「Buy Dip Sell Rip Strategy」とは?バックテスト結果や使う際の注意点
この記事では、TradingViewのコミュニティスクリプトに投稿された「Buy Dip Sell Rip Strategy」(制作者名:jwammo12)について紹介します。
1.ロジック概要
このストラテジーは、ボリンジャーバンドと2本のSMA(単純移動平均線)を用いて取引します。
ロングのエントリー条件は、終値が長期SMAよりも大きく、短期SMAよりも小さい状態で、終値がボリンジャーバンドのロワーバンドを下から上に抜けることです。
長期SMAで長期的な上昇トレンドを確認しつつ、短期SMAとボリンジャーバンドを使って価格下落から上昇への押し目を狙ってエントリーしています。
ポジション保有後、終値が長期SMAよりも小さくなるか、または、短期SMAよりも大きくなると、決済します。
ショートのエントリー条件は、終値が長期SMAよりも小さく短期SMAよりも大きい状態で、終値がボリンジャーバンドのアッパーバンドを下から上に抜けることです。
ロングのエントリー条件の逆ならば、終値がアッパーバンドを上から下に抜けるとすべきですが、下から上に抜ける条件となっています。
ポジション保有後、終値が長期SMAよりも大きくなるか、または、短期SMAよりも小さくなると、決済します。
2.ストラテジーテスター
ユーザーが設定可能なパラメーターは4種類です。
各パラメーターは一般的な数字と異なっており、ストラテジー制作者の工夫が見られます。
パラメーター設定
期間 | 15(ボリンジャーバンドの計算期間) |
標準偏差 | 1.25(標準偏差を何倍にするか) |
LongMAPeriod | 300(長期SMAの計算期間) |
ShortMAPeriod | 20(短期SMAの計算期間) |
プロパティ初期設定
初期資金 | 100,000(ストラテジーで取引可能な初期資金) |
基準通貨 | デフォルト(ストラテジーの計算や結果に使われる通貨) |
発注サイズ | 1取引(取引ごとの枚数) |
ピラミッディング | 1注文(同じ方向に連続してエントリーできる最大数) |
S&P500 日足
S&P500の日足チャートでバックテストしたところ、おおむね右肩上がりの損益曲線になりました。
勝率は78.43%、プロフィットファクターは1.398であり、良好な数値になっています。
ユーロ/円 日足
ユーロ円の日足チャートでも右肩上がりになりました。
勝率は71.43%、プロフィットファクターは1.913です。
プロフィットファクターは適正値とされる1.2~1.5くらいよりもやや大きくなっています。
バックテスト総括
上の2つのバックテストでは、いずれも良好な成績になりました。
とはいえ、S&P500の日足チャートでは直近の成績がやや不安定であり、パラメーターを修正して損益グラフをなだらかにできる可能性があります。
3.注意すべきポイント
- ・エントリー後にレートが逆行した場合、損切りまで時間がかかるケースが見られる
- ・レンジ相場では損切りになる傾向がある
- ・ショートのエントリー条件は、ロングの条件を反転したものではない
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