FXの証拠金維持率とは｜目安・計算方法・ロスカットとの関係性などをわかりやすく解説
FXの証拠金維持率とは、取引に必要な証拠金に対する、純資産の割合を指します。
証拠金維持率を確認することで、ロスカットなどのリスク状況を把握できます。
本記事では、証拠金維持率の計算式や、ロスカットとの関係性などについて詳しく解説していきます。
目次
- 1．証拠金維持率とは
- 2．証拠金維持率の計算式
- 3．証拠金維持率とロスカットの関係性
- 4．証拠金維持率に関するQ&A
- 5．【まとめ】FXの証拠金維持率とは｜目安・計算方法・ロスカットとの関係性などをわかりやすく解説
証拠金維持率とは
証拠金維持率とは、取引に必要な証拠金（必要証拠金）に対する、純資産（有効証拠金）の割合を指します。
証拠金維持率を確認することにより、ロスカットのリスク状況を把握できます。
証拠金維持率が高いほど口座に余力があることを表し、低いほどロスカットのリスクが高まっていることを表します。
証拠金維持率の計算式
ここでは証拠金維持率の計算式と、有効証拠金や必要証拠金の意味について解説します。
- ・計算式
- ・有効証拠金とは
- ・必要証拠金とは
計算式
証拠金維持率は、以下の計算式で表されます。
例えば、有効証拠金（純資産）が10万円、1ドル150円で1万通貨保有（必要証拠金：150円×1万通貨×4％＝6万円）した場合、
- 10万円÷6万円×100＝166.6％
証拠金維持率は約167％となります。
有効証拠金とは
有効証拠金とは、FXの口座残高にポジションの評価損益（含み益、含み損）を加えた金額（純資産）です。
含み益が増えると有効証拠金が増え、含み損が増えると有効証拠金は減少します。
なお、含み損が増えると余剰証拠金（有効証拠金から必要証拠金を引いた金額）の割合が減り、証拠金維持率の低下につながり、ロスカットのリスクが高まります。
必要証拠金とは
必要証拠金とは、取引に必要（建玉の保有に必要）となる金額です。
必要証拠金の計算式は、以下の通りです。
FXの必要証拠金は、為替レートや取引数量、証拠金率（レバレッジ）によって変わります。
例として、米ドル/円で必要証拠金を計算してみます。
OANDA証券では米ドル/円の証拠金率が4％（レバレッジが25倍）であるため、1ドル150円の時に1,000通貨（15万円分）の取引を行う場合の計算式は、以下の通りです。
- 150円×1,000通貨×4％=6,000円
必要証拠金は6,000円となり、この金額が1,000通貨（15万円分）の建玉保有に必要であるということです。
証拠金維持率とロスカットの関係性
ロスカットは、含み損によって有効証拠金が減少し、証拠金維持率がFX会社の定める基準値を下回った場合に、自動的にポジションを清算する仕組みです。FX取引の際には証拠金維持率の変化を把握し、ロスカットの可能性が高まらないように注意することが重要です。
証拠金維持率が低い場合は、口座に資金を追加することで（有効証拠金を増やすことで）、維持率を高めることができます。
また、ポジションを保有する際には、証拠金維持率が低くならないように、取引数量を調整することが重要です。
以下では、OANDA証券のロスカットルールについて解説します。
- ・ロスカットルール（OANDA証券の場合）
- ・ロスカットシミュレーション（OANDA証券の場合）
ロスカットルール（OANDA証券の場合）
OANDA証券のロスカットルールはサーバーによって異なり、以下のように設定されています。
| サーバー | ロスカット発動条件（個人・法人共通） |
|---|---|
| FX 東京サーバー | 証拠金維持率が100%以下となった場合 |
| ニューヨーク（NY）サーバー | 証拠金清算割合（%）が100%以上となった場合 |
※証拠金清算割合（％）＝必要証拠金÷有効証拠金
ロスカットシミュレーション（OANDA証券の場合）
OANDA証券が提供する「証拠金・損益シミュレーション」では、ロスカット水準（レート）を自動で算出できます。
口座資産や通貨ペア、取引数量など必要事項を入力するだけで簡単に利用可能です。
例えば、口座資産が10万円で米ドル/円を1,000通貨取引した場合では、下記のような結果となります（1ドル150円の時）。
証拠金維持率に関するQ&A
証拠金維持率に関してよくある質問は、以下の通りです。
- ・証拠金維持率は何パーセントを目安にすればいいですか？
- ・証拠金維持率が1000％の場合レバレッジは何倍ですか？
- ・証拠金維持率はどこで確認できますか？
証拠金維持率は何パーセントを目安にすればいいですか？
証拠金維持率に関して、こうすれば安心だという明確な目安や基準はありません。
個人ごとの取引スタイルや、リスクの許容額に合わせた目安を選定していくことが重要です。
逆に、証拠金維持率が100％に近い水準は、何かしらの対策が必要だと考えられる目安です。
証拠金維持率が1000％の場合レバレッジは何倍ですか？
証拠金維持率が1000％の場合、レバレッジは2.5倍です。
証拠金維持率ごとのレバレッジを一覧にすると、以下の通りです。
| 証拠金維持率 | レバレッジ |
|---|---|
| 100％ | 25倍 |
| 200％ | 12.5倍 |
| 500％ | 5倍 |
| 1,000％ | 2.5倍 |
| 1,250％ | 2倍 |
| 2,500％ | 1倍 |
証拠金維持率はどこで確認できますか？
MT4（Meta Trader4）の場合、証拠金維持率は画面左下の「ターミナル」の欄で確認できます。
出典：MT4
オレンジ部分を拡大すると、下図の通りです。
出典：MT4
右下の赤枠部分に証拠金維持率が表示されています。
この証拠金維持率の数値は、リアルタイムで細かく変動します。
MT5（メタトレーダー5）もMT4と同じく、画面左下に証拠金維持率が表示されます。
出典：MT5
MT5ではこの左下部分は「ターミナル」ではなく「ツールボックス」という名称です。
出典：MT5
ツールボックスを拡大すると上図の通りです。
赤枠の部分に証拠金維持率が表示されています。
【まとめ】FXの証拠金維持率とは｜目安・計算方法・ロスカットとの関係性などをわかりやすく解説
FXの証拠金維持率とは、取引に必要な証拠金（必要証拠金）に対する、純資産（有効証拠金）の割合を指し、以下の計算式で求めることが可能です。
- 証拠金維持率=有効証拠金÷必要証拠金×100
有効証拠金は、FXの口座残高に未実現の損益を加えた金額、必要証拠金は取引に必要（建玉の保有に必要）となる金額を意味します。
含み損の拡大によって証拠金維持率が一定の水準以下になると、ロスカットが執行されます。ロスカットの基準となる証拠金維持率の値は、FX会社によって異なります。
トレードの際には証拠金維持率の変化をチェックしておくことが、資産を守る意味でも大切です。
証拠金維持率も含め、FX初心者の方が知るべき基礎知識は、以下のコンテンツでわかりやすく解説しています。
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