NYマーケットダイジェスト・13日 株まちまち・金利上昇・ドル高・ビットコイン最高値

スポット
(13日終値)
ドル・円相場:1ドル=155.46円(前営業日比△0.85円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.24円(▲0.01円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0564ドル(▲0.0059ドル)
ダウ工業株30種平均:43958.19ドル(△47.21ドル)
ナスダック総合株価指数:19230.73(▲50.67)
10年物米国債利回り:4.45%(△0.03%)
WTI原油先物12月限:1バレル=68.43ドル(△0.31ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2586.5ドル(▲19.8ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
10月米消費者物価指数(CPI)
(前月比)    0.2%      0.2%
(前年同月比)  2.6%      2.4%
エネルギーと食品を除くコア指数
(前月比)    0.3%      0.3%
(前年同月比)  3.3%      3.3%
10月米財政収支
      2575億ドルの赤字 643億ドルの黒字

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は3日続伸。米労働省が発表した10月米CPIが市場予想通りの結果になると、米インフレ再加速への警戒が根強かっただけに当初はドル売りで反応。23時過ぎに一時154.34円と日通し安値を付けた。
 ただ、押し目を拾いたい向きは多く、売り一巡後は買い戻しが優勢に。市場では「インフレ鈍化に向けた進展は幾分失速しているようだ。12月17−18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測に変化はないものの、来年の利下げペースは鈍る可能性がある」との声も聞かれ、4時過ぎには155.62円と7月24日以来の高値を更新した。米CPI発表直後に4.35%台まで低下した米10年債利回りが4.46%台まで上昇したことも買い戻しを誘った。
 なお、ローガン米ダラス連銀総裁は「米連邦準備理事会(FRB)には追加利下げの余地があるものの、慎重に進める必要がある」との考えを示したほか、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は「インフレは正しい方向に向かっていると確信している」などと発言。また、ムサレム米セントルイス連銀総裁は「最近の情報はインフレ率が上昇するリスクが高まっていることを示唆する一方、雇用市場のリスクは不変または低下」などと語った。

・ユーロドルは4日続落。米CPI発表直後はドル売りが優勢となり一時1.0653ドルと日通し高値を付けたものの、前日の高値1.0663ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。24時過ぎには一時1.0556ドルと昨年11月以来約1年ぶりの安値を更新した。その後の戻りも1.0594ドル付近にとどまった。独連立政権崩壊でユーロ圏景気への懸念が意識される中、ユーロ売りが出やすい面もあった。

・ユーロ円はほぼ横ばい。22時30分前に一時164.80円と本日高値を付けたものの、24時過ぎには163.64円の本日安値まで押し戻された。ただ、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げ、4時過ぎには164.42円付近まで持ち直す場面があった。

・代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは対ドルで一時9万3462ドル前後と史上最高値を更新した。対円でも1449万円台と過去最高値を更新した。仮想通貨に好意的とみられるトランプ氏の米大統領選勝利が引き続き材料視された。市場では「機関投資家の買いが増えている」との声も聞かれた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。10月米CPIが市場予想通りの結果になると、米インフレ再加速への警戒が根強かっただけに買い安心感が広がった。市場では「株式相場にとってよいニュース」との声が聞かれた。
 一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落。米長期金利が上昇したことで高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが出やすかった。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などが値下がりした。

・米国債券相場で長期ゾーンは続落。10月米CPIが市場予想通りの結果になると買いが先行したものの、すぐに失速した。トランプ次期米大統領が掲げる追加関税導入など財政拡張的な政策でインフレが再燃するとの懸念から売りが出やすかった。

・原油先物相場は続伸。最近の下落により、値ごろ感からの買いが入った模様。もっとも、10月米CPI発表後にドルが買われたことから、ドル建てで取引される原油の割高感が意識されて上値は重かった。

・金先物相場は4日続落。10月米CPI発表後にドル買いが強まった影響を受け、ドル建てで取引される金の割高感が意識されて売りが優勢となった。

(中村)


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