日銀金融政策決定会合の結果を受けて円安、日本株は下落 今週は日銀の金融政策決定会合の主な意見に注目、また流動性低下にも要注意 OANDAラボ-マーケット最新情報(2022年12月26日)
先週のFX市場の動き
先週のFX市場は日銀金融政策決定会合の結果を受けて円が全面高となったのに対し、NZドルやポンドが軟調な推移となりました。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】【直近1ヶ月の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
直近1ヶ月の通貨強弱チャートを見ると、円が日銀の決定後、大きく上昇したのが確認できます。
【先週のFXの主要28通貨ペアの騰落率ランキング】
主要通貨ペアの相関性分析
先週のドルストレートの相関性を見ると、過去数週に比べると、全体的に相関は低く、先週のFX市場は米ドル中心の動きではなかったのが確認できます。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
ドル円、クロス円の通貨ペアの相関性は全体的に相関性が高く、円は他の主要通貨に対して、近い動きであったのが確認できます。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
ユーロを含む主要な通貨ペアの相関性は、全体的に相関が低く、ユーロ中心の相場ではなかったようです。
【先週のユーロを含む主要な通貨ペアの相関性】
先週の株価指数CFDの動き
米国市場
先週の米国の株価指数CFDは上値の重さが残りました。
欧州市場
欧州の株価指数CFDも全体的に上値の重さが残りましたが、英国の株価指数は比較的底堅い動きでした。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数CFDは中国や香港の株価指数が比較的強いのに対し、日本の株価指数の弱さが目立っています。
【株価指数CFDの騰落率ランキング】
最新の騰落率ランキングはこちら先週の商品CFDの動き
先週の商品CFDは原油は比較的強いのに対し、天然ガスが軟調な推移となりました。
【商品CFDの騰落率ランキング】
最新の騰落率ランキングはこちら米国債利回りの推移
【残存期限別の米国債利回りの推移】
米国債利回りは、短期債は概ね横ばいであったのに対し、長期債利回りは少し反発しています。
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】
直近5週の金曜日のイールドカーブの比較を見ると、長期債利回りが全体的に上昇シフトしましたが、短期債利回りが長期国債利回りを上回る「逆イールド」状態が続いています。
【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
Fedwatchツール
【直近5営業日のFedWatchToolにおける次回FOMC会合後の政策金利予測の推移】
CMEグループが公表するFedWatchToolでは、次回(2023年1月開催)のFOMCに関して、引き続き25bp利上げとの見方が中心のようです。
出所:CMEグループFedWatchToolにおける次回FOMC会合時の政策金利予測の推移
OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は、横ばい推移が続いていましたが、日銀の発表を受けて急落し、一時は130.40に迫る水準まで下押し後、132円台後半で週末を迎えています。
OANDAのオープンポジションを見ると、安値圏で推移しているため、含み損を抱えた買いポジションが多いほか、現在の水準より下で構築された買いポジションも多く、上昇した水準では利益確定売りが増え、上値を圧迫、また、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い動きとなる可能性を見出すことができそうです。
一方で反発により含み損を抱えた売りポジションも増えており、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると損切りの買いが増え、底堅さを見せる可能性を見出すこともできそうです。
いずれにせよ、大きく動いた後、また年末の流動性の低い相場であるため、読みにくい動きが続くことが想定され、悩ましいところです。
まずは現在の反発地合いがどの程度続くか、下押しの際は直近のサポート水準となる130.40付近を守れるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の通貨先物市場の円の投機筋のポジションは前週に続き、円売りポジション比率の減少傾向が続いています。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2022/12/20)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週のユーロドルは1.06付近を中心に横ばい推移が続いています。
OANDAのオープンポジションを見ると、直近のレンジである1.057-1.066付近のレンジで構築されたポジションが多く、レンジを上下のいずれかに抜ける動きとなると、苦しくなった方のポジションの損切りが増え、方向感が出てくる可能性を見出すことができそうです。
まずは、このレンジを上下いずれに抜けるかに注目しながら、短期的な方向感を探っていきたいです。
【EUR/USDの4時間足チャート】表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の通貨先物市場の投機筋のユーロのポジションは前週に比べ、ユーロ買いのポジション比率が上昇しています。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2022/12/20)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは、上値の重い動きが続きました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、安値圏で推移しているため、苦しくなった買いポジションが多い状況です。
このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移となる可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が崩れ、下落基調に転じつつあります。下押しの際は、安値を切り下げる動きとなるか、反発の際は高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、下落基調が続くかを見守りたいです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週の火曜日時点の通貨先物市場の投機筋のポンドのポジションは売りポジション比率が大きく低下し、売買の偏りが少なくなりました。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2022/12/20】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは、0.66台から0.67台で方向感の鈍い動きが続きました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、安値圏で推移しているため、買いポジションの多くが含み損を抱えている状況です。
このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移となる可能性を見出すことができそうです。
一方で下げ渋りによりストレスを抱えた売りポジションも増えており、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い動きとなる可能性を見出すこともできそうです。4時間足チャートを見ると、方向感を見出しにくい動きが続いています。直近の高値、安値やトレンドライン等に注目しながら、根気強く方向感を探っていきたいです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の通貨先物市場の投機筋のポジションは売りポジション比率の減少傾向が続いています。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2022/12/20)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は上値の重さは残るものの、3770付近では底堅く、下げ渋る動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、安値圏で推移しているため、 含み損を抱えた買いポジションが多い状況です。
このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移となる可能性を見出すことができそうです。
一方で直近の下げ渋りで含み損を抱えた売りポジションも少し増えており、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増える可能性も見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、下落基調が続いていましたが、直近では下げ渋るような動きとなっています。下押しの際は直近のサポート水準を守れるか、上値を探る場面では、高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の投機筋のS&P500E-miniのポジションは売りポジション比率が減少となりました。
【投機筋の先物市場のS&P500 E-miniのポジションの推移(最終更新日2022/12/20)】
今週の注目材料
今週は市場へのインパクトが大きい経済指標の発表予定はありませんが、28日にドル円をはじめ、金融市場に大きなインパクトを与えた日銀の12/19-20の金融政策決定会合における主な意見の発表が予定されています。今後の日銀の金融政策への思惑により、マーケットが過敏に反応する可能性に注意したいです。
また、年末にかけて市場参加者が減り、流動性が低下し、値動きが荒くなったり、スプレッドが拡大する等、市場が不安定になることが想定されるので、お取引を行う際は十分にご注意ください。
今週の主な経済イベント
米国
12/27 22:30 米国11月卸売在庫
12/27 23:00 米国10月FHFA住宅価格指数
12/27 23:00 米国10月ケース・シラー住宅価格指数
12/28 21:00 米国MBA住宅ローン申請件数
12/28 24:00 米国12月リッチモンド連銀製造業指数
12/28 24:00 米国11月住宅販売保留件数
12/28 24:00 米国12月リッチモンド連銀製造業指数
12/29 22:30 米国週間新規失業保険申請件数
12/30 23:45 米国12月シカゴPMI
日本
12/26 8:50 日本11月企業向けサービス価格指数
12/27 8:30 日本11月失業率・有効求人倍率
12/27 8:50 日本11月小売業販売額
12/27 14:00 日本11月新設住宅着工戸数
12/28 8:50 金融政策決定会合における主な意見(12月19・20日分)
12/28 8:50 日本11月鉱工業生産(速報値)
12/30 19:00 外国為替平衡操作の実施状況
英国
12/30 16:00 英国12月ネーションワイド住宅価格
スイス
12/30 17:00 スイス12月KOF景気先行指数
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