NYマーケットダイジェスト・9日 ダウ史上最高値・金利上昇・ドル高

スポット
(9日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.31円(前営業日比△1.11円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.31円(△0.59円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0939ドル(▲0.0041ドル)
ダウ工業株30種平均:42512.00ドル(△431.63ドル)
ナスダック総合株価指数:18291.62(△108.70)
10年物米国債利回り:4.07%(△0.06%)
WTI原油先物11月限:1バレル=73.24ドル(▲0.33ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2626.0ドル(▲9.4ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比)   ▲5.1%     ▲1.3%
8月米卸売売上高
(前月比)   ▲0.1%      1.1%

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は続伸。米利下げペースが緩やかになるとの見方が広がる中、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.0765%前後と7月31日以来の高水準を記録すると円売り・ドル買いが先行。中国の財政政策に対する期待感や米国株高を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ドル買いが活発化し、7日の高値149.13円を上抜けて一時149.36円と8月15日以来の高値を更新した。
 なお、米連邦準備理事会(FRB)が公表した9月17日−18日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では「大多数の当局者が0.50%の利下げを支持」「一部の当局者が0.25%の利下げを支持した」ことが分かった。会合ではボウマンFRB理事が0.25%の利下げを主張し反対票を投じたものの、慎重な意見は1人だけでなく複数の参加者からあがっていたことが明らかになった。

・ユーロドルは3日ぶりに反落。ユーロ圏景気への懸念から、欧州中央銀行(ECB)が17日の定例理事会で追加利下げを決めるとの観測が引き続きユーロの重し。米長期金利の上昇を背景にドル買いが優勢になると、3時過ぎに一時1.0936ドルと8月13日以来の安値を更新した。
 なお、ローガン米ダラス連銀総裁はこの日、「インフレの上振れリスクが依然現実的で経済見通しを巡りかなりの不確実性がある中、今後はより緩やかな利下げが適切」との見解を示したと伝わった。

・ユーロ円は続伸。ドル円の上昇につれた買いが入ったほか、米国株高を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いが出た。1時前には163.46円と日通し高値を更新した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。中東情勢を巡る懸念は根強いものの、WTI原油先物相場が続落すると投資家心理が改善し主力株中心に買いが入った。中国当局が12日に財政政策関連で記者会見を開くと伝わり、追加政策への期待から買いが入った面もある。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続伸し、7月16日以来約2カ月半ぶりの高値で取引を終えた。

・米国債券相場で長期ゾーンは反落。米大幅利下げ観測が後退する中、売りが優勢になると、利回りは一時4.0765%前後と7月31日以来の高水準を付けた。
 なお、9月17日−18日分のFOMC議事要旨では「一部の当局者は0.25%の利下げが望ましいとの考えを示していた」ことが分かったものの、相場の反応は限定的だった。

・原油先物相場は続落。米石油協会(API)が発表した米原油在庫が予想より大幅に増加したことや米エネルギー情報局(EIA)が2025年の世界の石油需要見通しを引き下げたことを背景に売りが先行した。
 EIAが発表した週間在庫統計では原油在庫が予想以上に増加したものの、ガソリンとディスティレート(留出油)は予想以上に減少し、発表後に下げ幅を縮小する場面が見られた。

・金先物相場は4日続落。10日に9月米消費者物価指数(CPI)、11日に9月米卸売物価指数(PPI)の発表を控え、積極的な取引は控えられたが、為替相場でドル高が進んだことや米長期金利の上昇を重しに売りに押された。

(中村)


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