本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、米金利上昇で堅調推移 豪ドルは豪11月CPIに要注目(2025年1月8日)

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January 8, 2025

【前日の為替概況】ユーロドル、1.0340ドルまで反落 ドル円は157.38円を底に続伸

7日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは3営業日ぶりに反落。
終値は1.0340ドルと前営業日NY終値(1.0390ドル)と比べて0.0050ドル程度のユーロ安水準だった。
12月米ISM非製造業景況指数が54.1と予想の53.3を上回ったほか、11月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が809.8万件と予想の770.0万件よりも強い内容だったことが分かると、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.6972%前後と昨年4月26日以来の高水準を記録。
米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが活発化し、取引終了間際に一時1.0340ドルと日通し安値を更新した。

ドル円は続伸。
終値は158.05円と前営業日NY終値(157.62円)と比べて43銭程度のドル高水準だった。
日本時間夕刻に一時157.38円と本日安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。
この日発表の米経済指標が良好だったことが伝わると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが優勢となり、24時過ぎに一時158.42円とアジア時間に付けた昨年7月以来の高値に面合わせした。

ただ、同水準の上抜けに失敗すると失速。
トランプ次期米大統領が「金利は高すぎる」と発言したことも嫌気されて、3時30分前には一時157.59円付近まで伸び悩む場面があった。

ユーロ円は3日ぶりに反落。
終値は163.42円と前営業日NY終値(163.77円)と比べて35銭程度のユーロ安水準。
20時前に一時164.55円と日通し高値を付けたものの、昨年12月30日の高値164.90円がレジスタンスとして意識されると一転下落した。
ドル円の伸び悩みやユーロドルの下落につれた売りが出ると一時163.21円と日通し安値を更新した。

【本日の東京為替見通し】ドル円、米金利上昇で堅調推移 豪ドルは豪11月CPIに要注目

本日の東京外国為替市場のドル円は、米長期債利回りの上昇を背景に堅調推移が予想される。
ただし、トランプ次期米大統領のドル高牽制発言や本邦通貨当局による円安抑制発言、円買い介入の可能性には引き続き警戒しておきたい。

トランプ次期米大統領は昨日「金利は高すぎる」と発言したが、今後はドル高・円安を牽制する発言に警戒しておきたい。
トランプ氏は、昨年4月にドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた際に、「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べていた。

また、トランプ氏は日本製鉄によるUSスチールの買収に反対してきており、「関税の引き上げによってはるかに儲かり、価値のある会社になるというのに、誰がUSスチールを売りたいと思うだろうか」と述べ、製造業保護のための関税引き上げを強調していた。

昨日のドル円は新NISA絡みの円売りで158円台に乗せた模様だが、加藤財務相が「投機的な動向含め為替市場の動向を憂慮、行き過ぎた動きに対しては適切に対応」と牽制したことなどで上値は抑えられた。
ただ円買い介入を予告する「断固たる措置」ではなかったため158円付近で高止まりしている。

植田日銀総裁が、第2次トランプ米政権の関税政策や春闘での賃上げのモメンタムという「ワンノッチの情報」を見極めるスタンスを示し、今月の日銀金融政策決定会合での追加利上げはないとの見立てから円売りが進んでいる。
しかし、OIS市場が示す追加利上げ確率は47%へ上昇し、新発10年物国債の利回りも一時1.135%まで上昇。
債券市場が発している追加利上げへの警戒シグナルには注目しておきたい。

投機筋のポジションを示唆するIMM通貨先物の投機部門取組の昨年12月31日時点(※NY市場終値157.20円)の円の持ち高は、8443枚のネット円売り持ちに過ぎず、現状のドル高・円安が投機筋ではなく実需主導であることが示されている。

ちなみに、昨年4月23日時点では179919枚、7月2日時点では184223枚となっており、それぞれ、4月29日と5月1日、7月11日と12日に、本邦通貨当局による投機的な円売りを抑えるという名目でのドル売り・円買い介入(※覆面介入)が断行されている。

2024年4月、5月、7月の円買い介入は以下の通りとなっており、介入の警戒ゾーンに入りつつある。

■4月29日:5兆9185億円(介入時間帯:日本時間14時頃 東京市場は昭和の日で休場)
・IMMネット円売り持ち高:179919枚(※4/23)
・ドル円:高値160.17円から安値154.54円まで5.63円下落
■5月1日:3兆8700億円(介入時間帯:日本時間午前5時頃)
・IMMネット円売り持ち高:179919枚(※4/23)
・ドル円:高値157.99円から安値153.04円まで4.95円下落
■7月11日:3兆1678億円(介入時間帯:日本時間午後21時半頃)
・IMMネット円売り持ち高:7/2=184223枚、7/9=182033枚
・ドル円:高値161.76円から安値157.44円まで4.32円下落
■7月12日:2兆3670億円(介入時間帯:日本時間午後22時頃)
・IMMネット円売り持ち高:7/2=184223枚、7/9=182033枚
・ドル円:高値159.45円から安値157.38円まで2.07円下落

