October 28, 2024
【前日の為替概況】ドル円152.38円まで上昇、米10年債利回りが4.24%台まで上昇
25日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。
終値は152.31円と前営業日NY終値(151.83円)と比べて48銭程度のドル高水準だった。
21時前に一時151.70円付近まで値を下げたものの、アジア時間に付けた日通し安値151.46円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。
200日移動平均線が位置する151.42円も引き続き重要なサポートとして意識された。
9月米耐久財受注額や10月米ミシガン大学消費者態度指数確報値が予想を上回ると、一時は4.17%台まで低下した米10年債利回りが4.24%台まで上昇。
米金利上昇に伴うドル買いも入り、4時過ぎには152.38円と日通し高値を更新した。
米連邦準備理事会(FRB)による利下げペースが鈍化するとの見方が根強い中、米長期金利は上昇傾向を維持。
11月の米大統領選でトランプ前大統領の勢いが増していると見る向きもあり、米金利上昇につながった。
ユーロドルは反落。
終値は1.0796ドルと前営業日NY終値(1.0828ドル)と比べて0.0032ドル程度のユーロ安水準だった。
欧州時間発表の10月独Ifo企業景況感指数が予想を上回ったことや、シムカス・リトアニア中銀総裁が「0.50%利下げの根拠は見当たらない」と発言したことを受けて、22時前には一時1.0839ドルと日通し高値を付けた。
ただ、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。
米長期金利が上昇に転じるとユーロ売り・ドル買いがじわりと強まり、4時30分過ぎに一時1.0793ドルと日通し安値を更新した。
欧州中央銀行(ECB)が12月に大幅利下げを実施するとの見方も根強い。
ユーロ円は小反発。
終値は164.43円と前営業日NY終値(164.40円)と比べて3銭程度のユーロ高水準。
21時前に一時164.27円付近まで値を下げたものの、23時過ぎには164.79円と日通し高値を付けた。
ただ、引けにかけては再び164.27円付近まで押し戻された。
ドル相場となったためユーロ円自体は方向感が出にくい状況だった。
さらに、27日投開票の衆院選を前に様子見ムードも強く、円絡みの取引は手控えられた面もあったようだ。
30-31日には日銀金融政策決定会合も控えている。
【本日の東京為替見通し】ドル円、衆院選での自公過半数割れを受けて神経質な展開か
本日の東京外国為替市場のドル円は、衆議院選挙で自民党・公明党が過半数(233議席)を維持できなかったことで円売り圧力が先行すると予想される。
しかしながら、日本は対外債権大国であり、経常収支黒字国であることから、リスク回避の円買いの可能性にも警戒しておきたい。
早朝のオセアニア市場のドル円は、東京市場での日本売り(日本株売り・円売り)への警戒感から、153.27円まで上昇して、23日の高値153.19円を上回った。
ドル円のテクニカル面での重要な水準は、161.95円から139.58円までの下落幅の61.8%戻しである153.40円にある。
さらに、ドル円が155円台方向へ上昇した場合、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性にも警戒しておきたい。
一方で、11月5日の米国大統領・議会選挙において、トランプ共和党候補、ハリス民主党候補のどちらが勝利しても、両者が減税と拡張的な財政政策を公約に掲げているため、米長期金利の上昇基調が続き、ドルは底堅い展開が予想される。
特にトランプ第47代米大統領が誕生した場合の「トランプノミクス2」では、関税引き上げや減税と財政出動によるトランプ・フレーションの可能性が高いため、トランプ・トレード(米国債売り・ドル買い)が活発化しつつある。
先週末の主要20カ国(G20)財務相・中央銀行総裁会議閉会後に、植田日銀総裁は、「不確実性が大きい場合には、政策変更を慎重に段階的に進めたい。
追加利上げを判断するのに、時間的な余裕はある」と述べ、追加利上げを急がない考えを示した。
そして政治情勢の不透明感により、利上げは来年に先送りされる可能性が高まっていることは円売り要因となる。
自民党(公示前247議席⇒191議席)、公明党(32議席⇒24議席)で215議席(公示前279議席)となり、過半数(233議席)の議席を確保できなかったため、野党の一部との連立を模索することになる。
しかしながら、日本維新の会や国民民主党は連立参加に否定的な姿勢を示しており、衆院で過半数の議席を持たない少数与党内閣となるため、政治不安がかなり強まることになる。
今後は、自民党内での石破降ろしと総裁選の可能性、野党が内閣不信任案を提出して内閣総辞職の可能性など、政治情勢の混迷が警戒されることになる。
立憲民主党が中核となる連立政権が誕生した場合、立憲民主党は日本銀行の金融政策正常化を支持しており、早期の追加利上げが進むとの観測から円買い要因となることは、念頭に置いておきたい。
中東情勢に関しては、26日にイスラエルがイランに通告した上で、約20カ所の軍事施設にミサイル攻撃を断行した。
