NYマーケットダイジェスト・20日 ダウ最高値・金利上昇・円安

スポット
(20日終値)
ドル・円相場:1ドル=143.85円(前営業日比△1.22円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.59円(△1.39円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1162ドル(横ばい)
ダウ工業株30種平均:42063.36ドル(△38.17ドル)
ナスダック総合株価指数:17948.32(▲65.66)
10年物米国債利回り:3.74%(△0.03%)
WTI原油先物10月限:1バレル=71.92ドル(▲0.03ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2646.2ドル(△31.6ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ドル円は続伸。日銀は19−20日に開いた金融政策決定会合で市場予想通り政策金利の据え置きを決めたと発表。植田和男日銀総裁が会合後の記者会見で「経済・物価見通しが実現していけば政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくことになる」と述べた一方、利上げを急がないややハト派寄りの姿勢を示すと、円を売る動きが広がった。NY市場でも円売りの流れが継続し、0時過ぎに一時144.49円と4日以来の高値を更新した。米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.76%台まで上昇したことも相場の支援材料となった。
 ただ、買い一巡後は伸び悩んだ。植田日銀総裁の会見直前に付けた日通し安値141.74円から急ピッチで上昇したこともあり、週末を控えたポジション調整目的の売りなどが出た。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「今後の利下げ幅は発表されるデータ次第」としながらも、「雇用市場が悪化すれば、再び0.50%の利下げの検討あり得る」「データが軟調になれば、利下げペースが速まる可能性がある」と話したことも相場の重しとなった。

・ユーロドルは横ばい。22時前に1.1177ドル付近まで上げたものの、米長期金利が上昇すると一転ユーロ売り・ドル買いが優勢に。0時30分前に一時1.1136ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、ウォラーFRB理事の発言を手掛かりにドルの売り戻しが進むと1.1176ドル付近まで持ち直した。もっとも、欧州時間に付けた日通し高値1.1182ドルや18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)直後に付けた高値1.1189ドルがレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。

・ユーロ円は続伸。植田日銀総裁による早期利上げに慎重な発言を受けて、全般円安が進んだ流れに沿った。20時30分前には一時161.16円と3日以来の高値を付けた。ただ、NY市場では160円台後半でのもみ合いに終始した。
 なお、ポンド円は一時191.99円、豪ドル円は98.31円、NZドル円は89.95円、カナダドル円は106.42円、南アフリカランド円は8.28円まで値を上げた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら続伸し、史上最高値を更新した。米大幅利下げが景気を支えるとの期待が引き続き相場の支えとなった。ただ、週末を控えて利食い売りなども出やすく、上値は重かった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落。前日に約2カ月ぶりの高値を更新したあとだけに、利益確定目的の売りが出た。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も反落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは4日続落。米経済に対する楽観的な見方から債券売りが優勢となった。ただ、ウォラーFRB理事が「今後のデータ次第では再び0.50%の利下げの検討あり得る」との考えを示すと下げ渋る場面があった。

・原油先物相場は小反落。中東情勢の緊迫化によって供給懸念を意識した買いが入った一方、米利下げによる景気下支え効果を期待した買いは一巡しており、納会前の持ち高調整売りが上値を抑制した。

・金先物相場は3日続伸し、連日で過去最高値を更新した。FOMCの追加利下げ観測が、金利を生まない資産である金相場の支えになるとの思惑を背景に買いが入った。また、イスラエルとヒズボラの戦闘激化で中東の地政学リスクが高まり、安全資産である金の需要が意識された面もある。

(中村)


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