用語解説

含み益とは|FXにおける意味や利益を確定させるポイントをわかりやすく解説


含み益とは、保有ポジションを現在の為替レートで評価した際に生じる利益を指します(損失の場合は「含み損」)。

含み益は為替レートの変動に伴って増減する性質があり、利益を確定させることを利益確定(利食い)と呼びます。

利益確定を行うためには、決済(手仕舞い)により、ポジションをクローズする必要があります。

本記事では、含み益の意味や、含み益を確定させるためのポイントなどを詳しく解説していきます。

含み益とは

まず、含み益の意味と具体例について詳しく解説します。

  • ・FXにおける意味
  • ・含み益の具体例

FXにおける意味

FXにおける含み益とは、保有ポジションの未確定の利益を指します。

取引開始時の為替レートと現在の為替レートで取引金額を比較し、利益が出ている場合、その利益が含み益です。

反対に、損失が出ている場合は含み損といいます。

例えば、米ドル/円を1ドル150円で買った後に、160円まで円安が進んだ場合は、差額の「10円」が含み益です。

買いポジションでの含み益

この時点ではまだポジションを決済していないため、10円の含み益は「確定した利益」ではありません。

もし価格が再び1ドル150円まで戻った場合には、含み益は解消されます。

含み益は、ポジションを決済してはじめて利益として確定します。

このポジションを決済して利益として確定することを、利益確定(利食い)といいます。

なお、上の説明は買いポジション(ロングポジション)のものです。

売りポジション(ショートポジション)の場合は、価格が下がることで利益が生じるため、含み益のイメージは下図のようになります。

売りポジションでの含み益

含み益は「評価益」と呼ばれることもあります。

また、含み損と合わせて「含み損益、評価損益」と表現されることもあります。

含み益の具体例

含み益を実際のチャートで見ると、以下の通りです。

含み益のチャート
出典:TradingView

買いポジションを建てた場合、現在の為替レートが取引開始レートを上回れば含み益となり、下回れば含み損となります。

黄色の部分で売れば利益確定となり、グレーの部分で売れば損切りとなります。

売りポジションの場合のチャートは、以下の通りです。

売りポジションの含み益のチャート
出典:TradingView

含み益を利益確定させるポイント

含み益は利益が確定していない状態であり、その後の為替レートの動き次第で発生している利益が消失してしまう可能性があります。

しかし、含み益の減少を避けるために早すぎるタイミングで利益確定を行ってしまうと、得られるはずだった利益を逃してしまう恐れがあります。

的確なタイミングで利益確定を行うために、意識すべきポイントは主に以下の通りです。

  • ・様々な注文方法を駆使する
  • ・複数の指標を組み合わせたテクニカル分析を行う

注文方法については、以下の方法を用いることで、事前に決めた為替レートで利益を確定することができます。

注文方法 内容(利益確定での使い方)
IFD注文 新規のポジション建ての注文と、そのポジションの利益確定の注文を同時に予約する
OCO注文 利益確定の予約注文と損切りの予約注文を同時に出す
IFO注文 IFD注文とOCO注文の融合(IFD注文で利益確定の予約注文も同時に行う)
トレーリングストップ注文 価格が有利な方向に動く度に、同じ方向に逆指値注文を移動させる(逆指値注文が取引開始レートを超えて移動すると、逆指値注文が約定しても利益確定できる)

これらの注文方法については「FXの注文方法」の記事で詳しく解説しています。

テクニカル分析で役立つ指標は多くあり、一般的に広く用いられているテクニカル指標は以下の通りです。

テクニカル分析については「FXのテクニカル分析」の記事で詳しく解説しています。

含み益に関するQ&A

含み益に関するよくある質問に回答します。

  • ・含み益100%はどういう状態ですか?
  • ・含み益は課税されますか?
  • ・含み益は意味がないんですか?

含み益100%はどういう状態ですか?

含み益100%とは、評価額が取引開始時の2倍まで増えている状態です。

例えば100万円で投資をスタートした場合、現在の評価額が200万円になり、100万円の含み益が出ている状態を表します。

含み益は課税されますか?

個人の場合、含み益には課税されません。

利益確定を行った場合のみ、課税の対象となります。

含み益の場合、課税の対象とならないので確定申告も不要です。

法人の場合、含み益でも課税され、確定申告も必要です。

「事業年度の末日の時点で未決済の損益を、課税所得計算に算入しなければならない」という決まりがあります。

例外的に個人でも、含み益に課税されるケースがあります。

1億円以上の資産を有している人が国外に転出した場合は、対象資産の含み益に対して所得税・復興所得税が課されます。

このルールは「国外転出時課税制度」といい、2015年7月1日から施行されています。

含み益は意味がないんですか?

含み益は、保有資産の評価額が取引開始時の金額より多くなっている状況を示しますが、確定した利益ではありません。

利益を確定させるまでは、相場が変動することで含み益は減少するリスクがあります。

含み益はあくまで評価上の利益であり、意味を持たないわけではありませんが、実際の収益確保には慎重な判断が必要です。

【まとめ】含み益とは|FXにおける意味や利益を確定させるポイントをわかりやすく解説

含み益とは、保有ポジションで出ている「未確定の利益」です。

含み益は決済(手仕舞い)によって利益として確定します。

利益を確定させることを利益確定(利食い、利確)といいます。

的確な利益確定を行うためには、様々な注文方法を駆使する、複数の指標を組み合わせたテクニカル分析を行う、などの方法が有効です。

含み益や含み損などの用語の解説も含め、FX初心者の方が知っておくべきポイントを、以下のコンテンツでわかりやすくまとめています。

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