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1995年1月17日に発生した阪神大震災では約260万戸が停電、都市ガスは約86万戸への供給が停止し、インフラ企業は不眠不休で対応に当たった。一方、復旧作業に伴う火災も指摘され、その後も繰り返し起きた災害への教訓にもなった。各社は今も啓発や設備の増強を進めている。
「この先どうなるのだろう、という思いで無我夢中だった」。関西電力送配電の白銀隆之社長(62)は当時、関電の神戸支店に所属。大阪市西淀川区の社宅から現場に向かうも橋が損壊して川を渡れず、1日かけて船で神戸市に入った。
他電力からの応援も含め延べ約3万8千人が倒壊した電柱や地中の送配電設備などの修理を進め、153時間後の1月23日に一部を除いて応急送電にこぎ着けた。白銀氏も出産を控える妻が社宅にいたが、泊まり込みで変電所の復旧を進めた。
関電送配電の大谷一史さん(55)は電柱や電線を修理し「真っ暗な中で電気が復旧して明るくなると、そのときだけ被災者が笑顔になり、泣きながら『ありがとう』と握手された」と振り返る。
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