先週は円が軟調 今週は米国FOMC、CPI、ECB理事会等の重要イベント続く OANDAラボ-マーケット最新情報(2022年12月12日)
先週のFX市場の動き
先週のFX市場は円、カナダドルが弱いのに対し、スイスフランや豪ドル、NZドル等が比較的強い動きでした。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】【直近1ヶ月の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
直近1ヶ月の通貨強弱チャートを見ると、NZドルの強さが目立つのに対し、米ドルやカナダドルが弱い動きを続けています。
【先週のFXの主要28通貨ペアの騰落率ランキング】
主要通貨ペアの相関性分析
先週のドルストレートの相関性を見ると、全体的に相関性は高めではあるものの、USD/ZARのように他のドルストレートと相関が低いペアもありました。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
ドル円、クロス円の通貨ペアの相関性は全体的に相関性はそれほど高くなかったようです。特に、先週はカナダドルが円とともに弱い動きであったため、CAD/JPYは他のクロス円との相関が低い値でした。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
ユーロを含む主要な通貨ペアの相関性は、前週に続き、全体的にバラバラでユーロの強弱ははっきりとしていなかったようです。
【先週のユーロを含む主要な通貨ペアの相関性】
先週の株価指数CFDの動き
米国市場
先週の米国の株価指数CFDは全体的に軟調な推移となりました。
欧州市場
欧州の株価指数CFDも全体的に上値の重い動きが続きました。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数CFDは概ね横ばいの銘柄が多い中、中国や香港の株価指数が比較的底堅い動きとなりました。
【株価指数CFDの騰落率ランキング】
最新の騰落率ランキングはこちら先週の商品CFDの動き
先週の商品CFDは原油の弱さが目立ったほか、小麦も軟調な推移となりました。
【商品CFDの騰落率ランキング】
最新の騰落率ランキングはこちら米国債利回りの推移
【残存期限別の米国債利回りの推移】
米国債利回りは、伸び悩む状況が続いています。
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】
直近5週の金曜日のイールドカーブの比較を見ると、短期債利回りが長期国債利回りを上回る「逆イールド」状態が続いています。
【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
Fedwatchツール
【直近5営業日のFedWatchToolにおける次回FOMC会合後の政策金利予測の推移】
CMEグループが公表するFedWatchToolでは、次回(2022年12月開催)のFOMCに関して、50bp利上げの確率が78%程度で推移しています。
出所:CMEグループFedWatchToolにおける次回FOMC会合時の政策金利予測の推移
OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は、前週の下落から反発したものの、上値も重く、136円台中盤で週末を迎えています。
OANDAのオープンポジションを見ると売買の偏りは少ない中、直近のレンジとなる135.60-137.00付近の水準に売買双方のポジションが多く、このレンジをしっかりと抜けるような動きとなると、苦しくなった方のポジションの損切りが増え、方向感が出てくる可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートでは下落基調が続く中、徐々に値動きが収縮し、力を貯めるような動きとなっています。
高値、安値を結んだラインや直近の高値、安値の水準等に注目し、均衡が上下いずれに崩れるかに注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の通貨先物市場の円の投機筋のポジションは売買双方のポジションが減少する中、円売りポジション比率が少し低下しています。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2022/12/6)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週のユーロドルは底堅い推移が続きましたが、1.06付近で上値が詰まる動きが続いています。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、高値圏で推移しているため、含み損を抱えた売りポジションが多い状況です。
このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
一方で直近の伸び悩みでストレスを抱えた買いポジションも少し増えており、高値圏では安堵の利益確定売りが上値を圧迫、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増える可能性にも注意が必要となりそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いていましたが、高値更新できずに伸び悩んでいる状態です。しっかりと高値を更新できるか、下押しの際は、安値を結んだラインや直近の安値水準を守れるか等に注目しながら、上昇基調継続の可能性を探っていきたいです。
【EUR/USDの4時間足チャート】表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の通貨先物市場の投機筋のユーロのポジションは前週に比べ、売買双方が少し増える中、買いポジション比率が少し上昇しています。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2022/12/6)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは、底堅い推移が続き、一時は1.23台に乗せる動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、高値圏で推移しているため、売りポジションの多くが含み損を抱えている状況です。
このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる場面では、これらのポジションの損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことはできそうです。
