ポンドが全面安、資源国通貨が比較的堅調 今週は米国消費者物価指数、米国中間選挙に注目 OANDAラボ-マーケット最新情報(2022年11月7日)
先週のFX市場の動き
先週のFX市場はポンドが全面安となったほか、米ドルやユーロが比較的弱い動きとなったのに対し、豪ドルやカナダドル、NZドルが比較的強い動きとなりました。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】【直近1ヶ月の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
直近1ヶ月の通貨強弱チャートを見ると、直近では強かったポンドが失速しているのに対し、NZドルや豪ドルが上昇しているのが確認できます。
【先週のFXの主要28通貨ペアの騰落率ランキング】
主要銘柄の相関性分析
先週のドルストレートの相関性を見ると、全体的に相関性は高いものの、ドル円は他のドルストレートとの相関性はそれほど高くなかったようです。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
ドル円、クロス円の通貨ペアの相関性はクロス円同士の相関性は比較的高いものの、ドル円とクロス円の相関は低い動きとなりました。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
ユーロを含む主要な通貨ペアは、全体的に相関は低く、ユーロの強弱ははっきりとしていなかったようです。
【先週のユーロを含む主要な通貨ペアの相関性】
先週の株価指数CFDの動き
米国市場
先週の米国の株価指数CFDは全体的に上値の重い推移となりましたが、週末には少し盛り返す動きになりました。
欧州市場
欧州の株価指数は一時は下押したものの、週末にかけては高値を更新する動きとなりました。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数は、下落基調が続いた中国、香港の株価指数が反発に転じたのに対し、その他の株価指数は伸び悩む動きとなりました。
【株価指数CFDの騰落率ランキング】
最新の騰落率ランキングはこちら先週の商品CFDの動き
先週の商品市場では、天然ガスが前週に続き強い動きとなったほか、他の銘柄も全体的に底堅い動きとなりました。
【商品CFDの騰落率ランキング】
最新の騰落率ランキングはこちら米国債利回りの推移
【残存期限別の米国債利回りの推移】
米国債利回りは、上昇傾向が続いています。
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】
直近5週の金曜日のイールドカーブの比較を見ると、短期債利回りは上昇が続いているものの、中長期債は伸び悩み、依然として短期債利回りが長期国債利回りを上回る「逆イールド」状態が続いています。
【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
Fedwatchツール
【直近5営業日のFedWatchToolにおける次回FOMC会合後の政策金利予測の推移】
CMEグループが公表するFedWatchToolでは、次回(2022年12月開催)のFOMCでは50bp(0.50%)利上げと75bp(0.75%)利上げに割れていますが、週末には少し50bp利上げとの見方が強まったようです。
出所:CMEグループFedWatchToolにおける次回FOMC会合時の政策金利予測の推移
OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は、146ー148円台で方向感の鈍い動きが続きました。
OANDAのオープンポジションを見ると売買の偏りは少ない中、直近のレンジ内の安値圏で推移していることもあり、含み損を抱えた買いポジションが少し目立つ状況です。
このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる場面では損切りの売りが増え、上値の重さが残る可能性を見いだすことができそうです。
4時間足チャートでは徐々に値動きが収縮し、力を貯めるような動きが続いており、高値、安値同士を結んだラインや直近の高値、安値水準等に注目しながら、均衡が上下いずれに崩れるかを見守りたいです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点における投機筋の円の通貨先物市場のポジションは、前週に比べ、円売りポジション比率が少し低下しました。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2022/11/1)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週のユーロドルは、上値の重い推移が続きましたが、週末の雇用統計後に反発に転じ0.99台を回復する動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、直近の反発により、含み損を抱えた売りポジションが増えています。
このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことはできそうです。
4時間足チャートを見ると、直近では下落基調が続いていましたが、比較的大きな反発となった後だけに、流れが変わる可能性も視野に入れながら、方向感を探っていきたいところです。
まずは、下押しの際は直近の安値を守ることができるか、再度高値を探る場面ではしっかりと高値を切り上げることができるか等に注目しながら、反発地合いが続くかを見守りたいです。
【EUR/USDの4時間足チャート】表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のユーロの通貨先物市場のポジションは前週に続き、買いポジション比率が上昇しています。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2022/11/1)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは、上値の重い推移が続きましたが、週末の雇用統計後に少し戻す動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、直近の反発で苦しくなった売りポジションが少し多い状況です。
このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる場面では、これらのポジションの損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことはできそうです。
4時間足チャートを見ると、直近では下落基調が続いた後、半値程度戻した状況ですが全体的に方向感を見出しにくい状況です。
下押しの際は安値を結んだラインや直近のサポート水準を守れるか、上値を探る場面では高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週の投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは前週に続き、売りポジション比率が少し低下となりました。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2022/11/1)】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは上値の重い推移が続きましたが、週末の雇用統計後に下落分を取り戻す動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率がやや多い中、直近の反発で苦しくなった売りポジションが増えています。
このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる場面では損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、少し前にサポートとして活躍した0.627付近で踏ん張り、反発に転じる動きとなりました。
直近では下押しが続いていましたが、比較的大きな反発が入った後ということで、下押しの際は直近の安値を守れるか、高値を探る場面では高値を切り上げることができるか等に注目しながら、反発地合い継続の可能性を探っていきたいです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋の豪ドルの通貨先物市場のポジションは、前週と大きな変化はなく、売りポジションに傾く状況が続いています。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2022/11/1)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は上値の重い推移となりました。週末に少し反発したものの、3800台を回復できずに伸び悩む動きが続いています。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションが少し多い中、直近のレンジとなる3700-3800付近で構築されたポジションが多い状況です。
このため、このレンジを抜けると、苦しくなった方のポジションの損切りが増え、短期的にでも方向感が出てくる可能性を見出すことができそうです。
下値を探る場面では安値を結んだラインや直近の安値水準を守れるか、上値を探る場面では、高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、均衡がどちらに崩れるかを見守りたいです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のS&P500先物市場のポジションは、売りポジション比率が少し減少しています。
【投機筋の先物市場のS&P500 E-miniのポジションの推移(最終更新日2022/11/1)】
今週の注目材料
今週は今後の米国の金融政策を占う上で重要な消費者物価指数の発表が予定されています。
インフレ率に鈍化傾向が出てくるかに注目が集まり、結果を受けて市場が過敏に反応することが予想されるため、発表前後の値動きには注意したいです。
また、米国では8日に中間選挙が予定されています。直近では共和党が優勢との報道も増えており、ねじれ(バイデン大統領は民主党、議会の一方または双方が共和党の状態)が生じる可能性が浮上しています。
米国ではねじれが発生することは珍しいことではありませんが、債務上限問題の発生リスクが高まり、政府機関閉鎖やデフォルトに陥る可能性が出てくるなど、バイデン政権の運営に支障をきたすことが想定され、市場にとってはネガティブな材料となりそうです。
ただし、中間選挙の年の10月末から翌年にかけては、大統領選に向けた政策期待等を背景に、株価が上昇しやすいというアノマリーもあり、中長期的にはあまり神経質にならなくてもよいのかもしれません。
今週の主な経済指標
米国
11/8 5:00 米国9月消費者信用残高
11/8 米国中間選挙
11/9 21:00 米国MBA住宅ローン申請件数
11/9 24:00 米国9月卸売売上高
11/10 22:30 米国10月消費者物価指数
11/10 22:30 米国週間新規失業保険申請件数
11/11 4:00 米国10月月次財政収支
11/11 24:00 米国11月ミシガン大消費者信頼感指数
ユーロ圏
11/7 16:00 ドイツ9月鉱工業生産
11/8 16:45 フランス9月経常収支、貿易収支
11/9 19:00 ユーロ圏9月小売売上高
11/11 16:00 ドイツ10月消費者物価指数(改定値)
日本
11/9 8:50 日本9月国際収支
11/9 14:00 日本10月景気ウォッチャー調査
11/10 8:50 日本10月マネーストックM2
11/11 8:50 日本10月国内企業物価指数
英国
11/9 9:01 英国10月RICS住宅価格指数
11/11 16:00 英国7-9月GDP速報値
11/11 16:00 英国9月鉱工業生産
11/11 16:00 英国9月貿易収支
オーストラリア
11/8 8:30 オーストラリア11月ウエストパック消費者信頼感指数
11/8 9:30 オーストラリア10月NAB企業景況感指数
スイス
11/7 15:45 スイス10月失業率
11/7 15:45 スイス10月失業率
中国
11/7 未定 中国10月貿易収支
11/7 10:30 中国10月消費者物価指数、生産者物価指数
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