主資本配当率は配当性向と同じく株主への利益還元度合いを表す指標ですが、両者は何に対する配当金の割合なのかが異なります。
株主資本配当率は株主資本に占める配当金の割合を示し「株主資本配当率=配当金支払総額÷株主資本×100」で算出されます。
【まとめ】配当性向とは|意味・計算式・注意点などをわかりやすく解説
配当性向とは、最終利益に占める配当金の割合を示す指標で、企業が得た利益の中から「配当金として株主にどれくらい還元しているか」をパーセンテージで表したものです。
一般的に、配当性向が高いほど「株主に対して積極的に還元している企業」と考えられます。
日本の上場企業の場合、配当性向の目安は30%前後とされていますが、業種によってその水準は異なるので注意が必要です。
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