信用取引とは|現物取引との違いや特徴などをわかりやすく解説
信用取引とは、証券会社に保証金を預ける(担保にする)ことで、資金や証券を借りて売買できる仕組みのことです。
本記事では、信用取引の意味や特徴、注意点などを詳しく解説します。
OANDA証券では現物株や信用取引などの株式取引をサービスとして提供していません。 本記事は信用取引に関する一般的な知識を提供することを目的としています。 |
目次
- 1.信用取引とは
- 2.制度信用取引と一般信用取引
- 3.信用取引の特徴
- 4.信用取引で発生するコスト
- 5.信用取引に関する注意点
- 6.信用取引に関するQ&A
- 7.【まとめ】信用取引とは|現物取引との違いや特徴などをわかりやすく解説
信用取引とは
信用取引の意味や現物取引との違いを解説します。
- ・意味
- ・信用買い・信用売り
- ・現物取引との違い
意味
信用取引とは、証券会社に保証金を担保として預けることで、資金や証券を借りて売買できる仕組みのことです。
保証金は現金以外にも、保有している株式や投資信託などの有価証券も担保として利用できます。
日本株の場合、保証金の約3倍まで売買を行うことができます。
信用取引には、「制度信用取引」と「一般信用取引」があり、それぞれ返済期限(期日)が設定されています。
- ・制度信用取引:最長6か月
- ・一般信用取引:証券会社ごとに期日が異なる
信用買い・信用売り
信用取引は、「信用買い・信用売り」に大別されます。
信用買い | 証券会社から資金を借りて、株式を買うこと |
信用売り | 証券会社から株式を借りて、売ること |
信用買いの返済は、転売または現引きで行います。
転売では「株式を売って、売ったお金で借りているお金を返済」します。
現引きでは「借りていたお金を返済し、株式を受け取る」取引をします。
信用売りの返済は、買い戻しまたは現渡しで行います。
買い戻しでは「売った株式を買い戻して、株式を返済」します。
現渡しでは「借りていた株式(同数同量)を調達し、その株式を返済」します。
現物取引との違い
一般的に現物取引とは、実際に金融商品の受け渡しを行う取引のことを指します。
信用取引と現物取引の主な違いは、以下の通りです。
比較項目 | 信用取引 | 現物取引 |
---|---|---|
取引金額 | 自己資金の約3倍まで | 自己資金まで |
取引回数 | 制限なし | 同日に同じ銘柄は原則1回 |
取引方法 | 売りからも可能 | 買いのみ |
信用取引の特徴については、次項で詳しく解説します。
制度信用取引と一般信用取引
制度信用取引とは「取引条件が証券取引所によって定められている信用取引」のことです。
一般信用取引とは「取引条件が投資家と証券会社の間で自由に決められ、両者の間で取引が完結する信用取引」のことです。
両者の違いを表でまとめると、以下の通りです。
比較項目 | 制度信用取引 | 一般信用取引 |
---|---|---|
対象銘柄 | 取引所による選定 | 原則全ての上場銘柄 |
返済期限 | 最長6か月 | 証券会社によって異なる |
品貸料(逆日歩) | 取引所によって決定 | 証券会社によって異なる |
配当金 | 相当額を売方⇒買方に支払い | 証券会社ごとのルールで処理 |
株主の権利 | 原則金銭処理 (議決権・株主優待は対象外) |
証券会社ごとのルールで処理 |
貸借取引 | あり | なし |
対象銘柄は、制度信用取引は上場銘柄の中から「制度信用銘柄選定基準」と「貸借銘柄選定基準」によって、それぞれ選定されます。
返済期限については、一般信用取引の場合14日などの短期から無期限まで、様々です。
配当金や株主の権利については、株の所有者が受け取る特典であるため、制度信用取引では上の表の通り、買方に利益が渡る仕組みになっています。
貸借取引とは、証券会社に対して資金や株式を貸し付ける「証券金融会社」と証券会社の間の取引です。
通常の投資家にとっては無関係の取引であるため、制度信用取引のみに存在します。
信用取引の特徴
信用取引の特徴は、主に以下の3点です。
- ・レバレッジをかけられる
- ・下落相場でも利益を狙える
- ・1日に何度でも取引ができる
レバレッジをかけられる
信用取引では、日本株だと自己資金の約3倍まで「レバレッジ」をかけることができます。
レバレッジとは、証券会社に預けた資金(証拠金)を担保とし、預けた資金以上の金額で取引できる仕組みのことです。
少ない資金で大きな利益を狙えるチャンスが広がり、資金効率を高めることができます。
下落相場でも利益を狙える
