【2024年前半】豪ドル円(AUD/JPY)の今後の見通し・予想|100円を目指すか?
豪ドル(AUD)は、オーストラリア連邦(以下、オーストラリア)の通貨です。
オーストラリアは、世界有数の鉱産物や農産物の輸出国であり、中国や日本などアジア諸国との貿易を主としています。
2023年12月現在、豪ドル円の価格推移は以下の通りです。
(出典:TradingView)
長期的な方向性としては、2020年から上昇トレンドが発生していると分析できます。
そのような中、2023年1月は約88円で推移していたところから、11か月間で更に9円の上昇を見せました。
これにより、
- ● このまま価格は上昇し、2024年は100円を目指すのか?
- ● 買われすぎているため、調整局面(下落)を迎えるのか?
など、豪ドル円の今後の値動きは、様々な予測を立てられます。
豪ドルを取引する投資家たちは、どのような投資戦略を立てていけば良いのか迷う方も多いでしょう。
本記事では、2024年前半の豪ドル円予想や今後の見通しなどについて詳しく解説します。
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投資戦略を決める上での、ご参考としてください。
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目次
- 1.豪ドル円(AUD/JPY)のリアルタイムチャート
- 2.【2024年前半】豪ドル円(AUD/JPY)の予想・見通し
- 3.豪ドル円(AUD/JPY)の5つの価格変動要因
- 4.豪ドル円(AUD/JPY)の価格推移【2003年~2023年】
- 5.豪ドル円のFX取引にOANDA証券が選ばれる3つの理由
- 6.まとめ
1.豪ドル円(AUD/JPY)のリアルタイムチャート
2008年頃の豪ドルは、政策金利が約7%まで上昇していたこともあり、高金利通貨の代表格でした。
しかし、リーマンショックの影響で金利が引き下げられ、それ以降は高金利通貨としての魅力が薄れてしまいました。
とは言え、オーストラリアは主要な先進国であり、政治や経済面での不安要素があまりなく、投資先として比較的リスクの少ない通貨です。
また豪ドルは、輸出割合がトップの中国やコモディティ市場の影響を受けやすい傾向もあるnode 、そのあたりにも注視しておくと良いでしょう。
2.【2024年前半】豪ドル円(AUD/JPY)の予想・見通し
2024年前半の豪ドル円見通しを解説する前に、2023年はどのような相場だったのかをざっと振り返りましょう。
2023年の豪ドル円振り返り
2023年の豪ドル円相場は、年間を通して上昇トレンドが発生していたことが分かります。
以下は、豪ドル円日足チャートです。
2023年1月時点では、約88円で推移していましたが、2023年11月には今年最高値となる約98円に到達しました。
この上昇の背景には、豪ドルと日本円の金利差が拡大したことが挙げられます。
以下は、オーストラリアと日本の政策金利を比較したチャートです。
RBAの政策金利は上昇しているのに対して、日銀政策金利は据え置きのままというのが分かります。
日豪の金利差拡大の理由は、コロナショック(2020年に発生)やロシアウクライナ問題(2022年に発生)の影響により、世界的なインフレが発生したことによるものです。
インフレを抑えるべく、日本以外の世界各国ではハイペースな金融引き締め(利上げ)を実施。
その結果、日本と世界各国の金利差が拡大し、大幅な円安が発生しました。
そのため、2024年の豪ドル円を予想する上で、インフレ対策によるRBAの金融政策動向が大きなカギを握っていると言えるでしょう。
2024年の豪ドル円予想・見通し
2023年の相場を振り返ったところで、2024年の豪ドル円予想・見通しについて解説します。
まずは、以下のチャートを御覧ください。
最新(2023年12月5日発表)のRBA政策金利では、市場予想通りで前回(2023年11月7日発表)と同じ4.35%と据え置きを決定しました。
これにより市場では、2024年に利上げ打ち止め観測が高まっています。
声明文では、以下の内容に言及しています。
- ● インフレ率を目標に戻すという断固とした決意に変わりはなく、必要なことを行っていく
- ● インフレ率を妥当な期間内に目標に戻す追加引き締めが必要かは、引き続き経済データとリスク評価の進展次第
- ● 見通しには依然として大きな不確実性が残っている
- ● 海外でのサービス価格インフレは持続的であり、豪州でも同じことが起こり得る
- ● 中国経済の見通しや海外の紛争の影響に関しては、依然として高いレベルの不確実性が存在している
