本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、日米金融政策への思惑から底堅い展開か(2025年1月6日)

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January 6, 2025

【前日の為替概況】ユーロドル、4日ぶりに反発 ドル円は反落も調整の域を出ず

3日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは4営業日ぶりに反発。
終値は1.0308ドルと前営業日NY終値(1.0265ドル)と比べて0.0043ドル程度のユーロ高水準だった。

12月米ISM製造業景況指数が49.3と予想の48.4を上回ったことが分かるとユーロ売り・ドル買いが先行。
0時30分過ぎに一時1.0273ドル付近まで値を下げた。
ただ、アジア時間に付けた日通し安値1.0256ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。
前日に1.0226ドルと2022年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新したあとだけに、週末を控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りも入った。
6時過ぎには一時1.0310ドルと日通し高値を付けた。

ドル円は3日ぶりに反落。
終値は157.26円と前営業日NY終値(157.50円)と比べて24銭程度のドル安水準だった。
米経済指標が米景気の底堅さを示したとの受け止めから、米長期金利が上昇すると円売り・ドル買いが先行し一時157.49円付近まで上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値157.57円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。
週末を控えたポジション調整目的の売りも出やすく、2時30分前には一時156.88円と日通し安値を更新した。
ただ、ドル売りはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。
引けにかけては157.38円付近まで下げ渋っている。

ユーロ円は5日ぶりに反発。
終値は162.08円と前営業日NY終値(161.71円)と比べて37銭程度のユーロ高水準。
年始で取引参加者が少なく商いが低調だったため、しばらくは大きな方向感が出なかった。
ただ、引けにかけては強含み、6時過ぎには一時162.21円と日通し高値を更新した。
ユーロドルの上昇や米国株高が相場を下支えした。

【本日の東京為替見通し】ドル円、日米金融政策への思惑から底堅い展開か

本日の東京外国為替市場のドル円は、日米金融政策への思惑から底堅い展開が予想されるものの、本邦通貨当局による円安抑制措置には引き続き警戒しておきたい。

2025年のドル円相場は、米連邦準備理事会(FRB)のターミナルレート(利下げの最終到達点)と日銀のターミナルレート(利上げの最終到達点)という日米金融政策を軸に、第2次トランプ米政権の財政、通商、外交政策が絡んでいく展開となる。

参考までに、第1次トランプ米政権(2017年~2020年)のドル円相場(高値118.60円・安値102.88円)は、2016年12月のトランプ・ラリーの高値(118.66円)を超えることはなかった。

本日は大発会での日経平均株価の動向を眺めながら、本邦通貨当局による円安牽制発言、日銀の金融政策に関する報道や発言、そして、トランプ次期米大統領による債務上限やドル高・人民元安、円安への突発的な発言などに警戒していくことになる。

本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入に関しては、昨年12月の本邦通貨当局の円安牽制発言が「注視」「適切対応」「憂慮」という段階に留まっており、「断固たる措置」といった円買い介入を示唆するタイミング、為替水準を見極めることになる。
なお神田前財務官は、ボラティリティー抑制を円買い介入の目安にしていたが、ボラティリティーの上昇を測るボリンジャー・バンド+2σは、現時点では160.20円台にある。

日銀の追加利上げの時期は、植田日銀総裁が追加利上げを見送った理由として、第2次トランプ米政権の経済政策や春闘での賃上げのモメンタムを確認するため、もうワンノッチ(1段階)の情報を待ちたい、と述べたことで、3月以降に先送りされた感がある。
しかし、12月の日銀金融政策決定会合での主な意見では、植田日銀総裁の見解に同調している委員は、内田日銀副総裁らしき執行部の見解が確認されるだけだったことで、23-24日の日銀金融政策決定会合での利上げ確率は40%台まで上昇している。

今月は、14日に予定されている氷見野日銀副総裁の神奈川県金融経済懇談会での講演や記者会見で、日銀の政策運営に関する考え方を市場に伝えるのではないかとの憶測が高まっており、昨年12月同様に事前の報道に注目していくことになる。

28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策は、20日のトランプ次期米大統領の就任前後に予想されている大統領令などを見極める意味で、政策金利の据え置きが見込まれており、ドル買い要因となっている。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○東京証券取引所などが大発会

