債券の基礎

国債とは|仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説


国債とは国が発行する債券のことで、国が公共事業などに必要な資金を調達するために発行されます。

本記事では、日本国債の仕組みやメリット・デメリットを詳しく解説します。

国債とは

ここでは日本の国債について、以下の内容に分けて解説します。

  • ・目的・役割
  • ・基本的な仕組み

目的・役割

国債とは、国が公共事業などに必要な資金を調達するために発行される債券です。

日本の財政は、歳出(支出)が歳入(収入)を上回る状況が続いており、その歳入の不足分を補うのが目的です。

国は金融機関や個人投資家から国債を通じて資金を借り入れ、公共事業や公共サービスなどに用います。

一方、投資家側の視点で見ると、国債に投資する目的は、主に資産を安定的に運用することです。

基本的な仕組み

国債の基本的な仕組みは、以下の通りです。

  • ①:国が国債を発行する
  • ②:投資家が国債を購入する
  • ③:国が定期的に利子を支払う
  • ④:満期日が来たら全額償還される

③の利子の支払いについて、日本国債の場合は年に2回、半年ごとに行われるのが主流です。

④の償還については、中途換金をしない限り、原則として元本割れがありません。

国債の発行や利子・元本の支払いは、全て国が行います。

国債の種類

ここでは日本国債の種類を、以下の3つの分類で解説します。

  • ・発行目的による分類
  • ・金利形態による分類
  • ・購入対象者による分類

発行目的による分類

発行目的による分類は、主に以下の2種類に分かれます。

  • ・普通国債
  • ・財投債

普通国債

普通国債とは、公共事業などの財源となる「建設国債」や、歳入不足を補うための特例国債(赤字国債)などを指します。

普通国債には、主に以下の種類があります。

種類 主な用途
建設国債 公共事業費・出資金・貸付金の財源
特例国債(赤字国債) 建設国債のみでは歳入が不足すると見込まれる場合の
公共事業費等以外への歳出
復興債 東日本大震災からの復興のための施策実施
GX経済移行債 「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略」の実現に向けた先行投資
子ども特例債 子ども・子育て政策の抜本的な強化
借換債 普通国債の償還額の一部借り換え資金

