本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、株価眺めて方向感模索か|中国LPRにも注目(2024年10月21日)

ニュース

October 21, 2024

【前日の為替概況】ドル円、3日ぶり反落 米長期金利低下きっかけにドル売り先行

18日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反落。
終値は149.53円と前営業日NY終値(150.21円)と比べて68銭程度のドル安水準だった。
米長期金利の低下をきっかけに全般ドル売りが先行。
ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだ円買い・ドル売りのフローも観測された。
市場では「2カ月半ぶりの高値となる150円台では戻り売りなどが出た」「週末を控えたポジション調整目的の売りが出やすかった」との声も聞かれ、2時前には一時149.37円と日通し安値を更新した。
ただ、売りはあくまでポジション調整の域を出ず、下値は限定的だった。
ダウ平均が連日で史上最高値を更新するなど、米国株相場が底堅く推移したことが相場を下支えしたほか、前日の安値149.25円がサポートとして意識された面があった。

ユーロドルは5日ぶりに反発。
終値は1.0867ドルと前営業日NY終値(1.0831ドル)と比べて0.0036ドル程度のユーロ高水準だった。
米長期金利の低下に伴うドル売りが出たほか、週末を控えたポジション調整目的のユーロ買いが優勢となった。
5時30分過ぎには一時1.0870ドルと日通し高値を更新した。
市場では「米経済の底堅さと米大幅利下げ観測の後退から進んできた主要通貨に対するドル買いが一服した」との声が聞かれた。
ドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.46まで低下した。

ユーロ円は小反落。
終値は162.48円と前営業日NY終値(162.70円)と比べて22銭程度のユーロ安水準。
欧州時間に伝わった日銀の利上げを巡る報道を受けて19時過ぎに162.19円と日通し安値を付けたものの、21時30分前には162.85円の日通し高値まで一転上昇した。
ただ、そのあとはドル円の下落につれた売りが相場の重しとなり、162.30円付近まで押し戻された。

【本日の東京為替見通し】ドル円、株価眺めて方向感模索か 中国LPRにも注目

本日のドル円相場は、東京市場で主だった経済イベントや要人発言が予定されていないこともあり、本邦株価の推移を見極めることになるか。
前週末に米株が上昇した流れを引き継いで本邦の株式が堅調に推移するようならば、前週末に下値の堅さを確認したドル円は17日に付けた直近高値150.32円に向けて上値を伸ばす展開も考えられる。

また、27日に投開票を迎える衆議院選挙での争点が物価高対策となっていることで、石破政権は、輸入物価上昇の要因となる円安の抑制を徹底すると思われる。
17日には一部通信社が「今月末の日銀会合では据え置き、その後は利上げ排除せず」という内容の観測報道を伝えたことで円買いが強まる場面が見られた。
引き続き関連報道には注意したい。

他方、中国では1年と5年の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)が発表予定。
18日に新華社が中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝総裁の発言として「LPRを20-25bp引き下げる」と伝えたほか、銀行の預金準備率を流動性の状況次第で年末までに0.25-0.50%引き下げる方針を示したことが伝わっている。
発表後に中国株や人民元相場に動きが出るか注目したい。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
特になし

<海外>
○15:00 ◇ 9月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比▲0.2%)
○16:00 ◎ シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
○21:55 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、講演
○23:00 ◎ 9月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.3%)
○22日02:00 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、イベントに参加
○22日06:05 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、講演
○国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会(ワシントン、26日まで)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

18日09:08 三村財務官
「足もとで一方向、急速な動きを認識」
「投機的な動きを含め、高い緊張感をもって注視」

18日11:23 青木官房副長官
「足元の為替相場、市場に不測の影響を及ぼす恐れがあるためコメントを控える」
「為替はファンダメンタルズを反映し安定的に推移すること重要」
「投機的動向含め為替の動向を高い緊張感を持ってしっかり注視」

18日15:18 ミュラー・エストニア中銀総裁
「インフレは2%前後で落ち着く見込み」
「サービスと賃金に関するリスクは残っている」
「短期的な経済見通しは劇的には変化していない」
「経済成長はより控えめになる見込み」

18日15:25 バスレ・スロベニア中銀総裁
「インフレが低下するということをより確信」
「2025年の過程でインフレが目標に戻ると予想」
「2024年の残りの期間はインフレが上昇すると予想」
「ECBは各会合で金利を決定する」

