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東京証券取引所とは?|仕組み・市場・取引時間を初心者向けに解説


東京証券取引所とは、日本最大の金融商品取引所です。

ニュースなどで耳にする「東証」は東京証券取引所を略した言葉です。

本記事では、東京証券取引所の仕組みや取引時間などをわかりやすく解説します。

※OANDA証券では株式取引をサービスとして提供していません。本記事は株式取引に関する一般的な知識を提供することを目的としています。

東京証券取引所とは?

東京証券取引所は日本における金融商品取引所の1つです。

俗に「東証」と呼ばれており、東京都の日本橋兜町に位置しています。

日本の金融商品取引所は東京証券取引所のほかに、名古屋証券取引所(名証)、福岡証券取引所(福証)、札幌証券取引所(札証)が存在しますが、その中でも東京証券取引所は日本最大の規模を誇っています。

以前は大阪にも大阪証券取引所がありましたが、東京証券取引所と統合し、大阪取引所に改名しました。

現在は日本取引所グループの一員として、大阪取引所はデリバティブ取引に特化し、東京証券取引所は現物取引を中心に行っています。

東京証券取引所の概要

まずは、東京証券取引所とはどのような組織なのかを解説します。

歴史と成り立ち

日本初の証券取引所は1878年に創立された東京株式取引所で、華族や士族に対して交付した金禄公債の売買安定化と株式会社組織の普及を目的としていました。

1943年に全国11株式取引所の統合で日本証券取引所が発足しましたが、1947年に解散。

1949年にGHQの許可がおり、東京証券取引所が設立されました。

その後は1951年に信用取引の開始、1956年に債券市場の開設、1961年に東証二部の設立、1999年にマザーズ市場の開設や株券売買立会場の廃止など、時代のニーズに合わせながら進化を続けてきました。

そして、2013年に東京証券取引所グループと大阪証券取引所が統合し、日本取引所グループとして現在に至ります。

取引されている主な金融商品

東京証券所では株式、ETF、REIT、国債、などの商品先物、日経225先物やNYダウ先物などの株価指数など幅広い金融商品を取り扱っています。

  • ●東京証券取引所の取り扱い商品
  • 日本株、外国株、ETF、ETN、REIT、ベンチャーファンド、カントリーファンド、インフラファンド、優先株、国債、転換社債型新株予約権付社債、新株予約権証券、優先出資証券、TOKYO PRO Market、TOKYO PRO-BOND Market、株価指数、配当指数、ボラティリティー・インデックス、REIT指数、国債証券、金利先物、有価証券オプション、商品先物

東京証券取引所の仕組み

東京証券取引所ではどのような形で取引が行われているのか、市場区分とは何かについて解説していきます。

売買プロセス

東京証券取引所では株式、債券、ETFなどの金融商品が売買されており、証券会社を通じて投資家からの買い注文や売り注文が集まります。

それらの注文をルールに基づいて成立させるのが証券取引所の役割です。

例えば、A証券会社とB証券会社からA株の買い注文、C証券会社とD証券会社からA株の売り注文が集まったとします。

それらの注文を「価格優先の原則」と「時間優先の原則」に従ってマッチングさせ、売買を成立させています。

以前は人間が売買処理を行っていましたが、現在は全てコンピューターが行っています。

市場区分(プライム市場、スタンダード市場、グロース市場)

東京証券取引所の市場区分には、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場の3種類があります。

かつては一部、二部、マザーズ、JASDAQの4つに区分されていましたが、2022年4月から現在のプライム市場、スタンダード市場、グロース市場に変更されました。

各市場の詳細については後述します。

他の証券取引所との違い

日本には東京証券取引所以外の金融商品取引所として、名古屋証券取引所、福岡証券取引所、札幌証券取引所があります。

これらの取引所には、主に地場で活動している企業が上場しています。

また、東京証券取引所と重複で上場している銘柄もあり、例えば、トヨタ自動車は名古屋証券取引所のプレミア市場にも上場しています。

地方証券取引所と東京証券取引所の違いは、上場基準やコンセプトが異なる点です。

例えば、名古屋証券取引所のプレミア市場は「個人投資家をはじめとする多くの投資家の継続的な保有対象となりうる企業向けの市場」をコンセプトにしています。

一方で東証のプライム市場は「機関投資家や一般投資家のための市場」をコンセプトにしています。

上場基準の水準自体は名証プレミア市場と東証プライム市場で同等ですが、東証プライム市場は海外の機関投資家もターゲットにしているため、名証プレミア市場よりも一段と高いガバナンスを要求されます。

3つの市場区分の違い

東京証券取引所の3つの市場区分について、それぞれどのような特徴があるのかを解説します。

プライム市場

プライム市場は、市場区分の中で最上位に位置します。

コンセプトは、「多くの機関投資家の投資対象になりうる規模の時価総額(流動性)を持ち、より高いガバナンス水準を備え、投資者との建設的な対話を中心に据えて持続的な成長と中長期的な企業価値の向上にコミットする企業向けの市場」とされています。

2025年3月時点で、プライム市場に上場している企業数は1635社と他の市場区分の中で最も多く、トヨタ、三菱商事、ソニーグループ、日立、武田薬品工業など日本を代表する企業が属しています。

国内外の投資家からの注目度が高い市場区分で、それだけに流動性も高い特徴があります。

スタンダード市場

スタンダード市場は、3つの市場区分のうち、中間に位置付けされています。

コンセプトは「公開された市場における投資対象として一定の時価総額(流動性)を持ち、上場企業としての基本的なガバナンス水準を備えつつ、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上にコミットする企業向けの市場」とされています。

プライム市場と比較すると、注目度や上場基準は低めです。

2025年3月時点で、スタンダード市場に上場している企業数は1579社です。

グロース市場

グロース市場は「高い成長可能性を実現するための事業計画及びその進捗の適時・適切な開示が行われ一定の市場評価が得られる一方、事業実績の観点から相対的にリスクが高い企業向けの市場」をコンセプトに掲げている市場です。

プライム市場やスタンダード市場と比較すると、規模の小さいベンチャー企業などの新興企業が多く、上場基準は3区分の中で最も低く設定されています。

一方で、将来的に高い成長が期待できる企業が眠っている可能性があります。

グロース市場に上場している企業数は、2025年3月時点で608社です。

経過措置とは?

