週末の米経済指標でドル失速 今週は米国消費者物価指数に注目 OANDAラボ-マーケット最新情報(2023年1月9日)
先週のFX市場の動き
先週のFX市場は豪ドルやカナダドルが強い動きとなったのに対し、円やユーロ、スイスフランが比較的弱い動きとなりました。
米ドルは底堅い動きが続きましたが、金曜日の米国経済指標の結果を受けて失速しています。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】【直近1ヶ月の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
直近1ヶ月の通貨強弱チャートを見ると、12月下旬から円が強いのに対し、ポンドやNZドルが弱い状態が続いています。
【先週のFXの主要28通貨ペアの騰落率ランキング】
主要通貨ペアの相関性分析
先週のドルストレートの相関性を見ると、過去数週に比べると、全体的に相関は低く、先週のFX市場は米ドル中心の動きではなかったのが確認できます。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
ドル円、クロス円の通貨ペアの相関性は全体的に相関性が高く、円は他の主要通貨に対して、近い動きであったのが確認できます。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
ユーロを含む主要な通貨ペアの相関性は、全体的に相関が低く、ユーロ中心の相場ではなかったようです。
【先週のユーロを含む主要な通貨ペアの相関性】
先週の株価指数CFDの動き
米国市場
先週の米国の株価指数CFDは上値は重いものの、底も固く、週末にかけて少し上昇しました。
欧州市場
欧州の株価指数CFDは全体的に底堅い動きが続きました。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数CFDは引き続き中国や香港の株価指数が底堅いのに対し、日本株は伸び悩む動きが続いています。
【株価指数CFDの騰落率ランキング】
最新の騰落率ランキングはこちら先週の商品CFDの動き
先週の商品CFDは金や銅は比較的強い動きとなりましたが、原油や天然ガスが弱い動きとなりました。
【商品CFDの騰落率ランキング】
最新の騰落率ランキングはこちら米国債利回りの推移
【残存期限別の米国債利回りの推移】
米国債利回りは、中長期のものを中心に低下しています。
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】
直近5週の金曜日のイールドカーブの比較を見ると、長期債利回りが全体的に下方シフトし、短期債利回りが長期国債利回りを上回る「逆イールド」状態が続いています。
【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
Fedwatchツール
【直近5営業日のFedWatchToolにおける次回FOMC会合後の政策金利予測の推移】
CMEグループが公表するFedWatchToolでは、次回(2023年1月開催)のFOMCに関して、引き続き25bp利上げとの見方が中心のようです。
出所:CMEグループFedWatchToolにおける次回FOMC会合時の政策金利予測の推移
OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は、底堅い推移が続きましたが、週末の米国経済指標の結果を受けて下落し、132円台前半で週末を迎えています。
OANDAのオープンポジションを見ると、直近の下押しで含み損を抱えた買いポジションが増えており、反発した水準では利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると損切りの売りが増え、上値の重い動きとなる可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、下落基調が続く中、比較的大きな反発後の下押しということで、下押しの際は直近のサポート水準を守れるか、再度高値を探る場面では、直近のレジスタンス水準である134円台中盤をしっかりと上抜けることができるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の通貨先物市場の円の投機筋のポジションは円売りポジションの比率が少し増加しています。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2023/1/3)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週のユーロドルは上値の重い推移が続きましたが、週末には反発し、1.06台中盤まで盛り返しています。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは比較的少ない中、直近の反発で苦しくなった売りポジションが増えており、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる場面では損切りの買いが増え、底堅い動きとなる可能性を見出すことはできそうです。
4時間足チャートを見ると、高値、安値を切り下げる動きに転じた後、再度、直近の高値を切り上げる動きに転じており、流れが変わる兆しが出始めています。
下押しの際は直近の安値水準を守れるか、上値を探る場面では高値をしっかりと切り上げることができるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【EUR/USDの4時間足チャート】表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の通貨先物市場の投機筋のユーロのポジションは前週に比べ、ユーロ買いのポジション比率が少し低下しています。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2023/1/3)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは、上値の重い動きが続きましたが週末には1.21に迫る水準まで反発し週末を迎えています。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、直近のレンジの高値圏で推移しているため、含み損を抱えた売りポジションが増えています。
このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことはできそうです。
4時間足チャートを見ると、上値の重い推移が続きましたが、直近では経済指標発表後の動きではありますが、比較的大きな反発となった後ということで、流れが変わる可能性も視野に入れつつ、方向感を探っていきたいです。
下押しの際は直近のサポート水準を守れるか、上値を探る場面では直近の高値水準を切り上げていくことができるか等に注目しながら、流れが変わるかを見守りたいです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週の火曜日時点の通貨先物市場の投機筋のポンドのポジションはポンド売りのポジション比率が少し増加しました。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2023/1/3】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは、0.67台から0.69に迫る水準で上下に振れる動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、直近のレンジの高値圏で推移しているため、含み損を抱えた売りポジションが増えています。
このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い推移となる可能性を見出すことはできそうです。
4時間足チャートを見ると、ジリジリと安値、高値を切り上げる動きが続いています。下押しの際は安値を結んだラインや直近のサポート水準を守れるか、上値を探る場面では高値を切り上げることができるか等に注目しながら、緩やかな上昇基調が続くかを見守りたいです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の通貨先物市場の投機筋のポジションは売りポジション比率の減少傾向が続いています。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2023/1/3)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は3800から3900を中心とした小動きが続きました。
OANDAのオープンポジションを見ると、小動きが続いているため、直近のレンジで構築されたポジションが増えています。
このため、レンジをしっかり抜け出すと、苦しくなった方のポジションの損切りが増え、短期的にでも方向感が出てくる可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると下落基調が一段落し、3800-3900付近のレンジでの推移が続いています。まずはこのレンジを上下いずれに抜け出すかに注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の投機筋のS&P500E-miniのポジションは売りポジション比率が僅かに減少となりました。
【投機筋の先物市場のS&P500 E-miniのポジションの推移(最終更新日2023/1/3)】
今週の注目材料
今週は米国で消費者物価指数の発表に注目が集まりそうです。
今後の米国の利上げ観測に大きな影響を与えることが想定され、発表前後は様々な銘柄に大きなインパクトを与えることが想定されるため、注意したいです。
また、本邦では全国の消費者物価指数の先行指標となる東京都区部の消費者物価指数の発表が予定されています。
高い数値となると、日銀の金融引き締めが意識される可能性もあるため、注目したい経済指標の一つです。
今週の主な経済イベント
米国
1/10 5:00 米国11月消費者信用残高
1/10 18:30 パウエルFRB議長コメント機会
1/10 24:00 米国11月卸売売上高
1/11 21:00 米国MBA住宅ローン申請件数
1/12 22:30 米国週間新規失業保険申請件数
1/12 22:30 米国12月消費者物価指数
1/13 4:00 米国12月月次財政収支
1/13 22:30 米国12月輸入物価指数
1/13 24:00 米国1月ミシガン大消費者信頼感指数
ユーロ圏
1/9 16:00 ドイツ11月鉱工業生産
1/9 16:45 フランス11月経常収支・貿易収支
1/9 19:00 ユーロ圏11月失業率
1/10 16:45 フランス11月鉱工業生産
1/13 16:45 フランス12月消費者物価指数
1/13 19:00 ユーロ圏11月貿易収支
1/13 19:00 ユーロ圏11月鉱工業生産
日本
1/10 8:30 日本11月全世帯家計調査・消費支出
1/10 8:30 日本12月東京都区部消費者物価指数
1/11 14:00 日本11月景気動向指数
1/12 8:50 日本11月国際収支
1/12 14:00 日本12月景気ウォッチャー調査
1/13 8:50 12月マネーストックM2
1/13 8:50 対外対内証券売買契約等の状況
英国
1/10 18:30 ベイリーBOE総裁コメント機会
1/13 16:00 英国11月GDP
1/13 16:00 英国11月鉱工業生産
1/13 16:00 英国11月貿易収支
オーストラリア
1/9 9:30 オーストラリア11月住宅建設許可件数
1/11 9:30 オーストラリア11月小売売上高
1/11 9:30 オーストラリア11月小売売上高
カナダ
1/9 22:30 カナダ11月住宅建設許可件数
スイス
1/9 15:45 スイス12月失業率
中国
1/12 10:30 中国12月消費者物価指数、生産者物価指数
1/13 時刻未定 中国12月貿易収支
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