18日15:33 陸雷・中国人民銀行(PBOC)副総裁
「中国人民銀行法および金融安定法の改正を加速する」

18日15:38 植田日銀総裁(内田副総裁が代読)
「景気は一部に弱めの動き見られるが緩やかに回復している」
「先行きは海外経済が緩やかな成長を続ける下で潜在成長率上回る成長を続ける」
「金融・為替市場の動向や日本経済・物価への影響、注視する必要」
「米国経済をはじめ、海外経済の先行きは不透明」
「金融システム、全体として安定性を維持」
「金融資本市場、引き続き不安定な状況」
「当面は海外経済や金融市場の動向を極めて高い緊張感をもって注視」
「2%の物価目標のもと、その持続的・安定的な実現の観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく」

18日17:35 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「民間投資と消費の減速、および貯蓄率の上昇が今回の利下げを正当化」
「今後の会合に関して完全な選択の自由がある」
「インフレ目標の対称性と使命に忠実でなければならない」
「今後の利下げのペースは機敏な行動によって導かれるべき」

18日20:00 ダス・インド中銀総裁
「利下げは現時点で時期尚早でありリスクがある」

19日01:11 ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「暗号資産(仮想通貨)は決済システムにメリットをもたらす可能性がある」
「暗号資産は暴走リスクを最小限に抑えるためにガードレールが必要」

19日02:35 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「中立金利は3-3.50%の範囲」
「急ぐ必要はない。忍耐強く待つ」
「リスクがシフトしたため、我々は政策金利を動かす必要があった」
「リセッションは私の見通しにはなかった」
「0.50%の利下げでFRBはいかなる事態にも備えられる」
「インフレが上昇すればFRBは積極的に行動する」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=148円台で下げ止まるポイント探る展開想定>

ドル円1021

パラメーター1021

陰線引け。
17日高値150.32円を上値とした下押しの流れが続いた。
一時149.37円まで下落している。

本日149.17円へ切り上がってきた一目均衡表・転換線の下支えを期待したいところだが、17日高値や150.70円へ低下した一目均衡表・雲の上限を抵抗とした伸び悩みが懸念される。
16日安値148.88円など148円台にある目先の節目をめどに下げ止まるポイントを探ることになるか。

レジスタンス1 150.32(10/17高値)
前日終値 149.53
サポート1 148.88(10/16安値)
サポート2 148.01(10/9安値)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=200日線・転換線付近の攻防>

ユーロドル1021

パラメーター1021

小陽線引け。
1.0870ドルまでじり高となり、高値付近で引ける底堅さを示している。
週明けも相場の強弱の分岐点である200日移動平均線1.0872ドルにタッチする場面があった。
底堅いが、低下中の一目均衡表・転換線1.0896ドルが抵抗になりそう。
同線をこなすことができれば1.09ドル台に定着できそうだが、200日線の回復の有無とともに、転換線の抵抗力を確かめる必要がある。

レジスタンス1 1.0942(10/14高値)
前日終値 1.0867
サポート1 1.0811(10/17安値)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ユーロ円=転換線は方向感が定まらない状態を示唆>

ユーロ円1021

パラメーター1021

小陰線引け。
一目均衡表・転換線162.73円を挟んだ限られた値幅で推移した。
転換線は、現状からすれば一時低下することも想定され、やや安定を欠く状態。
相場の方向感が定まりにくいことを示しているようだ。
一目・雲の上限164.93円や、上昇が予想される一目・基準線159.38円に挟まれたレンジから次に動き出す方向性を探る展開が続くとみる。

レジスタンス1 163.17(ピボット・レジスタンス2)
前日終値 162.48
サポート1 161.85(10/17安値)

>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら

<豪ドル円=雲の上限を支えに足場を固める状態>

豪ドル円1021

パラメーター1021

陽線引け。
主だった日足テクニカル指標が100円を挟んだレンジに集まっている。
方向性の出にくい状態を示している。
そうしたなかでも99.76円で横ばいが続く一目均衡表・雲の上限はサポートになりそう。
同水準を支えに、戻りを試す足場を固める状態とみる。

レジスタンス1 100.95(10/14高値)
前日終値 100.29
サポート1 99.76(日足一目均衡表・雲の上限)

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

OANDA CFD

Provided by
DZH Finacial Research

「投資を面白く、投資家を笑顔に」をスローガンに、株式や為替など様々な金融マーケットの情報を提供。 豊富な経験を持つエキスパートが多数在籍し、スピーディー且つオリジナルな視点からの情報をOANDA Labに配信しています。
会社名:株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
所在地:東京都中央区明石町8番1号 聖路加タワー32階
商号等:【金融商品取引業者】投資助言業/【登録番号】関東財務局長(金商)907号


本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。

この記事をシェアする
一覧へ戻る

ホーム » マーケットニュース » 本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、株価眺めて方向感模索か|中国LPRにも注目(2024年10月21日)