July 29, 2024
【前日の為替概況】ドル円、154.74円から153.15円まで反落後に153円台後半へ
26日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。
終値は153.76円と前営業日NY終値(153.94円)と比べて18銭程度のドル安水準だった。
時間外のダウ先物や欧州株相場の上昇を背景に投資家のリスク回避姿勢が和らぐと円売り・ドル買いが先行。
米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.26%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、20時30分前に一時154.74円と日通し高値を付けた。
ただ、米商務省が発表した6月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)がおおむね市場予想通りの結果となり、インフレの鈍化が示されると米利下げ観測が高まった。
米10年債利回りが4.18%台まで低下すると一転円買い・ドル売りが優勢となり、23時30分前に一時153.15円と日通し安値を更新した。
30-31日の日銀金融政策決定会合を前に、日銀の政策正常化への思惑が高まる中、全般円買いが入りやすい面もあった。
ユーロ円は小反落。
終値は166.93円と前営業日NY終値(166.95円)と比べて2銭程度のユーロ安水準。
21時前に一時168.01円と本日高値を付けたものの、買い一巡後は上値が重くなった。
日銀による追加利上げ観測が高まる中、円買い・ユーロ売りが優勢になると23時30分前に一時166.36円と日通し安値を付けた。
その後の戻りも167.14円付近にとどまった。
ユーロドルは小幅ながら続伸。
終値は1.0856ドルと前営業日NY終値(1.0846ドル)と比べて0.0010ドル程度のユーロ高水準だった。
日本時間夕刻に一時1.0842ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0828ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。
米インフレの鈍化を示す米経済指標を受けて米長期金利が低下したことも相場の支援材料となり、一時1.0868ドルと日通し高値を付けた。
ただ、前日の高値1.0870ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。
【本日の東京為替見通し】ドル円、30-31日の日米金融政策決定会合控え動きづらい展開か
本日の東京外国為替市場のドル円は、30-31日の日・米金融政策決定会合を控えて動きづらい展開が予想される。
ドル円は、日銀金融政策決定会合での追加利上げへの警戒感から、円売り持ちポジションの手仕舞いが進んでおり、7月3日の1986年12月以来の高値161.95円から昨日は151.94円まで10.01円の下落幅を記録した。
ドル円の151円台での支持線は、2023年11月13日の高値151.91円、今年5月2日未明の本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の後に付けた5月3日の安値151.86円、そして200日MAが位置する151.59円付近となる。
日銀金融政策決定会合で、国債買い入れの減額計画が3兆円程度となり、0.15%程度の追加利上げが決定された場合、ドル円は150円割れが想定される。
逆に、追加利上げが見送られた場合、国債買い入れの減額計画の幅(3兆円~5兆円)次第だが155円方向への上昇が見込まれるものの、8月1日午前3時の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明を控えて、上値は限定的だと思われる。
利上げが見送られるという見通しの背景には、実質賃金の伸びが5月まで26カ月連続で前年比マイナスとなっていること、1-3月期実質国内総生産(GDP)がマイナス圏に沈んでおり、デフレギャップが解消されていないこと、などが挙げられる。
しかし、政治的圧力が、日銀の利上げへの警戒感を高めている。
7月17日、河野デジタル相は、円の価値を高め、エネルギーや食料品のコストを引き下げるために「日銀は政策金利を引き上げる必要がある」と発言した。
ドル円は155.38円まで下落したが、「日銀に対して利上げを直接求めているわけではない。
金利が上がれば円高になるという理論を申し上げただけだ」との釈明を受けて157円台に戻した。
7月19日、岸田首相は「金融政策の正常化が経済ステージの移行を後押しする。
日銀とも経済の大局観を共有しつつ、緊密に連携していく」と述べ、金融政策正常化を要請した。
7月22日、茂木自民党幹事長は、日銀について「段階的な利上げの検討も含めて金融政策を正常化する方針をもっと明確に打ち出す必要がある」と語り、過度な円安の是正へ分かりやすい情報発信を求め、さらに「日本経済再生で強くて安定した円を作ることが必要」と述べたことで、円高要因になった。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○17:30 ◇ 6月英消費者信用残高(予想:13億ポンド)
○17:30 ◇ 6月英マネーサプライM4
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
26日08:43 神田財務官
「(G20会合で)投機がもたらす過度な為替変動には一層の注意が必要と指摘」
「為替レートの無秩序な動きは経済に悪影響を与えると確認」
「為替合意に沿った適切な対応が必要と発言」
26日16:47 アクチャイ・トルコ中銀副総裁
「利下げサイクルを全く検討していない」
「早すぎる金融緩和は遅すぎる緩和よりも大きなリスク」
27日00:58 シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事
「ECBの利下げペースと程度はデータ次第」
「一部のデータは予測と完全に一致しなかった」
「ECBは硬直的なサービス価格を注視」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=7/26高値を抵抗に戻り売りスタンス>
小陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。
3手連続陰線の後、下影小陽線で下げ止まったものの、孕み線で反落して、依然として転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は26日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 155.28(日足一目均衡表・転換線)
レジスタンス1 154.74(7/26高値)
前日終値 153.76
サポート1 151.94(7/25安値)
サポート2 151.59(200日移動平均線)
<ユーロドル=横ばいの転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
小陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
しかし、2手連続陽線でも依然として転換線を下回って引けていることで反落の可能性が示唆されている。
本日は横ばいの転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.0887(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0856
サポート1 1.0807(日足一目均衡表・基準線)
<ポンド円=7/25高値を抵抗に戻り売りスタンス>
寄引同事線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の中で引けているものの、売りシグナルが優勢な展開となっている。
5手連続陰線の後、寄引同事線で下げ止まったものの、依然として転換線を下回って引けているため続落の可能性が示唆されている。
本日は25日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 198.80(7/25高値)
前日終値 197.83
サポート1 195.87(7/25安値)
<NZドル円=7/25高値を抵抗に戻り売りスタンス>
小陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
6手連続陰線で転換線や200日移動平均線を下回って引けていることで続落の可能性が示唆されている。
本日は25日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は一旦手仕舞い。
レジスタンス1 91.34(7/25高値)
前日終値 90.51
サポート1 89.80(7/25安値)
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