February 5, 2025
【前日の為替概況】ドル円、154.17円まで下落 ユーロドルは7日ぶり反発
4日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。
終値は154.34円と前営業日NY終値(154.73円)と比べて39銭程度のドル安水準だった。
欧州市場では一時155.52円まで上昇する場面もあったが、前日の高値155.89円が目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。
NY市場に入ると、12月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数や12月米製造業新規受注が予想より弱い内容となったことが分かり、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが活発化。
3時30分前に一時154.17円と日通し安値を付けた。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時107.92まで低下した。
ユーロドルは7営業日ぶりに反発。
終値は1.0379ドルと前営業日NY終値(1.0344ドル)と比べて0.0035ドル程度のユーロ高水準だった。
前日にはトランプ米政権の対メキシコ・カナダ関税の発動がひとまず延期された。
投資家のリスク回避の動きに一服感が出て、ユーロ買い・ドル売りが入りやすい地合いとなった。
米長期金利の低下に加え、低調な米雇用指標を受けて全般ドル売りが優勢になると、6時過ぎに一時1.0388ドルと日通し高値を更新した。
なお、本日4日には「トランプ米大統領と習近平中国国家主席による電話会談が行われる予定」と伝わっていたが、結局米中首脳電話会談は実施されない見通しとなった。
ユーロ円は小反発。
終値は160.20円と前営業日NY終値(160.06円)と比べて14銭程度のユーロ高水準。
アジア時間に一時159.19円まで売り込まれたあとは買い戻しが優勢となり、23時30分前に160.70円と日通し高値を付けた。
そのあとはドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
【本日の東京為替見通し】ドル円、株・金利眺めつつ下方向に注意 中国は春節明け
本日の東京市場では、ドル円は株価動向や日米の長期金利をながめて方向感を模索する展開か。
前日の弱い米雇用指標を受けて米長期金利が低下した一方、米株は主要3指数そろって上昇した。
東京市場では株価や金利の動きに左右される展開が見込まれるものの、注意したいのはドル円の立ち位置。
今月に入り2日連続で156円を前に頭が重く、昨日は154.34円付近で引けた。
先月下旬から下値支持となっている153.70円台が近いため、株安や米長期金利低下などの局面では下値が意識されやすいと見る。
本日はゴトー(5・10)日であり、東京仲値の値決めにかけても気が抜けなさそうだ。
なお、昨日米国は中国に対する追加関税を発動したほか、中国も報復関税を発表した。
米中貿易摩擦の激化懸念からリスクオフとなる場面が見られるも、ドル円は売り一巡後は日通し高値を更新する場面もあった。
これまでのところ、トランプ政権による関税などの交渉について、カナダやメキシコ、中国などが対象となっていたが、材料としては一服感が漂っている。
そうした中で新たな貿易戦争を予感させる材料が出た場合は、市場が過敏に反応する展開も想定される。
引き続き関連報道への警戒は怠らないようにしたい。
経済指標は、12月毎月勤労統計調査が発表予定。
11月の実質賃金は確報値で前年比+0.5%と速報値(-0.3%)から上方修正されて4カ月ぶりのプラスとなった。
先月24日に日銀が利上げを行った直後であるほか、市場の関心がトランプ米大統領の関税を始めとする政策に集まる中では、指標に対する反応は限定的となりそうだが、賃上げの動向を見るうえで押さえておきたい。
昨日は、植田日銀総裁が衆院予算委員会で「デフレではなくインフレの状態にある」などと述べた。
一方、石破首相は「日本経済はデフレの状況にはないが、脱却できていない。今インフレと決めつけることはしない」などと発言しており、政府と日銀の日本経済に対する認識の違いが見られた。
デフレ脱却が明確となれば日銀の追加利上げが意識されやすくなるため、引き続き発言内容には注意したい。
他方、中国では1月Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)が発表予定。
市場予想は52.4と前月の52.2をわずかに上回る見通しとなっている。
本日は春節明けで上海株の取引が再開されることもあり、こちらの動向も留意したい。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 12月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比3.7%)
<海外>
○09:30 ◎ ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○10:45 ◎ 1月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:52.4)
○16:45 ◇ 12月仏鉱工業生産(予想:前月比▲0.1%)
○17:50 ◎ 1月仏サービス部門PMI改定値(予想:48.9)
○17:55 ◎ 1月独サービス部門PMI改定値(予想:52.5)
○18:00 ◎ 1月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:51.4)
○18:30 ◎ 1月英サービス部門PMI改定値(予想:51.2)
