ネックラインとは|意味・見方・注意点について解説
ネックラインとは、チャートパターンの中に見られる価格水準(ライン)のことです。
三尊天井や逆三尊天井、ダブルトップやダブルボトムなど多くのチャートパターンで、トレンドの転換点を示唆します。
本記事では、ネックラインの意味や見方、使用する際の注意点などを解説します。
ネックラインとは
ここではネックラインの意味や、サポートライン・レジスタンスラインとの違いについて解説します。
- ・意味
- ・サポートライン・レジスタンスラインとの違い
意味
ネックラインとは、三尊天井やダブルトップなどのチャートパターンにおいて、値動きが反発しているラインのことです。
このラインを上抜ける動きや、下抜ける動きが起きた場合は、トレンドの転換を示唆している可能性があります。
ネックラインは、主に以下のチャートパターンで用いられます。
- ・三尊天井(ヘッド&ショルダーズ・トップ)
- ・逆三尊(ヘッド&ショルダーズ・ボトム)
- ・ダブルトップ
- ・ダブルボトム
- ・トリプルトップ
- ・トリプルボトム
- ・ソーサートップ
- ・ソーサーボトム
これらのチャートパターンを図で示すと以下の通りです。
赤い点線がネックラインで、これを上抜け(下抜け)すると、矢印の方向にトレンドが転換する可能性を示唆します。
これらのチャートパターンは反転型(リバーサルパターン)と呼ばれます。
サポートライン・レジスタンスラインとの違い
サポートライン(下値支持線)とは、下値を支えているラインのことです。 レジスタンスライン(上値抵抗線)とは、上値を抑えているラインのことです。ネックラインはそうした性質を持ち、チャートパターンの中に見られる場合は、この呼び方で特別視されます。
ネックラインの見方・引き方
ここでは、以下の4つのチャートパターンにおける、ネックラインの見方と引き方を解説します。
- ・三尊天井
- ・逆三尊
- ・ダブルトップ
- ・ダブルボトム
三尊天井
三尊天井は、3つの山と2つの谷で形成され、真ん中の山が一番高くなっているチャートパターンです。
名前の由来は「釈迦三尊像」で、真ん中の山を釈迦如来像、左右の山を菩薩像に見立てています。
英語圏では真ん中の山を頭、左右の山を肩に見立てて「ヘッド&ショルダーズ・トップ」と呼びます。
三尊天井のネックラインは、2つの谷(安値)を結ぶ線です。
三尊天井は、3回目の高値が2回目の最高値に届かなかった時点で、上昇の勢いが衰えた可能性を示唆しています。
このため、一般的には「相場の天井を示すチャートパターン」とされます。
上昇の勢いが衰え、さらにネックラインを下回った時点で、下落トレンドに転換する可能性があると考えられます。
このため、ネックラインを下回ると「売りシグナル」と判断されます。
三尊天井を実際のチャートで見ると、以下のようになります。
出典:TradingView
逆三尊
逆三尊は、3つの谷と2つの山で形成され、真ん中の谷が一番深くなっているチャートパターンです。
三尊天井が逆になっているため、このように呼ばれます。
英語圏では「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」と呼びます。
逆三尊のネックラインは、2つの山(高値)を結ぶ線です。
逆三尊天井は、3回目の安値が2回目の最安値に届かなかった時点で、下落の勢いが衰えた可能性を示唆しています。
このため、一般的には「相場の底を示すチャートパターン」とされます。
下落の勢いが衰え、さらにネックラインを上回った時点で、上昇トレンドに転換する可能性があると考えられます。
このため、ネックラインを上回ると「買いシグナル」と判断されます。
逆三尊を実際のチャートで見ると、以下のようになります。
出典:TradingView
ダブルトップ
ダブルトップは、2つの山で構成されるM字型のチャートパターンです。
形が毛抜きの先端に似ていることから、日本では「毛抜き天井」とも呼ばれます。
1つ目の山を1番天井、2つ目の山を2番天井と呼ぶこともあります。
ダブルトップのネックラインは、中心の安値の水準です。
ダブルトップは、2番天井が1番天井を超えなかった時点で、上昇の勢いが止まった可能性を示唆しています。
そのため、一般的には三尊天井と同様「相場の天井を示すチャートパターン」と考えられます。
上昇の勢いが止まりネックラインを下回った時点で、下落トレンドに転換する可能性があります。
よって、ネックラインを下回ると「売りシグナル」と判断されます。
ダブルトップを実際のチャートで見ると、以下のようになります。
出典:TradingView
ダブルボトム
ダブルボトムは、2つの谷で構成されるW字型のチャートパターンです。
ダブルトップ(毛抜き天井)が上下逆転して底をつく形であるため、日本では「毛抜き底」とも呼ばれます。
1つ目の谷は1番底、2つ目の谷は2番底と呼ばれます。
ダブルボトムのネックラインは、中心の高値の水準です。
ダブルボトムは、2番底が1番底より下がらなかった時点で、下落の勢いが止まった可能性を示唆しています。
そのため、一般的には逆三尊天井と同様「相場の底を示すチャートパターン」と考えられます。
下落の勢いが止まりネックラインを上回った時点で、上昇トレンドに転換する可能性があります。
よって、ネックラインを上回ると「買いシグナル」と判断されます。
ダブルボトムを実際のチャートで見ると、以下のようになります。
出典:TradingView
ネックラインに関する注意点
ネックラインに関する注意点は、以下の通りです。
- ・ネックラインだけを根拠にしない
- ・ダマシに注意する
ネックラインだけを根拠にしない
ネックラインを上下に抜けても、必ずトレンドの転換が起きるとは限りません。
そのため、トレンドの転換を判断できるテクニカル指標などを、併用して分析する必要があります。
主なテクニカル指標は、以下の通りです。
上記のようなテクニカル指標とネックラインを併用することで、分析の精度を高めることができます。
ダマシに注意する
ネックラインでも他のテクニカル指標と同様、相場がセオリー通りに動かない「ダマシ」が発生することがあるため注意が必要です。
下図は、ダブルボトムでダマシが発生した例です。
ダブルボトムのネックラインを上に抜けた後、セオリー通りであればこの時点で上昇トレンドに転換する期待が持てますが、実際には下落に転じ、すぐにダブルボトムの谷を下回っています。
【まとめ】ネックラインとは|意味・見方・注意点について解説
ネックラインとは、チャートパターンの中に見られる価格水準(ライン)のことです。
ネックラインを上抜けると上昇トレンド、下抜けると下落トレンドに転換する可能性を示唆しています。
一方で、セオリー通りにトレンドが転換するとは限らず、ダマシが発生することもあるため注意が必要です。
ネックラインにおけるトレンド転換のサインを正しく見極めるためには、複数のテクニカル指標を併用して分析を行うことが重要です。
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