財投債

財投債とは「財政投融資特別会計国債」の略で、財政投融資(国が公共性の高い事業に対して投資したり融資すること)に必要な資金を調達する目的で発行される債券です。

地方公共団体などに投資や融資され、道路や通信など社会資本の充実のために用いられます。

金利形態による分類

金利形態による分類は、主に以下の2種類に分かれます。

  • ・固定利付型
  • ・変動利付型

固定利付型

固定利付型は「発行時の金利が満期まで変動しない国債」です。

固定利付債には、満期が2年、5年、10年、20年、30年、40年のものがあります。

また、固定型個人向け国債として、満期が3年、5年のものもあります。

変動利付型

変動利付型は「実勢金利に応じて金利が変動する国債」です。

満期が15年の変動利付国債と、満期が10年の変動型個人向け国債があります。

また、元本が変動する10年物価連動国債もあります。

購入対象者による分類

購入対象者による分類は、主に以下の2種類に分かれます。

  • ・個人向け国債
  • ・新窓販国債

個人向け国債

個人向け国債は、個人が購入しやすいように設計された国債で、以下の3種類があります。

  • ・3年固定型個人向け国債
  • ・5年固定型個人向け国債
  • ・10年変動型個人向け国債

個人向け国債の特徴は、発行から1年経過すると期間中でも中途換金できることです。

手数料はかかるものの、必ず額面通りの金額で買い取られ、元本割れのリスクがないことがメリットです。

この他「最低1万円から購入できる」「年率0.05%の最低金利が保証される」などの利点もあります。

新窓販国債

新窓販国債(新型窓口販売方式国債)とは、2007年10月に開始した新しい窓口販売方式によって発行されている国債です。

この方式は、従来郵便局のみで行われていた委託販売方式を、民間金融機関に拡大したもので、以下の3種類があります。

  • ・2年固定利付国債
  • ・5年固定利付国債
  • ・10年固定利付国債

個人向け国債とは異なり、「最低5万円から5万円単位」で購入できます。

また、中途換金の際は市場価格での売却となり、額面通りの金額を受け取れない元本割れのリスクがあります。

国債のメリット・デメリット

ここでは、個人投資家が国債に投資するメリットとデメリットを解説します。

  • ・メリット
  • ・デメリット

メリット

国債のメリットは「個人向け国債」とその他で異なりますが、ここでは個人向け国債のメリットについて解説します。

個人向け国債のメリットは、以下の通りです。

  • ・基本的に元本割れなし
  • ・少額購入が可能(1万円から)
  • ・中途換金も可能(1万円から)
  • ・最低金利保証(0.05%)

財務省によると、個人向け国債には元本割れのリスクがほぼないとされています。

満期時の元本の支払いと、半年ごとの利子の支払いを、日本国政府が責任を持って行う商品です。

最低金利については、変動型であっても固定型と同様に年率0.05%が保証されます。

デメリット

国債のデメリットは以下の3点です。

  • ・価格変動リスクがある
  • ・インフレリスクがある
  • ・信用リスクがある

価格変動リスクについては、中途換金する場合に時価での売却になるため、購入価格を上回ることもあれば、下回ることもあります。

インフレリスクについては、元本が物価の動向に連動して増減する物価連動国債以外の国債では、全て一定のリスクが存在します。

信用リスクについては、どんな国の国債であっても、政府がデフォルト(債務不履行)を起こすリスクがあります。

しかし、財務省は「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない」という見解を示しています。

国債に関するQ&A

国債に関するよくある質問に回答していきます。

  • ・米国債との違いは何ですか?
  • ・国債は途中で売却できますか?

米国債との違いは何ですか?

日本国債と米国債の違いは、主に以下の2点です。

  • ・米国債の方が利回りが高い
  • ・米国債には為替変動リスクがある

米国債は過去10年、日本国債よりも高い利回りを維持しています。

為替変動リスクは、国債の価格変動ではなくドル円相場の変動によって、評価額が目減りするリスクです。

日本国債は円建てであるため為替変動リスクがありませんが、米国債を含む全ての外国債には、為替変動リスクがあります。

国債は途中で売却できますか?

個人向け国債については、発行から1年経過すれば、1万円単位で中途換金できます(1年以内でも中途換金できる特例あり)。

ただし、直近2回分の各利子相当額×0.79685が差し引かれます。

【まとめ】国債とは|仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説

国債とは国が発行する債券のことで、国が公共事業などに必要な資金を調達するために発行されます。

日本の財政は、歳出(支出)が歳入(収入)を上回る状況が続いており、その歳入の不足分を補う目的で国債が発行されます。

投資家側の視点で見ると、国債のメリットは比較的リスクが低く、商品によっては途中解約も可能である点などが挙げられます。

デメリットは、商品によって「価格変動リスク・インフレリスク・信用リスク」がある点です。

国債などの基本的な用語も含め、投資初心者の方に役立つ基礎知識は以下のコンテンツでわかりやすく解説しています。

また、OANDA証券では国債への投資判断の参考となる、市場の最新情報を「マーケットニュース」で毎日配信しています。

OANDA証券での取引に興味をお持ちいただけた方は、以下のボタンから口座開設をご検討ください。

口座開設ボタン

FX初心者にオススメのコンテンツ

CCI

これからFXを始める初心者の方向けに、豊富なコンテンツを提供しています。コンテンツを読み進めていくことで、初心者の方でもFXをスムーズに始めることが可能です。またOANDAの口座保有者だけが使えるOANDAオリジナルインジケーターも提供しています。是非OANDAの口座開設をご検討ください。


本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。

この記事をシェアする

ホーム » 債券の基礎 » 国債とは|仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説