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.5%/前年比▲0.1%)
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表(予想:5.75%で据え置き)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:15 ☆ 1月ADP全米雇用報告(予想:15.0万人)
○22:30 ◇ 12月カナダ貿易収支(予想:7.5億カナダドルの黒字)
○22:30 ◎ 12月米貿易収支(予想:966億ドルの赤字)
○23:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○23:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、イベントに参加
○23:45 ◎ 1月米サービス部門PMI改定値(予想:52.9)
○23:45 ◎ 1月米総合PMI改定値(予想:52.5)
○24:00 ☆ 1月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:54.3)
○6日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○6日01:00 ◎ 12月ロシア失業率(予想:2.4%)
○6日04:30 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、あいさつ
○6日05:00 ◎ ボウマンFRB理事、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
4日06:39 トルドー・カナダ首相
「米国の関税は30日間先送り」
「約1万人の兵士が国境を警備する」
4日08:52 赤沢経済再生相
「今後とも物価動向に細心の注意を払う」
「物価動向を注視し、物価高対策の進捗管理を内閣府で始める」
4日11:53 植田日銀総裁
「消費者物価総合が安定的に2%に行くことを目指している」
「現在はデフレではなくインフレの状態にある」
4日14:20 中国財務省
「トランプ米政権の10%追加関税に対抗するため関税を課す」
「米国への新たな関税は10日に発行」
「米国産石炭とLNGに15%の関税課す」
「米国の原油や農機具、一部自動車に10%の追加関税」
5日04:19 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「経済は非常に好調」
「不確実性はあるものの、経済は引き続き勢いを増している」
「FRBはデータや政策変更をじっくり検討できる」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=155円前半の転換線や雲の上限が上値めど>
陰線引け。
155円半ばを頭に下落圧力を強めた。
結果的に日足一目・転換線の上では伸び悩む形に。
雲の中に再び入り込むと、154円前半まで下げ幅を広げた。
本日の転換線は155.10円台までやや低下し、ほぼ同じ水準に雲の上限が切り上がってくる。
155円前半を上値めどとして売り目線で臨みたい。
下値の目標値としては、まずは雲の下限が位置する153円前半が想定される。
レジスタンス1 155.19(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値 154.34
サポート1 153.37(日足一目均衡表・雲の下限)
サポート2 152.81(200日移動平均線)
<ユーロドル=下ヒゲを頼りに買い目線、雲の下限が目標値>
下影陽線引け。
1.02ドル後半を下押し水準に切り返すと、前日高値を上抜けて1.03ドル後半まで上げ幅を拡大した。
2手連続の陽線引け。
日足一目・転換線と同・基準線は1.0337ドルで横ばい。
下押すようなら両線がまずは意識される。
本日は2手連続で作った下ヒゲを頼りに買い目線で臨みたい。
本日まで1.0440ドル台にいる雲の下限が目先の上値目標値となる。
レジスタンス1 1.0444(1/29高値=日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 1.0379
サポート1 1.0272(2/4安値)
<ポンド円=横ばいの一目・転換線を念頭に置いた取引>
小陰線引け。
売りが強まった場面でも191円後半で支えられた。
192円前半の日足一目・転換線を超えて再び上伸。
ただし193円台乗せでは伸び悩み、3手ぶり陰線引け。
転換線は本日も192.36円で横ばいであり、暫くは同線を念頭に置いた取引が続くか。
週初に作った下ヒゲ陽線は実体が長く、下値の固さを示唆。
転換線が支えとなれば193円後半の基準線も視野に入ってくるだろう。
レジスタンス1 193.80(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 192.62
サポート1 191.78(2/4安値)
<NZドル円=転換線から基準線が抵抗帯に>
小陽線引け。
87円半ばの日足一目・転換線が抵抗となり下値を試すも、86円半ばでは支えられた。
87円台まで持ち直し、2手ぶりの陽線引け。
本日も転換線は87.49円で横ばいであり、その上87.70円には基準線が位置している。
両線が抵抗帯として意識されるが、上抜け出来るようであれば、88円台の雲の下限を目指す展開が期待できそうだ。
レジスタンス1 87.70(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 87.19
サポート1 86.45(2/4安値)
Provided by
DZH Finacial Research
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