本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円は利上げ先送り観測で続伸か、豪ドルは11月雇用統計に注目(2024年12月12日)

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December 12, 2024

【前日の為替概況】ドル円152.82円まで続伸、来週の日銀金融政策会合で利上げ見送り観測

11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続伸。
終値は152.45円と前営業日NY終値(151.95円)と比べて50銭程度のドル高水準だった。
欧州時間に伝わった観測報道をきっかけに日銀が追加利上げを急がない可能性が意識されて、円売り・ドル買いが優勢となった。

注目の11月米消費者物価指数(CPI)は市場予想通りの結果となった。
指標発表直後には一時152.82円と11月27日以来の高値を付けたものの、一部ではCPIが上振れすれば17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げが見送られる可能性も指摘されていただけにすぐに失速した。
23時30分過ぎは151.93円付近まで下押しした。
もっとも、米長期金利が結局上昇したため全般ドル買いが優勢になると、152.72円付近まで持ち直している。

なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では17-18日のFOMCで0.25%の利下げを予想する確率はCPI発表前の86%台から95%近くまで上昇した。

ユーロドルは4日続落。
終値は1.0496ドルと前営業日NY終値(1.0527ドル)と比べて0.0031ドル程度のユーロ安水準だった。
米CPIの結果が伝わると一時1.0537ドル付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値1.0539ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。
「欧州経済の不透明感などを背景に欧州中央銀行(ECB)が来年にかけて利下げを続ける」との観測も相場の重しとなり、1時前に一時1.0480ドルと日通し安値を更新した。

なお、明日12日のECB定例理事会では0.25%の利下げ予想が大勢を占めている。

ユーロ円は小幅ながら3日続伸。
終値は160.01円と前営業日NY終値(159.97円)と比べて4銭程度のユーロ高水準。
22時30分過ぎに一時160.66円と11月27日以来の高値を付けたあとは159.57円付近まで下押しする場面もあったが、すぐに160円台前半まで持ち直した。
ドル円につれた動きとなった。

カナダドルは上昇。
カナダ銀行(BOC)はこの日、政策金利を現行の3.75%から0.50%引き下げて3.25%にすることを決めたと発表。
市場の予想通りとなった。
ただ、声明で「今後は、追加利下げの是非について会合ごとに判断していく」と表明し、緩和ペースの減速を示唆するとカナダドル買いが優勢に。
米ドルカナダドルは一時1.4120カナダドルまで下落したほか、カナダドル円は107.91円まで値を上げた。

【本日の東京為替見通し】ドル円は利上げ先送り観測で続伸か、豪ドルは11月雇用統計に注目

本日の東京外国為替市場のドル円は、来週18-19日の日銀金融政策決定会合での0.25%の追加利上げ見送り報道を受けて上値を探る展開が予想される。

昨日のドル円は、18-19日の日銀金融政策決定会合での0.25%の利上げ確率が19%台まで低下したことで152.82円まで上昇した。

昨日は、複数の関係者の話として、「日本銀行は、海外経済の不確実性が強まっている中で、追加利上げを急ぐ状況にはないと認識している」と報じられた。

また、先日、氷見野日銀副総裁が来年1月14日に神奈川県金融経済懇談会に出席し、その後記者会見を行う、と報じられていた。
すなわち、来年1月23-24日の日銀金融政策決定会合の前に、氷見野副総裁が日銀の政策運営に関する考え方を市場に伝えることで、7月31日の政策金利0.25%への引き上げという植田ショックの再現を回避する目論見ではないか、との見方が強まっていた。

翌日物金利スワップ(OIS)市場が織り込む18-19日の日銀金融政策決定会合での0.25%の利上げ確率は、12月初めに66%程度まで上昇していたが、現状は19%台まで低下してきており、1月会合での利上げ確率は50%台に上昇している。

しかし、「今後公表されるデータや為替相場の動向次第では、来週の金融政策決定会合での実施の可能性もある」とも報じられていることで、ドル円の円安動向や明日発表される12月調査の日銀短観、そして日銀筋からの見解に注目していくことになる。

12月5日に講演したハト派の中村日銀審議委員は、オントラック(想定通り)との言及があり、利上げの是非を判断する情報として、毎月勤労統計調査、GDPの2次速報(※上方修正)、12月調査の日銀短観(※13日発表)などのデータを確認したい、と述べていた。

9時30分に発表される11月豪雇用統計の予想は、失業率が4.2%(10月4.1%)、新規雇用者数は前月比+2.50万人(10月+1.59万人)となっている。

10日の豪準備銀行(RBA)理事会では、政策金利4.35%の据え置きが決定されたが、労働市場に関しては、賃金上昇率の低下や労働生産性の伸びの弱さが言及されており、雇用情勢が悪化した場合には警戒しておきたい。