4時間足チャートを見ると、高値、安値を切り上げる上昇基調が続いており、下押しの際は安値を結んだラインや直近のサポート水準を守れるか、上値を探る場面では直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、上昇基調継続の可能性を探っていきたいです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週の火曜日時点の通貨先物市場の投機筋のポンドのポジションは買いポジションが増加したのに対し、売りポジションが減少しています。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2022/12/6)】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは、前半は上値が重かったものの、後半は底堅い動きに転じました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、高値圏で推移しているため、含み損を抱えた売りポジションが多い状況です。
このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いています。しっかりと高値を切り上げることができるか、下押しの際は安値を結んだラインや直近の安値水準を守れるか等に注目しながら、上昇基調継続の可能性を探っていきたいです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の通貨先物市場の投機筋のポジションは買いポジションが増え、売りポジションが減少したことにより、売りポジション比率が低下しています。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2022/12/6)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は上値の重い動きが続き、3900台前半まで下押しする動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、直近の下押しで苦しくなった買いポジションが増えています。
このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移となる可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いていましたが、直近の安値水準を割り込む水準まで下押ししており、流れが変わる可能性にも注意が必要な状況と考えられそうです。
下押しの際は、直近の安値水準を守れるか、反発の際は、直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の投機筋のS&P500E-miniのポジションは売買双方のポジションが減少しましたが、ネットした売買の比率は大きな変化はなく、売りポジションに傾く状況が続いています。
【投機筋の先物市場のS&P500 E-miniのポジションの推移(最終更新日2022/12/6)】
今週の注目材料
今週は米国で消費者物価指数、FOMC、小売売上高、欧州ではECB理事会等、重要なイベントが多数予定されています。
米国の消費者物価指数は上昇の勢いに鈍化傾向が見られるかに注目が集まります。市場予想との乖離が大きいと、市場に大きなインパクトを与える可能性があるため、発表前後の値動きには注意したいです。
FOMCは50bpの利上げとの見方が中心ですが、市場予想通りの結果となるか、また今後の金融政策の手がかりを求めて、声明文、メンバーの政策金利の予想、パウエルFRB議長の記者会見等に注目が集まり、声明文、経済見通しの発表からパウエルFRB議長の記者会見中は不安定な動きに注意したいです。
ECB理事会も同様に50bpの利上げとの見方が中心ですが、市場予想通りとなるか、また、今後の利上げに関する手がかりや、量的引き締めに関する情報等に注目が集まります。
今週の主な経済イベント
米国
12/13 4:00 米国11月財政収支
12/13 22:30 米国11月消費者物価指数
12/14 21:00 米国MBA住宅ローン申請件数
12/14 22:30 米国11月輸入物価指数
12/15 4:00 米国FOMC政策金利発表
12/15 4:30 米国パウエルFRB議長記者会見
12/15 22:30 米国12月NY連銀製造業景況指数
12/15 22:30 米国12月フィラデルフィア連銀製造業景況指数
12/15 22:30 米国11月小売売上高
12/15 22:30 米国週間新規失業保険申請件数
12/15 23:15 米国11月鉱工業生産
12/16 22:30 米国11月生産者物価指数
12/16 23:45 米国12月製造業PMI、サービス業PMI(速報値)
ユーロ圏
12/13 16:00 ドイツ11月消費者物価指数
12/13 19:00 ドイツ12月ZEW景況感指数
12/13 19:00 ユーロ圏12月ZEW景況感指数
12/14 19:00 ユーロ圏10月鉱工業生産
12/15 16:45 フランス11月消費者物価指数(改定値)
12/15 22:15 ECB政策金利発表
12/15 22:45 ラガルドECB総裁記者会見
12/16 17:15 フランス11月製造業、サービス業PMI(速報値)
12/16 17:30 ドイツ11月製造業、サービス業PMI(速報値)
12/16 18:00 ユーロ圏11月製造業、サービス業PMI(速報値)
12/16 19:00 ユーロ圏10月消費者物価指数(改定値)
12/16 19:00 ユーロ圏10月貿易収支
日本
12/12 8:50 日本11月国内企業物価指数
12/12 8:50 日本10-12月期四半期法人企業景気予想調査(BSI)
12/14 8:50 日本10-12月期日銀短観
12/14 8:50 日本10月機械受注
12/14 13:30 日本10月鉱工業生産(確報値)
12/15 8:50 日本11月貿易統計
12/15 8:50 日本前週分 対外対内証券売買契約等の状況
12/15 13:30 日本10月第三次産業活動指数
英国
12/12 16:00 英国10月GDP
12/12 16:00 英国10月鉱工業生産
12/12 16:00 英国10月貿易収支
12/13 16:00 英国11月雇用統計
12/14 16:00 英国11月消費者物価指数・生産者物価指数
12/15 21:00 BOE金融政策、議事要旨公開
12/16 9:01 英国12月GFK消費者信頼感指数
12/16 16:00 英国11月小売売上高
12/16 18:30 英国12月製造業、サービス業PMI(速報値)
オーストラリア
12/12 8:30 オーストラリア12月ウエストパック消費者信頼感指数
12/12 9:30 オーストラリア11月NAB企業景況感指数
12/15 9:30 オーストラリア11月雇用統計
カナダ
12/14 22:30 カナダ10月製造業出荷
12/16 22:30 カナダ10月対カナダ証券投資額
12/16 22:30 カナダ10月卸売売上高
スイス
12/15 17:30 SNB政策金利発表
中国
12/15 11:00 中国11月鉱工業生産、小売売上高
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