9時30分に発表される11月豪消費者物価指数(CPI)は前年比+2.2%と予想されており、10月の同比+2.1%からの上昇が見込まれている。
10月のコアCPIは同比+2.4%で9月の同比+2.7%から伸び率が鈍化していたものの、豪準備銀行(RBA)が注視するコアインフレ率(トリム平均値)は同比+3.5%で、9月の+3.2%から上昇していた。
RBAのインフレ目標2~3%からの乖離が拡大したことで、利下げのハードルが上がっていた。

今年5月に豪連邦議会選挙が予定されており、それまではRBAは利下げに踏み切らないとの見方もあるため、ブロックRBA総裁の発言などを注視していきたい。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○14:00 ◇ 12月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯、予想:36.6)

<海外>
○09:30 ◎ 11月豪消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.2%)
○16:00 ◎ 11月独小売売上高(予想:前月比0.5%/前年比2.5%)
○16:00 ◎ 11月独製造業新規受注(予想:前月比横ばい/前年同月比3.0%)
○16:00 ◎ 12月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比1.0%)
     ◎    コア指数(予想:前月比0.4%/前年比1.7%)
○16:45 ◇ 12月仏消費者信頼感指数(予想:89)
○16:45 ◇ 11月仏貿易収支
○16:45 ◇ 11月仏経常収支
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:95.6)
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲14.5)
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比1.5%/前年比▲1.3%)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:00 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○22:15 ☆ 12月ADP全米雇用報告(予想:14.0万人)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.8万件/186.7万人)
○24:00 ◇ 11月米卸売売上高(予想:前月比横ばい)
○9日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○9日02:15 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○9日03:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○9日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月17日-18日分)
○9日05:00 ◇ 11月米消費者信用残高(予想:105.0億ドル)
○ロシア(新年休暇)、休場

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

7日11:07 加藤財務相
「足元では一方的、急激な動きみられると認識」
「為替はファンダメンタルズを反映して安定的に推移すること重要」
「投機的な動向含め為替市場の動向を憂慮、行き過ぎた動きに対しては適切に対応」

7日12:11 赤沢再生相
「為替市場の動向はじめ金融市場の動きに注視している」

7日15:40 経団連会長
「2025年は日本がデフレマインドから完全に脱却できるかの分水嶺の年」

7日23:52 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「消費者債務は2000年代の警戒すべきレベルには全く近づいていない」
「さらなる価格圧力がある場合、金利をより厳しくする必要がある」
「FRBは2%のインフレ目標に強くコミットしている」

8日01:32 トランプ次期米大統領
「金利は高すぎる」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=上昇した一目・転換線が支持となるか注視>

ドル円0108

パラメータ0108

陽線引け。
158.42円まで買いが先行し、昨年7月17日以来の高値を更新。
そこから一転して約1円反落するも、上昇した日足一目・転換線が支持となり下値を切り上げた。

転換線は157.20円台に位置し、本日も同線が支持として働くかを注視しながらの取引。
なお昨日高値を超えるようだと、転換線は水準を切り上げる。
昨年7月半ばの高値圏158円後半をこなせるかが上値ポイントとなりそうだ。

レジスタンス2 159.45(2024/7/12高値)
レジスタンス1 158.86(2024/7/16高値)
前日終値 158.05
サポート1 157.22(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 156.24(1/6安値)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=1.04ドル台の重さを確認、転換線を巡る攻防>

ユーロドル0108

パラメータ0108

陰線引け。
再び1.04ドル前半の日足一目・基準線を超えたが、前日高値に届かずに反落。
1.0340ドル台の転換線を僅かに割り込み、3手ぶりの陰線引け。

本日は1.0342ドルで横ばいの転換線を巡る攻防となりそうだ。
ただ1.04ドル台の重さを確認した後なだけに、同線の下放れが想定しやすいか。
目先は1.03ドル割れの6日安値を下値めどとし、割り込むと売り圧力が更に強まりそうだ。

レジスタンス1 1.0437(1/6高値)
前日終値 1.0340
サポート1 1.0295(1/6安値)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ユーロ円=転換線から1/2-7の半値押しが支持帯か>

ユーロ円0108

パラメータ0108

上影陰線引け。
164円半ばまで買い先行も、200日線の手前から失速。
163円台に押し戻されて、163.20円台まで下落幅を広げた。
3手ぶりの陰線引け。

日足一目・転換線は162.91円で横ばい。
また、2日から7日までのレンジの半値が162.73円に位置する。
それらが支持帯として働くかが下値のポイント。
割り込むようだと、大幅高となった6日の安値が意識されるだろう。

レジスタンス1 164.55(1/7高値)
前日終値 163.42
サポート1 162.73(1/2-7レンジの半値押し)

>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら

<豪ドル円=転換線割り込むと21日線が次の下値めど>

豪ドル円0108

パラメータ0108

上影小陽線引け。
99円前半まで上昇するも、薄い日足一目・雲の上抜けに失敗して下落。
98.20円台で売りは一服し、小幅ながら4手連続の陽線引け。

本日の転換線は98.05円に位置している。
昨日の上ひげが重しとなり、同線付近を試す場面があるか。
割り込むようだと97.70円台で上向きの21日線が次の下値めど。
上サイドは、雲を超えることができるかがポイントとなる。

レジスタンス1 99.17(1/7高値)
前日終値 98.48
サポート1 97.79(21日移動平均線)

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

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