信用取引は、売りからの取引が可能(信用売り)な点も特徴の1つです。
通常の現物取引では、証券を保有していなければ売却はできませんが、信用取引では証券会社から証券を借りて売ることができます。
価格が下落する局面で買い戻し(反対売買)、証券会社へ返済することで差額を利益として得ることができます。
1日に何度でも取引ができる
現物取引では、同日に同銘柄の取引を行う場合、制限されることがあります。
信用取引は、保証金の範囲内であれば、銘柄に関係なく、1日に何度でも取引を行うことが可能です。
信用取引で発生するコスト
信用取引で発生するコストは、取引の買い手・売り手で異なります。
それぞれのコストは、以下の通りです。
建てる玉 | 発生するコスト |
---|---|
買い建玉 | 金利 |
売り建玉 | 貸株料(状況に応じて品貸料も) |
買い玉を建てる場合、自分が持っている資金以上の株式を購入するため、不足資金を証券会社から借りる形をとります。
資金を借りる対価として、金利(信用金利)を支払います。
売り玉を建てる場合は、証券会社から株式を借りて売るため「株式のレンタル料」として、貸株料を支払います。
対象の銘柄の需要が高く株式が不足している場合、売り手に対して貸し付ける株式が、証券会社側でも不足することがあります。
その場合、証券会社は外部から株式を調達するため、その調達コストが売り手に請求されます。
この調達コストを品貸料(しながしりょう)もしくは、逆日歩(ぎゃくひぶ)といいます。
信用取引に関する注意点
信用取引に関する注意点は、主に以下の2点です。
- ・レバレッジにより損失が大きくなる可能性がある
- ・追証が発生する可能性がある
レバレッジにより損失が大きくなる可能性がある
信用取引では、日本株だと約3倍までレバレッジをかけることができ、大きな利益を狙えます。
しかし、利益と損失はレバレッジと比例し、レバレッジを大きくかけると、損失も大きくなる可能性があります。
追証が発生する可能性がある
信用取引における追証(おいしょう)とは、含み損などによって委託保証金率が一定の割合を下回った場合に、追加で証券会社に差し入れる保証金のことです。
追証の基準や条件については、証券会社によって異なります。
追証が発生した場合、所定の日時までに保証金を支払うか、ポジションを決済する必要があります。
いずれも行わなかった場合、証券会社によってロスカット(ポジションが強制的に決済)されます。
追証を避けるためにも、信用取引を行う場合には事前に取引条件を確認することが推奨されます。
信用取引に関するQ&A
信用取引に関してよくある質問は、以下の通りです。
- ・信用取引は危険ですか?
- ・空売りとは何ですか?
- ・信用取引は1日に何回までできますか?
信用取引は危険ですか?
信用取引が危険かどうかは「どのようなリスク管理を行っているか」によります。
信用取引では、レバレッジをかけることで、本来持っている保証金よりも大きい金額の取引を行えますが、その分損失も現物取引より大きくなるため、その点では現物取引よりもリスクがあります。
リスクの対策として、「レバレッジは許容できる範囲内に留める」「保証金の余力を最大まで使わない」などを考慮することが重要です。
空売りとは何ですか?
空売りとは「借りた株式を売り出すこと」です。
借りて売却するため、その株式を保有していなくとも売り玉を建てることができます。
株式投資においては「信用取引の売り」を空売りと呼びます。
空売りは、FX取引などの他の投資分野でも用いられる用語です。
空売りを行った場合、その後に相場が下落すると利益が発生します。
信用取引は1日に何回までできますか?
信用取引は1日に何回でも取引できます。
同じ銘柄でも他の銘柄への乗り換えでも、同じ保証金を活用して1日に何回でも回転売買を行うことが可能です。
回転売買とは「一日に何度も売りと買いを繰り返す」ことです。
【まとめ】信用取引とは|現物取引との違いや特徴などをわかりやすく解説
信用取引とは、証券会社に保証金を担保として預けることで、資金や証券を借りて売買できる仕組みのことです。
担保には、保有している株式や投資信託などの有価証券も利用できます。
日本株の場合は、保証金の約3倍まで売買を行うことができます。
信用取引は、「レバレッジをかけられる」「下落相場でも利益を狙える」「1日に何度でも取引ができる」などの特徴があります。
ただし、レバレッジによる損失拡大リスクには、注意が必要です。
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