各市場には上場を維持するための基準が定められており、基準を満たしていないと最終的に上場廃止になる場合があります。

一方で、東京証券取引所は2022年に現在のプライム市場、スタンダード市場、グロース市場に再編した際に、新規に設定された上場基準を満たしていなくても暫定的に上場を認める「経過措置」を定めていました。

経過措置は2025年3月1日から順次終了し、本来の上場維持基準を適用するとしています。

なお、上場維持基準を満たしていない銘柄はすぐに上場廃止というわけではなく、上場基準の判定基準日から1年間の改善期間の間に基準に満たなかった場合は、監理銘柄・整理銘柄指定期間を経て上場廃止となります。

東京証券取引所の取引時間、営業日

取引ができる時間帯や、いつ休みになるのかについて解説します。

取引時間

日本株の取引時間は平日の午前(前場)と午後(後場)に分かれています。

午前は9時から11時30分まで、午後は12時30分から15時30分までです。

11時30分から12時30分は昼休みで、この間は取引できません。

注文自体は前場は午前8時から、後場は午後12時5分から受け付けています。

なお、国債の取引時間は株式とは異なり、12時30分〜14時です。

時間外取引

日本株は基本的に東京証券取引所が開いている時間帯でしか取引ができませんが、「PTS取引」を利用すると、時間外でも売買が可能です。

PTS取引とは「Proprietary Trading System」の略で、日本語だと「私設取引システム」です。

東京証券取引所などの証券取引所を通さず、証券会社のシステムを通じて株式などを取引する仕組みのため、東京証券取引所が閉まっている夜間でも取引ができます。

PTS取引ができる証券会社は限られているため、口座を保有している証券会社で対応しているのかを確認する必要があります。

年末年始・お盆・土日の休場日

東京証券取引所は、土曜日と日曜日の休日、祝日、12月31日から1月3日の年末年始は休業となり、取引ができません。

年末の最終取引日は大納会、年始の最初の取引日は大発会と呼ばれています。

なお、日経225先物などのデリバティブ商品は祝日取引が可能です。

取引時間の延長・変更の有無

現物取引は従来の取引時間が9時〜11時30分、12時30分〜15時まででしたが、2024年11月5日から取引時間が30分延長となりました。

ただし、終了5分前の15:25〜15:30は売買が成立しないクロージング・オークションが設定されています。

また、先物・オプション取引も30分延長されています。

東京証券取引の未来

東京証券取引所は、利便性の向上や企業価値向上を目的に、2022年に市場再編を行いました。

また、2024年11月には取引時間を延長するなど、投資家のニーズに合わせた取り組みを行っています。

さらに、「中期経営計画2024」ではデジタル証券市場の創設を中心とした、デジタル化・情報利用の高度化を進めていくとしています。

すでに投資にまつわるデータ・環境を提供するサービス「J-Quants API」もリリースしており、今後はビッグデータやAIを利用したサービスの構築や、個人投資家が投資をしやすい環境作りをしていくと考えられます。

東京証券取引所に関するQ&A

東京証券取引所に関するよくある質問は、以下の通りです。

東京証券取引の取引時間は?

日本株の取引時間は午前が9時から11時30分まで、午後が12時30分から15時30分までです。

11時30分から12時30分は昼休みで、この間は取引ができません。

なお、注文自体は前場は午前8時から、後場は午後12時5分から受け付けています。

東京証券取引所の休みはいつですか?

土曜日、日曜日、祝日、12月31日から1月3日までの年末年始は休業日です。

東京証券取引所は見学できますか?

東証Arrowsや大阪取引所は無料で見学が可能です。

見学時間内であれば、自由に見学ができます。

なお、10名以上の団体や案内付き見学ツアーなどは予約が必要です。

東京証券取引所の適時開示とは何ですか?

上場している企業には、投資判断に大きな影響を与える情報が生じた場合、有価証券上場規定に基づいて公表する義務が定められています。

重要な会社情報を開示する公表義務制度のことを適時開示と呼びます。

東京証券取引所の「適時開示情報閲覧サービス」では、国内の取引所に上場している企業や日本証券業協会が指定するフェニックス銘柄の適時開示情報を閲覧可能です。

また、「東証上場会社情報サービス」では過去10年分の適時開示を読むことができます。

【まとめ】東京証券取引所とは?|仕組み・市場・取引時間を初心者向けに解説

東京証券取引所は、日本最大の金融商品取引所です。

市場区分はプライム市場、スタンダード市場、グロース市場の3種類があり、それぞれコンセプトや上場基準が異なります。

取引時間は午前が9時から11時30分、11時30分から12時30分の昼休みを挟んで、午後は12時30分から15時30分までです。

基本的に平日以外の土曜日、日曜日、祝日、そして12月31日から1月3日までの年末年始は休業日です。

所在地は東京都中央区日本橋兜町で、見学することも可能です。

OANDA証券では株式取引サービスを提供していませんが、より少額から始められるFXCFD取引ができます。

FXやCFD取引はレバレッジが利用できたり、24時間取引が可能、株価指数やコモディティが取引できるなど、株式投資とは異なる魅力があります。

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