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Pineスクリプト(Pine Script)の三項条件演算子「?:」の使い方


Pineスクリプト(Pine Script)において、条件分岐はif else文で複数行を使って記述するのが基本です。
三項条件演算子を使えば、この条件分岐をシンプルに1行で記述することができます。

Pineスクリプト(Pine Script)の「ta.change関数」の使い方について解説」で出てきました塗り分けの条件式を例に説明します。

★image1_ヒストグラムが0より大きいかどうかで色の塗り分けを行うif else文

処理の内容は、
ヒストグラムが0より大きい が真ならば 処理Aを実行(緑系の色)。
ヒストグラムが0より大きい が偽ならば 処理Bを実行(赤系の色)。

処理A,Bの中にもif else文を使用していますが、 ここでは、ヒストグラムが上昇時は明るい色、下降時は暗い色で塗り潰されるように判定しています。

これを、三項条件演算子で書き直します。
構造としては、
 判定式  処理A   処理B
です。

動作は、
判定式 が真ならば 処理Aを実行。
判定式 が偽ならば 処理Bを実行。
となり、同じ機能を表現出来ます。

書き換えたソースは以下です。

★image2_三項条件演算子で記載した場合

三項条件演算子とif else文で同じ判定ができました。
よりシンプルに短いスクリプトを書きたい場合は、三項条件演算子を使用すると良いでしょう。

ただし長い変数名などを使っている場合、式全体が見難くなる場合もあります。
if else文は書式のルールで字下げをして記述しますので、1行では書けませんが、このルールのおかげでこちらの方が見やすいことも多いです。
三項条件演算子とif else文で一覧性が高い書き方を選択すると記述ミスを減らすことができます。

次回以降も使用頻度の高い関数など説明します。

参考スクリプト シンプルバージョン

  • インジケーター名:MACD_Base
  • 機能:MACDを表示する。

//@version=5
indicator("MACD Base",overlay = false)
 
SigLength = input.int(title='Signal 期間',  defval = 9,  minval = 1)
fastMA    = input.int(title="Fast MA 期間", defval = 12, minval = 1)
slowMA    = input.int(title="Slow MA 期間", defval = 26, minval = 1)
 
[macdLine, signalLine, histLine] = ta.macd(close, fastMA, slowMA, SigLength)
 
plot(macdLine, color=color.blue)
plot(signalLine, color=color.red)
plot(histLine, color=color.orange, style=plot.style_histogram)

  • インジケーター名:MACD_UpDown
  • 機能:MACDを表示する。塗り分け機能あり。if else文バージョン

//@version=5
indicator("MACD UpDown",overlay = false)
 
SigLength = input.int(title='Signal 期間',  defval = 9,  minval = 1)
fastMA    = input.int(title="Fast MA 期間", defval = 12, minval = 1)
slowMA    = input.int(title="Slow MA 期間", defval = 26, minval = 1)
 
[macdLine, signalLine, histLine] = ta.macd(close, fastMA, slowMA, SigLength)
 
//ヒストグラム色指定 プラス側2色
his_colorUp1=color.new(color.lime, transp = 50)
his_colorUp2=color.new(color.green, transp = 50)
 
//ヒストグラム色指定 マイナス側2色
his_colorDn1=color.new(color.maroon,transp = 50)
his_colorDn2=color.new(color.red, transp = 50)
 
//ヒストグラム色初期値指定
plotColor=color.new(color.black,transp = 0)
 
//ヒストグラムを現在値と1本前の差分を計算
diff=ta.change(histLine,1)
 
if histLine>0
    if diff>0
        plotColor := his_colorUp1
    else
        plotColor := his_colorUp2
else
    if diff>0
        plotColor := his_colorDn2
    else
        plotColor := his_colorDn1
 
plot(histLine, title = "ヒストグラム", style = plot.style_histogram, color =plotColor, linewidth = 4)
 
plot(macdLine, color=color.blue)
plot(signalLine, color=color.red)

  • インジケーター名:MACD_UpDown2
  • 機能:MACDを表示する。塗り分け機能あり。三項条件演算子バージョン

//@version=5
indicator("MACD UpDown2",overlay = false)
 
SigLength = input.int(title='Signal 期間',  defval = 9,  minval = 1)
fastMA    = input.int(title="Fast MA 期間", defval = 12, minval = 1)
slowMA    = input.int(title="Slow MA 期間", defval = 26, minval = 1)
 
[macdLine, signalLine, histLine] = ta.macd(close, fastMA, slowMA, SigLength)
 
//ヒストグラム色指定 プラス側2色
his_colorUp1=color.new(color.lime, transp = 50)
his_colorUp2=color.new(color.green, transp = 50)
 
//ヒストグラム色指定 マイナス側2色
his_colorDn1=color.new(color.maroon,transp = 50)
his_colorDn2=color.new(color.red, transp = 50)
 
 
//ヒストグラムを現在値と1本前の差分を計算
diff=ta.change(histLine,1)
 
plotColor = histLine > 0 ? diff > 0 ?  his_colorUp1 : his_colorUp2 : diff > 0 ?  his_colorDn2 : his_colorDn1
 
 
plot(histLine, title = "ヒストグラム", style = plot.style_histogram, color =plotColor, linewidth = 4)
 
plot(macdLine, color=color.blue)
plot(signalLine, color=color.red)

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