ユーロ、米ドルが堅調、株価指数は軟調な推移 今週は日銀金融政策決定会合、クリスマスシーズンの流動性低下に注意 OANDAラボ-マーケット最新情報(2022年12月19日)
先週のFX市場の動き
先週のFX市場はユーロ、米ドル、スイスフランが比較的強いのに対し、豪ドル、ポンドが弱い動きでした。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】【直近1ヶ月の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
直近1ヶ月の通貨強弱チャートを見ると、カナダドルや豪ドルが弱いのに対し、NZドル、ポンドが比較的強い状態が続いています。
円やユーロは比較的強弱がはっきりとしない横ばい推移、前週まで弱かった米ドルは少し反発しています。
【先週のFXの主要28通貨ペアの騰落率ランキング】
主要通貨ペアの相関性分析
先週のドルストレートの相関性を見ると、全体的に多少の相関はあるものの、通貨ペアによっては、少し相関性が低いものもありました。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
ドル円、クロス円の通貨ペアの相関性は全体的に相関性はそれほど高くなく、円の強弱ははっきりとしていなかったのが確認できます。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
ユーロを含む主要な通貨ペアの相関性は、全体的に相関性を見出すことができるものの、通貨ペアによっては、相関性の低いものもあり、ユーロの強弱がはっきりとしていたというほどでもないようです。
【先週のユーロを含む主要な通貨ペアの相関性】
先週の株価指数CFDの動き
米国市場
先週の米国の株価指数CFDはCPIの結果を受けて、序盤こそ底堅さをみせたものの、後半は軟調な推移が続きました。
欧州市場
欧州の株価指数CFDも全体的に下押す動きとなりました。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数CFDは中国や香港の株価指数が比較的底堅いのに対し、その他の銘柄は、上値の重い推移となりました。
【株価指数CFDの騰落率ランキング】
最新の騰落率ランキングはこちら先週の商品CFDの動き
先週の商品CFDはエネルギーや農産物が比較的底堅いのに対し、金、銀、銅は上値の重い動きとなりました。
【商品CFDの騰落率ランキング】
最新の騰落率ランキングはこちら米国債利回りの推移
【残存期限別の米国債利回りの推移】
米国債利回りは、前週に続き、伸び悩みました。
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】
直近5週の金曜日のイールドカーブの比較を見ると、1年以上の利回りが全体的に低下しており、短期債利回りが長期国債利回りを上回る「逆イールド」状態が続いています。
【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
Fedwatchツール
【直近5営業日のFedWatchToolにおける次回FOMC会合後の政策金利予測の推移】
CMEグループが公表するFedWatchToolでは、次回(2023年1月開催)のFOMCに関して、25bp利上げと50bp利上げで割れるような状態でしたが、週末にかけては25bp利上げの確率が上昇しました。
出所:CMEグループFedWatchToolにおける次回FOMC会合時の政策金利予測の推移
OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は、134円台から138円付近までのレンジで上下に推移しています。
OANDAのオープンポジションを見ると売買の偏りは少ない中、136-138付近のレンジで構築されたポジションが売買双方で多く、このレンジをしっかりと抜ける動きとなると、苦しくなった方のポジションの損切りが増え、方向感が出てくる可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートでは下落基調が続いていましたが、徐々に安値、高値を切り上げる動きに転じつつあります。
このため、下押しの際は安値を結んだラインや直近の安値水準を守ることができるか、上値を探る動きとなった場合は、直近の高値を突破できるか等に注目しながら、反発地合いが続くかを見守りたいです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の通貨先物市場の円の投機筋のポジションは前週に続き、売買双方のポジションが減少する中、円売りポジション比率が少し低下しています。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2022/12/13)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週のユーロドルは底堅い推移が続き、一時は1.07台を回復する動きとなりましたが、その後は伸び悩み、1.06台を割り込んで週末を迎えています。
OANDAのオープンポジションを見ると、直近の下押しで苦しくなった買いポジションが多い状態です。
このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移となる可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いていましたが、直近ではトレンドラインを少し割り込み、上昇の勢いが和らいでいるようにも見えます。再度高値を探る場面では直近の高値水準を突破できるか、下押しの際は、過去のレジスタンスやサポート水準を守れるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【EUR/USDの4時間足チャート】表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の通貨先物市場の投機筋のユーロのポジションは前週に比べ、売買双方が減少する中、ネットした売買の比率はほとんど変わりませんでした。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2022/12/13)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは、底堅い推移が続き、一時は1.245付近まで上昇後、下押しに転じています。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、直近の下押しで苦しくなった買いポジションが多い状況です。
このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移となる可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いていますが、直近では少し深めな下押しとなっており、反発の際に高値を切り上げることができるか、下押しの際は、安値を結んだラインや直近の安値水準を守れるか等に注目しながら、上昇基調が継続できるかを見守りたいです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週の火曜日時点の通貨先物市場の投機筋のポンドのポジションは売買双方のポジションが少し増える中、売りポジションの減少傾向が続いています。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2022/12/13)】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは、0.69に迫る動きとなった後、0.667付近まで下落しました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、その多くが直近の下押しで含み損を抱えている状況です。
このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移となる可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いていましたが、直近では深めな下押しとなっており、12月初旬のサポートである0.667付近まで下落しています。まずは、この水準を守ることができるか、反発の際は高値を切り上げらるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の通貨先物市場の投機筋のポジションは売買双方のポジションが少し減る中、ネットした売りポジション比率の減少傾向が続いています。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2022/12/13)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は一時は4100台まで上昇するも、失速し、3800台まで下落し、週末を迎えました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、直近の下押しで苦しくなった買いポジションが増えています。
このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移となる可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いていましたが、安値を切り下げる動きに転じています。反発の際には高値を切り上げることができるか、下値を探る場面では、直近の安値水準を守ることができるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の投機筋のS&P500E-miniのポジションは買いポジションが減少したのに対し、売りポジションが増加しています。
【投機筋の先物市場のS&P500 E-miniのポジションの推移(最終更新日2022/12/13)】
今週の注目材料
今週は日銀の金融政策決定会合が予定されています。
市場予想は金融政策の現状維持との見方が中心ですが、結果の発表前後や黒田総裁の記者会見中は、市場が過敏に反応する可能性に注意が必要です。
また、今後の日米の金融政策を占う上で重要な日本では消費者物価指数、米国ではPCEデフレーターといった物価関連の経済指標にも注目が集まりそうです。
このほか、市場ではクリスマスを控え、徐々に市場参加者が減り、流動性が低下することが予想され、値動きが荒くなる可能性に注意したいです。
今週の主な経済イベント
米国
12/19 24:00 米国12月NAHB住宅市場指数
12/20 22:30 米国11月住宅着工件数、建設許可件数
12/21 21:00 米国MBA住宅ローン申請件数
12/21 22:30 米国7-9月期経常収支
12/21 24:00 米国11月中古住宅販売件数
12/21 24:00 米国11月消費者信頼感指数
12/22 22:30 米国7-9月期GDP確報値
12/22 22:30 米国週間新規失業保険申請件数
12/22 24:00 米国11月景気先行指数
12/23 22:30 米国11月耐久財受注
12/23 22:30 米国11月個人消費支出、個人所得、PCEデフレーター
12/23 24:00 米国12月ミシガン大消費者信頼感指数
12/23 24:00 米国11月新築住宅販売件数
ユーロ圏
12/19 18:00 ドイツ12月IFO景況指数
12/19 19:00 ユーロ圏10月建設支出
12/20 16:00 ドイツ11月生産者物価指数
12/20 18:00 ユーロ圏10月経常収支
12/20 24:00 ユーロ圏12月消費者信頼感指数
12/21 16:00 ドイツ1月GFK消費者信頼感指数
12/22 16:45 フランス11月生産者物価指数
日本
12/20 時刻未定 日銀金融政策決定会合結果発表
12/20 15:30 黒田日銀総裁記者会見
12/22 8:50 日本前週分 対外対内証券売買契約等の状況
12/22 14:00 日本10月景気先行・一致指数
12/23 8:30 日本10月全国消費者物価指数
12/23 8:50 日銀金融政策決定会合議事要旨
英国
12/22 16:00 英国7-9月期GDP改定値
12/22 16:00 英国7-9月期経常収支
オーストラリア
12/20 9:30 RBA理事会議事要旨公表
カナダ
12/20 22:30 カナダ10月小売売上高
12/21 22:30 カナダ11月消費者物価指数
12/23 22:30 カナダ10月GDP
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