TradingViewのコミュニティスクリプト「Stochastic + RSI, Double Strategy (by ChartArt)」のロジック概要や注意点を解説
この記事では、TradingViewのコミュニティスクリプトに投稿された「Stochastic + RSI, Double Strategy (by ChartArt)」(制作者名:ChartArt)について紹介します。
このストラテジーは、ユーザー評価値を示すブースト数が5,000を超えており(2023年5月時点)、人気を集めています。
1.ロジック概要
オシレーター系インジケーターのストキャスティクスとRSIを組み合わせたストラテジーです。
インジケーターが2つとも買いを示唆する場合にロング、逆に2つとも売りを示唆する場合にショートで取引します。
具体的には、ストキャスティクスの%D(%K Smoothing)が20未満の位置でSlow%D(%D Smoothing)を下から上に抜け、さらにRSIが売られすぎの水準を下から上に抜けるとロングでエントリーします。
ショートはこの逆で、ストキャスティクスの%D(%K Smoothing)が80より上の位置でSlow%D(%D Smoothing)を上から下に抜け、さらにRSIが買われすぎの水準を上から下に抜けるとエントリーします。
これらの取引をドテンで繰り返します。
ストラテジー制作者は、オシレーター系インジケーターを2つ同時に使う理由を解説していません。
しかし、2つのインジケーターが同時に条件を満たすことを強調しているので、同種のインジケーターの同時使用によりトレードの確実性を得たい意図があると推測できます。
2.ストラテジーテスター
ユーザーが設定可能なパラメーターは8種類で、ストキャスティクスとRSIのパラメーターを自由に変更できます。
パラメーター設定
lookback length of Stochastic | 14(ストキャスティクスの計算期間) |
Stochastic overbought condition | 80(ストキャスティクスの買われすぎの基準) |
Stochastic oversold condition | 20(ストキャスティクスの売られすぎの基準) |
smoothing of Stochastic %K | 3(%D(%K Smoothing)の計算期間) |
moving average of Stochastic %K | 3(Slow%D(%D Smoothing)の計算期間) |
lookback length of RSI | 14(RSIの計算期間) |
RSI overbought condition | 70(RSIの買われすぎの基準) |
RSI oversold condition | 30(RSIの売られすぎの基準) |
プロパティ初期設定
初期資金 | 1,000,000(ストラテジーで取引可能な初期資金) |
基準通貨 | デフォルト(ストラテジーの計算や結果に使われる通貨) |
発注サイズ | 1取引(取引ごとの枚数) |
ピラミッディング | 1注文(同じ方向に連続してエントリーできる最大数) |
S&P500 1時間足
ストラテジー開発者は、S&P500の1時間足で良好な成績だったと解説しています。
そこでS&P500の1時間足チャートでバックテストしたところ、最初にマイナスに落ち込んだ後は右肩上がりの成績になりました。
このストラテジーの公開は2015年10月であり、年数が経過しても有効に機能する可能性を示しています。
なお、勝率は58.82%、プロフィットファクターは1.577でした。
ポンド/円 1時間足
ポンド/円の1時間足チャートでバックテストしたところ、最初にマイナスに沈んだものの、その後は順調に右肩上がりとなりました。
勝率は77.14%、プロフィットファクターは2.775で、好成績でした。
バックテスト総括
このストラテジーの公開は2015年と古いものの、おおむね右肩上がりの結果となりました。
パラメーターを調整することで、S&P500などでも好成績を出せる可能性があります。
3.注意すべきポイント
- ・ドテンを繰り返すため、常にポジションを保有する
- ・買いポジションを持った直後に下落トレンドへ転じて売りシグナルが出ない場合、含み損が大きくなる可能性がある
- ・逆も同様で、売りポジションを持った直後に上昇トレンドへ転じて買いシグナルが出ない場合、含み損が大きくなる可能性がある
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