<海外>
○10:45 ◎ 12月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:51.4)
○15:30 ◇ 11月スイス小売売上高
○17:50 ◎ 12月仏サービス部門PMI改定値(予想:48.2)
○17:55 ◎ 12月独サービス部門PMI改定値(予想:51.0)
○18:00 ◎ 12月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:51.4)
○18:30 ◎ 12月英サービス部門PMI改定値(予想:51.4)
○22:00 ◎ 12月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.3%/前年比2.4%)
○23:15 ◎ クック米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○23:45 ◎ 12月米サービス部門PMI改定値(予想:58.5)
○23:45 ◎ 12月米総合PMI改定値
○24:00 ◎ 11月米製造業新規受注(予想:前月比▲0.3%)
○7日03:00 ◎ 12月ブラジル貿易収支(予想:42.00億ドルの黒字)
○ロシア(新年休暇)、ポーランド(三博士の日)、スウェーデン(公現祭)、休場

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

3日08:19 ジョンソン米下院議長
「明日までには議長が決まると思う」
「議長選挙で1票の反対票があるかもしれないが、1回の投票で議長職を獲得できると考えている」

3日09:24 中国人民銀行(PBOC)
「2025年の適切な時期に金利を引き下げる可能性が高い」
「金利調整の役割を重視し、融資成長の量的目標から離れる」

3日14:42 トランプ次期米大統領
「関税はアメリカを再び豊かにするだろう」
「我が国は世界中の笑いものになっている」
「これが開かれた国境と弱く、無能で、事実上存在しない指導力の結果だ」
「司法省、FBIそして民主党の州・地方検察官は無能」

4日01:00 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「かつて行っていたほどの金融引き締めは必要ない」
「インフレ率は2%の目標に近づいているが、まだやるべきことは多い」
「インフレ面ではリスクが高まっているが、成長には上振れ余地がある」
「基本的に経済見通しはポジティブ」
「抑制的な金利の長期化が望ましい」
「労働市場は健全で正常な水準」
「コアインフレの見通しについては引き続き楽観的」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=横ばいの一目・転換線を念頭に置いた取引>

ドル円0106

パラメータ0106

陰線引け。
157円半ばで頭を抑えられて反落し、日足一目・転換線を下抜ける場面があった。
大台割れでは下げ渋って再び転換線を超えたが、3手ぶりの陰線引け。

転換線は157.05円付近で横ばいであり、本日も同線を念頭に置いた取引となりそうだ。
上放れするようだと先月下旬につけた158.08円を目指す展開を想定。
一方で緩み始めると、昨年末安値156.02円が意識される。

レジスタンス2 158.86(2024/7/16高値)
レジスタンス1 158.08(2024/12/26高値)
前日終値 157.26
サポート1 156.02(2024/12/31安値)
サポート2 155.32(21日移動平均線)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=一目・転換線が抵抗となるか注目>

ユーロドル0106

パラメータ0106

陽線引け。
1.02ドル半ばで支えられて切り返すと、1.03ドル台を回復した。
大台超えでの伸びは限られたが、4手ぶりの陽線引け。

今年に入り日足一目・転換線は1.0340ドル台まで下落し、暫く横ばい。
同線付近が重しとなれば、2日につけた22年11月以来の安値を目指す展開に。
ただ転換線をクリアに上抜けると、1.04ドル前半の基準線が意識されそうだ。

レジスタンス1 1.0428(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 1.0308
サポート1 1.0226(1/2安値)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ユーロ円=雲のねじれが発生、90日線を巡る攻防か>

ユーロ円0106

パラメータ0106

陽線引け。
年初2日に161円割れまで大幅に下落するも、その後は下値を切り上げる展開となった。
3日は162円台を回復し、5手ぶりの陽線引け。

相場に変調をきたすことも多い「雲のねじれ」が発生した。
目先は161.70円台に位置する90日線を巡る攻防か。
同線が支持となれば、162円後半の転換線や年初に頭を抑えられた163円前半までの回復もありそうだ。

レジスタンス1 163.32(1/2高値)
前日終値 162.08
サポート1 160.91(1/2安値)

>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら

<豪ドル円=基準線から12/31安値が支持帯に>

豪ドル円0106

パラメータ0106

小陽線引け。
97円半ばで支えられて切り返し、97円後半の日足一目・転換線を超えたところでは伸び悩んだが、小幅ながら2手連続の陽線引け。

97.50円台には上向きの21日線、97.80円台には転換線が位置している。
本日はそれら水準を念頭に置きながら方向感を探る展開か。
下振れた場合でも97.10円台の基準線から昨年末安値96.94円が支持帯として意識されるだろう。

レジスタンス1 98.74(2024/12/19高値)
前日終値 97.78
サポート1 96.94(2024/12/31安値)

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

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