February 21, 2025
週間展望・回顧(ポンド、加ドル)
- ◆ポンド、予想上回る雇用・物価データが下支え
- ◆加ドル、関税関連のヘッドラインに注目
- ◆加ドル、CPIの上振れで3月利下げ観測が後退するも関税次第か
予想レンジ
ポンド円 187.00-192.00円
加ドル円 104.00-107.00円
2月24日週の展望
今週発表の英雇用・物価データは予想より強い結果となった。
ポンド買いの反応は限定的となったが、ポンドの下押し局面では下支えになりそうだ。
ただ、足もとでドル高が一服したとは言え、ドルに売り材料が乏しいことや、日銀の早期利上げ観測が高まっていることを鑑みると、対ドル・対円でポンドの上値は重いだろう。
昨年10-12月の英賃金上昇率(除賞与)は5.9%と前回の5.6%から伸びが加速し、8カ月ぶりの高い伸びを示した。
また、1月の雇用者数は3万人減の予想に対し2.1万人増と雇用も予想外に拡大した。
1月消費者物価指数(CPI)は前年比3.0%と前回から予想以上に上昇し10カ月ぶりの高い水準となった。
景気低迷にもかかわらず、イングランド銀行(英中銀、BOE)が追加利下げを慎重に見極めようとしている要因を改めて示す結果となり、市場では3月会合での利下げは先送りされるとの観測が高まっている。
なお、ベイリーBOE総裁は「労働市場が中銀予想から逸脱しておらず、インフレも再燃する可能性は大きくない」と述べ、「景気低迷への懸念を強調し慎重で漸進的な利下げへのアプローチに変化はない」と表明している。
加ドルは引き続き米国との関税関連のヘッドラインに注目する動きとなるが、加ドルの買い戻しも一巡し、売りの再燃が警戒される。
トランプ米政権は4日に予定していたカナダの輸入品に対する25%の関税を1カ月延期した。
来週はその期限が近づくことで両国の交渉状況も注目されるが、トランプ米大統領はその後に全貿易相手国を対象とした「相互関税」の導入を正式に表明し、早ければ4月にも「相互関税」を発効させるとしており、カナダ・メキシコを対象とした関税発動はいったん見送る可能性も出てきている。
ただ、いずれにせよ、米国の主要貿易相手国であるカナダが関税の影響を大きく受けることは間違いない。
世論調査によると、カナダ国内では関税による経済の悪化懸念で多くの人がすでに家庭での大型の買い物を延期するなど不必要な消費を控えているもよう。
加国内では来週、10-12月期GDP・経常収支と12月GDPなどの発表が予定されている。
18日に発表された1月CPIは前年比で予想通りの1.9%と前月の1.8%から伸びが小幅に加速した。
カナダ中銀(BOC)が重視するCPI中央値も前月の2.6%から2.7%に上昇し、3月会合での追加利下げ観測はやや後退した。
ただ、トランプ米大統領が3月からカナダからの輸入品に関税賦課を決定すれば、市場の利下げ予想は大きく変わる可能性があるとの見方が強い。
2月17日週の回顧
今週は相場全体に目立つ材料が乏しかった。
ポンドドルは良好な英雇用・物価データを支えに底堅い動きも1.26ドル前半で伸び悩んだが、週末にかけては米金利低下を受けて買戻された。
ドル/加ドルは1月CPIの結果への反応は限られ、1.42加ドルを挟んでの小動きに始終した。
対円では日銀の早期利上げ観測を背景とした円買い圧力が継続し、ポンド円は189円割れ、加ドル円は105円前半まで売りに押された。(了)
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DZH Finacial Research
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