October 23, 2024
【前日の為替概況】ドル円、続伸 7/31以来の高値更新
22日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。
終値は151.08円と前営業日NY終値(150.84円)と比べて24銭程度のドル高水準だった。
アジア時間に一時4.2176%前後と7月26日以来の高水準を記録した米10年債利回りが4.16%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。
22時30分過ぎに一時150.61円付近まで下押しした。
ただ、アジア時間に付けた日通し安値150.50円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。
市場では「一目均衡表雲の上限が位置する150.70円が重要なポイント」との声も聞かれ、徐々に下値を切り上げた。
米10年債利回りが4.21%台まで上昇すると全般ドル買いが強まり、1時30分前には151.20円と7月31日以来の高値を更新した。
もっとも、200日移動平均線が位置する151.36円付近がレジスタンスとして意識されると、上昇は一服した。
ユーロドルは続落。
終値は1.0799ドルと前営業日NY終値(1.0815ドル)と比べて0.0016ドル程度のユーロ安水準だった。
欧州市場序盤に一時1.0838ドルと日通し高値を付けたものの、NY市場に入ると徐々に弱含んだ。
センテノ・ポルトガル中銀総裁が「雇用市場が軟化すれば0.50%の利下げも可能」と述べたことなどが相場の重しとなり、前日の安値1.0811ドルを下抜けて一時1.0793ドルと8月2日以来の安値を更新した。
米長期金利が上昇に転じたこともユーロ売り・ドル買いを誘った。
なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は「インフレ目標が既に達成されたと結論付けることはできない」「金利は必要な限り景気抑制的な水準にとどまる」「金利引き下げのペースは未定」と述べたほか、ビルロワドガロー仏中銀総裁は「景気抑制策の解除が遅過ぎるとリスクが高まる可能性」などと発言。
また、レーン・フィンランド中銀総裁は「利下げが迫っている。
ペースと規模は後日決定」などと話した。
ユーロ円は小幅ながら続伸。
終値は163.17円と前営業日NY終値(163.13円)と比べて4銭程度のユーロ高水準。
ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、ユーロ円自体は方向感が出なかった。
【本日の東京為替見通し】ドル円、引き続き200日線を意識した展開か
本日の東京市場では、主だった経済指標の発表や要人発言が予定されておらず、前日に続き本邦株価や時間外の米長期金利を眺めながらの展開になるか。
昨日、日銀からは9月全国消費者物価指数(CPI)の基調的なインフレ率を捕捉するための指標が公表された。
刈込平均値が+1.7%(前回:+1.8%)、加重中央値は+0.8%(同:+0.7%)、最頻値は+1.4%(同:+1.3%)とまちまちの結果であった。
いずれも日銀のインフレ目標2%を下回っている。
植田日銀総裁が9月24日に「政策判断にあたり時間的な余裕がある」と発言したこともあり、日銀の早期利上げ期待の後退により、円は積極的には買いづらいとみる。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」を見ると、年内あと2回ある米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げはゼロもしくは1回にとどまるとの確率が約3割となっている。
この点も考慮すると、足元のドル円相場は、ドル高・円安に傾きやすい地合いといえる。
本日も引き続き、時間外の米長期金利が上昇する場面ではドル円に上昇圧力が掛かりやすいとみる。
テクニカル面でも、今週に入り日足の一目均衡表では三役好転の強い買いシグナルが点灯したほか、昨日は3カ月弱ぶりに200日移動平均線に迫る上伸を見せるなど、上値を試しやすい状況といえる。
本日も引き続き、151.37円に位置する200日線を巡る攻防の行方に注目したい。
もし同線を上抜くと、7月31日以来となる152円台も視野に入ってくるだろう。
一方、27日投開票の衆院選の争点が物価高対策となっていることもあり、本邦通貨当局による円安抑制や、口先介入には注意が必要だろう。
相場は3カ月弱ぶり高値水準となる151円台に上昇しており、きっかけがあればドル売り・円買いが入りやすいことにも留意したい。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○14:00 ◎ 9月シンガポール消費者物価指数(CPI、予想:前年比1.9%)
○17:00 ◎ 9月南アフリカCPI(予想:前月比0.1%/前年比3.8%)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:00 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○22:00 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、あいさつ
○22:45 ☆ カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:3.75%に引き下げ)
○23:00 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○23:00 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○23:00 ◎ 10月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲12.5)
○23:00 ◎ 9月米中古住宅販売件数(予想:前月比横ばい/年率換算386万件)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○24日00:30 ◎ チポローネECB専務理事、講演