懸念されていた石油及び核施設ではなく、軍事施設の攻撃に留まり、予め攻撃を通告して反撃しないように釘をさしていた、と報じられており、今後のイランの出方に要警戒となる。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○18:00 ◎ ウンシュ・ベルギー中銀総裁、講演
○21:00 ◇ 9月メキシコ貿易収支(予想:16.20億ドルの赤字)
○29日00:30 ◎ 米財務省、2年債入札
○29日02:00 ◎ 米財務省、5年債入札
○ニュージーランド(労働者の日)、休場
○欧州・英国は27日から冬時間に移行済み
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
25日08:10 三村財務官
「加藤財務相が米財務長官と会談で為替について議論した」
「円相場でやや一方向の急速な動きがみられる」
「為替はファンダメンタルズを反映するのが望ましい」
「投機的な動きも含めて緊張感を高めて注視している」
25日16:50 カザークス・ラトビア中銀総裁
「欧州中央銀行(ECB)はこれまで考えていたよりもやや速いペースで金融緩和を進める必要があるかもしれないが、中立下回る金利検討の必要性なし」
「賃金とサービス価格の伸びは依然として比較的大きく、アンダーシュートの大部分はエネルギーコストによるものであるため、金融政策には慎重になる必要がある」
25日17:20 シムカス・リトアニア中銀総裁
「制限的な金利をさらに引き下げる必要がまだある」
「0.50%の利下げの根拠は見当たらない」
「経済はかなり停滞しているが、そこまで悪くはない」
「我々はディスインフレの道を歩んでいる」
25日18:11 ブイチッチ・クロアチア中銀総裁
「12月会合の決定について現段階では分からない」
「データ依存ならば我々は待つべき」
「12月会合で0.25%か0.50%の利下げ、どちらかを主張すべきではない」
25日22:11 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「ディスインフレのプロセスは極めて順調」
「データは今年下期の経済活動が軟化することを示唆」
「労働需要が冷え込みつつある兆しが見られる」
25日23:43 国際通貨基金(IMF)高官
「円安は、対外開放型経済である日本経済に恩恵をもたらす」
「日本当局が柔軟な為替相場体制にコミットしていることを認識することが重要」
「日銀の最優先事項はデータに依存し続けることであり、政策金利の引き上げプロセスにおいては『非常に、非常に緩やか』であるべき」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
孕み線で切り返し、200日移動平均線や転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 155.22(7/30高値)
レジスタンス1 153.88(7/31高値)
前日終値 152.31
サポート1 151.08(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 150.50(10/22安値)
<ユーロドル=基準線を抵抗に戻り売りスタンス>
小陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
孕み線で反落して転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は転換線1.0831ドルを念頭に置き、基準線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.0988(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 1.0796
サポート1 1.0761(10/23安値)
<ポンド円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
孕み線で切り返して転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 199.47(7/30高値)
前日終値 197.40
サポート1 196.29(日足一目均衡表・転換線)
<NZドル円=雲の上限を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けており、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
2手連続陰線でも依然として転換線を上回って引けており反発の可能性が示唆されている。
本日は転換線91.06円を念頭に置き、雲の上限を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 92.05(10/23高値)
前日終値 91.00
サポート1 90.16(日足一目均衡表・雲の上限)
Provided by
DZH Finacial Research
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