- ● 全体として、インフレ期待は引き続きインフレ目標と一致
- ● 基礎インフレは8月の予測時よりも高く、サービス分野が広範囲にわたって高い
- ● 労働市場の状況は緩和されているが、依然としてタイト
- ● 住宅価格は全国的に上昇を続けている
一方でRBAは、重要経済指標の結果次第では、利上げに対する積極的な姿勢を見せていることも事実です。
インフレ動向の見通しについては不確実性とし、その理由として中国経済の懸念や海外の紛争などを挙げています。
今後、CPI(消費者物価指数)やGDP(国内総生産)などの数値がオーストラリアが予想する数値とかけ離れる結果となれば、更なる利上げをする可能性も考えられます。
そうなれば、豪ドル円は再び100円を目指す可能性もあるでしょう。
市場では利上げ終了の期待も高まっているだけに、2024年もインフレ動向やRBAの政策金利動向などに注視していく必要があります。
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3.豪ドル円(AUD/JPY)の5つの価格変動要因
豪ドル円の価格変動要因は、主に以下の5つです。
- 1. RBA(オーストラリア準備銀行)の政策金利
- 2. 中国経済の影響
- 3. コモディティ市場(商品)の影響
- 4. 豪米国債利回り差との相関関係
- 5. 豪ドル円の取引量は国内で第3位
それぞれ詳しく見ていきましょう。
RBA(オーストラリア準備銀行)の政策金利
豪ドルの大きな変動要因は、RBA(オーストラリア準備銀行)による政策金利動向です。
為替相場は、金利の高い通貨が買われ、金利の低い通貨が売られる傾向にあります。
なぜならば、低金利通貨を保有するよりも高金利通貨を保有していた方が、利息による収入がより多く期待できるからです。
たとえば、豪ドルの金利が10%、日本円の金利が0%とします。
1年間100万円を運用すると、豪ドルは110万円に増えますが、日本円は100万円のままです。
ほとんどの方は、豪ドルで運用をしたいと考えるでしょう。
金利差の拡大が続けば、更に豪ドルへ資金が集まりやすくなります。
日本円を売って豪ドルを買うという行為が増え、その結果、2023年のような豪ドル高円安が発生するのです。
2024年のRBA政策金利会合の日程
2024年のRBA政策金利会合の日程は、以下の通りです。
2024年の開催日程 |
---|
2月5日~6日 |
3月18日~19日 |
5月6日~7日 |
6月17日~18日 |
8月5日~6日 |
9月23日~24日 |
11月4日~5日 |
12月9日~10日 |
>RBAの公式サイトはこちら(2024年度の日程ページに飛びます)
また、RBAが政策金利を決定する上で、以下のデータを参考にすることもあるので、必ず押さえておきましょう。
経済指標 | 概要 |
---|---|
GDP (豪州国内総生産) |
国の経済状況を表す重要な指標 |
CPI (消費者物価指数) |
インフレ動向を把握するのに注目される経済指標 > CPIの詳細についてはこちら |
豪州雇用統計 | 雇用状況を把握し景気を測るのに重要な指標 |
各経済指標の発表スケジュールや結果などは、以下のページからご確認ください。
>経済指標カレンダーはこちら
中国経済の影響
オーストラリアの輸出・輸入割合は中国がトップであり、経済面において深い結びつきがあります。
以下は、豪ドル円と香港ハンセン指数(HSI)の値動きを比較したチャートです。
2005年~2022年にかけては高い相関性が確認でき、オーストラリアと中国の経済関係に強い結びつきがあることが分かります。
しかしその後は、相関性が薄れてしまっていることも事実です。
これは、新型コロナウイルスの影響によって、オーストラリアが中国に起源調査の要求を行ったことが、外交関係の悪化に繋がったとされます。
ただ2023年末時点では、関税に関する様々な問題も解消されつつあり、両国の外交問題も以前のように良好な関係に戻りつつあるようです。
いずれにせよ、オーストラリアと深い結びつきがある中国経済の動向は把握する必要があります。
中国の経済動向を把握する上で、以下の経済指標は必ず押さえておきましょう。
経済指標 | 概要 |
---|---|
GDP (中国国内総生産) |
国の経済状況を表す重要な指標 |
政策金利 | 金利動向を表す指標 |
中国鉱工業生産 | 鉱業や製造業の動向を把握する指標 |
PMI (製造業購買担当者景気指数) |
中国国家統計局が発表する景気指数で、企業側から見た景気を表す指標 |
各経済指標の発表スケジュールや結果などは、以下のページからご確認ください。
>経済指標カレンダーはこちら