○24日01:00 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○24日02:00 ◎ オア・ニュージーランド準備銀行(RBNZ)総裁、講演
○24日02:00 ◎ 米財務省、20年債入札
○24日03:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○24日03:15 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演
○24日03:45 ◎ ベイリーBOE総裁、講演
○24日04:00 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン、24日まで)
○BRICS首脳会議(ロシア・カザン、24日まで)
○国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会(ワシントン、26日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
22日07:56 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「今後も追加利下げが行われると予想」
「経済に合わせて政策を調整し続ける」
「利下げを停止する理由は目にしていない」
22日11:25 青木官房副長官
「足元の為替相場のコメントは控える」
「為替相場の動向はプラス面、マイナス面双方の影響ある」
22日22:26 センテノ・ポルトガル中銀総裁
「労働市場の回復力が低下している」
「ほとんどの下振れリスクは内生的なもの 」
「中立的な水準は2%か、それよりやや下 」
「中立レベルまで徐々に金利を引き下げる」
「雇用市場が軟化すれば0.50%の利下げも可能」
「インフレ目標を下回るリスクを認識」
22日22:40 クノット・オランダ中銀総裁
「金利の低下は債務負担を軽減するはず」
22日23:10 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「インフレ目標が既に達成されたと結論付けることはできない」
「インフレについては、これまでの状況に不満はない」
「インフレが予想よりも早く目標に戻ることを期待」
「我々は2025年中にインフレ目標を持続的に達成できると絶対的に自信があるが、いつ達成できるかは不明だ」
「金利は必要な限り景気抑制的な水準にとどまる」
「金利が向かっている方向は明らか」
「金利引き下げのペースは未定」
22日23:19 グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「利下げについては段階的なアプローチを支持する」
「英国の成長に対するリスクは双方向」
「英CPIの最近の低下は不安定な要素によって引き起こされている可能性があるため、あまり重視しない」
22日23:29 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「金利引き下げは適切」
「インフレは予想よりも早く低下する可能性がある」
「ディスインフレは予想より早い」
23日02:41 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「ECBは2025年序盤にも2%のインフレ目標を達成できる」
「景気抑制策の解除が遅過ぎるとリスクが高まる可能性」
「成長とインフレに対する重大な下振れリスクがある」
23日03:48 レーン・フィンランド中銀総裁
「成長見通しは弱まり、デフレ圧力が高まる可能性」
「利下げが迫っている。ペースと規模は後日決定」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=雲を上回る水準でじり高>
小陽線引け。
一目均衡表・雲の上限150.70円を上回る水準でじり高となった。
7月31日以来の高値151.20円をつけている。
雲の上限は今週末150.67円と徐々に低下し始めサポートが弱まっていく感もあるが、上昇中の一目・転換線149.81円が支えとなり深押しは回避できるだろう。
同線は明日にも150円台へ切り上がる見込み。
底堅い推移が続くとみる。
レジスタンス1 151.86(5/3安値)
前日終値 151.08
サポート1 150.23(ピボット・サポート2)
サポート2 149.81(日足一目均衡表・転換線)
<ユーロドル=8/1安値を割り込み下落が加速するリスクも>
上影小陰線引け。
相場の強弱を判断するうえの分岐点200日移動平均線1.0871ドルを超えられないまま下値を探る動きとなった。
目先の下値の節目だった17・21日安値1.0811ドルを下抜け一時1.0793ドルと、8月2日以来の1.08ドル割れまで下落。
次の下値の節目である8月1日安値1.0778ドルを割り込み、下落が加速するリスクにさらされている。
レジスタンス1 1.0872(10/21高値)
前日終値 1.0799
サポート1 1.0736(7/3安値)
<ユーロ円=転換線の安定で相場も底堅い推移へ>
小陽線引け。
一時163.67円と直近のもみ合いレンジ上限を上回り、8月16日以来の高値を付けたものの押し戻されている。
一目均衡表・転換線162.76円から大きく離れないレンジにとどまった。
ただ、一時的にせよ昨日上昇したことで、いったん低下する可能性もあった転換線が安定的に推移する公算を高めた。
相場も安定して、次第に底堅さを示してくることが期待できる。
レジスタンス1 163.89(8/15高値)
前日終値 163.17
サポート1 162.32(ピボット・サポート2)
<豪ドル円=雲を上回る水準で足場を固め一時101円台に>
陽線引け。
一目均衡表・雲の上限99.76円を上回る水準で足場を固めるような状態を経て、7日以来の101円台へ一時上昇した。
一目・転換線100.24円や21日移動平均線100.11円前後での底堅さも維持できるようなら、直近の上値の節目である7日高値101.42円の上抜けから上昇に勢いがつくか。
7月30日高値101.78円などが次のめどとなる。
レジスタンス1 101.78(7/30高値)
前日終値 100.96
サポート1 100.24(日足一目均衡表・転換線)
Provided by
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