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TradingViewのコミュニティスクリプト「BOLLY Bands」のロジック概要や注意点を解説


この記事では、TradingViewのコミュニティスクリプトに投稿された「BOLLY Bands」(制作者名:bya5077)について紹介します。

1.ロジック概要

このストラテジーはボリンジャーバンドを使い、1分足チャートなどでスキャルピングをするのが特徴です。
ボラティリティが小さくなってから大きくなると、ボリンジャーバンドは独特の形状を示します。
この動きを捉えることを意図しており、ボラティリティが小さいときにエントリーして、その後のボラティリティ拡大で大きな利幅を狙います。

標準偏差が0.00025よりも小さいときに、終値がボリンジャーバンドのロワーバンドを下回るとロングでエントリーします。
そして、300pipsの含み益または100pipsの含み損で決済します(1pip=0.00001)。
また、このストラテジーはトレーリングストップを採用しています。
含み益が70pipsに到達するとトレーリングストップが稼働し、最大の含み益時点から見て含み益が30pips減少すると決済します。
ショートは、ロングの条件の逆です。

なお、このストラテジーはピラミッディングを採用しており、最大ポジション数は4です。

2.ストラテジーテスター

ユーザーが設定可能なパラメーターは14種類あります。
ボリンジャーバンドで使用する移動平均線の計算期間や、ローソク足の値で工夫が見られます。
また、取引ロット計算でパラメーターを複数使用しており、資金管理を重視していることが分かります。
「Use Position Sizing?」をオフにすると、取引ロット数は1に固定されます。

なお、想定利幅が大きいのも特徴です。
通常はトレーリングストップで決済しつつ、相場が一方向に極端に動く場合は利幅を大きくしたい意図が見えます。
ここでは1pip=0.00001となっており、利用環境に合わせたパラメーター設定が必要です。

パラメーター設定

 
length 22(移動平均線の計算期間)
Source ohlc4(ボリンジャーバンドの計算で使用するローソク足の値。
4本値の平均値。)
StdDev 2(標準偏差を何倍にするか)
Offset 0(ボリンジャーバンドを左右にずらす)
ATR Length 10(ATRの計算期間。
ポジションサイズの計算時に使用)
Stop Offset Multiple 2(ポジションサイズの計算時に使用)
Use Position Sizing? オン(ポジションサイズの計算をするか)
Max Position Risk % 2(ポジションサイズの計算時に使用)
Max Position Exposure % 10(ポジションサイズの計算時に使用)
Margin % 10(ポジションサイズの計算時に使用)
Take Profit (PIPs) 300(想定利益[pips])
Stop Loss (PIPs) 100(想定損失[pips])
Trail Points 70(トレーリングストップを稼働する含み益)
Trail Offset 30(トレーリングストップ稼働後に決済するドローダウン幅)

プロパティ初期設定

 
初期資金 100,000(ストラテジーで取引可能な初期資金)
基準通貨 デフォルト(ストラテジーの計算や結果に使われる通貨)
発注サイズ 1取引(取引ごとの枚数)
ピラミッディング 4注文(同じ方向に連続してエントリーできる最大数)

ユーロ/米ドル 1分足

ユーロ/米ドル 1分足

このストラテジー制作者は、ユーロ/米ドルの1分足でのスキャルピングを意図しています。
そこで、ユーロ/米ドル1分足でバックテストしたところ、成績はマイナスでした。
直近部分で成績を大きく悪化させていることが分かります。
勝率は59.84%、プロフィットファクターは0.455でした。

ユーロ/米ドル 5分足

ユーロ/米ドル 5分足

ユーロ/米ドルの5分足でバックテストしたところ、ドローダウンの小さい右肩上がりの損益グラフになりました。
勝率は80.99%、プロフィットファクターは3.397でした。

バックテスト総括

ストラテジー制作者が意図した1分足の成績は不調でしたが、5分足は好成績でした。
ストラテジー制作時は1分足で期待通りに機能しており、相場状況に応じて時間足を選択する必要がありそうです。
また、パラメーターを変更することにより、成績が安定する可能性があります。

3.注意すべきポイント

  • ・短期足でのトレード専用である
  • ・相場環境に応じて時間足の変更が必要と見込まれる
  • ・ピラミッディングを採用しているため、複数のポジションを同時に保有する

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