October 16, 2024
【前日の為替概況】ドル円、欧州安値148.85円からNYは149.54円前後まで反発も伸び悩み
15日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反落。
終値は149.20円と前営業日NY終値(149.76円)と比べて56銭程度のドル安水準だった。
欧州株相場の下落などを背景にリスク回避の円買い・ドル売りが出ると、欧州市場序盤に一時148.85円と日通し安値を付けた。
ただ、NY市場では下げ渋る展開に。
米利下げペースが緩やかになるとの見方が根強い中、対ユーロなどでドル買いが進んだ影響を受け、2時30分前には149.54円付近まで下げ幅を縮めた。
もっとも、この日発表の10月米NY連銀製造業景気指数が予想を大幅に下回ったことや、日米株価指数の下落が相場の重しになったため、戻りも限定的だった。
ユーロドルは続落。
終値は1.0893ドルと前営業日NY終値(1.0909ドル)と比べて0.0016ドル程度のユーロ安水準だった。
欧州時間発表の10月独ZEW景況感指数や8月ユーロ圏鉱工業生産が予想を上回るとユーロ買い・ドル売りが先行。
低調な米経済指標や米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入ると一時1.0917ドルと日通し高値を付けた。
ただ、前日の高値1.0942ドルが目先レジスタンスとして働くと失速した。
欧米株価の下落に伴うリスク・オフのユーロ売り・ドル買いも出て、3時前に一時1.0882ドルと8月8日の安値に面合わせした。
ユーロ円は3日ぶりに反落。
終値は162.56円と前営業日NY終値(163.37円)と比べて81銭程度のユーロ安水準。
米国株相場や日経平均先物の下落を背景にリスク回避の円買い・ユーロ売りが優勢になると、23時30分過ぎに一時162.34円と日通し安値を更新した。
その後の戻りも162.83円付近にとどまった。
なお、ダウ平均は一時360ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1080円安の3万8830円まで売られる場面があった。
【本日の東京為替見通し】ドル円、米株安や米長期金利低下で上値が重い展開か
本日の東京外国為替市場のドル円は、安達日銀審議委員の発言を見極めつつ、下落が予想される日経平均株価や本邦通貨当局の円安牽制(口先介入や円買い介入)への警戒感から上値が重い展開が予想される。
ニューヨーク株式市場は、バイデン米政権が米半導体メーカー製造の人工知能(AI)向け先端半導体の各国ごとの販売規制を検討との報道やASMLホールディングスの株価急落により下落している。
本日の東京株式市場も下落することが見込まれ、米10年債利回りが低下していることもあり、ドル円は上値が重い展開が予想される。
10時30分から発言が予定されているリフレ派の安達日銀審議委員は、かつて、ハト派的な見解として、「経済の回復機運に水を差すような拙速な利上げは絶対に避けなければならない」と述べつつ、タカ派的な見解として「円安で物価再上昇なら、利上げペース早める必要」とも述べていた。
安達日銀審議委員は、3月の金融政策決定会合で、マイナス金利解除を含む大規模金融緩和の枠組み見直しに賛成票を投じ、7月の金融政策決定会合では、政策金利の0.25%までの引き上げに賛成票を投じていた。
本日は、「経済と物価が見通しに沿って進めば利上げに動く方針」という日銀の基本スタンスを軸に、安達日銀審議委員の見解を見極めることになる。
中東情勢に関しては、米ワシントン・ポスト紙は、「ネタニヤフ・イスラエル首相がホワイトハウスに対して、標的は軍事施設のみに限定すると確約した」と報道していた。
しかし、昨日は、イスラエル首相府が、「イランによるミサイル攻撃への報復計画については米政府の意見を考慮に入れるが、最終決定は国益に基づいて下す」と表明した。
イスラエルの国益は、イスラエルの抹殺を目論むイランの核兵器保有を阻止することであり、トランプ前大統領が煽っているイランの核施設への攻撃という「オクトーバー・サプライズ」への予断を許さない状況が続いている。
また、衆院選の争点が物価高対策となっていることで、石破政権は、輸入物価上昇の要因となる円安の抑制を徹底すると思われるため、本邦通貨当局による円安阻止の可能性には引き続き警戒しておきたい。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 8月機械受注(予想:船舶・電力除く民需 前月比▲0.1%/前年比3.6%)
○10:30 ◇ 安達誠司日銀審議委員、あいさつ
<海外>
○08:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、討論会に参加
○15:00 ◎ 9月英CPI(予想:前月比0.1%/前年比1.9%)
○15:00 ◎ 9月英CPIコア指数(予想:前年比3.4%)
○15:00 ◇ 9月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.1%/前年比3.1%)
○20:00 ◇ 8月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比2.3%)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:15 ◇ 9月カナダ住宅着工件数(予想:23.75万件)
○21:30 ◇ 8月カナダ製造業出荷(予想:前月比▲1.5%)
○21:30 ◇ 9月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.4%)
○17日03:40 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
15日07:45 ホークスビーRBNZ副総裁
「金利低下のペースはデータ次第 」
「金利はより中立に向かっている」
16日00:33 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「雇用とインフレに対するリスクは今やより均衡している」
「金融政策は依然として制限的であり、インフレ抑制に取り組んでいる」
「FRBは完全雇用に維持しながら、2%のインフレを達成しなければならない」
「景気拡大の継続は依然として十分にあり得る」
「労働市場は冷え込み、ほぼ正常化している」
「経済は明らかに好調、インフレは大幅に緩和している」
「成長については慎重ながらも楽観的」
「FRBは大きな混乱なくインフレを抑制することができた」
「中立金利はかつてよりも高い」
「予測通りなら、年内に1回か2回の利下げが実施される可能性が高い」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の中で引けているものの、買いシグナルが優勢な展開となっている。
2手連続陽線の後、孕み線で反落したものの依然として転換線を上回って引けており、反発の可能性が示唆されている。
本日は転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 150.89(8/1高値)
レジスタンス1 149.98(10/14高値)
前日終値 149.20
サポート1 147.95(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 147.35(10/8安値)
<ユーロドル=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
2手連続陰線で転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
ダブル・トップ(1.1202ドル・1.1214ドル)の目標値は1.0790ドル。
本日は転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.0961(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0893
サポート1 1.0778(8/1安値)
<ポンド円=上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
2手連続陽線の後、孕み線で反落したものの依然として転換線を上回って引けており反発の可能性が示唆されている。
本日は上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 197.58(7/31高値)
前日終値 195.07
サポート1 193.74(日足一目均衡表・転換線)
<NZドル円=10/15高値を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の中で引けているものの、買いシグナルが優勢な展開。
しかし、3手連続陽線の後、抱き線で反落して転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は転換線91.02円を念頭に置き、15日高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 91.34(10/15高値)
前日終値 90.76
サポート1 89.28(日足一目均衡表・基準線)
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