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TradingViewのコミュニティスクリプト「Buy&Sell Strategy depends on AO+Stoch+RSI+ATR by SerdarYILMAZ」のロジック概要や注意点を解説


この記事では、TradingViewのコミュニティスクリプトに投稿された「Buy&Sell Strategy depends on AO+Stoch+RSI+ATR by SerdarYILMAZ」(制作者名:SerdarYILMAZ)について紹介します。
なお、このストラテジーはユーザー評価値を示すブースト数が7,000を超えており、人気を集めています。

1.ロジック概要

このストラテジーは、トレンド系インジケーターのSMA、オシレーター系インジケーターのストキャスティクスとRSI、そしてボラティリティの大きさを測るATRの4つを組み合わせています

ロングのエントリー条件は、ストキャスティクスの%D(%K Smoothing)が20未満かつRSIが30未満の状態で、「最新足の短期SMAと長期SMAの差」と「1つ前の足の短期SMAと長期SMAの差」を比較して最新足の数字の方が大きくなることです。

一般的に、短期SMAと長期SMAの位置関係でエントリー機会を探す場合、ゴールデンクロスをシグナルとします。
しかし、このストラテジーではゴールデンクロスに先駆けてエントリーして上昇トレンドを最初期で捉えたいという意図を持っています。

そして、決済位置の決定にはATRを使用します。
為替レートが「最新足の終値+ATR」に到達すると利食い、または「最新足の安値-ATR」に到達すると損切りします。
この方法により、ボラティリティの大きさに合わせて決済位置を自動的に対応させています。

ショートのエントリー条件は、ロングの逆です。
ストキャスティクスの%D(%K Smoothing)が80を上回り、かつRSIが70を上回る状態で、「最新足の短期SMAと長期SMAの差」と「1つ前の足の短期SMAと長期SMAの差」を比較して最新足の数字の方が小さくなることです。

決済については、為替レートが「最新足の終値-ATR」に到達すると利食い、または「最新足の高値+ATR」に到達すると損切りします。

なお、ストラテジー開発者はストラテジーをプログラミングの勉強目的で制作しており、このストラテジーで取引すべきでない旨を明記しています。
しかし、ブースト数が多く、ユーザーから高評価を得ています。
目的は何であれ、ユーザーはストラテジーの質で判断していることが分かります。

2.ストラテジーテスター

ユーザーが設定可能なパラメーターは8種類で、4種類のインジケーター全てについてパラメーターを調整できます。
なお、パラメーター「smooth」については、値を入力可能ですが本ストラテジーで使用しません。

パラメーター設定

 
Fast Length 5(短期SMAの計算期間)
Slow Length 34(長期SMAの計算期間)
K 14(%Kの計算期間)
D 3(%D[%K Smoothing]の計算期間)
smooth 3(Slow%D[%D Smoothing]の計算期間)
rsi source close(終値:RSIの計算で使用する値)
rsi length 10(RSIの計算期間)
ATR Length 14(ATRの計算期間)

プロパティ初期設定

 
初期資金 100,000(ストラテジーで取引可能な初期資金)
基準通貨 デフォルト(ストラテジーの計算や結果に使われる通貨)
発注サイズ 1取引(取引ごとの枚数)
ピラミッディング 1注文(同じ方向に連続してエントリーできる最大数)

ポンド/円 4時間足

ポンド/円 4時間足

ポンド/円の4時間足のバックテスト結果は、おおむね右肩上がりです。
勝率は73.08%と高く、プロフィットファクターは1.54です。

シルバー/米ドル 4時間足

シルバー/米ドル 4時間足

バックテスト初期にマイナスになりましたが、その後は右肩上がりを描きました。
勝率は71.88%とこちらも高く、プロフィットファクターは2.015でした。

バックテスト総括

このストラテジーはトレンドの最初期を捉えてエントリーするので、レンジ相場では損切りが続く可能性があります。
トレンドが出やすい通貨ペアでパラメーターを調整すると、さらに成績の向上が見込めます。

3.注意すべきポイント

  • ・レンジ相場で損切りを繰り返す可能性がある
  • ・ゴールデンクロスやデッドクロスを待たずにエントリーするので、上昇トレンドでのショートや下落トレンドでのロングをしやすくなる可能性がある
  • ・利小損大になりやすい可能性がある

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