11月のRBA理事会では雇用市場の大幅な悪化を警告し、将来のデータによっては金融緩和が必要になる可能性が示唆されていた。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)

<海外>
○09:01 ◇ 11月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格(予想:19)
○09:30 ◎ 11月豪雇用統計(予想:失業率4.2%/新規雇用者数2.50万人)
○16:00 ◇ 10月トルコ経常収支(予想:13.2億ドルの黒字)
○17:30 ☆ スイス国立銀行(中央銀行、SNB)、政策金利発表(予想:0.75%に引き下げ)
○18:30 ◇ 11月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比0.1%)
○19:30 ◎ 10月インド鉱工業生産(予想:前年同月比3.5%)
○19:30 ◎ 11月インド消費者物価指数(CPI、予想:前年比5.53%)
○21:00 ◎ 10月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比4.8%)
○21:00 ◇ 10月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比▲0.2%)
○22:15 ☆ 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:3.15%へ引き下げ)
○22:30 ◇ 10月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比▲5.0%)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.0万件/187.5万人)
○22:30 ◎ 11月米PPI(予想:前月比0.2%/前年比2.6%)
    ◎  食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比3.2%)
○22:45 ☆ ラガルドECB総裁、定例記者会見
○13日03:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○メキシコ(グアダルーペの聖母の日)、休場

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

11日23:52 カナダ銀行(BOC、カナダ中央銀行)声明
「理事会は政策金利を0.50%引き下げ、バランスシート正常化政策を継続」
「世界経済は10月時点の想定通りにほぼ進展している」
「米国では、消費が堅調で労働市場が堅調なため、経済は引き続き幅広い分野で力強い状態にある」
「米国のインフレは安定しているが、物価上昇圧力は依然として残っている」
「ユーロ圏では、最近の指標は成長の鈍化を示している」
「中国では、最近の政策措置と堅調な輸出が成長を支えているが、支出は依然として低迷している」
「世界的な金融状況は緩和し、カナダドルは米ドルの幅広い分野での強さに直面して下落している」
「第3四半期の経済成長率は1%で、10月時点の予測をやや下回り、第4四半期も予測より弱い見通し」
「賃金の伸びは緩和の兆しを見せているが、生産性に比べると依然として高い」
「米新政権がカナダから米国への輸出品に新たな関税を課す可能性が不確実性を高め、経済見通しに影を落としている」
「CPIインフレ率は夏以来約2%で推移しており、今後数年間は平均して2%の目標に近づくと予想」
「理事会は6月以降、政策金利を大幅に引き下げてきた。今後は政策金利のさらなる引き下げの必要性を1つずつ判断していく」
「我々の決定は、今後得られる情報とインフレ見通しへの影響の評価に基づいて下される」
「BOCはインフレ率を2%の目標に近づけることで、国民の物価安定を維持することに尽力する」

12日00:47 マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁
「前回の政策金利決定以降のデータはまちまち」
「0.25%と0.50%の利下げの両方について議論した」
「(0.50%利下げの理由)明らかに制限的な領域にある政策はもはや必要ない」
「(0.50%利下げの理由)10月時点の想定と比較してGDP成長見通しが軟調に傾いている」

12日01:02 イエレン米財務長官
「ドルに対抗できる通貨はおそらく存在しない」
「極端なボラティリティでは市場介入が適切となり得るだろう」
「他国が通貨を操作すると米国は強く反応する」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=雲の上限を支持に押し目買いスタンス>

ドル円1212

パラメータ1212

陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の上で引けているものの、売りシグナルが優勢な展開となっている。
しかし、3手連続陽線で転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。

本日は200日移動平均線152.03円を念頭に置き、雲の上限を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2 154.49(11/26高値)
レジスタンス1 153.23(11/27高値)
前日終値 152.45
サポート1 151.66(日足一目均衡表・雲の上限)
サポート2 150.74(日足一目均衡表・転換線)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

ユーロドル1212

パラメータ1212

陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
4手連続陰線で転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。

本日は転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.0546(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0496
サポート1 1.0335(11/22安値)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ユーロ円=転換線を支持に押し目買いスタンス>

ユーロ円1212

パラメータ1212

陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
しかし、孕み線で切り返して転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。

本日は転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 161.07(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 160.01
サポート1 158.42(日足一目均衡表・転換線)

>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら

<豪ドル円=転換線を支持に押し目買いスタンス>

豪ドル円1212

パラメータ1212

陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
しかし、孕み線で切り返して転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。

本日は転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 98.00(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 97.11
サポート1 96.77(日足一目均衡表・転換線)

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

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