コモディティ市場(商品)の影響
オーストラリアは、鉄鉱石・石炭などの鉱物資源やエネルギーを豊富に有する資源国家です。
全輸出の過半数以上が鉱物資源やエネルギーで占められており、コモディティ市場との相関関係も見られます。
以下は、豪ドル円とコモディティ(原油・鉄鉱石)の値動きを比較したチャートです。
鉄鉱石や原油が上昇すると、豪ドル円も上昇しており相関関係が見られます。
資源の価値が上昇すれば豪ドルにも追い風となるので、コモディティ市場にも注目しておくと良いでしょう。
豪米国債利回り差との相関関係
為替相場は金利差によって大きく影響されるので、豪米国債利回り差も確認しておくと良いでしょう。
以下は、豪ドル円と豪米国債利回り差の値動きを比較したチャートです。
大まかな方向性はあっており、相関性があると見られます。
TradingView(トレーディングビュー)では、豪10年債利回り-米10年債利回りの差を行うことで、チャート上に豪米国債利回り差を表示させることが可能です。
>TradingView(トレーディングビュー)で国債利回り差を表示する方法はこちら
豪ドル円の取引量は国内で第3位
豪ドル円は、日本国内で第3位の取引量を誇ります。
一般社団法人金融先物取引業協会が公開する店頭外国為替証拠金取引月次出来高の通貨ペア取引金額(2023年11月時点)では、ドル円・ポンド円に次いで豪ドル円が第3位となっています。
取引量が多いのは、値動きが安定しやすく初心者の方でも取引しやすい通貨ペアです。
4.豪ドル円(AUD/JPY)の価格推移【2003年~2023年】
2003年~2023年の過去20年間、豪ドル円はどのような要因によって推移してきたのか、以下で詳しく見ていきましょう。
【2007年~2008年】
サブプライムローン問題・リーマンショック
2007年に発生したサブプライムローン問題がきっかけで、2008年にリーマンショックが発生。
世界各国の通貨が暴落するほどの、影響を見せました。
これにより、約101円(2008年7月時点)で推移していた豪ドル円ですが、約57円(2009年1月時点)まで下落してしまいます。
【2015年】
チャイナショック
2015年には、中国の景気減速によるチャイナショックが発生。
2000年代に入り、中国政府の煽りによって個人投資家から信用買いを集め急激に成長した中国経済ですが、ひとたび下落に転じると歯止めが利かなくなりバブルが崩壊しました。
これにより、約94円(2015年6月時点)で推移していた豪ドル円ですが、約76円(2016年6月時点)まで下落してしまいます。
【2018年】
米中貿易摩擦
2018年には、米国と中国の貿易をめぐるトラブルによる米中貿易摩擦が発生。
トランプ大統領が中国製品の関税を大幅に引き上げる政策を行ったことにより、両国が報復関税をかけあう事態へと発展しました。
これにより、約88円(2018年1月時点)で推移していた豪ドル円ですが、約65円(2020年3月時点)まで下落してしまいます。
【2020年~2022年】
コロナショック・ロシアウクライナ問題
2020年にはコロナショック、2022年にはロシアウクライナ問題が発生。
これらの影響により、全世界のサプライチェーンに混乱を招き、世界各国で大規模なインフレが発生しました。
これにより、約65円(2020年3月時点)で推移していた豪ドル円ですが、約98円(2023年11月時点)まで上昇しています。
5.豪ドル円のFX取引にOANDA証券が選ばれる3つの理由
OANDA証券では、お客様のFX取引をサポートするチャートや取引ツールを豊富に提供しています。
代表的な以下3つのサービスについて、詳しく見ていきましょう。
少額から取引を始められる
OANDA証券では、初心者の方でも取引を始めやすいよう1通貨から取引を行えます。
たとえば1豪ドル95円とした場合、約4円から取引を始めることが可能です。
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まとめ
最後に、本記事で解説した内容についてまとめます。
- 1. 2024年もRBAの金融政策動向に注目
- 2. RBAは利上げに対して積極的な姿勢を見せている
- 3. CPIやGDPなどの経済指標動向にも注目
- 4. 2024年も利上げが続くようなら豪ドル円は100円を目指す可能性もある
インフレやRBAの政策金利動向などファンダメンタルズ分析を中心に見通しを解説しましたが、豪ドル円の投資戦略を立てる上で、エントリータイミングやどこに損切りを設定するのかなどのテクニカル分析も必要です。
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