ドルは小反発も上値の重さ残る 今週は週末にかけて流動性低下に注意 OANDAラボ-マーケット最新情報(2022年11月21日)
先週のFX市場の動き
先週のFX市場はNZドルやポンドが強いほか、前週最弱であった米ドルが多少買い戻されたのに対し、前週強かった円やスイスフランが弱い動きとなりました。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】【直近1ヶ月の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
直近1ヶ月の通貨強弱チャートを見ると、米ドルは多少の買い戻しが入ったものの、依然として弱さが残っているのが確認できます。
【先週のFXの主要28通貨ペアの騰落率ランキング】
主要銘柄の相関性分析
先週のドルストレートの相関性を見ると、前週に比べ相関性は低く、米ドルの強弱はそれほど明確ではなかったようです。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
ドル円、クロス円の通貨ペアの相関性は全体的に低く、円の強弱ははっきりとしていなかったようです。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
ユーロを含む主要な通貨ペアも、全体的に相関は低く、ユーロの強弱ははっきりとしていなかったようです。
【先週のユーロを含む主要な通貨ペアの相関性】
先週の株価指数CFDの動き
米国市場
先週の米国の株価指数CFDは伸び悩む動きが続きました。
欧州市場
欧州の株価指数も高値圏で横ばい推移が続きました。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数は概ね横ばい推移となりました。
【株価指数CFDの騰落率ランキング】
最新の騰落率ランキングはこちら先週の商品CFDの動き
先週の商品市場では、天然ガスは反発したのに対し、原油は続落、金、銀、銅は軟調な推移、農産物はまちまちの動きとなりました。
【商品CFDの騰落率ランキング】
最新の騰落率ランキングはこちら米国債利回りの推移
【残存期限別の米国債利回りの推移】
米国債利回りは、米国CPI後の下落は一段落となりました。
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】
直近5週の金曜日のイールドカーブの比較を見ると、短期債の利回りが引き続き底堅いのに対し、長期債利回りが低下し、短期債利回りが長期国債利回りを上回る「逆イールド」状態が続いています。
【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
Fedwatchツール
【直近5営業日のFedWatchToolにおける次回FOMC会合後の政策金利予測の推移】
CMEグループが公表するFedWatchToolでは、次回(2022年12月開催)のFOMCでは50bpの利上げ確率が80%台まで上昇していましたが、週末には75bpの確率が少し上昇しています。
出所:CMEグループFedWatchToolにおける次回FOMC会合時の政策金利予測の推移
OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は、序盤に138円を割り込む水準まで下押し後は下げ渋る動きが続き、140円台を回復して週末を迎えています。
OANDAのオープンポジションを見ると売買の偏りは少ない中、直近の反発により苦しくなった売りポジションが少し増えています。
このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる場面では損切りの買いが増え、底堅い動きとなる可能性を見出すことはできそうです。
一方で、現在の水準付近で構築された買いポジションも多く、上昇した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる場面では損切りの売りが増え、上値の重さが残る可能性を見出すこともできそうです。
4時間足チャートでは急な下落が続いた後、揉み合うような動きが続いています。高値、安値を結んだラインや直近の高値、安値水準を上下いずれに抜けるか等に注目しながら、均衡が上下いずれに崩れるかにまずは注目したいです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点における投機筋の円の通貨先物市場のポジションは、売りポジション比率の緩やかな減少傾向が続いています。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2022/11/15)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週のユーロドルは1.05に迫る水準まで上昇後、伸び悩む動きが続いています。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少なく、直近のレンジで構築されたポジションが増える中、レンジ内の安値圏で推移していることもあり、含み損を抱えた買いポジションが多い状況です。
このため、安値を切り下げる動きとなると損切りの売りが増え、短期的にでも下押しが強まる可能性を見出すことができそうです。
一方で直近のレンジで構築された売りポジションも増えており、下押した水準では利益確定の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増える可能性にも注意が必要となりそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続く中、高値圏で徐々に値動きが収縮するような動きとなっています。
まずは直近の均衡が上下いずれに崩れるか下に崩れた場合は安値を結んだラインや直前の安値水準を守れるか、上値を探る場面では直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、上昇基調継続の可能性を探っていきたいです。
【EUR/USDの4時間足チャート】表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のユーロの通貨先物市場のポジションは買いポジション比率の上昇傾向が続いています。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2022/11/15)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは、一時は1.20台まで上昇したものの、その後は伸び悩む動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、高値圏で推移しているため、売りポジションの多くが含み損を抱えている状況です。
このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる場面では、これらのポジションの損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことはできそうです。
一方で直近の揉み合いで構築された買いポジションも増えており、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売り、高値を切り上げる動きとなると利益確定の売りが増え、上値の重さが残る可能性を見出すこともできそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続く中、徐々に値動きが収縮するような動きとなっています。
まずは直近の均衡が上下いずれに崩れるか、また、下押しの際は安値を結んだラインや直近のサポート水準を守れるか、上値を探る場面では直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、上昇基調継続の可能性を探っていきたいです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週の投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは売りポジション比率の低下傾向が続いています。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2022/11/15)】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは0.68付近まで上昇後、下押す動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、直近の下押しにより含み損をかかえた買いポジションが少し目立つ状況です。
このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移となる可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続く中、高値圏で伸び悩む動きとなっています。下押しの際は直近の安値水準を守れるか、上値を探る場面では高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、短期的な方向感を探っていきたいです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋の豪ドルの通貨先物市場のポジションは、売りポジション比率の緩やかな減少傾向が続いています。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2022/11/15)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は4040付近まで上昇後、伸び悩む動きが続いています。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、直近のレンジで構築されたポジションが増えています。
このため、直近のレンジを抜けるような動きとなると、苦しくなった方のポジションの損切りを絡め、短期的にでも方向感が出てくる可能性を見出すことができそうです。
まずは先週のレンジを上下いずれに抜けるかに注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のS&P500先物市場のポジションは、売りポジション比率が多い状況が続いています。
【投機筋の先物市場のS&P500 E-miniのポジションの推移(最終更新日2022/11/15)】
今週の注目材料
今週は米国で11月開催のFOMCの議事要旨の公開のほか、耐久財受注や新築住宅販売件数等の経済指標の発表が予定されています。
FOMC議事要旨では目新しい材料が出てくる可能性はそれほど高くないと考えられますが、内容に市場が過敏に反応する可能性もあるため、注意したいです。
このほか、23日はFOMC参加者のコメント機会も複数予定されており、今後の金融政策の手がかりを求めて注目が集まり、コメントに揺さぶられる可能性に注意が必要となりそうです。
欧州ではECB理事会の議事要旨の公開のほか、PMIの速報値やドイツのIFO景況指数の発表が予定されています。
本邦では全国の消費者物価指数の先行指標となる東京都区部の消費者物価指数や企業向けサービス価格指数の発表に注目が集まりそうです。
また、今週は米国が、木曜日に感謝祭、金曜日がブラックフライデーとなるため、祝日ムードが徐々に強まることが想定されます。
このため、週末にかけては流動性が低下し、値動きが荒くなる可能性に注意したいです。
今週の主な経済イベント
米国
11/22 24:00 米国11月リッチモンド連銀製造業指数
11/23 21:00 米国MBA住宅ローン申請件数
11/23 22:30 米国週間新規失業保険申請件数
11/23 22:30 米国10月耐久財受注
11/23 23:45 米国11月製造業、サービス業PMI(速報値)
11/23 24:00 米国11月ミシガン大消費者信頼感指数
11/23 24:00 米国10月新築住宅販売件数
11/24 4:00 米国FOMC議事要旨公開
ユーロ圏
11/21 16:00 ドイツ10月生産者物価指数
11/22 18:00 ユーロ圏9月経常収支
11/22 24:00 ユーロ圏11月消費者信頼感(速報値)
11/23 17:15 フランス11月製造業、サービス業PMI(速報値)
11/23 17:30 ドイツ11月製造業、サービス業PMI(速報値)
11/23 18:00 ユーロ圏11月製造業、サービス業PMI(速報値)
11/24 17:15 フランス11月企業景況感指数
11/24 18:00 ドイツIFO景況指数
11/24 21:30 ECB理事会議事要旨
11/25 16:00 ドイツ7-9月期GDP(改定値)
11/25 16:45 フランス11月消費者信頼感指数
日本
11/24 14:00 日本9月景気先行、一致指数
11/25 8:30 日本11月東京都区部消費者物価指数
11/25 8:50 日本10月企業向けサービス価格指数
11/25 8:50 日本 対外対内証券売買契約等の状況
英国
11/23 18:30 英国11月製造業、サービス業PMI(速報値)
カナダ
11/22 22:30 カナダ9月小売売上高
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